夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

本田未央&しろがね

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目指していた。憧れていたんだ。ひたすらに追い続けていた。
精一杯輝ける星に憧れて、一生懸命運命の扉を開けようとしていた。

でも、簡単に開くなら誰も苦労することなんてなくて。
毎日毎日レッスンをこなす。汗を流して、怒られて、疲れての繰り返し。
本当にアイドルになれるのかな、夜になると独り何時も不安になっていた。
テレビに出ているアイドルは何時も笑顔で、私はそれが印象に残っていて、憧れたんだ。

明るい笑顔。誰でも出来る簡単なことなんだけど、とっても惹かれたんだ。

「……笑顔、だよね」

シンデレラプロジェクト――私が第一歩を踏み出す運命の扉の名前。
何人もの応募があったんだけど、私は選ばれた。ううん、選んでもらった。
落ちた人もいるし受かった人もいる。だから私は落ちた人たちの分も頑張ろうって思って。
どんな時でも笑顔だけは、私が暗い顔していたら落ちた人に申し訳ないから。
理由はそれが全てではないけど、みんなにも輝いてほしいから笑顔だけはどんな時でもしよう。そう思ってた。


『ねぇねぇプロデューサー! この本田未央を選んだ理由聞かせてよー」


『……《笑顔》です」


『やっぱりー? いやー、アイドルって言ったら笑顔だよねー!』


努力していた甲斐があったかな、なんてちょっと思ってさ。
笑顔は努力何てしなくても出来る、私はそう思ってたし友達からも笑顔が似合うってよく言われてた。
当たり前の事で選んでもらったのは嬉しいのか嬉しくないのか……嬉しいのは当然なんだけど。

笑顔は特別じゃなくて、だから理由が笑顔だけだと少し寂しい感じがしたんだ。
でもそれを表に出したらいけない。だってアイドルになるんだもん。
私の笑顔で誰かが笑顔になってくれるなら、私は何時だって笑顔を崩さない。


『城ヶ崎美嘉の――バックダンサー!?』


『えぇ!? ほ、本当ですか!?』


『はい。あなた達三人にお願いします』


『……嘘みたい』


シンデレラプロジェクトに選ばれてから次はカリスマアイドルのバックダンサーに抜擢。
正直思っちゃったよ。《私は特別なのかな》って。今思うと馬鹿みたいだけど。


私、本田未央のシンデレラストーリーが始まった、なんて思って独りで笑ってた。
まだ思ってなかった、ガラスの靴にはもうヒビが入っていたなんて、ね。




初のライブは楽しみだった。不安もあるけど、それよりも楽しみが強かった。
レッスンは何時もよりも辛くて、たくさん怒られて。でも挫けることはなかったよ!
しまむーとしぶりん……私は一人じゃないもん。一緒に頑張る仲間がいたから。


『納得いかないにゃ―! みくと勝負にゃー!!』


シンデレラと同じなのかな。登場人物全員が魔法に掛かるわけじゃないよね。
選ばれなかった人は当然納得いかないと思うし私達を妬む気持ちだって解る。
それに私達は遅れてプロジェクトに合流したんだもん。私がみくにゃんと同じ立場なら……。


『その勝負乗った―!!』


辛いよね、きっと。
だから私はみくにゃんを適当に流さないで真剣に相手をする。
それでも暗い雰囲気にしたくないから、笑顔で。でも、ふざけないで。
ごめんね。選ばれたのは私達だから、努力しているのはみんな同じだから、ごめんね。


「一回負けちゃったにゃー……はは」


みくにゃんはしつこかったよ、ちょっとヒドイ言い方だけど。
でもそれだけ強い気持ちを持っているんだよね。次はみくにゃんが輝ける番だよ。
私何かと違って堕ちてももう一回上がれるお星様みたいに、さ。


志が違ったかもしれない。私は夢しか見れてなくて。なのにチャンスだけは回ってきて。
もし私が不遇のアイドルで念願のライブ――そんな風だったら今もみんなと一緒に……。


