□ □ □
学校までの道中を、二人は歩いていた。
かなりの距離を移動してきたのに、拍子抜けするほど人に会わない。
どこかに集団で固まっているのだろうか。
とにかく警戒を怠らないようにしながら、グリーンは歩き続ける。
その隣をついて歩くのは、ひまわりを抱えたゴーレムと、のび太。
「……確か、最初に二人の少年と会ったと言っていたな。
その少年は、一人は「弥彦」。そしてもう一人いたそうだが――それはどんな子供だった?」
のび太は蒼褪める。
グリーンに最初に名前を聞かれたとき、とっさに嘘の名前としてカツオの名を借りてしまったが、
それは深く追求される場合のことを考えてのものではなかった。
いま唐突にその点を穿り返され、のび太は狼狽する。
「三人目の少年」――カツオの名前はどうしたらいいのか。どう言い訳したらいいのか。
「し、知らない……教えてもらわなかったんだ。教えてもらうまえに別れちゃったから」
まわらない舌で新たに嘘を重ねるが、ばれないかと内心怯える。
「そうか」
しかし、グリーンは追求することはなかった。かわりに、どこか遠くを見やるようにしながら聞く。
「その少年は―――黒髪で、赤い帽子をかぶっていなかったか?」
「えっ?」
「もしくは、麦わら帽子を被った、黄色い髪の……少年には」
「会ってないよ。会った人はみんな僕と同じ日本人みたいで、誰も帽子はかぶってなかった」
その二人、お兄さんの知り合いなの?」
「ああ。レッドとイエローと言って……そうだ、お前は結局会ったのは少年の参加者だけで、
女には会ってないんだな?」
「うん、女の子には一回も会ってないよ」
「う~」
ひまわりに睨まれ、のび太は言い直す。
「……あ、えっと、ひまわりが初めて会った女の子なんだ。他の子には会ってないよ」
「そうか」
女の子、と聞いてのび太は思い出したことがあった。
再び前に向き直ろうとするグリーンの背に呼びかける。
「リルル……お兄さんはリルルを見なかった?
ピンク色の髪してて、外国人みたいにキレイな女の子なんだけど」
グリーンの足が止まる。
「……ピンク色の髪に外国人のような綺麗な少女……そして名前が”リルル”?」
「お兄さん、もしかして知ってるの? リルルに会ったの!?」
「ああ、いや……」
グリーンは言いよどむ。
名簿には、リルルと言う名があった。おそらくそれがのび太の友人なのだろう。
しかし、のび太の挙げた特徴はグリーンが見た”リリス”とも一致する。
特徴の一致。そして名前の類似。
「よく似た別人は見たが、おそらくお前の探しているのとは違う……
確かめておくが、そちらの名前の覚え違いということはないな?」
「ないよ! 友達の名前を間違えるもんか!」
勢いよくまくしたてるのび太を見て、嘘や隠し事はしていないようだとグリーンは判断する。
「そうか、ならいい」
「リリスとリルルって子、そっくりなの? 会ってみたいな」
グリーンは、振り返る。
「……今、答えたのは誰だ?」
のび太は狼狽して首を振る。
「え、僕じゃないよ……?」
「た?」
「……」
グリーンは竹刀の柄を握り締めながら、声のした方向を睨み据える。
「居るのか、リリス」
「うん、いるよ♪」
かなりの距離を移動してきたのに、拍子抜けするほど人に会わない。
どこかに集団で固まっているのだろうか。
とにかく警戒を怠らないようにしながら、グリーンは歩き続ける。
その隣をついて歩くのは、ひまわりを抱えたゴーレムと、のび太。
「……確か、最初に二人の少年と会ったと言っていたな。
その少年は、一人は「弥彦」。そしてもう一人いたそうだが――それはどんな子供だった?」
のび太は蒼褪める。
グリーンに最初に名前を聞かれたとき、とっさに嘘の名前としてカツオの名を借りてしまったが、
それは深く追求される場合のことを考えてのものではなかった。
いま唐突にその点を穿り返され、のび太は狼狽する。
「三人目の少年」――カツオの名前はどうしたらいいのか。どう言い訳したらいいのか。
「し、知らない……教えてもらわなかったんだ。教えてもらうまえに別れちゃったから」
まわらない舌で新たに嘘を重ねるが、ばれないかと内心怯える。
「そうか」
しかし、グリーンは追求することはなかった。かわりに、どこか遠くを見やるようにしながら聞く。
「その少年は―――黒髪で、赤い帽子をかぶっていなかったか?」
「えっ?」
「もしくは、麦わら帽子を被った、黄色い髪の……少年には」
「会ってないよ。会った人はみんな僕と同じ日本人みたいで、誰も帽子はかぶってなかった」
その二人、お兄さんの知り合いなの?」
「ああ。レッドとイエローと言って……そうだ、お前は結局会ったのは少年の参加者だけで、
女には会ってないんだな?」
「うん、女の子には一回も会ってないよ」
「う~」
ひまわりに睨まれ、のび太は言い直す。
「……あ、えっと、ひまわりが初めて会った女の子なんだ。他の子には会ってないよ」
「そうか」
女の子、と聞いてのび太は思い出したことがあった。
再び前に向き直ろうとするグリーンの背に呼びかける。
「リルル……お兄さんはリルルを見なかった?
