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GC573 Live Gamer 4Kの使い方 / 2019年11月22日 (金) 01時11分00秒
4K/60fpsにも、さらにはHDRにも対応!
- GC573 Live Gamer 4K(以下、GC573)は、4K対応の内蔵型キャプチャーボードです。デスクトップPC用です。
▲4K/60fps対応の
Live Gamer 4K GC573
(Amazon)
- 4K/60fps対応
- PS4 ProやXbox Oneといった4K対応ゲーム機の画面を、4K/60fpsで録画できます。YouTubeに超高画質な動画をアップロードしたいなら、4K画質でゲームを録画しましょう。フルHD画質のさらに上を行く、最高級の画質になります。
- HDR対応
- キャプチャーボードとしては珍しく、HDRに対応している点も見逃せません。PS4 ProやノーマルPS4、Xbox OneのHDR対応ゲームで効果を発揮します。一般的には自然な画質になります。
- RGB LED搭載
- RGB LEDを搭載しており、3種類の発光パターンから好きなものを選択できます。もちろん、パーツの光り物に興味がないならOFFにすることもできます。
- 動画編集ソフトが付属
- 「PowerDirector 15 for AVerMedia」のライセンスキーが付属されています。PowerDirectorというのは、定番の動画編集ソフトのひとつで、本来は1万円前後するものです。それが付属されています。
- 最新版ではなく、またいちぶの機能に制限がかけられていますが、少なくとも実況動画の編集で困ることはまずありません。基本的には製品版と同じ使い方です。
PowerDirectorの詳しい使い方(新サイト)
目次
動作環境・製品仕様
  |
GC573 |
接続方式 |
PCI Express x4(Gen2) |
エンコードタイプ |
ソフトウェアエンコード |
ビデオ入力端子 |
HDMI端子 |
最大録画解像度 |
4K/60fps(HDR対応) |
パススルー出力 |
あり(4K/60fps、HDR対応) |
対応OS |
Windows 10(64bit) |
- PCのスペックは、多くの人が気になる事項かもしれません。公式サイトでは、CPUはCore i5-6000番台以上、メモリは8GB以上、GPUはGeForce GTX 1060シリーズ以上となっています。4K/60fpsで録画する場合は、かなり高スペックなPCでないと太刀打ちできないでしょう。
- もしスペック的に不安という場合は、診断ツールを使うことで、PCの性能に問題がないか調べることができます。
- 公式サイトにアクセスする。
- 「GC573 キャプチャーデバイスの専用診断ツール」をダウンロードする。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍する。
- 解凍してできた「AVerMedia Diagnosis Tool」フォルダを開き、「AVerMedia Diagnosis Tool」をダブルクリックする。
- 診断結果を確認する。
- GC573の対応OSは、Windows 10(64bit版)のみとなっています。最近のキャプチャーボードによくある傾向です。
- GC573は、PCI Express x4スロットに取り付ける製品です。PCI Express x1スロットに取り付けても正常に動作しません。
PCI Express接続を参照する
▲画面の上へ
類似製品との比較
Live Gamer Ultra GC553
- Live Gamer Ultra GC553(以下、GC553)は、GC573と同様4Kに対応している製品です。ただ、4K/30fpsまでの対応であり、4K/60fpsには対応していません。ここがGC573と大きく異なる点のひとつです。
|
GC573 |
GC553 |
接続方式 |
PCI Express x4 |
USB 3.1 |
最大録画解像度 |
4K/60fps |
4K/30fps |
HDR |
完全対応 |
1080p以下で対応 |
1080p時の最大フレームレート |
240fps |
120fps |
120fps以上のHDR録画 |
対応 |
非対応 |
- 端的にいえば、GC573はAVerMediaの製品のなかで最上位機種という位置づけで、GC553は下位モデルとなります。しかし、そのぶん値段的にはGC553のほうが安価ではあります。したがって、もしデスクトップPCを持っているなら、性能を取るか、値段を取るかということになるでしょう。
GC553 Live Gamer Ultraの使い方を参照する
- なお、遅延については、GC573のほうがGC553よりも小さくなっています。
C988
- C988は外見がGC573とよく似た製品ですが、4KおよびHDRに対応していません。あくまでも「1080p/60fps、SDRに対応していればじゅうぶん」と考えている人のための製品です。
C988の使い方を参照する
▲画面の上へ
付属品
|
説明 |