美嘉ねえのバックダンサーをやる時、本番が近付てくれば来る程不安になった。
あれだけ一番騒いで、明るい笑顔だってしまむーとしぶりんには勝っていた。


「あの時はごめんね……特にしぶりん」


私ビビってさ……声一つ出せなかった。
本当は不安がってるみんなを励まそうとしていたのに……その役はしぶりんに押し付けた。
結局私が励まされて……本当に私って馬鹿、っつーか弱い?
ライブ前にやっと本当に直前で復活して。迷惑かけてごめんね。今もあの時も。


ライブの瞬間は最高に輝いていた。私が言うんだから間違いない。


バックダンサーだけどまるで自分が主役のように踊ってた。
笑顔、みんなが私のために集まってくれてる。だからそれに答えるために私は最高の笑顔で舞台に立つ。
練習は嘘をつかない……本当だった。頑張って良かった、心から思った。


それがいけなかったんだ。悪いことじゃないけど、私が勘違いしたんだ。




それから有頂天だった。あの時のことを絶対に忘れないで、ヘラヘラしてて。
勝手に偉くなった気分でさ。ドヤ顔も多かった。何かある度にライブの話を持ち出して。
みんなそれを笑って聞いてた。でも、しつこいとか想われてたよね。解る、だって私、うざいもん。
ごめんね、本当にごめん……ごめん。


「う……っ……っぁ」


なんで、私はなんで……本当に迷惑しか掛けない。
ライブの余韻に浸ったまま私達はCDデビューが決まった。しかもミニライブまで。


《ミニ》だけど《主役は私》達、《初の主役》に《私》達はなるんだって。
他のメンバーには少し申し訳ない気持ちもあった。でも自分のことを考えるとそんな余裕はない。
だって、《私》達のライブにお客さんがたくさん来るんだよ? しかも《私》《が》《リーダー》。
《私》の《輝き》がステージに広がるんだもん……他の人ことなんて考えていなかった。


衣装を決める時も、レッスンの時も、何もかも。
毎日が輝いていて充実していてそれはもう最高だった。
周りなんて本当に見れていなかった。他のユニットも全然気にしていなかった。


だから他の人の意見は全部妬みに思ってた。
《選ばれた私》と《その他》……思ってないけどそう《なっていた》と思う。
思ってない、絶対に思ってない。でも、比べるとやっぱ……ごめん。


「ごめん……みんな、ごめんよぅ……っ」


ミニライブ当日、私にとって最悪の一日だった。
違うよ、話と違う。なにこれ、小さい、ミニって聞いてたけど全然違う。
小さい子供みたいだった。誰も前のライブと一緒なんて一言も言ってない。
私が勝手に前のライブと同じ規模で、《私が主役》になる番だって勝手に思ってた。


無意識で私は逃げ出した。




お客さんは笑顔だった。


拍手もくれた。


でも。


でも、でも。


私が独りで勝手に舞い上がってる状況が恥ずかしくて、情けなくて、惨めで。


大切にしていた笑顔も忘れて私は逃げ出した。


消えたかった。でも、助けてもらいたかった。
面倒な女だよ私は。自分から弱音は吐きたくない、でも救って欲しい。
だから最初に声を掛けてくれたプロデューサーに強く当たった。
自分が悲劇のヒロインを演出するように……でも言葉は慰めじゃなかった。
どうかと思う、私が悪いのは解るけど……大人何だから。


「今日も着信来てる……」


けれど私が電話に出ることはない。メールも返さない。
しまむーも無視した。体調を崩したらしいけど確実に私が原因だ。
勝手に恥をかいた私はあの日からずっと部屋に引き篭もってた。
ニートだよ……笑い話にもならない。
それから時間が過ぎるのが遅く感じた。ライブは一瞬だけど。
心が段々重くなって私は笑顔なんて完全に忘れていた。


「あ……十二時……今日が終わる」


このまま今日じゃなくて世界が終われば。どれだけ幸せだろうか。
学校にも行かない、誰とも会わない、アイドルも諦めた私に何が残っているんだろう。
何処で間違ったのかな。ライブ……最初から間違っていたのかも。
私の笑顔じゃ他人を幸せにすることなんて出来ないことが解ったんだ。この結果は最初から決まっていた。
だからやり直すなら最初から、アイドルを目指さないことにしたい。