ピンク色の髪してて、外国人みたいにキレイな女の子なんだけど」
グリーンの足が止まる。
「……ピンク色の髪に外国人のような綺麗な少女……そして名前が”リルル”?」
「お兄さん、もしかして知ってるの? リルルに会ったの!?」
「ああ、いや……」
グリーンは言いよどむ。
名簿には、リルルと言う名があった。おそらくそれがのび太の友人なのだろう。
しかし、のび太の挙げた特徴はグリーンが見た”リリス”とも一致する。
特徴の一致。そして名前の類似。
「よく似た別人は見たが、おそらくお前の探しているのとは違う……
確かめておくが、そちらの名前の覚え違いということはないな?」
「ないよ! 友達の名前を間違えるもんか!」
勢いよくまくしたてるのび太を見て、嘘や隠し事はしていないようだとグリーンは判断する。
「そうか、ならいい」
「リリスとリルルって子、そっくりなの? 会ってみたいな」
グリーンは、振り返る。
「……今、答えたのは誰だ?」
のび太は狼狽して首を振る。
「え、僕じゃないよ……?」
「た?」
「……」
グリーンは竹刀の柄を握り締めながら、声のした方向を睨み据える。
「居るのか、リリス」
「うん、いるよ♪」
グリーンの視線の先、天使の笑顔を浮かべて、淫魔の少女が木の梢に腰掛け手を振っていた。
「呼・ん・だ?」
リリスは軽やかに三人の前に着地し、品定めするように無邪気さと妖艶さを含んだまなざしを三人と一体に向ける。
その表情、しぐさ、どれも無邪気に可愛らしいものであるのに、その顔かたちの造形の妖しい美しさゆえにどこか邪を含む。
竹刀を構え、二人を背中に庇うように立ちながらグリーンが油断なく問いかける。
「……リリス。なぜここに居る」
「んーと、吹っ飛ばされちゃった」
リリスは腕を後ろで組みにこにこと笑んだまま、まるで経緯と因果のわからない答えを返す。
「でも、ラッキーだったな。
だって、四人も来てくれたんだもん。これで勝負にも勝てそうだよ」
ちろりと舌なめずりし、リリスは目を細める。
「……勝負?」
「えーっとね、ルールは簡単。たくさん首輪を集めた方が勝ちなの。
だからね……」
リリスが最後まで言い終えるより早く、危険を察知したグリーンはのび太の腕を強引に引いて
道沿いに広がり鬱蒼と茂る北の森へと走る。
「走れ!」
「な、なに!? なんで逃げるの?」
わけがわからないまま、グリーンに引きずられるようにしてのび太も必死に走る。
その後を、ひまわりを抱えたゴーレムが忠実についてくる。
リリスは軽やかに三人の前に着地し、品定めするように無邪気さと妖艶さを含んだまなざしを三人と一体に向ける。
その表情、しぐさ、どれも無邪気に可愛らしいものであるのに、その顔かたちの造形の妖しい美しさゆえにどこか邪を含む。
竹刀を構え、二人を背中に庇うように立ちながらグリーンが油断なく問いかける。
「……リリス。なぜここに居る」
「んーと、吹っ飛ばされちゃった」
リリスは腕を後ろで組みにこにこと笑んだまま、まるで経緯と因果のわからない答えを返す。
「でも、ラッキーだったな。
だって、四人も来てくれたんだもん。これで勝負にも勝てそうだよ」
ちろりと舌なめずりし、リリスは目を細める。
「……勝負?」
「えーっとね、ルールは簡単。たくさん首輪を集めた方が勝ちなの。
だからね……」
リリスが最後まで言い終えるより早く、危険を察知したグリーンはのび太の腕を強引に引いて
道沿いに広がり鬱蒼と茂る北の森へと走る。
「走れ!」
「な、なに!? なんで逃げるの?」
わけがわからないまま、グリーンに引きずられるようにしてのび太も必死に走る。
その後を、ひまわりを抱えたゴーレムが忠実についてくる。
「逃がさないよ、こっちだって約束の時間までもうあんまりないんだもん!」
リリスは梢を蹴り、たたんでいた翼を伸ばし大きく展開する。
日は既に空の頂から下りはじめ、約束の18時まで、残された時間は少なくなっている。
なのに、リリスが獲得できた首輪はいまだ0個。
このままではコナンとの競争に負けてしまう。
とはいえ、まだ遊ぶ余裕がなくなるほどでもない。
相手は四人もいる。みんなやっつければ、一気に四個の首輪が手に入るのだ。
なのに、リリスが獲得できた首輪はいまだ0個。
このままではコナンとの競争に負けてしまう。
とはいえ、まだ遊ぶ余裕がなくなるほどでもない。
相手は四人もいる。みんなやっつければ、一気に四個の首輪が手に入るのだ。
「せっかく見つけたんだもん、絶対逃がさないから!
