「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 合わせ鏡のアクマ-25

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合わせ鏡のアクマ 25


午後1時過ぎ、『学校町』に訪れた変化を感じ取った者達はすぐさま行動を開始した。


『侵攻を確認しました!総員戦闘態勢!』
『一般人や建物に被害を出すんじゃねーぞ!分かったか!!』
『結界守衛役はすぐさま配置につくのじゃ!』
『怪奇同盟』の同盟員達にすぐさま連絡がなされ、主要墓地では空気が張り詰めていた。


北区、山中

『・・・よろしいですか?』 「いつでも」
携帯電話から聞こえる問いにすぐさま答える。
『・・・では、お願いします』
木々が怪しくざわめく中、彼女は静かに集中する。それと同時に山の気が彼女の体へ流れ込んできた。
頭の中で五つの頂点をもつ星と、街を覆う光のドームを思い浮かべ・・・声を発してそれを発現させる。
「『夢の国』は内へ!!」 『大結界、発動!』
そして街を覆うようにして光の障壁・・・・・・結界が張られた。
『夢の国』を街へ閉じ込めると同時に外から侵入する都市伝説を防ぐ、『怪奇同盟』の切り札。
これで『夢の国』が逃げようと思っても逃げることはできず、また外から別の災厄が訪れる機会も封じられる。
『・・・それでは、引き続き維持をお願いします。大変だとは思いますが・・・』
「心配しないでください。兄さんが戦って傷ついているかもしれないのに、どうして休めるというのですか」
『・・・・・・体を壊さない程度にお願いしますね』 「はい」

『座敷童』と連絡を切り、数分。やはり街の各所で戦闘が始まっている。
(・・・誰も、死なせません。街の人々も、契約者も・・・この街の全てを守りきりましょう)
『怪奇同盟』の盟主は、決意を新たに皆へ呼びかける
『我らが命尽きようとも、我らの意思は決して消えない!『怪奇同盟』と街に勝利の栄光あれ!』
『『『『栄光あれ!!』』』』
戦いは、始まったばかりである・・・・・・

*


西区、工業高校付近

「・・・また光ったな」
「雷怖い雷怖い・・・」
「だらしなさすぎだ!お前モヤシとはいえ男だろ、気合で耐えろ!」
「に、苦手なものはどうしようもないよ・・・」
学校の校門付近で、一人の男が女子中学生にベシベシ叩かれていた。
「・・・つーか、俺一人でも十分だろ。なんでお前がいんだよ」
「まーた俺なんて言ってかっこつけて・・・」
「うるせぇ、私なんて言ってたらぜってぇ違和感感じるだろ」
「・・・・・・うん、そうだねごmゴハァ!?」ドサッ
「いいか、そこは嘘でも『そんなことはない』って言うべき場面だ」
今回、『死の行軍』の契約者は人口の多い東区ではなく西区の守りを担っていた。
彼女の能力は強いが、ネズミが大量に現れればさすがに誰かが気づくだろうという
男・・・『相対性理論の理解者』の契約者の意見に従ってである。
「・・・だって、君が能力使いすぎて倒れたら運ぶ人が必要だろう?」
「モヤシのくせに俺を運ぶだぁ?・・・ハァ、まぁせいぜい後ろで俺の勇姿でも眺めてな。おでましだ」
黒いパレード・・・だが、率いているはずのマスコットがいない。
「雷に惹かれて散ったやつらが集まってきたとみた!」
「言われなくてもそれくらいわからぁ!『死の行軍』!!」
襲いかかる黒い影達の攻撃が、なぜか急に隣の影を襲い始める。
「さぁ・・・始めるぜ!出てこい死を恐れないネズミ達!そして『夢の国』を、蹂躙せよ蹂躙せよ蹂躙せよ!!」
発せられた言葉のとおりに虚空からネズミが呼び出されて、黒い影を呑み込もうとし始めた。
「・・・なぁモヤシ、俺は勝つからな」 「うん、知ってるよ」 「そうか・・・じゃあ絶対勝つ」
信頼しあう二人は、平穏な日々を守る為に戦う。それを最善と信じて・・・・・・


