「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 結界都市『東京』-09

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japanesemythology

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―第9章 幻想乃少女―
 ―あの施設、絶対何かいる!そう考えた俺は早速あの施設に行くことにした。
 夜、天照の『転移』でレジャー施設に入り込んだ俺は、迷うことなくあの時感じた気配を頼りに流れるプールに行ってみた。
 すると、誰もいないはずのプールの縁に一人蹲る少女がいた。ああ、「彼女」がそうか。俺の脳裏には数年前に起きたあの痛ましい事件がフラッシュバックされていた。
 どこぞの都市で起こった流れるプールの排水溝に少女が吸い込まれて死んでしまったあの痛ましい事件を―
 とりあえず俺は彼女に声をかける。
 「何故こんなところにいるんだ?」
 「何故って、じゃあ貴方は何故こんなところにいるの?」
 質問を質問で返すな。とりあえず俺は―
 「俺は涼みにここに来たんだ。」
 「嘘、ほんとは私のことを見極めて、危ない存在だったら※すつもりでしょう?でも私は消されるわけにはいかない。何故なら…」
 「何故なら?」
 「これから貴方を※してしまうからよぉっ!!」
 そう言って彼女は流れるプールの水を操り始めた!
 「天照!『転移』だ!早くしろ!ぐあっ!」
 俺は水に包まれてしまった。そしてその水は俺を流れるプールの排水溝に引きずろうとしている。その時―
 俺を包んでいた水が姿を消した。そして俺はすぐ近くに降り立った。どうやら『転移』が成功したようだ。
 「よし!天照、すぐに『結界』だっ!」
 「はいっ!」
 瞬間、景色が反転する。
 「なあ、どうして俺を※そうとしたんだ?」
 「五月蠅い!!人間なんか信用できない…信用なんかしたくない!!あの時だって係員が排水溝の蓋が開いてるのを気づいてくれたら私は生きていられたかもしれないのに…」
 そう、あの事件はプールの監視員が愚図だった事、そしてプールの管理体制が極めて杜撰だった事が複合的に組み合わさって起こった極めて残念な事故だったのだ。彼女が人を憎むのも無理はない。
 「だから私は人間であるあなたを※す。※して※して※しまくって人間達に復讐するのよぉっ!」
 ―可哀想な子供だ。たったの7歳で死ななければならなくなるなんて夢にも思わなかったのだろう。だからこそ―
 「俺はっ!お前のことを心配して…」
 「五月蠅ぁい!!私が貴方の事を信用する訳ないじゃない?」
 「それでもっ!俺はお前を信じたいっ!お前が人を※すような事を少なくとも俺は望んでいないっ!」
 「五月蠅い、五月蠅い、五月蠅ぁい!!!私はっ!…私はっ!」
 瞬間、俺は彼女に抱きついていた。
 「少なくとも俺は復讐に駆られるお前を見ていて無性に「人の優しさ」というのを伝えたかった…俺じゃあ親代わりにはなれないが…一緒n」
 「…うっ、うぇーん!」
 「Σお、おい!泣くなよ!困っちまうだろうが…」
 「だって…だって、親でもない人にそんなこと言われたら…」
 「まあいい、お前さんにはもう戦う意思はないみたいだし、天照、『結界』を解いてくれ。」
 瞬間、景色が元に戻る。
 「で、お前さんはどうするんだ?一緒に来るか?」
 「それは私と「契約」するってこと?」
 「…好きにするといいさ、少なくともお前さんに※しは似合わない。それでも復讐を遂げるって言うなら―俺は容赦しない。」
 そう言うと、今度は少女が俺にしがみついた。
 「べ、別にあんたと離れたくないって訳じゃないんだからねっ!ここじゃ居場所もないし、ここの利用者も私のせいで減ったなんてなれば寝覚めが悪いから仕方なく…ってひゃあっ!」
 俺は思わず彼女を抱きしめていた。別にロリコンだからではない。ただ、この子は俺が守ってやらなければならない、そう思ったからだ。言っておくがロリコンじゃないぞ!!
 可愛い女の子に復讐なんて言葉は似合わない―
 「ば、馬鹿ぁっ!離れなさいよっ!」ぼかっ!いてぇ…普通に殴られた。
 「という訳で、改めて契約成立だな?これからもよろしく頼む。そういえばお前…」
 「どうしたの、急に?」
 「なんか一気に成長してないか?さっきまで股下あたりだった背が一気に胸元まで来てるぞ?」
 「どうやら「私の止まっていた時間」が動き出したみたい。言うなれば一気に見た目と中身が成長したってところかな?」
 …つくづくなんでもありだな。
 「それで?お前さんの「能力」は?」
 「有名な都市伝説「花子さん」のちょっとした上位互換ってところかな。」
 「ほう、それで?」
 「水を操る力はそのままに、「花子さん」では制限となっていた「領域」が「女子トイレ」から「水のある場所」ならどこでもよくなったの。」
 「それなりにチートだな…俺戦わなくて良かったな…という訳でこれからよろしくな」
 「ええ、よろしくね」
 数年前のあの事件を胸にしまいながら、俺は新たなる仲間とともにこれからの事を考えていた―


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