遊ぼう! いっぱい遊ぼう!」
遊ぼう! いっぱい遊ぼう!」
目を輝かせ、リリスは森の中へと逃げていくグリーンとのび太とひまわりを追って飛んでいった。
神社脇の森まで逃げ、グリーンとのび太は鬱蒼と茂る木陰に身を隠し息を潜める。
リリスを振り切るまで走るつもりだったが、体力を消耗していたのび太が
それ以上走れなくなってしまったのだ。
「ご、ごめんな……ゲホッ、ごめんなさい……。僕、足、遅くて……」
ひまわりが、顔を真っ赤にし汗びっしょりののび太を気遣うようにつぶらな瞳で見つめてくる。
「チッ……」
木々の葉と梢に覆われた空を見上げ、グリーンは舌打ちする。
とりあえずこちらの位置は気づかれていないようだが、リリスは諦めた様子もなく
空中から見張るように旋回を続けている。
リリスを振り切るまで走るつもりだったが、体力を消耗していたのび太が
それ以上走れなくなってしまったのだ。
「ご、ごめんな……ゲホッ、ごめんなさい……。僕、足、遅くて……」
ひまわりが、顔を真っ赤にし汗びっしょりののび太を気遣うようにつぶらな瞳で見つめてくる。
「チッ……」
木々の葉と梢に覆われた空を見上げ、グリーンは舌打ちする。
とりあえずこちらの位置は気づかれていないようだが、リリスは諦めた様子もなく
空中から見張るように旋回を続けている。
「かくれんぼー? いいよ、リリスが鬼だね♪」
リリスの声が頭上から降ってくる。
同時――鋭利な刺突の一撃が、重なり合い繁る木々の梢の間を縫ってグリーンたちの近くに突き刺さる。
「ヒッ!」
のび太が怯えた声を洩らす。
その口を塞ぎ、抱えて引き寄せるようにして耳打ちする。
「声を出すな。相手はこちらの位置がわかって攻撃しているのではない……こちらが攻撃に怯え、
勝手に動いて目の前に飛び出してくるのを待っている。だからこの場は、動くな。静かに機を待て」
「で、でも、怖いよ……」
「ひまわりにもできることができないのか」
「そんな……」
赤ちゃんは状況が分かっていないだけじゃないか、比べないでよ――と言いかけた反論をかろうじて飲み込む。
リリスの声が頭上から降ってくる。
同時――鋭利な刺突の一撃が、重なり合い繁る木々の梢の間を縫ってグリーンたちの近くに突き刺さる。
「ヒッ!」
のび太が怯えた声を洩らす。
その口を塞ぎ、抱えて引き寄せるようにして耳打ちする。
「声を出すな。相手はこちらの位置がわかって攻撃しているのではない……こちらが攻撃に怯え、
勝手に動いて目の前に飛び出してくるのを待っている。だからこの場は、動くな。静かに機を待て」
「で、でも、怖いよ……」
「ひまわりにもできることができないのか」
「そんな……」
赤ちゃんは状況が分かっていないだけじゃないか、比べないでよ――と言いかけた反論をかろうじて飲み込む。
三人がしばらく息を潜めて隠れている間に、周囲は穴ぼこだらけに変わっていく。
攻撃の余波を食って散らされた木の葉が落ち続け、自然破壊も甚だしい。
攻撃の余波を食って散らされた木の葉が落ち続け、自然破壊も甚だしい。
「もーぅ! 隠れてばっかりじゃつまんないよっ!」
上空からリリスの怒ったような声が聞こえ、攻撃が止む。
(……いなくなったのかな?)
(……去ったか?)
グリーンとのび太は目配せし合い、茂みから移動しようと頭を出す。
そして気づく。
――頭上から降り注ぐ、「まっさらな日光」。
ざくりっ、と気味のいい音が届き、大量の枝が一斉に降ってくる。
「なっ!?」
「ええっ!?」
のび太とひまわりをかばうように枝を払いのけながら、グリーンが頭上を仰ぐ。
なんの障害物もなくなった空には、逆光を浴びて金の光に彩られたリリスの影が横切る。
「アハハ、みーつけた♪ 見つけたよっ♪」
リリスの翼は先程見たときと形を変え、二丁の鎌のように鋭利なカーブを見せて空を覆い交差している。
その鎌を以って無造作に群れ繁る木の上部を刈り取り、グリーンたちの姿を隠している木々をなぎ払ったのだ。
(……いなくなったのかな?)
(……去ったか?)
グリーンとのび太は目配せし合い、茂みから移動しようと頭を出す。
そして気づく。
――頭上から降り注ぐ、「まっさらな日光」。
ざくりっ、と気味のいい音が届き、大量の枝が一斉に降ってくる。
「なっ!?」
「ええっ!?」
のび太とひまわりをかばうように枝を払いのけながら、グリーンが頭上を仰ぐ。
なんの障害物もなくなった空には、逆光を浴びて金の光に彩られたリリスの影が横切る。
「アハハ、みーつけた♪ 見つけたよっ♪」
リリスの翼は先程見たときと形を変え、二丁の鎌のように鋭利なカーブを見せて空を覆い交差している。
その鎌を以って無造作に群れ繁る木の上部を刈り取り、グリーンたちの姿を隠している木々をなぎ払ったのだ。
あまりの離れ技に絶句する少年たちの驚愕のまなざしを受け、リリスは満悦といったようすで嫣然と微笑む。
「みんな見つけたから、リリスの勝ちだよね?
それじゃあ――首輪、ちょうだい♪」
「みんな見つけたから、リリスの勝ちだよね?
