「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-61b

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 修行が開始される、その直前
 俺の手元に、どこからか刀が転送されてきた
 …すらり、と鞘から抜かせてもらう
 無名の物のようだが…良い刀のように見える

『愛美さん。都市伝説と契約者の連携が禁止なら、今の龍一は武器なしだ。これくらいは送ってもいいだろ?』

 翼さんの声が聞こえてくる
 恐らく、スーパーハカーにCOA内で調達してきてもらった物なのだろう

「まぁ、構わんが……だが、このCOA内で扱われているアイテムの中には、都市伝説が混じっていると聞く。その刀、都市伝説ではないだろうな?」

 …なるほど、COA内にはそう言う物も混じっているのか
 ちらり、花子さんに視線をやる
 花子さんは、じっと、刀を見つめてきて

「…みー、都市伝説の気配はないの」
「私も、その刀からは都市伝説の気配を感じません」

 ミナワという名前らしい少女も、保障してきた
 ならば、問題はないだろう

「…ありがとうござます、翼さん」
『ん。気にすんな………無理するなよ?』
「……お気遣い、感謝します」

 ぱちん、と刀を鞘に収める
 俺がそれを腰から下げたところで、構えていた笛吹が走り出した

「……攻撃許可も、20秒後、だな?」
「あぁ」

 このやり取りの間に、20秒が立った
 笛吹の姿は、まだ見えている
 それなら……届く

 鞘からの抜刀
 狙いは、笛吹の頭の上にあるふざけたネコミミ

 空気を切り裂く音がして

「----っ!?」

 笛吹が、軽く体を傾ける
 ぱらぱらと、髪が数本、舞ったのが見えた

 …駄目だ、外した
 やはり、俺はまだこれを扱いこなせていない
 一度、刀を鞘に戻した

「って、ちょっと待てぇえええええええええええ!!??今の何、今の何だ!?都市伝説使用禁止っつったろ!?」
「みー、花子さん、何もしてないの」

 走りながら抗議してきた笛吹に、花子さんが答えている
 そうだ、花子さんは何もしてない
 花子さんの能力に、衝撃波を飛ばすような物はない
 もちろん、俺の身体能力を強化するような能力もない

 とにかく、笛吹を追いかけなければ
 距離を離されると面倒だ

『刀を抜刀する勢いで衝撃波飛ばしただけだろ』
「だけじゃねぇっ!!??それは達人級かそれ以上の化け物が使うような技だろっ!?一介の高校生が使うもんじゃねぇよっ!?」
『俺は刀は使わないからよく知らないけど。龍一は将門様から稽古つけてもらってるから。将門様が使うのを見て覚えたんじゃないか?』
「見よう見まねで覚えられる技じゃないっ!!??つーか、祟り神に稽古つけてもらうとか何その死亡フラグに思えなくもない無茶振りっ!?」

 翼さんの言う通りだ
 将門公の見よう見真似でやってはみたが……やはり、まだ無理だ
 もっと命中精度をあげないと、目標に当たらない
 それでは、意味がない

 ……しかし、あの笛吹という男、よくもまぁ平気でべらべら喋りながら走れるものだ
 呼吸も乱れるだろうし、舌を噛む危険性があるだろうに
 そもそも、このような戦闘中は、無闇に口を開くものじゃない

 俺以外も、皆、笛吹を追いかけているように見える
 だが、あちらの方が一歩一歩の歩幅もあるし、早い
 なかなか追いつけそうに無いし、やはり、距離を離される

 …もう一度、抜刀した
 直後に鞘に戻し、二度、三度
 当たらないことはわかっている
 だが

「っとと!?」

 狙いは、笛吹の足元
 当たらなくとも良い
 ほんの少しでも、相手の足を鈍らせることができれば十分だ

 …と
 笛吹が、何かしたのだろうか
 モンスターが、集まってきたのが見える
 レベルは……せいぜい、150から160前後の者ばかり

 これなら、寄って来ても、問題はない
 そのうちの数体が、俺に飛び掛ってきたのが、見えたが

「………失せろ」

 それらを、睨みつける
 消えろ、と
 やや威圧するように、睨み、そう告げた



「…あれ?」

 笛吹こと上田は、とりあえず、一番鬱陶しそうな龍一の足をとめようとモンスターを呼んだ
 それを龍一にけしかけ、足止めさせるつもりだった

 だが
 そのモンスター達が、龍一に殺到しようとした、瞬間
 龍一が、長い前髪の下から……それらを睨み、短く、小さく呟いて
 その瞬間に……モンスター達は、恐怖を感じたかのように、散り散りに逃げ出したのだ

 その瞬間、上田が龍一から感じたものは
 以前、般若を背負った大樹から感じた、威圧的な気配に……どこか、似ていた





to be … ?




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