「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 電子レンジで猫をチン!-50

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【電磁人の韻律詩50~忍び寄る影・忍び寄らない影~】

「ふっ、今日は組織の仕事とは関係ない正義の味方の仕事だぜ。」
「もはやそれは仕事じゃない。」

明日真は今日も元気に正義の味方をやっていた。
バイクの準備をし、仮面を付けて、マントを羽織る。

「そういえばお兄さん、雪絵は仮面ライダーアイスを買ってきて欲しいのです。」
「この髑髏ルックで買ってこいと……?」
「目立つ格好の謎の人物なんてこの町では良くあることだよアスマ、ついでにからあげクン買ってきて。
 あとなんかガレージで雨漏りしてるから帰ってきたら修理しといて。」
「あってはならねえよ……。」
「やってる本人が言うべきではないと思うのです。」
「フランちゃんに賛成だね。」
「うぅ……。いいもん、変態に見られても俺はこの町をこの能力で守るんだもん。」
「…………能力で、思い出したんですけど。」
「ん?」
「お二人の能力って変じゃないですか?」
「と、いうと?」
「私はお二人が同時に能力を使っているのを見たことがないのですよ。
 なんていうか一つの物を交互に使っているというか……。
 あと恋路さんが人間型を取っている点も変ですよう。」

雪絵は首をかしげる。そもそも彼女は感覚昨日特化型のフランケンシュタインだ。
そんな彼女には恐らくわずかな違和感も見過ごせないのだろう。




「そもそも明日さんの容量も言っちゃ悪いですがひどいです。
 最低基準です。戦闘力5なのです。
 系統が合っているから適合率はそこそこですが……。
 それもまあそこそこってだけです。」
「おふぅ!」

フランケンシュタイン雪絵ちゃん。
五感などは鋭くても空気や人の心の機微は読めない。
ある意味純粋。

「一部の契約者は巨大な容量で物体系の都市伝説を人間型にできると聞きましたが……。
 明日さんの容量ではそれも無理……。」
「や、やめるんだ!アスマだって自分が微妙性能なのには気付いてる!」
「リョウシンニハムカシカラユウシュウナアネトクラベラレタニンゲンノキモチナンテダレニモワカラナイ」
「うわっ、お兄さんが何時にない負のオーラを!?
 なんかごめんなさい!」
「好奇心は正義の味方を殺した……。」
「ソレジャアキョウモミマワリイッテミヨー」

明日真は全力でその場から逃げ出した。




「さぁ、おーまえのー罪をー数えー。」

明日真はバイクに跨り夜の町を走る。
辛いことはすぐに忘れられるタイプなのだ。

ところで、明日家の面々は感知系統の能力が高い。
マイクロ波を飛ばしてその反響を肌で感知できる明日真と恋路。
そして五感を意図的に改造されたフランケンシュタイン雪絵。
雪絵に至っては一部痛覚をマスキングしてどれだけのダメージを受けても身体が動く限り戦闘を続けることも出来る。
正義の味方である以上、この感知能力の高さは明日真に役に立っていた。
そして今日も、明日真のレーダーにかかる都市伝説独特の電磁波。
契約者二名に襲いかかってる大量の都市伝説。
これはまあ放っておいても大丈夫、どんな都市伝説でもある程度の自衛はできる。
だから自分は契約者を倒すべきだと明日真は判断した。

「ああ、居た居た。」

明日真は大量の都市伝説を操る男の顔に見覚えがある。
「組織」で危険な契約者としてマークされていた男で、
罪もない一般人を襲って回っているのだそうだ。
明日真はバイクのアクセルを全力で踏み込んだ。
かなりの距離まで近づいたところで男はやっと明日の存在に気付く。
ゴン、と鈍い音が響いて男は明日のバイクにはね飛ばされた。
脚の骨は折れただろうと思った明日は追い打ち気味に腕にマイクロ波を打ち込んで水分を奪い取る。
明日はバイクから下りて先ほどまで襲われていた二人の契約者に声をかける。
若い男、しかも外国人の二人組だ。




「怪我はないか!?」
「………いっやあああああああああ!!??変な人が出たぁああああああっ!!??」
「え!?俺、変な人!?」

本日二度目の変態扱いである。
流石の明日真も涙目だ。
しかしそれでも彼は自分の仕事を忘れない。
明日は男を「組織」に連行することにした。
途中で少し抵抗されたが明日は二人組の手を借りて何の問題もなく無力化に成功する。

「…ありがとう、助かった」
「いや、こちらこそ」
「イ、イザーク!」
「…ジョルディ」
「大丈夫?大丈夫??怪我、してない?そ、そっちの変な人も、大丈夫?」
「……変な人……」

本日三度目の変な人呼ばわりである。
明日真の繊細なメンタルはもうボロボロだ。

「えぇと……旅行者、かな?だとしたら、この街はちょっと気を付けたほうがいい。契約者が多いから、さっきみたく襲撃される事が、後でもあるかもしれない」
「………あぁ、それは、よくわかっている」

しかし、正義の味方として明日は一応二人組に警告をする。
するとジョルディと呼ばれた青年がまた脅え始めた。





「また襲われるかも………また………いやぁあああああっ!?ボクは食べてもおいしくないっ!?肉付きよくないしおいしくないからっ!?イザークも正直筋肉質だから、食べてもかたくておいしくないと思みぎゃっ!?」

ごがっ!!と
また何を想像したのやら悲鳴を上げだしたジョルディを、イザークは剣の柄で力一杯殴って黙らせた
きゅう、とジョルディは意識を失う

「っちょ、い、いいのか?」
「…こうして黙らせるのが早いんだ、困った事に」

確かに困った物だ、と明日は苦笑いをする。

「……早いうちに、学校町を離れたほうがいい」
「え?」
「…よくない事が起きる、確実に」
「……どういう、事だ?」
「………詳しくは、知らない方がいい。ただ、大切な者を連れて、学校町を離れたほうがいい。せめて、大切な相手だけでも逃がしておけ………助けてくれた礼だ。
 せめて、それだけは告げておく…これ以上は、言えない」

そういって、二人組は明日の前から去っていった。

「それなら、尚のこと誰かを助けるためにここに残らないと……。」

明日真は決意したように呟いた。




明日真はその後、深夜十二時を過ぎるまで見回りを続けた。
それが終わると彼はコンビニでアイスとからあげくんを買って家に帰った。

疲れた彼を迎えたのは、再び廃墟になった明日家と血を流して倒れている恋路だった。

「――――恋路!」

恋路を抱え上げて肩を揺する。
月明かりが彼女を照らす。
その姿を見て明日真は再び驚いた。
恋路の髪の色が、目の色が違う。

「美しいね、非情に美しい。安心したまえ、君の恋人は無事だ。身体には傷一つ無い。
 少し心を揺さぶって眠って貰っているだけだよ。」
「誰だ!」
「久し振りだね明日真君、私だよ。」

明日は突如後ろから聞こえてきた声に振り返る。
しかしそこには誰も居ない。

「彼女の“偽りの記憶”を殺させて貰った。
 どうやら精神のバランスを崩してしまったみたいだから優しく見守ってくれ。
 そして……、次はこれだ。」

明日の背をなぞる冷たい感覚。

「君が恋人と二人で行っていた“契約”を殺させて貰った。
 君まで反抗されると面倒だからね。君にはつつくほどのトラウマもない。」





明日は咄嗟にマイクロ波で声の主を迎撃しようとする。
だがマイクロ波は発生しない。

「物覚えが悪いようだね、……君の契約は死んだ。」

声の主は明日の目の前に姿を表す。
その顔はまるで彫刻のように冷たい美貌を湛えていた。
月の青い光を浴びて彼はまるで自身が芸術であるかのように明日真を見下ろす。
彼は小脇に雪絵を抱えていた。
明日は彼が何かの事情で雪絵を掠おうとしていると判断し、それを助けねばならないと判断した。