それじゃあ――首輪、ちょうだい♪」
リリスは翼を変形させた弓を手に構え――ひまわりを狙って撃った。
ひまわりの小さな体が衝撃に吹っ飛んで、地に転がった。
ひまわりの小さな体が衝撃に吹っ飛んで、地に転がった。
「にーや! にーやー!!」
のび太の足元に投げ出されたひまわりが、大声で泣き喚く。
のび太の足元に投げ出されたひまわりが、大声で泣き喚く。
―――リリスの射た矢は、しんのすけを模したゴーレムを貫いていた。
グリーンが指示したわけでもないのに、なぜかゴーレムは寸前でひまわりを離れた場所へ放り投げ、
ひまわりの身代わりとなってそのかりそめの身を貫かれた。
小さな体躯を深々と貫かれたゴーレムの口が、何か言いたげに小さく動く。
グリーンが指示したわけでもないのに、なぜかゴーレムは寸前でひまわりを離れた場所へ放り投げ、
ひまわりの身代わりとなってそのかりそめの身を貫かれた。
小さな体躯を深々と貫かれたゴーレムの口が、何か言いたげに小さく動く。
……ひまは、オラが……
最後まで言い終える前に、消えた。
「にーやー!」
泣き止まないひまわりをどうしていいか分からず、のび太はおろつく。
ひまわりのランドセルから小瓶を取り出しながら、グリーンは自分のランドセルとひまわりのランドセル、
二つをのび太に押し付け持たせた。
「カツオ、ひまわりを連れて逃げろ」
のび太が、自分に向けて言われているのだと気づくのに少しかかった。
「え……」
「ここは俺が食い止める。お前ら二人は、先に安全な所まで逃げろ」
「い……いやだ!」
ようやく声が出た。のび太はすでに泣き出しそうな声を振り絞る。
グリーンの持っているのは竹刀一本。比べて、相手はとんでもない力を持った怪物。
ここで自分とひまわりが逃げた後、グリーンがどうなるかくらい、のび太にだってわかった。
「お、お兄さんも、一緒に逃げようよ! 僕一人じゃ怖いよ!」
「勘違いするな。オレはこいつに聞きたいことがあるから残るだけだ。
お前たちは足手まといになる。先に逃げていろ」
「お兄さん、殺されちゃうかもしれないじゃないか……。
僕、また一人になっちゃうじゃないか……!」
「必ず後から追いつく。だから、さっさと行け」
「いやだよ! 僕ひとりじゃなんにもできないよ!」
「なら、俺の仲間を探して頼れ。
”レッド”、”ブルー”、”イエロー”この三人なら……
俺の名前を出せば、きっとお前たちの力になってくれるだろう。
ただ、”ニケ”という参加者は敵の手下である可能性が高い。ヤツにはなるべく近づくな」
「わ、わかったけど……でも……でも……」
泣き止まないひまわりをどうしていいか分からず、のび太はおろつく。
ひまわりのランドセルから小瓶を取り出しながら、グリーンは自分のランドセルとひまわりのランドセル、
二つをのび太に押し付け持たせた。
「カツオ、ひまわりを連れて逃げろ」
のび太が、自分に向けて言われているのだと気づくのに少しかかった。
「え……」
「ここは俺が食い止める。お前ら二人は、先に安全な所まで逃げろ」
「い……いやだ!」
ようやく声が出た。のび太はすでに泣き出しそうな声を振り絞る。
グリーンの持っているのは竹刀一本。比べて、相手はとんでもない力を持った怪物。
ここで自分とひまわりが逃げた後、グリーンがどうなるかくらい、のび太にだってわかった。
「お、お兄さんも、一緒に逃げようよ! 僕一人じゃ怖いよ!」
「勘違いするな。オレはこいつに聞きたいことがあるから残るだけだ。
お前たちは足手まといになる。先に逃げていろ」
「お兄さん、殺されちゃうかもしれないじゃないか……。
僕、また一人になっちゃうじゃないか……!」
「必ず後から追いつく。だから、さっさと行け」
「いやだよ! 僕ひとりじゃなんにもできないよ!」
「なら、俺の仲間を探して頼れ。
”レッド”、”ブルー”、”イエロー”この三人なら……
俺の名前を出せば、きっとお前たちの力になってくれるだろう。
ただ、”ニケ”という参加者は敵の手下である可能性が高い。ヤツにはなるべく近づくな」
「わ、わかったけど……でも……でも……」
「あれ……一人やっつけたと思ったのに、いなくなっちゃった」
上空では、リリスが首をかしげていた。
まずは四人のうち一人を仕留めたつもりだったのに、どういうわけか首輪さえ残さずに煙のように消えてしまった。
「ま、いいよね。まだ三人もいるもん♪」
考えても分からないことはしかたない。
とりあえず目の前のターゲットを狩りつくすべく、うきうきとリリスは次の矢を番える。
上空では、リリスが首をかしげていた。
まずは四人のうち一人を仕留めたつもりだったのに、どういうわけか首輪さえ残さずに煙のように消えてしまった。
「ま、いいよね。まだ三人もいるもん♪」
考えても分からないことはしかたない。
とりあえず目の前のターゲットを狩りつくすべく、うきうきとリリスは次の矢を番える。
それを見、グリーンはのび太を急かす。
「早く行け、カツオ」
「でも、でも……!」
のび太は、ひまわりを抱いたまま、迷い立ちすくむ。
なにを言えばいいのだろう。何を言おうとしていたのだろう。
「行け、カツオ」
口をパクパクさせ、のび太は舌をもつらせながら叫ぶ。
「あっ……あ、あ、あの! 僕、ほんとうはカツオじゃないんだ、嘘ついたんだ、本当は……!」
「早く行け!」
グリーンに強引に背を押され、つんのめるようにのび太は駆け出した。
「早く行け、カツオ」
「でも、でも……!」
