傷ついた男性と、その肩を負った女性が、雪の中を歩いてゆく
そんな姿を、にやりと笑いながら眺めている影があった
そんな姿を、にやりと笑いながら眺めている影があった
「見つけたぞ・・・エイブラハム様に楯突く愚か者が」
エイブラハム・ヴィシャス傘下の子飼い契約者・・・総勢、666名
彼は、その内の1人である
つい先程、エイブラハムと、今目の前を歩いている男――トライ・ミニッツ・ライトニングが交戦した、
という情報が早くも子飼い達に通達された
「13使徒」でありながら、それを従えている者の命を狙った彼は“反逆者”の烙印を押され、
今まさに、その命を狙われている状況であった
しかし2人は、自分達に刺客が迫っていることに気づく余地もなく、只管に白い道の上を逃げる
彼は、その内の1人である
つい先程、エイブラハムと、今目の前を歩いている男――トライ・ミニッツ・ライトニングが交戦した、
という情報が早くも子飼い達に通達された
「13使徒」でありながら、それを従えている者の命を狙った彼は“反逆者”の烙印を押され、
今まさに、その命を狙われている状況であった
しかし2人は、自分達に刺客が迫っていることに気づく余地もなく、只管に白い道の上を逃げる
「ケケケケケ・・・白兵戦最強と謳われたあの男も、
疲労していてはまともに戦えまい・・・消すならば、今ほどの好機はないな」
疲労していてはまともに戦えまい・・・消すならば、今ほどの好機はないな」
殺意を篭めて呟くと、瞬間、彼の眼が変わる
続いて顔、腕、足、胴体、身体の全てが、人のものではなくなった
それは、正しく“赤い豹”
彼は“神を見る者”の名を持つ天使、「カマエル」の契約者
それはしばしば堕天使とも悪魔とも言われ、紙に歯向かう者達を容赦なく攻撃したという
続いて顔、腕、足、胴体、身体の全てが、人のものではなくなった
それは、正しく“赤い豹”
彼は“神を見る者”の名を持つ天使、「カマエル」の契約者
それはしばしば堕天使とも悪魔とも言われ、紙に歯向かう者達を容赦なく攻撃したという
「トライ・ミニッツ・ライトニング・・・その命、神に返せ!!」
豹の姿となった彼は、逃げ続ける2人に迫った――――――
「ちょっと宜しいかしら?」
と、不意に背後から声が聞こえた
獲物がもう目の前にいるというのに何なんだ、と彼は苛立ちながら、足を止めて振り向いた
獲物がもう目の前にいるというのに何なんだ、と彼は苛立ちながら、足を止めて振り向いた
「「お疲れ様」」
彼が最後に見たのは、幼く艶やかな2つの膝だった
† † † † † †
(レクイエム>なかなか人を見る目が無いな、エイブラハムという男は
こんな奴を従えていると、秘密裏に行動できなくなるだろうに
(ローゼ>でも、この方の独り言が大きかったお陰で、どのような状況か把握できましたわ
こんな奴を従えていると、秘密裏に行動できなくなるだろうに
(ローゼ>でも、この方の独り言が大きかったお陰で、どのような状況か把握できましたわ
気絶した赤い豹を見下ろしながら、口々に言うローゼとレクイエム
そして、後方で起こった事態に気づかず未だに歩を進める2つの影に目をやる
そして、後方で起こった事態に気づかず未だに歩を進める2つの影に目をやる
(ローゼ>このまま放っておけば、あの方は何れエイブラハム傘下の子飼い達に殺されてしまいますわ
(レクイエム>貴様に情報を提供したことを踏まえれば、悪い男でもなさそうだからな・・・
それに、傍の女は「13使徒」のリストには載っていなかった
(ローゼ>えぇ・・・暫く、彼を見張りましょう
(レクイエム>貴様に情報を提供したことを踏まえれば、悪い男でもなさそうだからな・・・
それに、傍の女は「13使徒」のリストには載っていなかった
(ローゼ>えぇ・・・暫く、彼を見張りましょう
彼女達は、気づかれぬように護衛を開始した
...To be Continued