being ◆NaLUIfYx.g
もはや彼らにとって、最初の出来事などとうの昔に忘れているだろう。
それ以前に、今自分達がおかれている状況も全く気にしない様子であった。
ここが日常の世界であったら、周りの人達は嫌でもその場から離れるだろう。
それぐらいの大声であった。さらに、辺りは静まっていた為、彼らの声は普段以上に響いていた。
2人の顔と顔との距離が、後少しでぶつかるであろう所まで近付く。
目線は真正面、背ける気や離れる気などお互いになかった。
売り言葉に買い言葉――終わる事のない討論だと思われた……しかし、どんな出来事にも終わりはくる。
最初からずっと大声を出していたので、当然のように息切れを起こし始めたのであった。
肩を上下に動かし、運動もしてないのにそうとうお疲れの様子であった。
台風の後みたいに、辺り一面一気に静まりかえった。
それ以前に、今自分達がおかれている状況も全く気にしない様子であった。
ここが日常の世界であったら、周りの人達は嫌でもその場から離れるだろう。
それぐらいの大声であった。さらに、辺りは静まっていた為、彼らの声は普段以上に響いていた。
2人の顔と顔との距離が、後少しでぶつかるであろう所まで近付く。
目線は真正面、背ける気や離れる気などお互いになかった。
売り言葉に買い言葉――終わる事のない討論だと思われた……しかし、どんな出来事にも終わりはくる。
最初からずっと大声を出していたので、当然のように息切れを起こし始めたのであった。
肩を上下に動かし、運動もしてないのにそうとうお疲れの様子であった。
台風の後みたいに、辺り一面一気に静まりかえった。
(それにしても……生意気な女だな……)
(何よこいつ……本当にむかつく奴ね……)
(何よこいつ……本当にむかつく奴ね……)
すぐにでもまた同じ内容の討論を行いたいようであったが、頭を働かせる時間が出来た分、ようやく今の状況に気付いた。
今は殺しあいをしている最中である、と
彼らの思考なら、来た敵を片っ端から倒せばいいと思ってるし、実際出来る能力を持っていると自負していた。
しかし、今のように油断しきってる状況は別であった。
2人はそのことを直感で判断して、やや距離を置いて辺りを意識し始めた。
幸いな事に、周りに人影や気配はなかった。
というか、あんな大声を出して気付かない人間などいるはずがなかった。
さっきの声を聞き、やる気のある人間が襲ってたら……なんらかの怪我、もしくは死んでいたのかもしれなかった。
そこだけを見るならば、彼ら2人は幸運であったのかもしれなかった。
今は殺しあいをしている最中である、と
彼らの思考なら、来た敵を片っ端から倒せばいいと思ってるし、実際出来る能力を持っていると自負していた。
しかし、今のように油断しきってる状況は別であった。
2人はそのことを直感で判断して、やや距離を置いて辺りを意識し始めた。
幸いな事に、周りに人影や気配はなかった。
というか、あんな大声を出して気付かない人間などいるはずがなかった。
さっきの声を聞き、やる気のある人間が襲ってたら……なんらかの怪我、もしくは死んでいたのかもしれなかった。
そこだけを見るならば、彼ら2人は幸運であったのかもしれなかった。
(なるほど……それなりにやりそうだな)
(ふぅん……ちょっとは出来そうね)
(ふぅん……ちょっとは出来そうね)
自分と同じ行動したのに対して、相手の力量が少しわかった。
それなりにできる奴であると……
その事に対してお互い笑みがこぼれる――同時に。
その行為に腹立てたのか、互いにそっぽを向く――同時に
やっぱり気になって、その後ちらっと横目で見る――同時に
それなりにできる奴であると……
その事に対してお互い笑みがこぼれる――同時に。
その行為に腹立てたのか、互いにそっぽを向く――同時に
やっぱり気になって、その後ちらっと横目で見る――同時に
「なんだよ」
「なによ」
「なによ」
もちろん同時に、
ここにシャナの友人の坂井悠二や、小太郎の友人のネギがいたら間違いなく笑っていたに違いなかった。
それほどまでに彼らの息はぴったしであり、また似ていた。
顔を赤くし、言葉につまり、沈黙が場を支配する。
ここにシャナの友人の坂井悠二や、小太郎の友人のネギがいたら間違いなく笑っていたに違いなかった。