「そんなこと……思えるわけないよ……っ。やり直したい……私、みんなと……っぁぁ」






聖杯戦争。
本田未央が少しでも願ったやり直しの機会は偶然にも、必然かもしれない。
言えることは唯一つ、彼女は奇跡を手にする権利を与えられた。
条件は最後の一組になることであり、それ以外に存在しない。




「私……また、もう一度夢を見たい……」


「……」


この想いは本物だ。彼女の真の叫びであり本来の姿である。
歳相応の叫び。アイドル《偶像》ではなく本物《女の子》の叫びだ。


「もう一度夢を追いかけたい……だから力を貸して……」


その言葉は小さく今にも途切れそうな程にか弱い。
しかし込められた意思は本物であり、これを笑う人間などいるだろうか。
いない、目の前のサーヴァントを含めて彼女を笑う人間など存在は許されない。


「でもよぉ、それは他の奴らを殺すことになるんだぜ」


男は放つ、夢だけ見つめている少女に辛い現実を放つ。
願いを叶える奇跡には相応の代償が必要となる、それが他社の脱落。
必ずしも殺す必要はないが全員生き残る、何て話は有り得ない。
本来、人生において過去に戻る何て事は存在しなく、開けてはならないパンドラの匣だ。
それに触れようとしている、謂わば運命の扉を無理やり抉じ開けようよとしているのと変わりない。


「い、嫌に決まってる……そんなの嫌だよ……」




少女は俯く。その言葉は弱い。
本田未央はアイドルだ、しかし彼女は高校一年生、殺しの覚悟がなど持ち併せていない。
しかし男は聞く。覚悟は、ある、のか、と。


「嫌だよ……言わなくても解るよね……それでも聞きたいなら、れ、令呪を使って……」


辛い思いはもうしたくない。
無理矢理理由を吐かせるつもりならマスターの証である令呪を使う。
自分のサーヴァントを殺すつもりはないけど痛い目を見てもらう。
最後の奇跡を無駄にしたくないから。




でも男が取った行動は予想外で、本田未央の頭の上に手を置いて優しい笑顔で語りかけた。




「邪魔な奴は俺が片付ける。マスターは殺さない、倒すのは俺たちサーヴァントだけだ」




その笑顔は見ているだけで安心させ、嘘の欠片も感じられないほど和やかであった。
彼は弟と出会えなかった。生まれることがなくその生命は照らされる前に沈んでしまった。
男は誓った、その弟の分も生きる、強くなる、と。日々を鍛錬に費やした強さは本物。
その力は人間を超えた人形をも破壊する絶対にして唯一の武器と誇りと意地を形成していた。


力は牙無き人のために――子供の笑顔を守るため、男は悪魔にだって変貌する覚悟がある。


「なんで……なんでそんなこと言えるのッ!?
 私は自分のためだけに願いを叶えようとしているんだよ、いるんだよ……。
 またみんなに、色んな人に迷惑を掛けるかもしれないのになんで……どうして!」


「笑顔――忘れてるぜ?」


「……なにそれ……意味解かんないよ……っ……解かんないよぉ……」


誰か私を救って。私はもう一度やり直したい。
もう一度、輝く星になりたいから。独りじゃなくて、みんなと。


だから――力を貸して。


私にもう一度、夢を見させて。


笑顔の――魔法を。



【マスター】
本田未央@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ)

【マスターとしての願い】
もう一度輝く星になりたい。

【能力・技能】
明るさと笑顔が彼女にとっての特徴であり象徴。
しかし現在は曇っている。

【人物背景】
シンデレラプロジェクトの最終メンバーとして合流した高校一年生。
その笑顔と明るさで大勢の友達がおりリーダーとして輪の中心にいた。
カリスマアイドルのバックダンサーを経験した後、自分達のライブが決まって有頂天になっていた。
全てを都合よく解釈しありもしない楽園を彼女は勝手に想像していた。
来る日、彼女の中にある夢は砕け散り輝きを失う。
彼女はその時期から聖杯に招かれた。

