【はないちもんめの人のお話より】
「はい、お呼ばれしたのでお邪魔させていただきます」
「うん、ごめんね、龍哉。私達じゃちょっと見えないからさ……」
「確かに、美亜さんは素晴らしいスピードですね」
「すごくのんびりしたテンポで言ってくれてるけど見えてるのね、やっぱり」
「うん、ごめんね、龍哉。私達じゃちょっと見えないからさ……」
「確かに、美亜さんは素晴らしいスピードですね」
「すごくのんびりしたテンポで言ってくれてるけど見えてるのね、やっぱり」
ややぽわん、とした様子で勝負の様子を見ている龍哉
が、愛人と美亜、二人の戦闘を一瞬たりとも見逃している様子はない
生まれついての才能と今までの戦闘経験によって培われた動体視力なのだろう
が、愛人と美亜、二人の戦闘を一瞬たりとも見逃している様子はない
生まれついての才能と今までの戦闘経験によって培われた動体視力なのだろう
「愛人の奴も無茶するよな。まぁいつものことだが」
「はい、ですが。その件について、治療室にいる「先生」から連絡が。憐さんが泣きそうになっているそうで」
「……愛人ー、後で遥に睨まれる覚悟しとけー」
「はい、ですが。その件について、治療室にいる「先生」から連絡が。憐さんが泣きそうになっているそうで」
「……愛人ー、後で遥に睨まれる覚悟しとけー」
愛人の実力はわかっているつもりだ
あの程度で怯むはずがないということもわかっている
…それでも、あの優しい幼馴染は泣きそうになっているのだろう
直斗はその事実を理解する
ちゃらちゃらとした軽い調子の仮面をいくら被ろうとも、その根っこが変わることはない
あの程度で怯むはずがないということもわかっている
…それでも、あの優しい幼馴染は泣きそうになっているのだろう
直斗はその事実を理解する
ちゃらちゃらとした軽い調子の仮面をいくら被ろうとも、その根っこが変わることはない
……ずっと知っている
だからこそ、その危険性も、よくわかっているつもりなのだ
だからこそ、その危険性も、よくわかっているつもりなのだ
あぅあぅあぅ、と画面に映し出される戦いにおろおろしている憐
瑞希の治療が終わっても、また大怪我する人がいるかもしれないから、と言って治療室に残っていたのだ
愛人の契約都市伝説の能力の性質上、腕や足がもげようともどうと言うことはない、と言うことは憐もわかっているはずだ
そうだとしても、幼い頃から見知っている相手が傷つく事を悲しんでいる
瑞希の治療が終わっても、また大怪我する人がいるかもしれないから、と言って治療室に残っていたのだ
愛人の契約都市伝説の能力の性質上、腕や足がもげようともどうと言うことはない、と言うことは憐もわかっているはずだ
そうだとしても、幼い頃から見知っている相手が傷つく事を悲しんでいる
(こういうところを見ていると、本当、戦闘には不向きな子なのだがねぇ)
それでも、いざ戦闘となれば母から借りている「シェキナーの弓」で容赦なく敵対者を撃ち抜けるのが憐だ
心を痛めていない訳ではないのだろうが、それを押し殺して戦える
遥や、「教会」のあの異端審問官は憐の優しい面を思い、なるべく戦わせないように動くらしいが……
心を痛めていない訳ではないのだろうが、それを押し殺して戦える
遥や、「教会」のあの異端審問官は憐の優しい面を思い、なるべく戦わせないように動くらしいが……
(あの凍れる悪魔の御仁は、それを「馬鹿げている」とでも言うのだろうね)
さて、今のうちに次の治療の準備をするとしよう
瑞希に渡すための食事を買いに行った灰人も、そろそろ戻ってくるだろうし
愛人と美亜の怪我の具合によっては、憐にだけ任せるのではなく、自分も働かなければならない
微妙にスプラッタ感あふれるその戦いを、特に怯えた様子もなく驚いた様子もなく眺めながら、「先生」はどこまでもマイペースだった
瑞希に渡すための食事を買いに行った灰人も、そろそろ戻ってくるだろうし
愛人と美亜の怪我の具合によっては、憐にだけ任せるのではなく、自分も働かなければならない
微妙にスプラッタ感あふれるその戦いを、特に怯えた様子もなく驚いた様子もなく眺めながら、「先生」はどこまでもマイペースだった
だから、気づいていたとしても気づいていなかったとしても、何も言わない
泣き出しそうな顔で試合の様子を見ている憐を、さり気なく観察している者がいた、その事実に
泣き出しそうな顔で試合の様子を見ている憐を、さり気なく観察している者がいた、その事実に
to be … ?