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連載 - 次世代の子供達-49

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匿名ユーザー

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 手際よく、野菜が切られていく。調理に関してはヴィットリオの方が手馴れているな、とアダムは改めてそう感じた

「おっさーん、そっちの調味料とってくれ」
「あぁ、わかった」

 ヴィットリオが指差した調味料の瓶を取ると、Grazie、と返事が返ってくる。ついでに鍋も、と言われたから、空の鍋を手渡した

「…何を作っているんだ?」
「おでん」
「おでん」
「前にコンビニで買って食べたのが美味かったから。俺が作るのだから、洋風になるけどな」

 なるほどおでん。通りで、イタリア料理ばかり作るヴィットリオにしては珍しく、大根も切っていると思った
 彼達の中では、ヴィットリオが一番、料理が出来る
 次点が唯、その次が一応はアダムなのだが、彼が作ることができるのは本当に簡単な物だけだ。切る、焼く、煮る、の単純な料理のみ
 それと比べれば、ヴィットリオは料理人並、とは言わないが料理のレパートリーが広いため、大変と助かる。ほぼイタリア料理だが
 …………なお、九十九屋は料理は全く、出来ない。あれは料理ではない、料理と呼べないナニカだった

「…っし、おっさん、後は俺がやっておくよ」
「手伝いはもういらないか?」
「あぁ。だから、お子様二人を頼んだ」

 うん?と思ってキッチンの入口を見る
 ……皓夜とアナベルが、じーーーっ、と、やや退屈そうにこっちを見ていた
 わかった、と頷いて、アダムは二人の元へ向かう

「どうした?……ミハエルと、唯は?」
「みはえるとゆい、いっしょにでかけたぞー。ふぁざーたいむもいっしょー」
「肉食べたいから、北区の山の方に行ってイノシシ獲ってくるって言ってたけど」

 居るのか、イノシシ。いや、いないとは断言出来ないが
 ……大丈夫だろうか。あの二人なら大丈夫だろうか?ミハエルも唯も能力は戦闘向きであるし、もしもの時はファザータイムがいる
 そのように考えつつも、アダムは少し心配だった
 ミハエルはまだ子供だし、唯だってまだハイスクール通い。子供と言っていいだろう。ファザータイムも一緒とはいえ、その二人でイノシシ狩り。大丈夫と思いつつ、それでも心配なのだ

(俺の子供みたいに、なってほしくもないし………)

 ーーーつきりっ、と
 一瞬、思い出してしまった記憶を振り払う
 あの方が行方不明になって以来、どうにも、昔のことを思い出す回数が増えてきた気がする

「う?あだむ、どうしたー?」
「……いや、なんでもない」

 なんでもないよ、と皓夜の頭を撫でようとして………しまった、手が届かない
 皓夜の方が背が高いから、仕方ないと言えば仕方ないのだが
 うー?と皓夜はアダムの様子に首を傾げ、皓夜の頭に乗っていたアナベルがその頭から落ちた。はしっ、と肩に捉まる事で床までは落下しなかった
 しばし、皓夜は考えて………どうやら、何かを察したようで

「こうー?」

 と、ちょっとかがむ、と言うかしゃがんできた
 確かに、これなら頭をなでられるのだが…………男として、微妙に複雑なのは、気のせいか

(まぁ、皓夜は鬼なのだから、人間よりデカイのは当たり前なんだよな……)

 そんな複雑な心境を振り払いながら、皓夜の頭を撫でてやる
 外見はともかく精神は子供同然のせいか、皓夜は頭をなでられると嬉しそうに、嬉しそうに笑って


 その笑顔に、一瞬だけ、子供の姿が、ダブって


(………あぁ、早く、あの方を見つけなければ)

 そうしなければ、「また」自分は耐えられなくなる

(それに、守って、やらないと)

 あの方の「命令」がなくとも、皓夜を死なせないように
 アダムはこっそりと、そう決意したのだった



to be … ?


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