備考 |
1.GC573本体 |
|
|
2.HDMI 2.0ケーブル |
GC573とTVを接続する |
1500mm長 |
3.クイックガイド |
簡単な取扱説明書 |
|
4.PowerDirector 15 for AVerMedia |
動画編集ソフトのライセンスキーコード |
|
▲画面の上へ
対応ゲーム機の例
- GC573が対応しているゲーム機は、HDMI端子を搭載しているゲーム機です。ただし、GC573はHDCP非対応であるため、PS3とHDMI接続してもゲーム画面を録画できません。
- 下表は、GC573が対応しているゲーム機と、そうでないものをまとめたものです。
|
HDMI端子による接続
 |
備考 |
PS4 |
○ |
PS4側の設定でHDCPをOFFにしておく |
PS3 |
× |
ただしHDMI分配器を使えば対処可能(後述) |
PS2 |
× |
|
Switch |
○ |
問題なし |
Switch Lite |
× |
|
Wii U |
○ |
問題なし |
Wii |
× |
|
Xbox 360 |
○ |
問題なし |
Xbox One |
○ |
問題なし |
PSP-3000/2000 |
× |
|
PS Vita TV |
× |
ただしHDMI分配器を使えば対処可能 |
iOSデバイス |
○ |
設定変更の必要あり(後述) |
▲画面の上へ
ソフトをインストールする
RECentral、ドライバー
- まずは、RECentral、およびドライバーをインストールしましょう。RECentralは、ゲーム画面を映したり録画するためのキャプチャーソフトです。
- PCをシャットダウンする。
- GC573をPCのPCI Express x4スロットに取り付ける。
- 公式サイトにアクセスする。
- ドライバー、およびRECentralをダウンロードする。
- ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックする。
- 画面を順に進めていく。
- インストールが完了する。
PowerDirector 15 for AVerMedia
- もし動画編集をPowerDirectorで行いたいなら、以下の方法でダウンロードできます。
- 公式サイトにアクセスする。
- PowerDirectorをダウンロードする。
- 画面を順に進めていく。
- インストールが完了する。
- プロダクトキーの入力を求められるので、GC573同梱のカードに書いてあるプロダクトキーを入力する。
- なお、このPowerDirectorではHDR動画やH.265形式の動画の編集に対応していません。通常は問題ないと思いますが、念のため記載しておきます。
▲画面の上へ
ゲーム機とGC573を接続する
PS4、Switch、Xbox Oneの場合
- PS4の場合は、あらかじめHDCPをOFFにしておきましょう(やり方)。そうしないとPS4の画面をPCに映せません。HDCPをOFFにしたあと、PS4とGC573を接続します。
- SwitchやXbox Oneの場合は、そのままHDMIで接続します。SwitchはTVモードでなくてはいけません(本体をドックに装着)。
PS3の場合
iPhoneの場合
- iPhoneなどのiOSデバイスをHDMI接続する場合は、あらかじめRECentralのHDCP検出機能をOFFにしておきましょう。そうしないとiPhoneの画面をPCに映せません。
- RECentralの画面左上にある歯車アイコンをクリックする。
- 「キャプチャーデバイス」にある「Live Gamer 4K」を選択する。
- 「HDCP」タブを開く。
- 「HDCP検出機能」で「オフ」を選択する。
- RECentralの画面左上にある丸いアイコンをクリックして戻る。
キャプチャーボードを使ってiPhoneの画面をPCに映す方法を参照
▲画面の上へ
遅延を回避する(パススルー出力)
遅延はどの程度か
- GC573の遅延(タイムラグ)は、下表を参考にしてください。ゲームジャンルや慣れもありますが、この程度の遅延であればPCに映したゲーム画面を見ながらでもプレイは可能でしょう。
|
筆者による簡易計測 |
メーカーによる公称値 |
備考 |
4K/60fps |
約0.07秒 |
約0.08秒前後 |
PC画面でのプレイもあり |
1080p/60fps |
約0.05秒 |
約0.06秒前後 |
PC画面でのプレイもあり |
- もっとも、どうしても遅延は許せないというのであれば、下図のようにパススルー出力してもかまいません。
- パススルー出力は、ゲーム画面をPCだけでなくTVにも出力する機能です。ゲーム機の映像・音声をそのままTVに出力するため、TV画面上では遅延が発生しません。TVに映ったゲーム画面を見ながらプレイすることで、遅延のない、ふだんどおりのゲームプレイが可能になります。大きな画面でゲームをプレイできるというメリットもあります。
パススルー出力機能の使い方を参照
パススルーで必要なもの・使い方
- 必要なものはTV、またはモニターです。現在使用しているモニターとは別に、TVまたはモニターを用意します。