【方針】
やり直す、私はもう一度やり直したい。




嫌な時にワケなんて言う必要はない。
男は泣いているマスターを見て深追いはしない、する必要がない。


少女に人を殺させるなど外道が行う悪趣味な遊戯だ。
ましてや今まで血の匂いすらしない地域で育った少女ならばなおさらである。
誰にだって失敗はある。その先が大事であり腐っていれば一生腐っているままで終わる。
聖杯戦争。本来起きるはずのない絶対にして唯一の奇跡が目の前に広がっているのだ。
ならばサーヴァントとして召された男は少女のために戦う。


今宵、男は独りの少女のために悪魔の面を被るだろう。


人間は殺さない、殺すことなど許されない。
狙いはサーヴァントだ。一度死んだ霊体の身だ。もう一度死んだって問題はない。
泣いている少女を救うために泥を浴びる――言葉にすれば響きは最高だ、至高に値する。
しかしこれから幕開けされる舞台は血で血を洗う聖杯戦争だ、夢物語ではない。


ある者は笑い、ある者は涙を流す。
ある者は他人を愛し、ある者は他人を破壊する。
ある者は願いを叶え、ある者は死ぬ。


弱い者が死に強き者が生き残る殺し合い――それが聖杯戦争。


招かれた人間は何かしらの願い、意思を持って参加している。
個人差は在れど、簡単に諦めきれる問題ではない。
ならば、信用するのは己が力。


笑うのは悪魔か外道が死神か。


それとも一人の少女なのか。


加藤鳴海――総てはお前の拳に託された。




【クラス】
 しろがね


【真名】
 加藤鳴海


【パラメーター】
 筋力A 耐久B+ 敏捷C 魔力E 幸運D 宝具E


【属性】
 混沌・善 


【クラススキル】

 不死の身体:C
 しろがねとは生命の水を体内に取り込んだ自動人形の破壊者を表わす。
 彼らは不死の身体となり、己の生に満足するか大量に血を失うことでしか死なない。
 戦闘を続行させる力に長け、魔術も正面から立ち向かっていけるが対魔力の力はない。
 加藤鳴海はしろがねでありながら、人間を貫き多くのしろがねに影響を与えたためランクが下がっている。


【保有スキル】

 武道の極み:B
 各分野における武道を極めた証であり信念。
 しろがねの中国武術は生前多くの自動人形を破壊したことから由来する。
 気を掴めば魔力を突破できる可能性を秘めている。

 直感:B
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

 悪魔降臨:EX
 生前に敵である自動人形に例えられた悪魔《デモン》が由来。
 他者を守る時、彼の感情に触れてしまった時に己の感情を爆発させステータス以上の力を発揮する。
 狂化ではなく、意思は存在しており、狂う訳でもなくしろがねは敵を破壊する。


【宝具】
『聖・ジョージの剣』
 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:3
 左腕に仕込まれた刃。
 しろがねの左腕は生身ではなく人形の物を移植している。
 彼は生前己の武術と組み合わせ多くの自動人形を破壊してきた。


【weapon】
 己


【人物背景】
 元々は弱い男だったが生まれてこなかった弟のために強くなる決意をした男。
 極めた武術は多くの自動人形を破壊し悪魔と恐れられてきた。
 彼は生前、一人の子供を救うために左腕と記憶を亡くしてしまう。
 その後は左腕を移植し、新たな戦いに身を投げ込む。
 その旅で彼は多くの子どもたちが苦しんでいることを知り、自動人形を破壊する決意を決めた。
 来るサハラの決戦では多くの仲間を失い、己も四肢を失うが敵の親玉を破壊した。
 しかしそれは偽物であり、死んでいった仲間の無念も晴らせず彼は生き残ってしまう。
 その後も真の親玉を破壊するため彼は悪魔となりて戦場に多くの血を流し続けた。
 そして人類の最後の希望を乗せた列車に乗り込み彼は過去から続く絡まった因縁に終止符を打つため最後の――。


【サーヴァントとしての願い】
 少女の笑顔を取り戻す。


【基本戦術、方針、運用法】
 サーヴァントを狙い、マスターのために戦う。
 彼の身体は左腕のみが機械であり、他は生身である。



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