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連載 - 花子さんと契約した男の話-61a

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 …そこにやってきた、その少年の姿に、望は見覚えがあった
 昨年の、中央高校での騒動の際、少し顔をあわせているし
 今年のGW中の花見の時、翼の知り合いらしいことを知った少年
 確か、名前は…

「…獄門寺 龍一?」
「ん?知り合いか?」

 上田に問い掛けられ、えぇ、と頷く望
 あの、前が見えているのかと突っ込みたくなる長い前髪と、傍に付き添っている花子さんの姿からして、間違いないだろう
 ただ…

(……あんな雰囲気だったかしら?)

 以前、見かけた時と
 明らかに…雰囲気が、違う
 そう感じた望
 以前は、あんな……どこかほの暗い雰囲気など、背負っていなかったはずなのだが…

「来たか」
「……今の俺では、戦力外なのだろう?」

 ぼそり、と
 愛美の言葉に、龍一が答える
 一瞬、前髪の間から、目が、見えて

 高校生とは思えぬ鋭さに、一瞬、望はぞくりと悪寒を感じた
 あの目の奥にあるものを、以前、どこかで見かけたことが、ある
 同じではない、だが、限りなく似ているものを

 ……そうだ
 悪魔の囁きに取り憑かれ、暴走していた時の、朝比奈 秀雄
 あの目に……どこか、似ている
 目的の為ならば、誰が相手であろうと容赦しない
 ただただ、目的の為だけに進み続ける
 ……それは
 一歩間違えば、修羅の如く

「……戦力外と言われる程度の力では、誰も護れない、何も護れない……また、失敗するだけだ。ならば、俺は強くならなければならない」
「みー、花子さんも強くなるの!」

 ぴ!と龍一の傍らの花子さんが、元気に続けてくる
 龍一の背負っている修羅の雰囲気が、花子さんのおかげで辛うじて和らいでいる、そんな印象

「……それで、俺は、どうすればいいんだ?」

 力を求める、強い渇望
 かすかな、焦り
 龍一の声からは、それが滲み出ていて

 …愛美は
 自分の言葉が、この少年を、堕ちれば底のない、暗い闇の修羅の道へと、一歩、引きずり込んでしまったような
 そんな錯覚を、覚えたのだった




to be … ?





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