「うおおおおおおお!」
「待てよ、坊主。」

明日は素手でその男に殴りかかる。
だが、彼の拳は男には届かない。
彼の拳は突然現れた男の胴体に直撃した。

「ぐっ!」
「せっかく拾った命だ。大事にしろ。」

鉄でも殴ったかのような衝撃が明日の拳に走る。
比較的身長の低い明日真と向かい合うとまるで大人と子供のようになる。
男は加えていた煙草を吐き出し、ハスキーな声で明日に語りかける。





「坊主、俺たちの創造主の狙いはそこのガキだけだ。
 お前とその恋人とは創造主と何か縁が有るらしいからな。
 創造主はお前らを殺したくな……」

明日は大男の股をくぐって創造主と呼ばれた男に迫る。
だが今度はどこからか長く伸びてきた腕が明日真を捕まえた。

「う~ん、可愛らしいわあ。正義の味方に憧れてるのネッ!
 そういうピュアなオトコノコってアタシだーい好キッ!」

腕の持ち主はくねくねとシナを作っているオカマだった。
明日は隠し持っていたナイフでオカマの腕を突き刺してなおも創造主に向かう。

「あんた達何しくじってんのよ!」

その声と同時に明日の脚を銃弾が貫く。
明日はそのまま地面に倒れた。
二丁の拳銃を構えた雪絵とそっくりな少女が明日に銃口を向ける。




「く、っそ……。」
「まったくもう、やっと姉様を迎えに来れたんだもの。
 ここでしくじったら台無しじゃない!」
「……どけろ。」
「はぁ?アンタ馬鹿ぁ?」
「良いからどけろって言ってるんだよ。」
「どけろって言われてどけるわけ……。」
「じゃあ、良いよ。」

明日は鬼のような形相で少女を睨む。
普段の彼を知るものには絶対想像できないような顔だ。
そんな顔のまま明日真は何も言わずに少女を撃たれたはずの脚で蹴り飛ばした。
予想もしない反撃で全員があっけにとられる。
転んだ少女の顔面を明日は何の容赦もなく踏みつけ、銃を奪い取って創造主に引き金を引こうとする。
だがその瞬間、明日真に炎を纏った長髪の男が体当たりを仕掛ける。

「がふっ!」
「ひゅー、ナイスガッツ。」

明日の首の後ろに男の手刀が突き立てられる。
視界がどんどん薄れていく。
最後の力で明日は長髪の男の首に何発かの銃弾を撃ち込む。

「ぐあっ!」
「良くないこと……、逃げる間も無いとはね。」

明日は自嘲気味に呟いて、そのまま気絶した。



「ねぇ、本当にこいつ見逃すの?
 なんか怖いよこいつ……。
 本当に姉様を大事に保護していたと思えないよ。」
「それは事実ですよ、十一号。貴方の御姉様は彼と仲良くしてらっしゃいました。」
「でも……。」
「良いじゃねえか。こういう奴は良い戦士になる。
 人間は追い詰められたらなんでもできる、だから強いのさ。
 只の人間の底力を舐めたお前が悪い。」
「野性味溢れる男前、キライジャナイワ!」
「そういうことじゃありませんよ皆さん。
 彼と私の間には因縁がある。
 顔見知りを殺すのは私の主義ではないんですよ。」
「なんでぇ、つまらねえな。そんだけか。」
「首が……首から血が……。さっさと直してくれ創造主。」
「ええ、それでは皆さんそろそろ行きましょう。
 最後の同胞を迎えて、私たちの計画も大詰めです。
 殺して並べて改造して……素敵な美術館(セカイ)を私たちで作りますよ。」

創造主――拝戸直――はそう言って微笑んだ。

炎を纏った男は明日をガレージに投げ飛ばす。
明日の持っていたコンビニの袋は戦闘の衝撃で中身が飛び散っていた。
月がアイスの残骸とそれに付いてきていたカードを照らしていた。
【電磁人の韻律詩50~忍び寄る影・忍び寄らない影~】

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