黒服Hと呪われた歌の契約者 17
これは、ほんの少しだけ前の話
…「首塚」と呼ばれる組織が出来上がった、その直後の話
「…おいおいおい。洒落になんねぇな」
しゅるり
髪を伸ばして高い所まで移動し、彼はそう呟いた
……全滅
彼以外の黒服及び契約者たちが、軒並み始末されてしまった
自分が担当している契約者たちを連れてこなくて良かった
正直、ほっとしている
髪を伸ばして高い所まで移動し、彼はそう呟いた
……全滅
彼以外の黒服及び契約者たちが、軒並み始末されてしまった
自分が担当している契約者たちを連れてこなくて良かった
正直、ほっとしている
「……んで、俺も殺す、ってかい?」
じゃきりっ
頭に突きつけられる拳銃
銃を突きつけている男を操っている少女に、黒服はそう声をかけた
にぃ、と少女は笑ってくる
頭に突きつけられる拳銃
銃を突きつけている男を操っている少女に、黒服はそう声をかけた
にぃ、と少女は笑ってくる
「と~ぉぜぇん。だって、あんたもあたしの契約した都市伝説が何なのか、知っちゃったでしょぉ?」
「うん、わかっちまったよ、畜生め」
「うん、わかっちまったよ、畜生め」
まったく…可愛らしい少女相手と気を抜いていたのが悪かったか
「組織」においても、高い戦闘力を持っていた少女
彼女を引きつれ、「組織」と敵対する事になった「首塚」平将門と戦う…
…はず、だったのだ
しかし、結果的に
「首塚」の元に向かう前に、この惨状である
彼女を引きつれ、「組織」と敵対する事になった「首塚」平将門と戦う…
…はず、だったのだ
しかし、結果的に
「首塚」の元に向かう前に、この惨状である
「「組織」を裏切るのか?」
「うん。だって、将門様の方が、ちゃ~んとあたしを見てくれるもの!」
「うん。だって、将門様の方が、ちゃ~んとあたしを見てくれるもの!」
嬉しそうに、楽しそうに、少女は笑う
……そして、ぎ、と、黒服を睨み付けたきた
……そして、ぎ、と、黒服を睨み付けたきた
「…将門様はね!!あんたたち「組織」みたく!構成員を使い捨ての駒にしたりなんかしないのよ!」
「まぁ、最近の「組織」のやり方ひでぇよなぁ。めっちゃくちゃ下克上したい」
「まぁ、最近の「組織」のやり方ひでぇよなぁ。めっちゃくちゃ下克上したい」
うんうん、少女の言葉に納得してやる
まぁ、言いたい事はわかるのだが
まぁ、言いたい事はわかるのだが
「だからって、こりゃあないだろうよ」
「だぁって、こうすれば、将門様は喜んでくれるわよ?」
「だぁって、こうすれば、将門様は喜んでくれるわよ?」
…少女は、「組織」を裏切っていた
一体、いつ、声をかけられていたのか
一体、いつ、声をかけられていたのか
彼女は「首塚」に所属してしまっていたのだ
「…「組織」の狗は、もうこりごりよ」
くすり、少女は笑って…すぅ、と両手を広げる
「私は、女王。都市伝説「コスタリカ帝国」の女王よ。狗なんて御免」
「将門の下なら、いいってのかよ」
「将門の下なら、いいってのかよ」
…支離滅裂だ
まぁ、それだけ、少女が「組織」を嫌っていたと思えば、納得か
…ぐ、と銃が頭に押し付けられる
逃げられそうにない
まぁ、それだけ、少女が「組織」を嫌っていたと思えば、納得か
…ぐ、と銃が頭に押し付けられる
逃げられそうにない
「…能力を知った相手に、問答無用で刺客を送りつけて殺しちまう、か。そりゃあ、「組織」でもトップシークレットギリギリ扱いだろうよ」
「納得してくれた?それじゃあ……………ばいばい」
「納得してくれた?それじゃあ……………ばいばい」
最後に、それはもう、可愛らしい満面の笑みの少女を見て
……せめて、尻を撫でるくらいはしても良かったかな
そう考えながら…黒服は、背後に現れた男に、頭を銃で撃ちぬかれ………絶命した