それほどまでに彼らの息はぴったしであり、また似ていた。
顔を赤くし、言葉につまり、沈黙が場を支配する。
(まぁ……ネギ達を探すのにはやっぱり人数がいた方が頼りになるよな。それに……)
(アラストールを探すには多い方がやっぱりいい……それに……)
(アラストールを探すには多い方がやっぱりいい……それに……)
お互い見られない様に背中を向けあい、コソコソと手を正面に据えた。
シャナの手からは小さい炎、小太郎の手からは小さい黒い何かが現れた。
シャナの手からは小さい炎、小太郎の手からは小さい黒い何かが現れた。
(飛び道具に関しては弱体化されとるみたいやしな)
(戦闘面で炎は役に立たないと考えてもいいようね)
(戦闘面で炎は役に立たないと考えてもいいようね)
互いに思う事は同じ、つまりお互いのやるべき事は決まったが、次の言葉が出てこなかった。
理由は簡単であった。
彼らは1人で今まで生き抜いてきた身、もちろん協力もあったがそれらは向こうからの願い、彼ら自身から~~してほしいという願いを言った事はなかった。
つまり、ここで何て言えばいいのかわからなかったのであった。
さらに、この沈黙の状況、口を開くには少々重たい雰囲気でもあった。
必死になんて言うべきか考える2人、やがて……
理由は簡単であった。
彼らは1人で今まで生き抜いてきた身、もちろん協力もあったがそれらは向こうからの願い、彼ら自身から~~してほしいという願いを言った事はなかった。
つまり、ここで何て言えばいいのかわからなかったのであった。
さらに、この沈黙の状況、口を開くには少々重たい雰囲気でもあった。
必死になんて言うべきか考える2人、やがて……
「その……お前が一緒に行きたいって言うなら……行ってもやってもいい」
シャナが先に重たい口を開いた。
語尾は小さくなり、頬を少し赤く染め、視線は小太郎よりやや斜めの地面の方を向いていた。
小太郎はキョトンとした目付きになっていた。
普段の彼ならば、その態度に再度討論になってもおかしくなかった。しかし、
語尾は小さくなり、頬を少し赤く染め、視線は小太郎よりやや斜めの地面の方を向いていた。
小太郎はキョトンとした目付きになっていた。
普段の彼ならば、その態度に再度討論になってもおかしくなかった。しかし、
(なんや……同じ事言われてしもうたわ)
不器用な2人であった。
「……犬上小太郎や、別になんとでも呼んでええよ」
こちらも語尾こそ小さくならなかったが、頬を赤く染め、視線はシャナの方へ向いたり違う方を向いたり、まちまちであった。
しかし、それはOKの合図、形はどうあれ2人はこれから一緒に行動を共にする存在にへと変わった。
しかし、それはOKの合図、形はどうあれ2人はこれから一緒に行動を共にする存在にへと変わった。
「……じゃあ小太郎って呼ぶわね」
そんな小太郎に対して、シャナは多少の笑みが浮かんだ。
ややぎこちない動きであったが、近寄り、手を差し伸べた。
ややぎこちない動きであったが、近寄り、手を差し伸べた。
「おう、よろしくな……シャナ」
こちらも誰がどうみても感じる作り笑いをとり、差し伸べた手を自分の手で握った。
* * *
その後2人はお互いの情報を交換した。といっても、2人の探し人の特徴と名前だけで、探している間に他の情報を交換する事になった。
問題は進行方向、西は崖、北は行き止まりであるので実質2方向であった。
もちろんこのまま2人が同じ方向を指して出発……というわけにはいかなかった。
2人が指した方向は、互いに違う所であった。
小太郎は東やや南よりを、シャナは南やや東よりの方を指した。
別にそんなに変わる事ではないのだが、彼らにとっては重要な問題であった……らしい。
問題は進行方向、西は崖、北は行き止まりであるので実質2方向であった。
もちろんこのまま2人が同じ方向を指して出発……というわけにはいかなかった。
2人が指した方向は、互いに違う所であった。
小太郎は東やや南よりを、シャナは南やや東よりの方を指した。
別にそんなに変わる事ではないのだが、彼らにとっては重要な問題であった……らしい。
「……こっちにネギとかがいるはずなんや!」
「こっちにアラストールがいるの!」
「こっちにアラストールがいるの!」