のび太は、ひまわりを抱いたまま、迷い立ちすくむ。
なにを言えばいいのだろう。何を言おうとしていたのだろう。
「行け、カツオ」
口をパクパクさせ、のび太は舌をもつらせながら叫ぶ。
「あっ……あ、あ、あの! 僕、ほんとうはカツオじゃないんだ、嘘ついたんだ、本当は……!」
「早く行け!」
グリーンに強引に背を押され、つんのめるようにのび太は駆け出した。
背後からは女の子の甲高い嬌声、戦っているらしい恐ろしい音。
きっとお兄さんは死んでしまう。僕たちのかわりに殺されてしまう。
きっとお兄さんは死んでしまう。僕たちのかわりに殺されてしまう。
のび太は振り向くことも忘れて、ひまわりを抱きしめ必死に走った。
怖かった。
みっともなく逃げながら、のび太は洟をすすった。
泣いていた。
なんの役にも立てず、足手まといだと言われて逃がされた自分が、
悔しかった。
怖かった。
みっともなく逃げながら、のび太は洟をすすった。
泣いていた。
なんの役にも立てず、足手まといだと言われて逃がされた自分が、
悔しかった。
◇
グリーンの一撃を受けた矢は、手のひらサイズの子豚になってぽろんと地に落ちた。
逃げていったのび太に向けて放たれた矢をこぶたのしないで叩き落し、グリーンは上空のリリスを睨みつける。
逃げていったのび太に向けて放たれた矢をこぶたのしないで叩き落し、グリーンは上空のリリスを睨みつける。
二人を逃がしてしまったことに不満そうに頬を膨らませながらも、リリスがグリーンの前に降り立つ。
「キミひとりになっちゃったね」
「……ああ」
「ひどいよ。コナン君との勝負に負けちゃったらキミのせいだからね」
「……ああ」
「とりあえず、責任とってほしいな。その首輪ちょーだい♪」
リリスの翼が変形し、グリーン目掛けて撃ち出される。
「断る」
攻撃を予期し即座に回避行動をとったグリーンは、すげなく答えながらリリスの力量を計るように見据える。
(さて、どうするか……)
手持ちのポケモンもいない。
手には、慣れた得物と言えど、人外の能力を持つ相手と渡り合うにはやや頼りない竹刀一本のみ。
そのような不如意な状況でグリーンが臨んでいるのは、一歩踏み外せばすぐに死の待ち受ける、危険なバトル。
しかし……。
(俺は慣れている)
自分よりも強い者に、正面から挑めば敗ける。
自分よりも弱い者から、不意を突かれても敗ける。
判断を誤ればいつ敗けても不思議はない。
判断を誤らなくても敗ける可能性はある。
たとえここが特殊な場だったとしても、その点でグリーンの踏んできた修羅場と変わりはしないのだ。
トレーナーとしての旅の中で、一歩間違えれば死んでもおかしくないような場をいくつも潜ってきた。
それらをすべて乗り越え、今のグリーンがある。
ゆえに怯懦はない。覚悟だけがある。
「キミひとりになっちゃったね」
「……ああ」
「ひどいよ。コナン君との勝負に負けちゃったらキミのせいだからね」
「……ああ」
「とりあえず、責任とってほしいな。その首輪ちょーだい♪」
リリスの翼が変形し、グリーン目掛けて撃ち出される。
「断る」
攻撃を予期し即座に回避行動をとったグリーンは、すげなく答えながらリリスの力量を計るように見据える。
(さて、どうするか……)
手持ちのポケモンもいない。
手には、慣れた得物と言えど、人外の能力を持つ相手と渡り合うにはやや頼りない竹刀一本のみ。
そのような不如意な状況でグリーンが臨んでいるのは、一歩踏み外せばすぐに死の待ち受ける、危険なバトル。
しかし……。
(俺は慣れている)
自分よりも強い者に、正面から挑めば敗ける。
自分よりも弱い者から、不意を突かれても敗ける。
判断を誤ればいつ敗けても不思議はない。
判断を誤らなくても敗ける可能性はある。
たとえここが特殊な場だったとしても、その点でグリーンの踏んできた修羅場と変わりはしないのだ。
トレーナーとしての旅の中で、一歩間違えれば死んでもおかしくないような場をいくつも潜ってきた。
それらをすべて乗り越え、今のグリーンがある。
ゆえに怯懦はない。覚悟だけがある。
「エイッ♪」
可愛らしい掛け声と釣り合わない、凶悪な一撃が再び迫る。
かわすうちに、背中に木の幹が当たる。
逃げることは難しいと悟り、グリーンは踏み留まった。
こぶたのしないを構えてリリスの攻撃を真っ向から受ける。
目を閉じ心を澄ませ――己の気配のみを頼りに、竹刀を振るう。
打撃音が連続して響く。同時に、ボヮンと謎の音も連続して響く。
リリスの翼から分かれた攻撃の槍は、何匹ものプチこぶたとなってぽてぽてと落ちた。
可愛らしい掛け声と釣り合わない、凶悪な一撃が再び迫る。
かわすうちに、背中に木の幹が当たる。
逃げることは難しいと悟り、グリーンは踏み留まった。
こぶたのしないを構えてリリスの攻撃を真っ向から受ける。
目を閉じ心を澄ませ――己の気配のみを頼りに、竹刀を振るう。
打撃音が連続して響く。同時に、ボヮンと謎の音も連続して響く。
リリスの翼から分かれた攻撃の槍は、何匹ものプチこぶたとなってぽてぽてと落ちた。
「えっ!?」
リリスの目が、好奇で輝く。
「今の、どうやったの?」
「……知らん」
致命傷は負わなかったものの、攻撃すべてをさばき切ることはできなかった。
体の数箇所を抉った傷の痛みを堪えながら、グリーンはリリスに肉薄する。
リリスの目が、好奇で輝く。
「今の、どうやったの?」
「……知らん」
致命傷は負わなかったものの、攻撃すべてをさばき切ることはできなかった。
