…12月24日
勤めている高校は二日前に冬休みに入っており、彼は暇を持て余していた
クリスマスイブ、共に過ごす異性は存在しない
自分にそんな相手を見つけるよりも、弟にそう言う相手が見付かる方が先だ
まったく、さっさと結婚してこちらを安心させてほしいものなのだが
勤めている高校は二日前に冬休みに入っており、彼は暇を持て余していた
クリスマスイブ、共に過ごす異性は存在しない
自分にそんな相手を見つけるよりも、弟にそう言う相手が見付かる方が先だ
まったく、さっさと結婚してこちらを安心させてほしいものなのだが
雪ふる街を歩く不良教師
…今日くらいは、何かクリスマスらしい料理でも買って帰って、弟に楽でもさせようか
彼が、そう考えていると
…今日くらいは、何かクリスマスらしい料理でも買って帰って、弟に楽でもさせようか
彼が、そう考えていると
「…あら?あなた…」
「………うん?」
「………うん?」
かけられた声に振り返る
そこにいた姿に、振り返った事をやや後悔した
そこにいた姿に、振り返った事をやや後悔した
「あはは、ひっさしぶり!」
彼に気づいたその女性は、嬉しそうに駆け寄ってきた
…高校の頃の、知り合いだ
悪友、とでも言った方がただしいかもしれない
…高校の頃の、知り合いだ
悪友、とでも言った方がただしいかもしれない
「…お前か。久しぶりだな」
「何よ、嫌そうな顔して」
「何よ、嫌そうな顔して」
むぅ、と不満げな表情を浮かべてくる女性
が、次の瞬間には笑顔を浮かべてくる…ころころと、表情が変わる
高校の頃と、あまり印象は変わっていない
…昔を思い出し、やや憂鬱になった
が、次の瞬間には笑顔を浮かべてくる…ころころと、表情が変わる
高校の頃と、あまり印象は変わっていない
…昔を思い出し、やや憂鬱になった
「デートにでも向かい最中だったかしら?」
「…そんな相手はいない」
「あら、高校の頃は、女をとっかえひっかえだったくせに」
「あの頃の話はするな」
「…そんな相手はいない」
「あら、高校の頃は、女をとっかえひっかえだったくせに」
「あの頃の話はするな」
はいはい、と笑ってくる彼女
たゆん、とその重たそうな胸が揺れている
たゆん、とその重たそうな胸が揺れている
「…第一、そう言うお前はどうなんだ?」
「私?私は弟と一緒の予定よ」
「……相変わらずだな」
「私?私は弟と一緒の予定よ」
「……相変わらずだな」
相変わらず、男っけがないのだな
そう考えながら言ってやったのだが…
そう考えながら言ってやったのだが…
「…ふふっ」
にやり
彼女は、勝ち誇ったように言ってくる
彼女は、勝ち誇ったように言ってくる
「まぁ、昼間は恋人と一緒にいる予定だけど」
………
…………
……………
…………
……………
「何よ、呆けて」
「…今、理解不能な単語が耳に飛び込んできたな」
「私に恋人がいちゃいけないって言うの?」
「…今、理解不能な単語が耳に飛び込んできたな」
「私に恋人がいちゃいけないって言うの?」
悪いとは言わない
だが、理解不能なだけだ
この女と付き合う、物好きがいたとは
だが、理解不能なだけだ
この女と付き合う、物好きがいたとは
「拾う神が存在する、ということか」
「酷い言われようね」
「酷い言われようね」
むー、と彼女は不満そうだ
…決して、彼女はモテない訳ではなかった
ただ、その性格などから、付き合おうと考える男が存在しなかっただけだ
不良教師や彼の弟も、彼女を恋愛対象として見たことはただの一度もない
好敵手として見た事なら、何度かあるが
…決して、彼女はモテない訳ではなかった
ただ、その性格などから、付き合おうと考える男が存在しなかっただけだ
不良教師や彼の弟も、彼女を恋愛対象として見たことはただの一度もない
好敵手として見た事なら、何度かあるが
「恋人がいるくせして、それを放っておいて夜は弟と、か。やっぱり相変わらずだな。ブラコン」
