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連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-64a

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匿名ユーザー

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「……………以上です」
『ほぉう』

 ……その日の、夜
 全壊していた家が無事、元に戻った後、真は自分の担当である黒服H……広瀬 宏也に、事の顛末を報告していた

 うん
 受話器の向こうで、宏也がため息をついているのが聞こえてくる

『お前な、その手の事はさっさと連絡しろっての……お前ん家が全壊したって報告聞いた時ぁ、こっちの寿命が縮んだんだぞ』
「す、すみません」
『……まぁ、無事で良かった』

 ほっとしたような、その声の後に
 ただ、と、若干、意地悪く伝えられる

『実は、今、わりと学校町にヤバめと思われる危険が迫ってる訳だが』
「宏也さん、それ、軽い口調で言っていい内容じゃないです」

 確かに、危険が迫っているらしいことは、イザークからも聞いているが…
 ……あ、しまった
 報告の時、イザークとジョルディの事を説明し忘れていた
 どうしようか……

『その危険がなくなるまで、お前、家で大人しくしてろよ』
「え」

 え
 あれ?
 ……えーと、それは、つまり?

「…自宅謹慎?」
『自宅謹慎』
「ガチで?」
『ガチで』

 ……何………だと
 街に危険が迫っているというのに、正義の味方を封じ込めようと言うのか、その人は

『ぶっちゃけな、今回の相手、わりとシャレにならないんだよ。戦闘能力的に』
「……具体的に言うと、どんな?」
『後でパソコン辺りにメールで資料送ってやるけど……とりあえず、学校町を丸々焼き尽くせる程度とか、学校町を丸々凍りつかせることができる程度とか、学校町中の水を猛毒に変える程度とかだな』
「「~程度」ってつければ、なんでも大したことないように聞こえると思ったら大違いですよ?」
『とにかく、危険なんだよ。メインの連中の他にも、顔も名前も認識しきれない子飼い共も来てるしな。連中が一気に動き出した時……お前の方までフォローに行けるかどうか、わかったもんじゃないしな』

 真の性格を、考えて
 ……彼ならば、その危険に、真っ先に飛び込みかねないと
 それも、一番「危険な存在」に向かっていきかねないと
 それを危惧しての、警告

 もっとも
 真が、その言いつけを守らない可能性だって、ある
 彼は、正義の味方だ
 正義の味方であろうとしている
 学校町に危機が迫る時、本当に大人しくできるかどうか……わからない
 それでも、警告しないよりはマシだ

「…宏也さんは、どうするんですか?」
『俺か?何を犠牲にしても護りたい愛しい相手を護る事に全力を尽くすが何か?』
「「組織」の仕事はっ!?」
『なぁに、その存在を護る事も「組織」の仕事と矛盾しないから問題ない』

 駄目だ、この人
 早く何とかしないとっ!!??

『……っし、現段階でわかってる事、資料にまとめたぞ………アドレス、今までのと同じだよな?』
「あ、はい。パソコンも復活してるんで、すぐ見れますよ」
『家と一緒にパソコンも修復されてんのか、本当すごいなお前の姉ちゃん』
「はは……ハードディスクの中も丸々元通りってのは、ちょっと不気味ですけど」
『中、見られてないといいな。あの隠しファイルとか』
「怖い事言わないでくださいよっ!?ってか、何を知ってるんですかあんたは!?」
『スーパーハカーと友達って便利だよな』
「プライバシー侵害ぃいいいいいいい!!!???」

 いつの間に、何をやらかしてくれているんだっ!?
 見たのか、見られたのか
 あのファイルの中身を見られたのかっ!!??

『なぁに、気にするなって。どうだ、ちょっと気は楽になったか?』
「何か、嫌な弱みを握られた気分です」
『隠しファイルの名前とかパスワードはもっと厳重にしとけよー。あ、今、資料送ったから、しっかり確認しとけよ?』

 重要な事をついでのようにさらっと言って、通話を切られた
 ……あぁ、もう、あの人は……
 一応、心配してくれているというか、気を使ってくれているらしいが

「……とりあえず、資料、確認しよう…」

 パソコンを開始し、メールを開く
 …あぁ、これか
 内容は、「教会」と言う組織の「13使徒」メンバーについての資料だ
 それぞれの姿を映した写真と、二つ名、実名、現時点で分かっている能力と、そこから推定される契約都市伝説が羅列されていた
 「13使徒」の中に、自分と同年代程度の少女や、自分よりも年下と思われる少年少女の姿もある事実に、驚きながら

「-------っ!!??」

 ある、二つの名前に
 二人分の姿に
 我が目を疑った

 パンクファッションに身を包んだ長身の青年と、白い髪に赤い瞳の青年
 ……「浄化の炎」 イザーク・シーフェルデッカーと、「バーサーカー」 ジョルディ・ムダーラ

 その二人は、間違いなく
 真に手を貸してくれた……そして、危険を警告してくれた、あの二人で


 今日
 フォーチュン・ピエロで顔を合わせた時にイザークが見せた、あの絶望しきった暗い表情が
 不意に、真の頭をよぎったのだった







to be … ?



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