- あとは、GC573の「HDMI OUT」とTVをHDMIケーブルで接続するだけです。「HDMI IN」につなげるわけではないので、まちがえないようにしてください。そして、TVに映っているゲーム画面を見ながらプレイします。
- GC573の場合、PCをスリープにしたり、PCをシャットダウンするとパススルー出力が停止します。つまり、TV側にゲーム画面は映りません。もしTVにゲーム画面を映したい場合は、ゲーム機とTVをHDMIでつなぎなおすか、PCを起動します。
- パススルー出力も4K/60fpsに対応していますが、その場合はTV側が4Kに対応している必要があります。HDMIケーブル、および4K録画については後述します。
- また、HDR映像をTVにパススルー出力したい場合は、HDR対応のTVを用意したうえで、TV側のHDR機能を有効にしましょう。ゲーム機・ゲームソフト側もHDRを有効にする必要があります。HDMIケーブル、およびHDR録画については後述します。
▲画面の上へ
RECentralの使い方
ゲーム画面を映す方法
- 上述した準備さえすんでいれば、ゲーム機の電源を入れるだけでゲーム画面がRECentralに映ります。
- ゲーム画面が映らない、ゲーム音が出ないという場合は、以下のページをご覧ください。動画にマイクの音(自分の声)を入れる方法や、知っておくと便利な機能も掲載しています。
RECentral 4の使い方を参照
- ゲーム画面が映ったら、録画ボタンをクリックして録画してみましょう。同ボタンを再度押せば録画停止です。
- 動画を確認するには、RECentralの画面左上のフォルダーアイコンをクリックします。すると、動画の保存場所が開きます。
4K録画の方法
- 4K/60fpsで録画する方法は、以下のとおりです。
- PS4 Pro、またはXbox One X/Sの映像出力設定を2160pにする。
- RECentralの「録画品質」を「最高」にする。
- そのすぐ下に「3840x2160@60p」または「3840x2160@59.94p」と表示されていることを確認する。
- RECentralの録画ボタンをクリックする。
- 使用するHDMIケーブルは、Ver.1.4以降でなくてはいけません。近年のHDMIケーブルなら、この要件をクリアしているはずです。
HDR録画の方法
- 筆者の自宅ではHDR環境が整っていないため検証はできませんでしたが、公式サイトの情報をもとにHDR録画の方法を掲載しておきます。条件がシビアなので注意しましょう。
- ゲーム機(PS4 Pro、ノーマルPS4、XboX One X/S)、およびゲームソフト側でHDRをONにする。
- RECentralを起動する。
- 画面左上の「キャプチャーモード」を「Single」に切り替える(シングルモード)。
- 「録画品質」を「最高」にする。
- そのすぐ下に「3840x2160@60p」または「3840x2160@59.94p」と表示されていることを確認する。
- 録画ボタンの左横にあるHDRボタンをクリックする(オレンジ色に点灯)。
- 録画ボタンをクリックする。
▲シングルモード
- 使用するHDMIケーブルは、Ver.2.0a以降でなくてはいけません。ここは注意してください。もし1.4や2.0の場合、HDR録画はできません。意外と引っかかる人が多いはずです。下記製品は2.0a(プレミアムハイスピード)で、HDRに対応しています。
- HDR録画したいなら、RECentralを使う必要があります。サードパーティ製のキャプチャーソフト、たとえばOBSやアマレコTVではHDR録画できません。また、「マルチモード」ではなく「シングルモード」にしておく必要があります。
- HDR録画すると、H.265(HEVC)形式の動画が作られます。同形式の動画、およびHDR動画の再生・編集には注意しましょう。たとえば、GC573付属のPowerDirectorは、H.265形式の動画やHDR動画の編集に対応していません。
240fps、144fps、120fpsで録画する方法
- 高リフレッシュレート対応のモニターがあるなら、PCゲームを最大1080p/240fpsで録画することができます。また、GC553と異なり、高フレームレートであってもHDR映像を録画できます。
- RECentralを起動する。
- 画面左上の「キャプチャーモード」を「Single」に切り替える(シングルモード)。
- 「録画品質」の「+」をクリックする。
- 240fpsで録画したい場合は、「解像度」を「1920x1080」、「フレームレート(FPS)」を「240」にする。
- 140fps、または120fpsで録画したい場合は、「解像度」は「2560x1440」や「2560x1080」も選択できる。
- 「OK」をクリックする。
- 「録画品質」のすぐ下に「1920x1080@240p」などと表示されていることを確認する。
- 録画ボタンをクリックする。
- TVゲームの場合は、240fpsで録画しても意味はありません。PCの負荷やファイルサイズが増えるだけです。モニターが60Hzまでしか対応していない場合も同様です。
