自分達の隠れ家へと帰っていく、その途中。ヴィットリオ逹は、自分逹に向けられている視線に、気づいた
あまり、良い感情がこもっていない。どちらかと言うと、敵意だろうか
あまり、良い感情がこもっていない。どちらかと言うと、敵意だろうか
「どうするの?」
「………どうすっか」
「………どうすっか」
あたりを見回す
この辺りは………まだ、人の目がある
人目につくところでは、まだ目立つことをする訳にはいかない。と、なれば
この辺りは………まだ、人の目がある
人目につくところでは、まだ目立つことをする訳にはいかない。と、なれば
「おびき寄せるか」
「ん、オッケー。ファーザー、行こう」
「ん、オッケー。ファーザー、行こう」
ミハエルの言葉に、ファーザータイムはこくりと頷いた
二人は、自分達に敵意を向けている相手に気付かれないように、少しずつ、自然に、人目のない道へと進んでいく
二人は、自分達に敵意を向けている相手に気付かれないように、少しずつ、自然に、人目のない道へと進んでいく
「それでさー、どうするの?殺すのは簡単だけど」
「そうだな………相手次第だな。消して問題なさそうな奴だったら、皓夜の食事用に確保だ」
「そうだな………相手次第だな。消して問題なさそうな奴だったら、皓夜の食事用に確保だ」
皓夜は鬼であるが、それ以上に女性である
ヴィットリオ的には、空腹で苦しんでいる仲間の女性の為に力になれるなら、出来る限りなってやりたいところだ
つまり、今、自分達に敵意を向けている相手次第では、美味しいご飯になってもらう必要がある、そういうことになる
ヴィットリオ的には、空腹で苦しんでいる仲間の女性の為に力になれるなら、出来る限りなってやりたいところだ
つまり、今、自分達に敵意を向けている相手次第では、美味しいご飯になってもらう必要がある、そういうことになる
「オッケー、えーと、じゃあ、ヴィットが捕まえる?」
「念の為いうが、お前らも協力しろよ」
「え、なんで。ヴィットの能力使えば、一発で捕獲出来るじゃん」
「お前とファーザータイムならな。それ以外は、ある程度、隙ないときついっつの。俺から、相手の意識そらすだけでもいいから」
「念の為いうが、お前らも協力しろよ」
「え、なんで。ヴィットの能力使えば、一発で捕獲出来るじゃん」
「お前とファーザータイムならな。それ以外は、ある程度、隙ないときついっつの。俺から、相手の意識そらすだけでもいいから」
そう、ヴィットリオが契約している都市伝説は、ミハエルが契約している「ファーザータイム」のような存在であれば、一瞬で無力化し捕らえる事が出来る
が、それ以外の存在は、流石にある程度隙を作ってもらわなければ、無理だ
少なくとも、ヴィットリオを警戒された状態では難しい
更にいうと、ヴィットリオは戦闘は全くといっていい程に出来ないのだ
ミハエルとファーザータイムに任せるしかない
が、それ以外の存在は、流石にある程度隙を作ってもらわなければ、無理だ
少なくとも、ヴィットリオを警戒された状態では難しい
更にいうと、ヴィットリオは戦闘は全くといっていい程に出来ないのだ
ミハエルとファーザータイムに任せるしかない
「仕方ないなぁ。それじゃあ、ボクとファーザーにおまかせだよ。ね、ファーザー」
「………うむ」
「………うむ」
ファーザータイムが、手にしていた大きな鎌を軽く揺らす
そして………ミハエルの手元にも、大きな鎌が一振り、姿を現した
ミハエルとファーザータイムが同時に動く。老人とは思えぬ、子供とは思えぬ動き。大きな鎌を手にしたまま、二人は高く、跳んで
そして………ミハエルの手元にも、大きな鎌が一振り、姿を現した
ミハエルとファーザータイムが同時に動く。老人とは思えぬ、子供とは思えぬ動き。大きな鎌を手にしたまま、二人は高く、跳んで
「っく!?」
ぎぃんっ!と二人の鎌が交差し、ヴィットリオとミハエルの後をつけてきていたその人物を、壁際に追い詰める
交差する鎌は首元に迫っており、少しでも動けば、首を切り落とされるだろう
彼らをつけてきていた、その相手は
交差する鎌は首元に迫っており、少しでも動けば、首を切り落とされるだろう
彼らをつけてきていた、その相手は
「………子供?」
ファーザータイムの呟き通り、それは子供だった
子供には、ファーザータイムが見えているのだろうか。敵意がこもった目で、ファーザータイムを睨みつけている
子供には、ファーザータイムが見えているのだろうか。敵意がこもった目で、ファーザータイムを睨みつけている
「大人め………っ!」
それは、ファーザータイムへの敵意と言うよりも、「大人全体への敵意」だった
その子供が、『凍り付いた碧』と呼ばれる集団に属している、「黒」と呼ばれる下位メンバーの一人である
その子供が、『凍り付いた碧』と呼ばれる集団に属している、「黒」と呼ばれる下位メンバーの一人である
「ねえねぇ、君。ボク逹になんか用ー?それとさー、君って家族とかいるー?」
「…っうるさい!俺には、親なんていない!!」
「…っうるさい!俺には、親なんていない!!」
……しかし、そんな事実はミハエルも、ファーザータイムも、そして
「そうか、それは好都合だな」
ヴィットリオも、当然、知らない訳で
ミハエルとファーザータイムにだけ意識を払っていたその「黒」は、ヴィットリオから意識が完全にそれていて
ヴィットリオの声に「黒」が反応するよりも早く、「黒」の体が、消えた………否、「閉じ込められた」
「黒」が立っていた場所に、人一人入りそうな大きさの樽が転がる
ミハエルとファーザータイムにだけ意識を払っていたその「黒」は、ヴィットリオから意識が完全にそれていて
ヴィットリオの声に「黒」が反応するよりも早く、「黒」の体が、消えた………否、「閉じ込められた」
「黒」が立っていた場所に、人一人入りそうな大きさの樽が転がる
「おー、相変わらず、発動しちゃえば一発だね」
じりじりっ、とその樽から距離を取るミハエル
過去に、ヴィットリオのこの能力で完封された事があるミハエル的に、若干トラウマらしい
過去に、ヴィットリオのこの能力で完封された事があるミハエル的に、若干トラウマらしい
(思えば、九十九屋が俺にミハエルの迎え任せたのは、ミハエルが何かやらかしそうになっても、俺なら完璧に止められるからなのかもなぁ……)
しみじみと、そんな事を思いながら
「死神を閉じ込めた樽」の契約者であるヴィットリオは、その樽を持ち帰り、皓夜へのおみやげとするのだった
「死神を閉じ込めた樽」の契約者であるヴィットリオは、その樽を持ち帰り、皓夜へのおみやげとするのだった
to be … ?