小太郎もシャナも、どこかのガキ大将かのように自分が指した方向を何度も指差した。
しかし、実際彼ら自身そんな事はわからなかった。
あえていうなら、自分が行きたい方向を正しいかのように適当な理由をつけようとの発言
行きたい方向に行けないのは、彼らにとっては不快な事であった。
このまま、また討論が行われるかのようであったが、なにか閃いたのか、小太郎が不敵な笑みを浮かべた。
しかし、実際彼ら自身そんな事はわからなかった。
あえていうなら、自分が行きたい方向を正しいかのように適当な理由をつけようとの発言
行きたい方向に行けないのは、彼らにとっては不快な事であった。
このまま、また討論が行われるかのようであったが、なにか閃いたのか、小太郎が不敵な笑みを浮かべた。
「ならどや! ここは公平にじゃんけんといこうか!?」
言いながらじゃんけんの構えを取り、準備万端であった。
シャナも断る理由がなかったので、「いいわよ」と答え、構えに入った。
たかがじゃんけん、されどじゃんけん
何でこんなじゃんけんのそこまでの構えが必要なのか? とこの場にもし人がいるなら聞きたくなるに違いなかった。
しかし、彼らにとってこの勝敗の結果で運命が変わってもおかしくはなかった。
シャナも断る理由がなかったので、「いいわよ」と答え、構えに入った。
たかがじゃんけん、されどじゃんけん
何でこんなじゃんけんのそこまでの構えが必要なのか? とこの場にもし人がいるなら聞きたくなるに違いなかった。
しかし、彼らにとってこの勝敗の結果で運命が変わってもおかしくはなかった。
「「最初はグー!」」
拳を高々と上げ、グーチョキパーのどれを選ぶか決めようとしてる。もしくは決まったのかもしれない。
一呼吸おいて次の言葉が発せられた。
一呼吸おいて次の言葉が発せられた。
「「じゃーんけーん、ポン!!」」
結果は……
「げ……」「まっ、当然よね」
シャナの勝ちであった。
* * *
「ねぇ……」
歩き始めて数分、2人は横並びで歩いている。
もちろん周囲への警戒は怠らない。
そんな中、シャナはあることに気づき、小太郎に呼びかける。
もちろん周囲への警戒は怠らない。
そんな中、シャナはあることに気づき、小太郎に呼びかける。
「ん? なんや?」
「何にも武器持ってないけど……支給品はなんなの?」
「何にも武器持ってないけど……支給品はなんなの?」
小太郎はズボンのポケットに両手をつっこんでいて、手ぶらの状態であった。
さすがに何もない状態であるならば、多少の不安がある。
だから、シャナがそのことを聞くのはなんら不思議ではなかった。
しかし、当の本人はまったく気にしている様子などなく、言われて初めて気づく感じでもあった。
さすがに何もない状態であるならば、多少の不安がある。
だから、シャナがそのことを聞くのはなんら不思議ではなかった。
しかし、当の本人はまったく気にしている様子などなく、言われて初めて気づく感じでもあった。
「あぁ、俺はあんまし使う機会がないと思うから入れっぱなしや」
そういって、ランドセルを開くと彼の支給品らしき物を取り出した。
ポケットに入るぐらいであろう小さいケース
小太郎は黙ったままそれを開くとそこには、見たところ何の変哲もないただの手裏剣が収納されていた。
目測であるが、大体10弱入ってあった。
ポケットに入るぐらいであろう小さいケース
小太郎は黙ったままそれを開くとそこには、見たところ何の変哲もないただの手裏剣が収納されていた。
目測であるが、大体10弱入ってあった。
「まっ、一応入れとくか、後はー……これやな」
手裏剣ケースをズボンのポケットの中に入れると、ランドセルから次なる支給品を取り出した。
こちらも手裏剣と同じように小さいケースが出てきた。
その中には――プラスドライバー、マイナスドライバー、ニッパーといった工具に使われるような代物が出てきた。
早い話、工具セットというわけだ。
手裏剣以上に武器といえる代物ではないが、カッターナイフぐらいは手裏剣と一緒にポケットの中に忍び込ませても悪くはない、とシャナは思った。
しかし、そんなシャナの思いなど小太郎には伝わらず、すぐにランドセルの中へと入っていった。
シャナも別に深く言う気などさらさらなく、そのままやり過ごそうと思った。
しかし、
こちらも手裏剣と同じように小さいケースが出てきた。