- サードパーティ製のキャプチャーソフトでは240fps録画できません。RECentralを使う必要があります。また、シングルモードでなくてはいけません。
- YouTubeに240fpsの動画をアップロードすること自体はできますが、60fpsでの再生となります。YouTubeは60fpsまでの対応だからです。現状では、動画をアップロードするなら60fpsで録画したほうがよいでしょう。
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ライブ配信でOBSを使う場合の設定方法
OBSにゲーム画面を映す
- ライブ配信(生放送)を行う場合、一般的にはOBSやXSplitといった配信ソフトを使用します。では、GC573を使ってゲームゲーム配信する場合、どのように設定したらよいのでしょうか。OBSを例に設定方法を見ていきましょう。
- まず重要なのは、ゲーム画面をOBSに映す方法です。なぜなら、そうしないことにはゲーム画面を配信できないからです。複数の映し方があります。
- RECentralは閉じる(重要)。
- 「+」をクリックし、「映像キャプチャデバイス」を選択する。
- 適切に設定する。
- たった3ステップなのですが、OBSの設定は初心者泣かせな部分があります。ゲーム画面が映らない、真っ暗、ゲーム音が出ないといったトラブルを訴える人が多くいます。解説記事を読み飛ばさないようにしましょう。
OBS Studioの映像キャプチャーデバイスの設定方法を参照する
配信のための設定
- OBSには「設定」ボタンがあります。このボタンからは、ゲーム音・マイク音を配信するための設定や、画質・音質の設定、配信サイトに接続するための設定などができるようになっています。
- 念のために書いておきますが、4K配信はお薦めしません。4Kに対応している配信サイトがYouTube Liveなど限られますし、なによりネックになるのは配信者の回線速度(上り)・安定性です。動きがカクカクした配信、または荒い画質の配信になる可能性があります。現実的には1080p/30fps、もっと無難にいくなら720p/30fps配信がよいでしょう。
▲このように「出力 (スケーリング) 解像度」を「1280x 720」に、「FPS 共通値」を「30」にすることで、720p/30fps配信になります。
- OBSの具体的な使い方・設定方法については、以下のページをご覧ください。使いこなすようになるには、ある程度時間がかかります。数分費やした程度では設定をマスターできないので、時間的に余裕があるときにチャレンジしましょう。
OBS Studioの詳しい使い方を参照する
▲画面の上へ
その他
- RGB LEDの設定を変更したい場合は、以下のように設定します。ライティングをOFFにすることもできます。
- RECentralの画面左上にある歯車アイコンをクリックする。
- 「キャプチャーデバイス」にある「Live Gamer 4K」を選択する。
- 「ライティング」タブを開く。
- 各種設定を行う。
- 画面の明るさを調整したい場合は、以下のように設定します。
- 画面左の「キャプチャーデバイス」の部分にあるペンのアイコンをクリックする。
- 「カラー」のところにある「設定」をクリックする。
- 「輝度」を調整する。
- GC573は、リニアPCM 5.1ch/7.1ch音声のパススルーに対応しています。ただし、録画には対応していません。
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筆者がGC573を使用した感想
よい点
- 4K時代における最強のキャプチャボード。奮発して買えば、基本的にほかの製品を買う必要がない。
- RECentralをそのまま使えるので、すでにAVerMediaのキャプチャーデバイスを持っているなら違和感なくキャプチャー環境をアップグレードできる。
- GC573の公式サイトのQ&Aが充実しており、わかりやすかった。注意点をまとめるのに参考になった。
- ライティングのエフェクトパターンは、「Dreamy」がクリスマスのステンドガラスのようで美しい。
- 他社のElgato Game Capture 4K60 Proよりも圧倒的に安い。
悪い点
- すべての機能を完全に使いこなすには、GC573の仕様を含め、相応の知識を入れておかないといけない。
- HDRについては、条件・環境をそろえて録画・再生・編集を行うのが難しいため、HDR目的だけで買うとGC573のよさを引き出せない。
こんな人にお薦め
- 4K/60fps録画に興味があるデスクトップPCユーザー。
- 「大は小を兼ねる」理論で、4K対応製品を買いたい人。GC573を買えば1080p/60fpsにも対応できるので。
- 4K/60fps + HDRや、高フレームレート + HDRに興味があるユーザー。
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関連ページ
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最終更新:2019年11月22日 01:11