…そこにやってきた、その少年の姿に、望は見覚えがあった
昨年の、中央高校での騒動の際、少し顔をあわせているし
今年のGW中の花見の時、翼の知り合いらしいことを知った少年
確か、名前は…
昨年の、中央高校での騒動の際、少し顔をあわせているし
今年のGW中の花見の時、翼の知り合いらしいことを知った少年
確か、名前は…
「…獄門寺 龍一?」
「ん?知り合いか?」
「ん?知り合いか?」
上田に問い掛けられ、えぇ、と頷く望
あの、前が見えているのかと突っ込みたくなる長い前髪と、傍に付き添っている花子さんの姿からして、間違いないだろう
ただ…
あの、前が見えているのかと突っ込みたくなる長い前髪と、傍に付き添っている花子さんの姿からして、間違いないだろう
ただ…
(……あんな雰囲気だったかしら?)
以前、見かけた時と
明らかに…雰囲気が、違う
そう感じた望
以前は、あんな……どこかほの暗い雰囲気など、背負っていなかったはずなのだが…
明らかに…雰囲気が、違う
そう感じた望
以前は、あんな……どこかほの暗い雰囲気など、背負っていなかったはずなのだが…
「来たか」
「……今の俺では、戦力外なのだろう?」
「……今の俺では、戦力外なのだろう?」
ぼそり、と
愛美の言葉に、龍一が答える
一瞬、前髪の間から、目が、見えて
愛美の言葉に、龍一が答える
一瞬、前髪の間から、目が、見えて
高校生とは思えぬ鋭さに、一瞬、望はぞくりと悪寒を感じた
あの目の奥にあるものを、以前、どこかで見かけたことが、ある
同じではない、だが、限りなく似ているものを
あの目の奥にあるものを、以前、どこかで見かけたことが、ある
同じではない、だが、限りなく似ているものを
……そうだ
悪魔の囁きに取り憑かれ、暴走していた時の、朝比奈 秀雄
あの目に……どこか、似ている
目的の為ならば、誰が相手であろうと容赦しない
ただただ、目的の為だけに進み続ける
……それは
一歩間違えば、修羅の如く
悪魔の囁きに取り憑かれ、暴走していた時の、朝比奈 秀雄
あの目に……どこか、似ている
目的の為ならば、誰が相手であろうと容赦しない
ただただ、目的の為だけに進み続ける
……それは
一歩間違えば、修羅の如く
「……戦力外と言われる程度の力では、誰も護れない、何も護れない……また、失敗するだけだ。ならば、俺は強くならなければならない」
「みー、花子さんも強くなるの!」
「みー、花子さんも強くなるの!」
ぴ!と龍一の傍らの花子さんが、元気に続けてくる
龍一の背負っている修羅の雰囲気が、花子さんのおかげで辛うじて和らいでいる、そんな印象
龍一の背負っている修羅の雰囲気が、花子さんのおかげで辛うじて和らいでいる、そんな印象
「……それで、俺は、どうすればいいんだ?」
力を求める、強い渇望
かすかな、焦り
龍一の声からは、それが滲み出ていて
かすかな、焦り
龍一の声からは、それが滲み出ていて
…愛美は
自分の言葉が、この少年を、堕ちれば底のない、暗い闇の修羅の道へと、一歩、引きずり込んでしまったような
そんな錯覚を、覚えたのだった
自分の言葉が、この少年を、堕ちれば底のない、暗い闇の修羅の道へと、一歩、引きずり込んでしまったような
そんな錯覚を、覚えたのだった
to be … ?