「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-34

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匿名ユーザー

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 夢を、見ていた
 るりらるりら、と誰かが歌う声
 はらり、はらりと舞う桜の花びら
 それは、とても穏やかな時間だった
 花の向こう、笑うその姿に手を差し伸べて

 伸ばされた手は、こちらの手をつかめずにずるり、と落ちる
 血塗れの手、辺りは炎で囲まれている
 辺りの光景が一瞬で塗り替えられ、大きな木が燃え落ちようとしていた

「  、           」

 何か、語りかけられた気がした
 しかし、聞こえない、わからない
 血塗れのその手をとって、抱き上げる

 己のすべきことはわかっている
 火が燃え広がってしまう前に
 あの木が燃えつけてしまう前に


 たとえ、この身が人の身でなくなろうとも……………


 ごがっ、と、鈍い痛みで目を覚ました
 視界に入り込んできたのは、空の青と雲の白、樹の枝の影と木の緑

「鬼灯さん?大丈夫ですか?」
「あ?…………あー」

 どうやら、自分は眠っていたらしい
 むくり、と体を起こす………背中やら何やら、あちらこちら、痛い

「木の上から落ちてしまわれたようなのですが………お怪我はありませんか?」
「おぅ、これくらいなら問題ねぇ」

 ………うん、木の上で眠っていて、落ちた、ということなのだろう
 なんとも情けない話だ
 この程度の軽い打ち身であれば、人の身ではない己であれば、すぐに治る事だろう
 人の身であった頃等、数百年前のことであるから、詳しくは覚えていないが……

「………?」

 一瞬、つきり、と頭が傷んだ気がした
 何か、思い出せそうで思い出せなかったような、そんな………

「鬼灯さん」

 くっ、と、龍哉がこちらの顔を覗き込んでくる

「まだ、眠たいのでしたら、お部屋でお休みになられたほうがよいですよ」
「…………あぁ、そうするわ。ここんとこ、暑さでろくに寝てなかったしな」

 獄門寺家の冷房設備が整っていない、と言う訳ではないが、どちらにせよ寝不足気味なのは確かだ
 小さくあくびしつつ、立ち上がる

「「狐」探しで、連日、力を使われているのでしょう?………あまり、無理なさらないでくださいね」
「………おぅ。ま、俺以外にも、あちらこちらで探してんだしな、無理ない程度でやるさ」

 ……黙っていたが、やはり龍哉は気づいていたらしい
 いや、気づかれる程度に、己が疲れを隠せていなかっただけか
 もう少し、うまくやれるようにしなければ

 ふらり、とあてがわれている部屋にはいると、ごろり、と寝転がった
 静かに目をとじる

(…………夢を)

 夢を、見たくない
 夢を、見たい

(    、       )

 畳の感触を感じながら、また、眠りへとふっ、と落ちていった



 もう一度見た 夢の中で
 ゆらりと揺れた九つの尾の姿に、あの炎よりも強く燃えたぎる憎悪を、はっきりと感じながら



to be … ?




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