……せめて、尻を撫でるくらいはしても良かったかな
そう考えながら…黒服は、背後に現れた男に、頭を銃で撃ちぬかれ………絶命した
*
ーーーーーそうだ
確かに、絶命したはずなのである
しかし
確かに、絶命したはずなのである
しかし
『か~~~~~~っらからからからからからから!!大丈夫であるかあ?友人』
「大丈夫じゃねぇ。一回死んだ」
「大丈夫じゃねぇ。一回死んだ」
…死体以外、他に誰もいない、その場で
黒服は、頭から血を流しながら、しかし、生きていた
…その傷すらも、再生していっている
黒服は、頭から血を流しながら、しかし、生きていた
…その傷すらも、再生していっている
「とりあえず、ローゼンクロイツの旦那と代わってくれや。俺にいつ賢者の石を仕込みやがったのか、一晩じっくり話し合いたい」
『からからからから!!ローちゃんは昨日から研究室に篭りっきりであるよ。あれは一ヶ月は出てこないフラグ!』
『からからからから!!ローちゃんは昨日から研究室に篭りっきりであるよ。あれは一ヶ月は出てこないフラグ!』
あのおっさん、覚えていろ
今度会った時、エロいねーちゃんが一杯の店の代金払わせるぞコラ
しゅるり、髪を伸ばしつつ、黒服はため息をついた
今度会った時、エロいねーちゃんが一杯の店の代金払わせるぞコラ
しゅるり、髪を伸ばしつつ、黒服はため息をついた
「ま、死なずにすんだからいいけどよ」
『オーケーオーケー、結果オーライであるよ。死んだらもうエロ妄想もできないのだから、生きていられれば良しとするである………で、友人よ、どうするであるか?』
「どうするもこうするも。裏切り者が出て作戦失敗って上に報告するだけだよ」
『オーケーオーケー、結果オーライであるよ。死んだらもうエロ妄想もできないのだから、生きていられれば良しとするである………で、友人よ、どうするであるか?』
「どうするもこうするも。裏切り者が出て作戦失敗って上に報告するだけだよ」
あぁ、面倒くさい
しかし、ここで死んだ事にして行方をくらます気にもなれない
しかし、ここで死んだ事にして行方をくらます気にもなれない
…まだ、「組織」でやる事がある
だから、まだ行方不明にはなれない
だから、まだ行方不明にはなれない
『そうであるか?まぁ、気をつけるであるよ。友人に投与されていた賢者の石は一回使いきりぃ!オンリーワンしか使えないものなのだよ。もう一度死んだら今度こそ終わりである』
「わかってる…………とりあえず、旦那にゃあ、今度俺と会ってくれるよう話つけといてくれ……あぁ」
「わかってる…………とりあえず、旦那にゃあ、今度俺と会ってくれるよう話つけといてくれ……あぁ」
携帯を切り、はぁ、とため息をつく
…「コスタリカ帝国」が裏切った
その報告だけでも気が重いが
作戦失敗となると、どれだけ咆哮する時気が重いか
全く、もう少し考えてくれればいいものを
…「コスタリカ帝国」が裏切った
その報告だけでも気が重いが
作戦失敗となると、どれだけ咆哮する時気が重いか
全く、もう少し考えてくれればいいものを
「…あ~、そう言えば、俺生き返っちまったけど…どうなるのかねぇ」
能力を知った相手を、問答無用で殺す力
…一応、復活した自分の元に刺客がこない事を見ると、大丈夫なのか
いや、それとも、自分が復活した事を知られてないから、こないだけか?
…一応、復活した自分の元に刺客がこない事を見ると、大丈夫なのか
いや、それとも、自分が復活した事を知られてないから、こないだけか?
…どちらにせよ、「首塚」には今後、関わりをもたない方が良さそうだ
「コスタリカ帝国」にだけは自分の生存を知られたくない
「コスタリカ帝国」にだけは自分の生存を知られたくない
そんな事を考えながら、憂鬱を感じつつ、彼は「組織」へと、作戦失敗の方句を入れる事にしたのだった
fin