『死の行軍』・・・能力【多数の敵を自滅へ誘導する】、【死にゆくネズミの群れの使役】

『相対性理論の理解者』・・・能力【聞いた会話の内容に関する事柄を連鎖的に知る】

*


南区、商業高校付近

「・・・笛の音?」
思わず振り向くが、すぐに横へ飛びのく。
攻撃を外した『夢の国』の黒服がすぐさまこちらへ手を伸ば・・・せない。
「たぁ!」
黒服の背後に立った少女が手刀で黒服の腕を叩き斬る。
少女の手も指がおかしな方向へ曲がっていたが、すぐに「修理」されていく。
「あ、ごめんごめん油断しちゃった・・・わ、っと!」
女性が指をパチンと鳴らすと黒服がどこからか現れたタルに首だけ出して閉じ込められた。
「ハァアアアア!!」
その間にビルの壁を蹴って高く昇っていった少女が、今度は自由落下を始める。
そしてタルにぶつかる前に彼女は体を回転させ、黒服の脳天に踵落としを決める。
そのまま勢い余って地面へ叩きつけられるが、少女にとっては些細なことである。
「・・・大丈夫?」
「まぁ、痛いですけど・・・慣れました。感覚が麻痺したと言ってもいいかもしれません」
女性・・・『ダルマ女』の契約者の問いに少女・・・『サンチアゴ航空513便事件』の契約者は答えた。
「さて、次の相手を探しましょうか」
「えー、もう少し休ませてくれてもいいじゃないの。この子も疲れてるし」
そう言って女性は自身の契約した『ダルマ女』・・・かつての友人を指差す。
「別に疲れてないけど?」 「裏切ったな貴様ァ!」バシン 「いたっ!頭叩くな!」
「・・・あー、ちょっとだけですよ?」 「やったぁ!」
本当にこの人は自分より年上なのだろうかと、少女はため息をつく。
それを見ていた『ダルマ女』は、静かに笑った。つかの間の安らぎを、楽しむ為に・・・・・・


『ダルマ女』・・・能力【自分と契約者が認識している対象をタルで拘束する】

『サンチアゴ航空513便事件』・・・能力【対象の一時的な空間からの消失】
契約者は『ソニータイマー』・・・能力【対象は与えた期間中壊れない】の効果を受けている。

*


北区、山の付近

「とうとう、現れたか」
「・・・そうみたいだね」
初老の男性とメガネをかけ耳かけヘッドホンをつけた少年の周りを、黒い影が取り囲む。
「で、勝てると思うかね少年」
「・・・勝てる勝てないじゃなくて、勝つ。そうじゃないの?おじさん」
「ははは、これは一本取られたな」
古い携帯ゲーム機で遊ぶ少年と和やかに話す男性の背後を一体の影が襲う。
「無駄だ、君達の攻撃は私に届かん」
と、影はまったくあらぬ方向へ手を伸ばして攻撃する。
それを境に影達は一斉に攻撃を始める・・・が、どれも二人へは届かない。
スッと男性がポケットに入っていた片手を出す。
その手にあるものは・・・方位磁針。壊れているのかクルクルと針が回っている。
・・・・・・そう、自然ではありえない速さで。
「・・・『けつばん』」
ボソッと少年がつぶやくと、携帯ゲーム機の画面がチカッと光る。
そして、画面からニュッ・・・と巨大な何かが出てくる。
『・・・ギギ、ガー・・・グォオオン・・・ガガガ・・・』
何かから発せられる声は、まるで壊れたゲーム機から流れるようなノイズが走っており・・・
不定形な姿の、おそらく口と思われる部分が開いたかと思うと・・・バキバキィ!と影達を噛み砕き始めた。
「・・・さて、何分待てばよいやら」 「先に言っておくけど、僕もわかんないから」
怪物が影達を咀嚼する音を聞きながら、男性と少年は男性の持ってきた水筒の水を飲む。
いつ訪れるか分からない、次の戦いに備えるために・・・


『富士の樹海は方位磁針が使えない』・・・能力【相手の方向感覚を狂わせる】 周囲に木が多いほど効果は大きい

『けつばん』・・・能力【特定のゲーム機から『けつばん』を呼び出す】
過去の設定より、お借りしました。けつばんの作者に土下座ッ!!

*


東区、北区寄りの某所。時刻は2時を回ってしばらくして。

「・・・・・・」
駅近くのビルの屋上で、一人の男子が街の喧騒を眺めていた。
彼が耳に当てている携帯から若い女性の声が聞こえてくる。
『・・・さて、もう回復したでしょう』
「もうとっくに回復してると思うぞ・・・なぁ、なんですぐに戦わせてくれなかったんだ?」
男子の声には、若干怒りが混じっている。
「俺はもう人が傷つくのは見たくない・・・なのに、なんで侵攻されるのを眺めなきゃならねぇんだ!!」
『・・・その意見もごもっとも。ですが、あなたがやろうとしていることはそれだけ危険なことなのです』
電話の相手は、彼に優しく諭す。
『万全の状態で・・・それでも、まだ足りないくらい。だから必要以上に時間を取らなければならないのです』
「でも、もういいんだな?」
『ええ、待ちの時間は終わりです。ここからは・・・あなたの思うように、行動してください』
「わかりました。では・・・」
『あ、ちょっと待ってください!』
携帯電話を切ろうとしたところで呼び止められる。
『・・・緊急事態です。北区で迷子が発生しました』
「・・・は?」
『だから、迷子です。女性と小さな男の子・・・いずれも契約者です。ただ、確か戦闘向きではない方達で・・・』
「いや、だからそれがなんで緊急事態なんですか?」
『近辺でパレードが発生確認されました』 「!?」
契約者は、都市伝説を引き寄せやすい・・・もし戦闘向きの能力なら撃退もできなくはないが・・・
『彼らの場所は現在~~~の辺りです。田んぼが多いのですぐに見つかるかと思われます』
「分かりました、すぐに向かいます!」
電話を切ると、懐から小さなフェルトで出来た袋を取り出し握り締める。
「・・・俺はもう、誰かを傷つけさせるわけにはいかない・・・・・・絶対に!!」
握った袋からパキン、と音がすると同時に彼は腕を突き出し叫ぶ。

「―――変身ッ!!」

*


あぜ道を一人の女性が男の子を連れて走っていた。
既に二人とも呼吸は荒く、今にも転びそうだった。
しかし二人は休めない、後ろから黒い集団が迫るから。
黄金色の野を塗りつぶすように迫る、黒。
その先頭にいたモノが異常に長い腕を男の子の方へ伸ばす・・・
と、その腕が横合いから砲弾のように飛んできた何かによって千切れる。
前進をやめる黒い集団と、異変に気づき振り向く二人。
その間に立っていたのは、集団とは違う黒の体毛を持つ・・・・・・大きな犬であった。
二人からは見えていない真っ赤な目が集団を睨むと、一斉に腕が伸びて襲いかかってくる。
だが、彼らは気づいていなかった。
「ライダァ・・・」
自分達に、何者かの影が落ちていることを。
「キィイイイイイック!!」
直後、なにかが先頭集団の真ん中に流星のごとく落下してきた。
下にいた黒いモノはまたも片腕を失いつつも体を動か・・・せない。
ドォン!と、集団の中で爆発が起こる。それに巻き込まれた黒いモノ達の体が燃え上がる。
そんな地獄絵図の中心で立っているのは、特撮ヒーローにでも出てくるような深緑のスーツを纏った怪人。
「そこのお二人さん、怪我はないか?」
突然の展開にびっくりしていた女性が、話しかけられたことで若干平静を取り戻す。
「え、その・・・・・・」
「腰が抜けてるってことはないよな?そんな漫画みたいな展開。
 あんたはその子供と一緒にザクロ・・・その犬に乗って逃げてくれ。ここは俺が抑えるから・・・」
「あ、あの!あなたは・・・そのぉ誰、ですか?」
「ん?ああ、そうだな。俺は・・・そう、俺は」
一拍おいて、怪人は答える。
「通りすがりの仮面ライダー・・・だ」


『仮面ライダー』・・・能力【???】【必殺:ライダーキック】【???】
【必殺:ライダーキック】について・・・当たった相手が爆発したりする殺人キック、爆発の余波が周りに及ぶことも。








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