体の数箇所を抉った傷の痛みを堪えながら、グリーンはリリスに肉薄する。
「そーはいかないもんねっ!」
竹刀を難なくかわし、リリスは身を空中へと翻す。
「チッ」
空中に逃げられては、グリーンに打つ手は無い。
このままのび太たちを追われても困る。
なんとか挑発してでもこちらに引き付けねば……。
竹刀を難なくかわし、リリスは身を空中へと翻す。
「チッ」
空中に逃げられては、グリーンに打つ手は無い。
このままのび太たちを追われても困る。
なんとか挑発してでもこちらに引き付けねば……。
「もう、よそ見しちゃイヤだよ?」
はっと気がつくと、こぶたのしないの刀身の上にリリスが乗っていた。
「今はリリスのことだけ見て……」
リリスの伸ばした繊手が、グリーンの顎をなぞり持ち上げる。
「!」
整ったリリスの顔が近づけられ、グリーンはぎょっとして体を引くが、
それよりも早くリリスは身を乗り出してきた。
はっと気がつくと、こぶたのしないの刀身の上にリリスが乗っていた。
「今はリリスのことだけ見て……」
リリスの伸ばした繊手が、グリーンの顎をなぞり持ち上げる。
「!」
整ったリリスの顔が近づけられ、グリーンはぎょっとして体を引くが、
それよりも早くリリスは身を乗り出してきた。
ちゅっ。
「……!!」
反射的に腰の鞭を抜き放ち、リリスに叩きつける。
「あははっ♪」
しかしリリスはまるで堪えた様子もなくけらけらと笑いながら、上空へと舞い上がる。
「キミもリリスとSMごっこがしたいの?」
両手を後ろに回し、はしゃぐようにくるくると旋回し――細い体を撓う翼で鎧い、ドリルのように急降下してくる。
反射的に腰の鞭を抜き放ち、リリスに叩きつける。
「あははっ♪」
しかしリリスはまるで堪えた様子もなくけらけらと笑いながら、上空へと舞い上がる。
「キミもリリスとSMごっこがしたいの?」
両手を後ろに回し、はしゃぐようにくるくると旋回し――細い体を撓う翼で鎧い、ドリルのように急降下してくる。
しかしグリーンは避けようとしない。
すぐ横を通り過ぎてゆく風圧で頬の皮膚が避け、視界に自分の血が跳ねる。
それも意に介さず、グリーンはタイミングを見計らった一撃を、地面に突き刺さって一瞬動きの止まった
リリスの本体へと竹刀の一撃を叩き込む――――!
すぐ横を通り過ぎてゆく風圧で頬の皮膚が避け、視界に自分の血が跳ねる。
それも意に介さず、グリーンはタイミングを見計らった一撃を、地面に突き刺さって一瞬動きの止まった
リリスの本体へと竹刀の一撃を叩き込む――――!
見事な一本であった。
だが、竹刀は空を切った。
竹刀がヒットする寸前、翼を含むリリスの体が無数の蝙蝠の群れと変化し、
グリーンをあざ笑うようにばらけ散っていった。
決定打を確信していたグリーンの表情が驚愕に彩られる。
「な……!」
「ざんねーん!」
蝙蝠がグリーンの背後で収束し、リリスの姿に戻る。
「囮だと……、」
己の読み違いを悟って振り向いたグリーンを、容赦の無い一撃が迎え撃った。
衝撃にグリーンの体が吹っ飛び、木に叩きつけられる。
手からこぶたのしないが落ち、ずるずるとくずおれる。
竹刀がヒットする寸前、翼を含むリリスの体が無数の蝙蝠の群れと変化し、
グリーンをあざ笑うようにばらけ散っていった。
決定打を確信していたグリーンの表情が驚愕に彩られる。
「な……!」
「ざんねーん!」
蝙蝠がグリーンの背後で収束し、リリスの姿に戻る。
「囮だと……、」
己の読み違いを悟って振り向いたグリーンを、容赦の無い一撃が迎え撃った。
衝撃にグリーンの体が吹っ飛び、木に叩きつけられる。
手からこぶたのしないが落ち、ずるずるとくずおれる。
薄れゆく意識の中で、グリーンはレッドの幻影を見た気がした。
(ひまわりとカツオは……逃げられただろうか)
閉じそうになる目を、かろうじて上に向ける。
マサラの空と同じ青さを湛えた空を最後に焼きつけ、グリーンは目を閉じた。
マサラの空と同じ青さを湛えた空を最後に焼きつけ、グリーンは目を閉じた。
◇
「あれ……もう動かなくなっちゃった。つまんないの」
リリスは翼をたたむと、地に転がったグリーンの死体にとことこと近づく。
「それじゃ、首輪もらうね」
リリスはグリーンの傍らにしゃがみこみ、首輪を取るべく首筋に触れた。
リリスは翼をたたむと、地に転がったグリーンの死体にとことこと近づく。
「それじゃ、首輪もらうね」
リリスはグリーンの傍らにしゃがみこみ、首輪を取るべく首筋に触れた。
しかし、誰かの手に強引に頤を掴まれ、阻止される。
「えっ?」
ゆらりと眼前で擡ぐ人影。
そのまま、唇が被せられる。
「えっ?」
ゆらりと眼前で擡ぐ人影。
そのまま、唇が被せられる。
人影はそのままリリスの薄い体の表を這いあがるようにして、肩と頭をせり上げ、
何かを少量の唾液を潤滑にしてリリスの喉の奥に滑り込ませる。
リリスは嫌がり抵抗するような無粋なことはしない。
ただ、「遊び」の、行為の一環として楽しむふうな様子で素直にそれを受けた。
これまではする側だったけど、キスされる側になるのも悪くない。
飲まされた「何か」は、おいしくなかったら吐いちゃおう、ぐらいは考えていたが、
舌を転がる小さな粒はほんのり甘く、悪い味ではなかった。
なんとなく、慣れ親しんだ味のようにも感じられた。
おいしいならきっと毒ではない。リリスはそう思い、そのまま嚥下した。
何かを少量の唾液を潤滑にしてリリスの喉の奥に滑り込ませる。
