「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ※ただしイケメンに限る-11

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
【平唯の人間観察第十二話「影」】

「キャッメーンライドゥアー!
 キラメクィンナァズマー!
 キャッメーンライドゥアー!
 アッイッノッセンシー!
 カメンラーイダーブラーックアッーエッックス!」
「どうしてどうしてこうなった……。」
「純ちゃん落ち着いて!?そんな今にも死にそうな顔しちゃ駄目だよ!」
「うふふ、どうしよう唯ちゃん、私は私は汚されちゃいましたー……。」
「きっとめーちゃんが慰めてくれるから!そんな虚ろな目でこっち見ないで!?」
「そうだ、私は私はお兄ちゃんの所に行ってくるね……。」
「えっ、ちょ何する気ですか純さん。」
「え、何って……。」

ガチャ
ヘリコプターのドアが開く。
もの凄い勢いで風が入るが、月美さんは気にせずにヘリ内部についていたカラオケマシーンで熱唱中である。
私たちは今、とある事情でヘリに乗っているのだ。
パイロットは笹木師匠である。

「ちょっと高度3000mからダイブするだけだよ?」
「やめてええええええええええええええええ!!!」
「えいっ。」

純ちゃんの小さな身体が空を舞う。
慌ててサンジェルマンが後を追って彼女をワープさせた。
何処にワープさせたのだろうか。



二分後。

「ロンッッリー!ロンリハート!
 地球は愛が住まう星ぃいぃぃい~!」
「……ゲーム風に言うと死に戻ってきました。」
「うわっ、全裸でヘリの中に現れやがった!なんて便利な不老不死!?」
「痛いから嫌なんですけどねえ。純さんを笛吹探偵事務所に届けてきましたよ。
 まあ友さんとか茜さんがにゃんにゃんしてて明也さんが死にかけてましたから……」

サンジェルマンがヘリの中に戻ってきた。
どうやら地面に激突して死んでからここで肉体を再構築したらしい。
錬金術ってすごいね!

「今はちょっとした修羅場になってるかもですけど気にしないでいきましょう。」
「なにそれ私も混ぜろよ。」
「何言ってるのこの人は!?」
「そういや俺、上田家長男に会ったこと無いぞ。」
「若い頃の明久さんを操作系にした感じです。」
「うわっ、会いたくねえ。」
「へー、パパそっくりなんだー。」
「貴方は会ったこと有るじゃないですか。」
「無いよー。会っててもそれは私じゃない。」
「ところでサンジェルマン、なんで私たちこんな事になってたんだっけ。」
「あれ、言ってませんでしたか?」
「おいおい馬鹿弟子、ちゃんと任務の話は聞けよ。」
「そうだぞ妹よ、ちゃんと話は聞け。」

え、なんか私が悪いみたいな雰囲気。
かくなる上は仕方ない。




「でもほら、私ってイケメンじゃないですか。」
「うん。」
「ええ。」
「まあね。」
「だから話聞かなくても許されると思いません?」
「ああ。」
「ですね。」
「なるほど。」

三名全員が納得した。
流石※イケメンに限るの都市伝説。
効果は抜群だ。

「じゃあもう一度任務の説明しますよ。」
「はい。」
「とりあえずこれから唯さんと月美さんで……」
「ちょぉっと待った!」
「なんですか笹木さん。」
「俺聞いてないぞそれ!
 なんで色情狂と俺の弟子を同じ任務に!しかも私無しで!出撃させるんだ!」
「私は色情狂じゃない、ただちょっと女の子が好きなだけだ。」
「うるせえ、№333に手出してるんじゃねえよ!」
「そこはほら、お前が唯ちゃんにばっかり構って寂しそうだったから……。
 あの子胸はぷるんとして身体は締まってて頂き甲斐が有ったぜー。」
「てっめ、あの子のおっぱいは俺が育てたんだ!お前にどうこうされる筋合いはない!」

レズビアン同士の痴情の縺れなんてこの世で一二を争う聞きたくないお話だぞ。
流石の私もこれにはどん引きだ。





「まあ馬鹿二名は放っておいて……。
 任務の説明をしますね。
 本当は純さんと貴方と№1でハーメルンの笛吹きを確保して頂く予定だったのですが。
 純さんの精神状態がアレなので、彼女は家に帰してきました。
 だから貴方と№1だけ。
 任務そのものはそれほど難しくない、ぶっちゃけ家出してるメルさんの身柄を確保するだけですから。」
「あれ?メルちゃんって直さんの所に……。」
「脱走しました。」
「…………。」
「そんな眼で見ないでください。まだ被害者は少ないし、組織にも伝わってないんですから。
 今の内にこっそり彼女を捕まえておかないとまた面倒なんですよ。」
「つまりめーちゃんの尻ぬぐいを……。」
「姉と妹にやらせると。」
「…………流石サンジェルマン、汚いな。」
「なんで貴方たちさっきまで喧嘩してたのに協力して私攻撃するんですか。」
「俺を混ぜると言うことで落ち着いた。」
「そりゃ重畳、私も混ぜてくださいよ。」
「そりゃ駄目だ、女の世界に男が入ってくるもんじゃない。」
「そうそう、333ちゃん総受けとかテンション上がるなあ。
 他の女性陣も呼んでおこうぜ。」
「オッケー、朝までフィーバーだ!」
「何こいつら怖い。助けてサンジェルマン。」
「残念ながら無理ですね。私も月一で漢祭りとかやってますから。」
「うわぁ……。」
「話を戻しましょうね、とりあえずこれからこのヘリで降りる予定の場所にメルさんが居る筈です。
 彼女を説得して我々の所に連れ帰ります。
 無理だったら……、殺してください。」

予想もしなかった言葉に私は耳を疑った。




「え?」
「殺すのですよ、最悪のケースに備えて。」
「いやでもめーちゃんがあんなに大事に……。」
「それが彼のためです。
 ここでメルさんが下手に人を襲えば被害を被るのは明也さんです。
 今の彼は一人じゃない、守るべき自分の家族が居るんだ。
 それを彼女の勝手な行動で破壊させる訳には……。
 研究資料としても都市伝説より異常者の方が価値が高い。」
「な……。」
「おいおいブルー入ってるな妹ー。
 駄目だぜ、幾ら仲良くても任務ならしっかりやらなきゃ。」
「うぅ……。」
「クールになれよ愛弟子、向こうが素直に保護されてくれるなら、
 俺たちが責任持って身柄を保護する準備はあるんだからよ。」
「私個人としては嫌いだけどね、弟を大量殺人者にしたわけだし。」
「お父様と同じことを言うのですね、貴方は。」
「パパも同じ事言ってるの?やっぱ親子だねー。」

やっぱこの人達怖い。
と、思えた自分に少し安堵を覚えていた。
なんでこんな平気で殺すとか消すとか言えるのだろう。
そうやって疑問を持てる内はお姉ちゃんともめーちゃんとも違って、私は普通でいられる。
それが、その事実が少しだけ私の心を慰めた。
【平唯の人間観察第十二話「影」fin】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー