尻尾モフモフこっくりさん 契約
こっくりさんこっく(ry
誰もいない放課後の教室で俺たちは机を囲っていた。一度先生に見つかったが
誰もいない放課後の教室で俺たちは机を囲っていた。一度先生に見つかったが
「おー、先生がお前たちくらいの時に流行ったなぁ。懐かしい。
まさか平成の世になってやってる奴を見るとは思わなかったよ。気をつけてやれよー。」
まさか平成の世になってやってる奴を見るとは思わなかったよ。気をつけてやれよー。」
とか言って帰ってしまった。この学校の職員は、本来注意すべきことでも
①懐かしい ②他人に迷惑をかけない この二点を守ってれば少し嬉しそうに見逃す人が多いから…。
①懐かしい ②他人に迷惑をかけない この二点を守ってれば少し嬉しそうに見逃す人が多いから…。
築城「うし、そろそろ来るぞ…多分」
松島「お前の不純な呼び方で大丈夫か?」
築城「大丈夫だ、問題ない。」
松島「お前の不純な呼び方で大丈夫か?」
築城「大丈夫だ、問題ない。」
築城も松島も俺の友人だ。イケメンではあるが残念な奴らだ…。ちなみに俺と花子様の関係を認知している…
というか、契約の一部始終に立ち会った。まあそれは別のハナシ。
というか、契約の一部始終に立ち会った。まあそれは別のハナシ。
今回のこっくりさん召還の言いだしっぺは築城だった。彼曰く
「俺も錦戸みたいに美少女と契約したい!!!!」
が動機らしい。
「俺も錦戸みたいに美少女と契約したい!!!!」
が動機らしい。
適当に始め、10円が動き始めた。が、のっけから築城はMAXだった。何がMAXって、築城がMAXだった。
築城「こっくりさんは女性ですか?」→はい
築城「こっくりさんは女性ですか?」→はい
はっきり言おう。今のは明らかにコイツが自分で動かした。間違いない。
しかし築城は止まらない。
しかし築城は止まらない。
築城「キターーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
そのまま色々質問を繰り返し…何問かは築城の力を感じたが、まあそれなりに時間が経過した。
松島「こっくりさん×2、そろそろお帰りくだs
築城「馬鹿野郎!!帰してどうする!!!契約がまだだろーが!!」
駄「いや、あまり無理やりだったりは色々危ない…今更だけど。」
築城「リア充は黙ってろ!!」
築城「馬鹿野郎!!帰してどうする!!!契約がまだだろーが!!」
駄「いや、あまり無理やりだったりは色々危ない…今更だけど。」
築城「リア充は黙ってろ!!」
ワーギャーやってるうちに、気づいたら皆して指を離しての大騒ぎ。
そして教室がなんか禍々しいことになってもやいのやいのして、ある声で我に帰った。
そして教室がなんか禍々しいことになってもやいのやいのして、ある声で我に帰った。
こ「お主ら、そろそろワシの話を聞かんか?」
ちょっとハスキーな女の子の声だった。
築城「美少女ヴォイスktkr!!って、なんだこりゃ!?教室が何かえらい事に!!?」
松島「これ大丈夫かよ?」
駄「地味に良くないと思う。」
松島「これ大丈夫かよ?」
駄「地味に良くないと思う。」
正直かなり圧迫感のある、息苦しい空間になっていた。築城には理解できないようだがな。
曲がりなりにも花子様といろんな状況を潜り抜けた経験と勘によれば、5段階評価で5の危険度だと思う。
曲がりなりにも花子様といろんな状況を潜り抜けた経験と勘によれば、5段階評価で5の危険度だと思う。
こ「なにをはしゃいでおる?ワシはこれから、おぬしらの魂を貰うと言っておるのじゃぞ?」
築城「言ってた?」
松下「さあ?錦戸聞いてた?」
駄「いんや。」
こ「騒いでて聞いとらんかったんじゃろ。こっくりさん中に指を離したからの。」
松下「さあ?錦戸聞いてた?」
駄「いんや。」
こ「騒いでて聞いとらんかったんじゃろ。こっくりさん中に指を離したからの。」
まずいな。普通にルールに従って行ってもアクシデントが発生してとんでもないことになることがあるこっくりさんだ。
指を離したら、大変なことにもなるわ。花子様に助けを求められれば…
指を離したら、大変なことにもなるわ。花子様に助けを求められれば…
こ「おい眼鏡。おぬしは契約者のようだが、助けを呼ぼうとしてもしても無駄じゃぞ。
今この教室はワシの支配下じゃ。いくら花子さんの類でも、進入は不可能…。もし入ってもここではワシには勝てんからの。」
今この教室はワシの支配下じゃ。いくら花子さんの類でも、進入は不可能…。もし入ってもここではワシには勝てんからの。」
流石は数多の質問に答える都市伝説、これくらいはお見通しか。どうすっぺ?
こ「というわけじゃ、諦めておとなしく狩られるがよい。」
ふわと、ぬるい空気が動いたと思ったら、教室の後ろに、奴は姿を現した。
なにやら黒紫ないかにもヤバそうなオーラを撒き散らし、かつどこか神々しさを感じさせる大型犬のような大きさの狐。初めに目に入った姿はそれだった。
そしてその狐を中心にオーラ的なものが渦を巻いたと思ったら、さっきまで狐が居たところには一人の美少女が立っていた。
気品と野生を感じさせる長い金髪、発育の良い中学生のような半熟で濃厚な色気、狐耳とモッフモフな尻尾を揺らす美少女。可愛らしくもややキツイ目つきに静かな、しかし重々しい怒りのこもった視線をこちらに向けていた。
そしてその狐を中心にオーラ的なものが渦を巻いたと思ったら、さっきまで狐が居たところには一人の美少女が立っていた。
気品と野生を感じさせる長い金髪、発育の良い中学生のような半熟で濃厚な色気、狐耳とモッフモフな尻尾を揺らす美少女。可愛らしくもややキツイ目つきに静かな、しかし重々しい怒りのこもった視線をこちらに向けていた。
築城「うおおおお!!!行けええええ!!俺のおいなりさんんんんンンン!!!!!!!」
おいなりさんで機嫌を取ろうという思考と、美少女都市伝説とキャッキャウフフしたいという思考
その二つが極限状態でジョグレス進化したらしい。
その二つが極限状態でジョグレス進化したらしい。
こ「そのテはもう効かんわ!!」
ずむっ
これほど美しい蹴りは無いだろうという、軽やかで切れ味の良い蹴りが、築城のおいなりさんに重々しく突き刺さった。
こ「あれから何十年もしたのじゃ、ワシもそこまでウブではないぞ。・・・ん?」
あきれと怒りを露にしたこっくりさんだったが、俺たちを見て何か思うところあるようだった。
こ「もしや、おぬしら…」
・
・
・
こっくりさんは俺たちから父親の名前を聞くと、妙に納得した顔でこう言った。
・
・
こっくりさんは俺たちから父親の名前を聞くと、妙に納得した顔でこう言った。
こ「なるほど、おぬしらがあやつらのおいなりさんから産まれたのか…どうりで。」
駄「知り合い?じゃあ見逃して
こ「そんなわけなかろう!!おぬしらの父どもがやったコトで、当時いたいけなワシは酷く怯えさせられたのじゃ!!
この築城とか言う奴の父親も下半身を露出してワシを追い払おうと・・・
この恨み、息子であるお前たちで晴らしてやるわ!!」
こ「そんなわけなかろう!!おぬしらの父どもがやったコトで、当時いたいけなワシは酷く怯えさせられたのじゃ!!
この築城とか言う奴の父親も下半身を露出してワシを追い払おうと・・・
この恨み、息子であるお前たちで晴らしてやるわ!!」
ごごごごと、本気でキレていた。動機はギャグだが状態はシリアスでホラーでデンジャーさを増していた。
松「ま、まってくだせえ!俺を数分この教室から出してください。油揚げ買ってきますから!!」
こ「油揚げや稲荷寿司で直るワシの機嫌ではないぞ。まあ、きんちゃくなら考えてやっても良いが、そんなもの持ってるわけなかろうて。」
築城「きんちゃく、それならあるけど」
駄「きんちゃく?」
築城「稲荷寿司の中身を餅にして煮たやつ。おでんなんかに入れるんだ。」
松「詳しいな。」
築城「実家の方の名産の油揚げと餅を大量に送られるんだが、処理しきれなくて困っていたときに出会った料理なのさ。」
駄「きんちゃく?」
築城「稲荷寿司の中身を餅にして煮たやつ。おでんなんかに入れるんだ。」
松「詳しいな。」
築城「実家の方の名産の油揚げと餅を大量に送られるんだが、処理しきれなくて困っていたときに出会った料理なのさ。」
そういえば、こいつの弁当によく入ってるな。飽きてるらしく食わないことも多いが
築城「というわけで、これで許してくれませんか(キリッ」
汁物も入れられる、水筒みたいな弁当入れからきんちゃくを取り出しながら言った。
こっくりさんはそれを口にいれると、えらく上機嫌になった。
こっくりさんはそれを口にいれると、えらく上機嫌になった。
こ「許す♪冷えてるのが残念だが、やはり美味いのぉ。冷えて地味に硬くなった餅の食感もまた、きんちゃくの楽しみ方じゃ♪」
さっきまでの気迫は何処へやら、幸せそうにきんちゃくをほお張るこっくりさん。
ぺろりと全てたいらげたこっくりさんには、もはやなんの脅威も感じられなかった。
ぺろりと全てたいらげたこっくりさんには、もはやなんの脅威も感じられなかった。
こ「のう、築城とやら。おぬし、契約がナントカと言っておったな?」
築城「まあ、そのために呼んだようなもんだし。」
こ「ではもう1つ聞こう。おぬしと契約したら、きんちゃくを好きなだけ食べられるかの?」
築城「餅と油揚げなら、棄てるほどあるから、多分。」
こ「うむ。そうか、それなら契約してやっても良いぞ。」
築城「まあ、そのために呼んだようなもんだし。」
こ「ではもう1つ聞こう。おぬしと契約したら、きんちゃくを好きなだけ食べられるかの?」
築城「餅と油揚げなら、棄てるほどあるから、多分。」
こ「うむ。そうか、それなら契約してやっても良いぞ。」
松「えええええええ!?」
駄「さっきまでは絶対許さないとか言ってたのに・・・」
駄「さっきまでは絶対許さないとか言ってたのに・・・」
こ「いやの、やはり指離しただの、まらを見せ付けられただので命を奪うのは大人気ないと思うてのー♪」
完全に食べ物で釣られている…。そんなにきんちゃくが好きなのか。
こ「よし、ではさっきのきんちゃくの礼じゃ、何かワシにして欲しいコトはないかの?」
駄「あれは『許し』の対価なんだから礼なんて…」
こ「そう言うでない。きんちゃくを貰って礼をせぬのは罰当たりじゃ。ほれ、何でも言ってみせい♪」
本当にきんちゃく与える前とは別人のように人が良い。なんと言うか酔って積極的になったお姉さんみたいな勢いだ。
築城「じゃ、じゃあ、き・・・キスを…」
要求するんかい。
こ「キス・・・接吻じゃな。どこにじゃ?」
要求するんかい。
こ「キス・・・接吻じゃな。どこにじゃ?」
築城「ほ・・・ほっぺに・・・」
あれだけ変態的にテンションを高騰できる築城だが、いざ女性とこうなるとアガリまくるのもまた築城だった。
こ「よし、わかった。」
目を力強く閉じ、ものすごく力んだ気をつけの姿勢の築城の頬…ではなく、唇にこっくりさんは口を付けた。
こ「契約の儀式を兼てな。きんちゃくの味と量次第では、もっと良い思いをさせてやっても良いぞ。」
緊張と興奮のピークを迎えた築城は、気をつけのままバタンと後ろに倒れた。
かくしてgdgdとこっくりさんと、俺の友人は契約したのだった。