リリスは嫌がり抵抗するような無粋なことはしない。
ただ、「遊び」の、行為の一環として楽しむふうな様子で素直にそれを受けた。
これまではする側だったけど、キスされる側になるのも悪くない。
飲まされた「何か」は、おいしくなかったら吐いちゃおう、ぐらいは考えていたが、
舌を転がる小さな粒はほんのり甘く、悪い味ではなかった。
なんとなく、慣れ親しんだ味のようにも感じられた。
おいしいならきっと毒ではない。リリスはそう思い、そのまま嚥下した。
そのまましばらくしても、何も起こらない。
やはり毒ではなかったらしい。
苦しくもならないし、眠くもならない。痺れもしない。
やはり毒ではなかったらしい。
苦しくもならないし、眠くもならない。痺れもしない。
だけど……なんだろう。
なんだか、胸が苦しくなってきちゃったよ…………。
なんだか、胸が苦しくなってきちゃったよ…………。
◇
ぽーっとしているリリスから顔を離し、グリーンは苦しげに咳き込んで
血反吐とリリスの唾液の混じったものを吐き捨てた。
血反吐とリリスの唾液の混じったものを吐き捨てた。
あらかじめ服の裏に海岸の電話ボックスから持ってきた電話帳を仕込み、さらに緩衝材として『落書帝国』で具現した
盾形の小ゴーレムを忍ばせて二重に備えておいたにも関わらず、リリスの必殺の一撃の前では紙切れとあまり変わらなかった。
――痛む。血が口の中に絶えずこみ上げてくる。
目を閉ざした時は、このまま策を果たせず息絶えることさえ覚悟した。
正直、いま胴がくっついているという事実が奇跡に思えた。
盾形の小ゴーレムを忍ばせて二重に備えておいたにも関わらず、リリスの必殺の一撃の前では紙切れとあまり変わらなかった。
――痛む。血が口の中に絶えずこみ上げてくる。
目を閉ざした時は、このまま策を果たせず息絶えることさえ覚悟した。
正直、いま胴がくっついているという事実が奇跡に思えた。
(しかし、うまくいった)
隙を突いてリリスに飲ませることに成功したのは、ひまわりのもう一つの支給品。
「魔女の媚薬」というもので、説明書きを見るとその名のとおりいかがわしげな効果があって、
間違っても赤ん坊に与えるような品ではない。
こんなものを支給したジェダの神経を疑わずにはいられなかったが、こういう場面で役立ったのは僥倖だった。
「魔女の媚薬」というもので、説明書きを見るとその名のとおりいかがわしげな効果があって、
間違っても赤ん坊に与えるような品ではない。
こんなものを支給したジェダの神経を疑わずにはいられなかったが、こういう場面で役立ったのは僥倖だった。
相手がこちらに心酔していれば、情報を引き出すこともたやすくなるだろう。
グリーンは落ちていた竹刀を拾いなおし、うっとりと濡れた瞳でこちらを見つめているリリスに近づく。
「話を聞かせてもらいたい。まず、キサマがなぜここにいるかについてだが……」
「えー? それよりもっと楽しいことしようよ♪」
頬を染めたリリスはグリーンの言葉を無視し、子犬のようにじゃれついて押し倒す。
「ま、待て! やめろ……っ」
計算外の反応に狼狽しつつ、グリーンはリリスを押しのけようとする。
「離……ぐっ」
物凄い力で抱きしめられ、窒息死しそうな錯覚を覚える。
「ダーメ♪」
リリスの力は万力のごとくに強く、すでに抱きすくめられたこの状態では逃げるには手遅れであった。
背に腕をまわし抱きしめられたこの状態で下手に逆らえば、さば折りに背骨をへし折られ胴を潰されるおそれもある。
媚薬が効いている上で、たとえ悪気はなくとも。
(仕方ない……)
相手が飽きるまでと思い、グリーンは仕方なくリリスの熱烈なキスに応じる。
誰かに目撃され疑われたり、襲われたりする可能性を頭の隅に浮かべて周囲に目を走らせつつ、
万が一舌を食いちぎられたりすることのないよう警戒しながら、リリスが満足して離れるのを待った。
グリーンは落ちていた竹刀を拾いなおし、うっとりと濡れた瞳でこちらを見つめているリリスに近づく。
「話を聞かせてもらいたい。まず、キサマがなぜここにいるかについてだが……」
「えー? それよりもっと楽しいことしようよ♪」
頬を染めたリリスはグリーンの言葉を無視し、子犬のようにじゃれついて押し倒す。
「ま、待て! やめろ……っ」
計算外の反応に狼狽しつつ、グリーンはリリスを押しのけようとする。
「離……ぐっ」
物凄い力で抱きしめられ、窒息死しそうな錯覚を覚える。
「ダーメ♪」
リリスの力は万力のごとくに強く、すでに抱きすくめられたこの状態では逃げるには手遅れであった。
背に腕をまわし抱きしめられたこの状態で下手に逆らえば、さば折りに背骨をへし折られ胴を潰されるおそれもある。
媚薬が効いている上で、たとえ悪気はなくとも。
(仕方ない……)
相手が飽きるまでと思い、グリーンは仕方なくリリスの熱烈なキスに応じる。
誰かに目撃され疑われたり、襲われたりする可能性を頭の隅に浮かべて周囲に目を走らせつつ、
万が一舌を食いちぎられたりすることのないよう警戒しながら、リリスが満足して離れるのを待った。
しかし、それが誤算だった。
リリスは淫魔と呼ばれる種の娘であり、その体液には催淫効果がある。
そのことをグリーンは知らなかった。
リリスは淫魔と呼ばれる種の娘であり、その体液には催淫効果がある。
そのことをグリーンは知らなかった。
リリスと唇を重ね合わせて一分も経たないうちに、グリーンは自らの内部に変な気分が湧き上がってくるのに気づいた。
(……?)