その中には――プラスドライバー、マイナスドライバー、ニッパーといった工具に使われるような代物が出てきた。
早い話、工具セットというわけだ。
手裏剣以上に武器といえる代物ではないが、カッターナイフぐらいは手裏剣と一緒にポケットの中に忍び込ませても悪くはない、とシャナは思った。
しかし、そんなシャナの思いなど小太郎には伝わらず、すぐにランドセルの中へと入っていった。
シャナも別に深く言う気などさらさらなく、そのままやり過ごそうと思った。
しかし、
「心配すな、俺は素手専門……武器なんか使わなくても大丈夫や」
―ドキ―
一瞬だが、確実に心のどっかで、感じた。
小太郎の勝ち誇った満面の笑みに――なぜか信頼できてしまった。
いや、それ以上のものを感じてしまったのかもしれない。
シャナは赤くなってる顔をうつぶせ、小太郎に気づかれないように前に出た。
小太郎の勝ち誇った満面の笑みに――なぜか信頼できてしまった。
いや、それ以上のものを感じてしまったのかもしれない。
シャナは赤くなってる顔をうつぶせ、小太郎に気づかれないように前に出た。
「ん? どした?」
「うるさい、うるさい、うるさい! 何でもない!!」
「うるさい、うるさい、うるさい! 何でもない!!」
後ろから追う小太郎に対して静止をかける。
小太郎はちょっと不服そうであったが、声をかけづらく、とりあえず頭をかきながらシャナの後ろを歩き始めた。
そんな小太郎をよそに、シャナは一生懸命先ほどの出来事を忘れようとした。
小太郎はちょっと不服そうであったが、声をかけづらく、とりあえず頭をかきながらシャナの後ろを歩き始めた。
そんな小太郎をよそに、シャナは一生懸命先ほどの出来事を忘れようとした。
(あんな奴……あんな奴より悠二の方が何倍もいい! ダメったらダメなの!!)
【A-2/右下端/一日目/午前】
【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:元気、自分にイライラ、小太郎を意識?
[装備]:マスターソード@ぜルダの冒険(重量感あり、使えない事は無い)
[道具]:支給品一式
[思考]:さっきのは偶然! 偶然なんだから!!
第一行動方針:コキュートスを見つけたい(アラストールと合流)
第二行動方針:小太郎の仲間(ネギとエヴァ)を探す
【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:元気、自分にイライラ、小太郎を意識?
[装備]:マスターソード@ぜルダの冒険(重量感あり、使えない事は無い)
[道具]:支給品一式
[思考]:さっきのは偶然! 偶然なんだから!!
第一行動方針:コキュートスを見つけたい(アラストールと合流)
第二行動方針:小太郎の仲間(ネギとエヴァ)を探す
【A-2/右下端/一日目/午前】
【犬上小太郎@魔法先生ネギま!】
[状態]:元気
[装備]:手裏剣セット×12枚@忍たま乱太郎、犬神は弱体化?
[道具]支給品一式、工具セット、未確認支給品0~1
[思考]:一体どうしたんだ……?
第一行動方針:ネギやエヴァと合流
第二行動方針:シャナのコキュートスを探す
第三行動方針:グレーテルの存在がやや気になる
【犬上小太郎@魔法先生ネギま!】
[状態]:元気
[装備]:手裏剣セット×12枚@忍たま乱太郎、犬神は弱体化?
[道具]支給品一式、工具セット、未確認支給品0~1
[思考]:一体どうしたんだ……?
第一行動方針:ネギやエヴァと合流
第二行動方針:シャナのコキュートスを探す
第三行動方針:グレーテルの存在がやや気になる
備考:2人はB地区の南を目指しています。
【手裏剣@忍たま乱太郎】
普通の手裏剣、形は様々、ポケットに入る程度の大きさ
普通の手裏剣、形は様々、ポケットに入る程度の大きさ
【工具セット@現実】
よく家庭とかにもある(?)普通の工具が入ってる物
基本的なもの(±ドライバー、ニッパー、ペンチ、カッターナイフなどなど)が入っています。
よく家庭とかにもある(?)普通の工具が入ってる物
基本的なもの(±ドライバー、ニッパー、ペンチ、カッターナイフなどなど)が入っています。
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