11月23日。その日は、日本において「いい夫妻の日」とされている。の、だが
「………なのに!龍一さんは、私を置いてどちらにっ!?」
学校街、獄門寺家にて。13代目頭首獄門寺 龍一の妻である在処の叫びが、響き渡っていた
「厄介な都市伝説が出たから、そっちの討伐だってよ」
在処のその叫びに答えたのは、獄門寺家に客人として招かれている鬼灯
龍一と在処の第二子である龍威は、鬼灯に本を読んでもらっていたようで、ちょーん、と彼の膝の上に座っている
龍一と在処の第二子である龍威は、鬼灯に本を読んでもらっていたようで、ちょーん、と彼の膝の上に座っている
「っく………それならばそうと、私も誘ってくれれば、こう、夫婦の絆的なものを見せつけられる戦いであったと言うのに……」
「「今回の現場は、火気厳禁だ」と、お父さんが言っていました」
「それで何故、私が何も告げられずに置いて行かれる事にっ!?」
「お前さんの息子が話した理由で、だいたい察せられるだろ」
「「今回の現場は、火気厳禁だ」と、お父さんが言っていました」
「それで何故、私が何も告げられずに置いて行かれる事にっ!?」
「お前さんの息子が話した理由で、だいたい察せられるだろ」
龍威と鬼灯からのダブルの指摘に、っく、と言う表情になる在処
まぁ、事実なので、仕方ない。火気厳禁、と言うより、厳密には「爆発厳禁」な現場であった為、在処の同行は不可能だったのだ
そして、龍一は。万が一にも、それでも在処がついてこないように、事情を離さずに向かったようだった
まぁ、事実なので、仕方ない。火気厳禁、と言うより、厳密には「爆発厳禁」な現場であった為、在処の同行は不可能だったのだ
そして、龍一は。万が一にも、それでも在処がついてこないように、事情を離さずに向かったようだった
「こう、もうちょっと、私のことを信頼してくれてもいいでしょうに……」
「お母さんでしたら、確実に爆発させる、と信頼しているのではないでしょうか」
「息子のフォローがフォローなっていなくて、逆に辛い」
「お母さんでしたら、確実に爆発させる、と信頼しているのではないでしょうか」
「息子のフォローがフォローなっていなくて、逆に辛い」
10歳の息子のフォローがむしろ急所に当たったかの如く精神に追加ダメージを与えてくる
反論しようにも、何と反論したら良いやら
反論しようにも、何と反論したら良いやら
「夜になったら帰ってくるだろ、龍一の実力なら」
「まぁ………うん、そうですよね。龍一さんですから。「いい夫妻の日ラブラブ大作戦」は夜までおあずけです」
「具体的に何やろうとしてんのか知らんが、爆発はさせないようにしとけよ」
「爆発はさせませんよ!多分」
「まぁ………うん、そうですよね。龍一さんですから。「いい夫妻の日ラブラブ大作戦」は夜までおあずけです」
「具体的に何やろうとしてんのか知らんが、爆発はさせないようにしとけよ」
「爆発はさせませんよ!多分」
多分かよ、と言う鬼灯の突っ込みはスルーである
在処は、ワクワクと龍一の帰りを待つことにして………
在処は、ワクワクと龍一の帰りを待つことにして………
「…それで。何故、在処は布団に潜って蛹のような状態になっているんだ」
夜遅くに帰宅した龍一は、ぼそり、とそう口にした
龍一の視線の先では、布団に潜って微動だにしない在処の姿
……否、よくよく見れば、かすかに上下している。中に潜り込んでいる人間が、寝息を立てているようだった
息苦しくないのだろうか、と龍一はそんな事を考える
龍一の視線の先では、布団に潜って微動だにしない在処の姿
……否、よくよく見れば、かすかに上下している。中に潜り込んでいる人間が、寝息を立てているようだった
息苦しくないのだろうか、と龍一はそんな事を考える
「お父さんの帰りが遅かったので、「よろしい、ならばプランBです」、とお母さんは言っていました」
「…………そうか」
「…………そうか」
龍哉の言葉に、龍一は在処が何をしようとしていたのか、なんとなくではあるが、察した
大方、こちらを驚かせようとしたのだろう。多分ではあるが
大方、こちらを驚かせようとしたのだろう。多分ではあるが
「………ちなみに、在処、夕食は」
「途中で空腹に負けたのか、とりあえずお茶漬けは食べてました」
「途中で空腹に負けたのか、とりあえずお茶漬けは食べてました」
わかった、と頷く
まぁ、満腹でないのなら、いい。今夜中に起きなかったら、その時はその時、翌日に回せばいい
状況説明をしてくれた龍哉に感謝しつつ、とりあえず龍一は返り血その他を落とすために風呂へと向かった
まぁ、満腹でないのなら、いい。今夜中に起きなかったら、その時はその時、翌日に回せばいい
状況説明をしてくれた龍哉に感謝しつつ、とりあえず龍一は返り血その他を落とすために風呂へと向かった
頭を撫でられている感触を感じた
うとうとと覚醒しかけた意識が、再び眠りへと沈みそうになる
うとうとと覚醒しかけた意識が、再び眠りへと沈みそうになる
「……起きたか?」
が、聞こえてきた龍一の言葉に、在処はぱっ、と目を覚ました
自身の頭を撫でてきていた龍一を見上げて、笑う
自身の頭を撫でてきていた龍一を見上げて、笑う
「…おかえりなさい、龍一さん。遅いです。そして、置いていくなんて酷いです」
「………ただいま。今日の現場は、お前向きではなかった」
「………ただいま。今日の現場は、お前向きではなかった」
きっぱりと断言してくる龍一
あ、これ、すねてもいいかな、と、在処は再び、布団蛹になろうとして
あ、これ、すねてもいいかな、と、在処は再び、布団蛹になろうとして
「………今日は、いい夫妻の日とやらだから。お前とゆっくり出来なかった詫びに、ケーキを買ってきたのだが」
「龍一さん、私がケーキごときで釣られる安い女だと思いましたか!それに、この時間にケーキなんて食べたら確実に太ってしまうでしょう。そのケーキ限定物とかだと嬉しいので早く見せてくださいそして食べましょう」
「前半と後半が激しく矛盾しているようだが」
「龍一さん、私がケーキごときで釣られる安い女だと思いましたか!それに、この時間にケーキなんて食べたら確実に太ってしまうでしょう。そのケーキ限定物とかだと嬉しいので早く見せてくださいそして食べましょう」
「前半と後半が激しく矛盾しているようだが」
がばり、と起き上がった在処の姿に、龍一はほんの少し、笑って
「………至宝軒の、今月22日と23日限定の物だ」
「今すぐ食べます。あ、龍一さん、ちゃんと一緒に食べましょう。紅茶淹れてきますから」
「今すぐ食べます。あ、龍一さん、ちゃんと一緒に食べましょう。紅茶淹れてきますから」
ぱたぱたと、在処は台所へと向かう
爆発の危険性を感じたのか、龍一が後をついてきているのを感じながら、在処はほんわか、幸せを感じたのだった
爆発の危険性を感じたのか、龍一が後をついてきているのを感じながら、在処はほんわか、幸せを感じたのだった
おわれ