さーて、と言うように、その「先生」は瑞希の負傷具合を見つめ、こう結論づけた
「治療してもらえる事わかっていたからと言って、人妻がここまで怪我を顧みないのはどうかな、って思わなくもない」
「それって、人妻関係あるの?あと、お腹減って本当動けないので何かください」
「おおいに関係ある………我が助手よ、こちらのご婦人の為に何か食べ物持ってきてくれ。確か、「夢の国」が屋台出していたと思うから、そこから。間違っても……」
「わかってる。間違っても死人の屋台で買ってはこない」
「それって、人妻関係あるの?あと、お腹減って本当動けないので何かください」
「おおいに関係ある………我が助手よ、こちらのご婦人の為に何か食べ物持ってきてくれ。確か、「夢の国」が屋台出していたと思うから、そこから。間違っても……」
「わかってる。間違っても死人の屋台で買ってはこない」
衛生上問題ありまくりだろ、等と言いながら灰人が治療室を後にした
先程の篠塚 瑞希と九十九屋 九十九の対戦は引き分けで終わった
が、怪我の具合から言えば、明らかに瑞希の方が重傷だ
あちらこちらにワイヤーによる刺し傷切り傷。ついでに言えば地面に落下した時の全身打撲
左耳はちぎれているし、しかも、ワイヤーの弾丸は刺さりっぱなしである
ワイヤーの弾丸は深く刺さってしまっているものは、そう簡単に抜けるような状態ではなくなってしまっている為、仕方ない部分もあるが
先程の篠塚 瑞希と九十九屋 九十九の対戦は引き分けで終わった
が、怪我の具合から言えば、明らかに瑞希の方が重傷だ
あちらこちらにワイヤーによる刺し傷切り傷。ついでに言えば地面に落下した時の全身打撲
左耳はちぎれているし、しかも、ワイヤーの弾丸は刺さりっぱなしである
ワイヤーの弾丸は深く刺さってしまっているものは、そう簡単に抜けるような状態ではなくなってしまっている為、仕方ない部分もあるが
まずは突き刺さったままのワイヤーを外さなければ、と「先生」が考えていると……ぱたぱたと、治療室に近づいてくる足音
その足音から誰が来たのか感じ取ったのか、「先生」は扉が開くと同時に告げる
その足音から誰が来たのか感じ取ったのか、「先生」は扉が開くと同時に告げる
「すまんが、こちらのご婦人の治療を頼めるかな?我が助手の従兄弟よ」
「わかってるっす、その為に来たんすから」
「わかってるっす、その為に来たんすから」
治療室に飛び込んできたのは、見学者席で試合を見ていたはずの荒神 憐だ
試合の結果から、重傷者が出たことがわかって急いでやってきたらしい
試合の結果から、重傷者が出たことがわかって急いでやってきたらしい
「うむ、頼む………っと、その前に。人妻の上に乗っかるというある意味役得だったそちらの青年、もう意識はあるね?」
「役得も何もないと思うが、意識ならある。どうかしたか?」
「役得も何もないと思うが、意識ならある。どうかしたか?」
ぱちり、と
負傷者用の寝台に寝かせられていた九十九が、目を開いた
どうやら、試合が終わって少しして意識が戻っていたらしい
起き上がるのはまだ億劫なようで、首だけ動かして「先生」を見る
負傷者用の寝台に寝かせられていた九十九が、目を開いた
どうやら、試合が終わって少しして意識が戻っていたらしい
起き上がるのはまだ億劫なようで、首だけ動かして「先生」を見る
「今、君が問題なく能力を使える状態なのであれば、こちらのご婦人に突き刺さったままのワイヤー、全部一気に抜いて欲しいのであるが、できるかな?」
「………出来るが、その瞬間に出血が始まるぞ」
「構わん。我が助手の従兄弟な少年よ。ワイヤーが抜けたらすぐに治癒出来るね?」
「はぁい、出来るっすよ」
「………出来るが、その瞬間に出血が始まるぞ」
「構わん。我が助手の従兄弟な少年よ。ワイヤーが抜けたらすぐに治癒出来るね?」
「はぁい、出来るっすよ」
寝台に寝転がったまま動けません状態の瑞希に憐は近づいていき、す、と手をかざした
その様子を見て、九十九が能力を発動する
瑞希に突き刺さったままだった針のようなワイヤーが、一気に全て、抜ける
その様子を見て、九十九が能力を発動する
瑞希に突き刺さったままだった針のようなワイヤーが、一気に全て、抜ける
血が流れで始めるよりも先に、憐が治癒を開始した
ばさりっ、と憐の背中に光り輝く天使の六枚翼が出現し、瑞希にかざした手のひらからぽぅ、と淡く白い光が溢れ出す
暖かな光が注ぎ、瑞希の傷が治癒されていく
全身の刺突による傷を、ワイヤーで切り裂かれた傷を、落下時の全身打撲を
……そして、千切れた左耳まで、治癒によって再生していく
ばさりっ、と憐の背中に光り輝く天使の六枚翼が出現し、瑞希にかざした手のひらからぽぅ、と淡く白い光が溢れ出す
暖かな光が注ぎ、瑞希の傷が治癒されていく
全身の刺突による傷を、ワイヤーで切り裂かれた傷を、落下時の全身打撲を
……そして、千切れた左耳まで、治癒によって再生していく
「うむ。やはり「ラファエル」の本気の治癒はすごいな」
憐のその治癒の腕前を見つめながら、「先生」はしみじみとそう口にした
彼もまた人ならざる力によって他者を治癒する事ができるが、それは薬等を使っての治癒である
憐のように、直接癒やすのとはまた違うのだ
彼もまた人ならざる力によって他者を治癒する事ができるが、それは薬等を使っての治癒である
憐のように、直接癒やすのとはまた違うのだ
「俺っちは、まだまだっす。腕一本再生しろー、とか言われたらすげー時間かかるんで」
「最終的に再生させられるんなら、十分にすごくない?」
「最終的に再生させられるんなら、十分にすごくない?」
痛みが消えた自身の体の様子に少し驚きながら瑞希がそう問うたが、憐は首を左右にふる
「俺っち自身がまだまだ未熟なせいで、「ラファエル」の力なら歩Bらい治せるはずの傷を治療できない、とかもよくあるんで。もっと、力使いこなせるようにならないと」
へらり、と笑いながらそう答える
謙遜している、と言う様子でもなく、心からそう考えているように
謙遜している、と言う様子でもなく、心からそう考えているように
「……………君は。自分の力を、少し重たく受け止めすぎだと思うがねぇ」
ぽそり、と、「先生」が口にしたその言葉が、憐に届いていたかどうかは、わからない
……なるほど、これはすごい
九十九は素直にそう感心していた
こちらには治癒の力は向けていなかったのだと思う
だが、治癒の力の余波なのだろうか。あの六枚翼が展開されると同時に辺りに飛び散り、その羽根が届いていた九十九の体のまた、治癒されていたのだ
よくてヒビが入っていたはずの鎖骨の辺りの痛みが、完全に消えている
九十九は素直にそう感心していた
こちらには治癒の力は向けていなかったのだと思う
だが、治癒の力の余波なのだろうか。あの六枚翼が展開されると同時に辺りに飛び散り、その羽根が届いていた九十九の体のまた、治癒されていたのだ
よくてヒビが入っていたはずの鎖骨の辺りの痛みが、完全に消えている
(貴重な治癒能力者、しかも能力も高い………「聞いていた通り」だ)
その、高校生にしては少し小柄な憐の姿を、九十九ははっきりと記憶したのだった
to be … ?