「あなたに言われたくないわよ。あなただって、今日は弟君と一緒なんでしょ?」
「…互いに相手がいないだけだ」
「あなたに言われたくないわよ。あなただって、今日は弟君と一緒なんでしょ?」
「…互いに相手がいないだけだ」
自分はブラコンではない
周りにどんなに指摘されようとも、不良教師はそれを認めないのだ
表にあまり出さないだけで、ブラコンである事は事実なのだが
周りにどんなに指摘されようとも、不良教師はそれを認めないのだ
表にあまり出さないだけで、ブラコンである事は事実なのだが
「はいはい、あなたこそ、相変わらずね
くすくすと、彼女は笑う
昔と変わらぬ笑顔だ
明るく、裏表のない、真っ直ぐな笑顔
どこまでも真っ直ぐで、己の正義を信じる彼女
…彼と弟が両親を亡くし、その話題性の高い事件故マスコミに騒がれていた時、彼らを護ろうと奮闘してくれていたあの頃から、何も変わっていなかった
昔と変わらぬ笑顔だ
明るく、裏表のない、真っ直ぐな笑顔
どこまでも真っ直ぐで、己の正義を信じる彼女
…彼と弟が両親を亡くし、その話題性の高い事件故マスコミに騒がれていた時、彼らを護ろうと奮闘してくれていたあの頃から、何も変わっていなかった
「…ふふっ、とりあえず、弟君を大事にするのよ?大事な家族なんでしょ?」
「……一応な」
「素直じゃないわねぇ」
「……一応な」
「素直じゃないわねぇ」
苦笑し、彼女は空を見上げる
釣られて、不良教師も空を見上げた……見あげてしまった
先ほどから、見ないようにしていたと言うのに
釣られて、不良教師も空を見上げた……見あげてしまった
先ほどから、見ないようにしていたと言うのに
「…嫌な空よねぇ」
「…全くだ」
「…全くだ」
なんと言う混沌
全力で関わりあいたくない
全力で関わりあいたくない
「変な事に巻き込まれないようにね。それじゃあ」
「…そっちこそな」
「…そっちこそな」
またね、といって、彼女は走り去る
不良教師はその背中を見送り、ため息をついた
…昔の、それもそれなりに親しかった相手と顔を合わせたのは久しぶりだ
昔の記憶が蘇る
不良教師はその背中を見送り、ため息をついた
…昔の、それもそれなりに親しかった相手と顔を合わせたのは久しぶりだ
昔の記憶が蘇る
「…クリスマス、か」
幼い頃は、弟共々サンタを信じていたものだ
共同でトラップをしかけてサンタを捕獲しようとしたなど…微笑ましいような忘れたいような記憶だ
当然、高校の頃には既にそんなものは信じなくなっていたが、彼女はまだサンタを信じていたのを覚えている
共同でトラップをしかけてサンタを捕獲しようとしたなど…微笑ましいような忘れたいような記憶だ
当然、高校の頃には既にそんなものは信じなくなっていたが、彼女はまだサンタを信じていたのを覚えている
『誰かが信じ続けていれば、きっとサンタクロースは実在するわよ』
きっぱりと、そう言っていた彼女
…思えば、それが事実なのだろう
誰かがサンタクロースを信じれば、それは都市伝説として実在する
……今、上空を飛んでいるサンタ共はさておき、だ
…思えば、それが事実なのだろう
誰かがサンタクロースを信じれば、それは都市伝説として実在する
……今、上空を飛んでいるサンタ共はさておき、だ
「…都市伝説の事も知らない癖に」
よく、あんな事が言えたものだ
変わり者の友人との再会
今夜の話の種にでもしようか、そんな事を考えた
変わり者の友人との再会
今夜の話の種にでもしようか、そんな事を考えた
彼は気付いていない
上空を飛び回るサンタ達は、「組織」の手により一般人には見えないはずである事実を
上空を飛び回るサンタ達は、「組織」の手により一般人には見えないはずである事実を
……見えているのは、霊力の高い人間か、都市伝説か……都市伝説契約者だけである、その事実に
to be … ?