なんだか心が切なくて、それでいて心が温もって、そこから強い力が沸きだしてグリーンを勝手に何かへと駆り立てようとする。
なにかせずにはいられないような焦燥にも似ている。とにかく、無性にいい気分である。
(何だ、これは……)
唇を重ねたまま、リリスがささやく。
「キミ、名前はなんていうの……?」
「……グリー……ン……」
心の中の、何か大事な部分が蕩かされ、崩されていく。そのことが怖い。
しかし、そのことすら忘れそうな激烈な至福感がある。
「そう、グリーンって言うんだ……あたしは、リリスだよ」
「…………あ、あ」
至近距離にリリスの小さな整った顔があり、無邪気な媚を含んだ視線がグリーンの目に入っていく。
するともうグリーンは金縛りのように動けなかった。
リリスを払いのけることも、自ら体を引いて離れることもできなくなる。
(これは……、……い……)
引き剥がそうとするが、手がろくに動かない。
今更焦り、己の浅はかさを憎んでもどうにもならなかった。
(……やめ……)
リリスのしなやかな手が、背中をするすると這って登る。反射的にグリーンもリリスを抱きしめるようにしてしまう。
崖から奈落へ足を踏み外すように、境界を踏み越えるのは一瞬だった。
粘膜を通して意識が甘い毒に侵食され、淫靡なものにつくりかえられる。
食虫植物に捕らわれ、じっくりと舐り溶かされる虫の最期に恐怖はないだろう。
雌の蟷螂に食われる雄蟷螂は、恍惚として生まれ来る子を想うだろう。
体の芯がぐにゃりとする。ぞわりと全身が慄えた。
(……?)
なんだか心が切なくて、それでいて心が温もって、そこから強い力が沸きだしてグリーンを勝手に何かへと駆り立てようとする。
なにかせずにはいられないような焦燥にも似ている。とにかく、無性にいい気分である。
(何だ、これは……)
唇を重ねたまま、リリスがささやく。
「キミ、名前はなんていうの……?」
「……グリー……ン……」
心の中の、何か大事な部分が蕩かされ、崩されていく。そのことが怖い。
しかし、そのことすら忘れそうな激烈な至福感がある。
「そう、グリーンって言うんだ……あたしは、リリスだよ」
「…………あ、あ」
至近距離にリリスの小さな整った顔があり、無邪気な媚を含んだ視線がグリーンの目に入っていく。
するともうグリーンは金縛りのように動けなかった。
リリスを払いのけることも、自ら体を引いて離れることもできなくなる。
(これは……、……い……)
引き剥がそうとするが、手がろくに動かない。
今更焦り、己の浅はかさを憎んでもどうにもならなかった。
(……やめ……)
リリスのしなやかな手が、背中をするすると這って登る。反射的にグリーンもリリスを抱きしめるようにしてしまう。
崖から奈落へ足を踏み外すように、境界を踏み越えるのは一瞬だった。
粘膜を通して意識が甘い毒に侵食され、淫靡なものにつくりかえられる。
食虫植物に捕らわれ、じっくりと舐り溶かされる虫の最期に恐怖はないだろう。
雌の蟷螂に食われる雄蟷螂は、恍惚として生まれ来る子を想うだろう。
体の芯がぐにゃりとする。ぞわりと全身が慄えた。
リリスが、潤んだ目を笑むように細めてみせた。
それを見たグリーンは、とろりと幸福な気分に溶け込む。
それを見たグリーンは、とろりと幸福な気分に溶け込む。
そして、グリーンはグリーンでなくなった。
□ □ □
森の中で、仲睦まじく少年少女が寄り添いあっている。
「……そうか。リリスは、自ら望んでこの殺し合いに参加したのか」
「うん、みんな遊んでるのにリリスだけ仲間はずれなんてつまんないもの」
「うん、みんな遊んでるのにリリスだけ仲間はずれなんてつまんないもの」
リリスの肩を抱きながら、完全にリリスに堕ちたグリーンはその首筋を見やる。
グリーンは、ジェダがリリスの白くたおやかな首にまで首輪を填めたことが許せない。
リリスがジェダのものであると示するような、銀色の輪が許せない。
(リリス。その首輪、すぐに外してやるからな)
グリーンは、ジェダがリリスの白くたおやかな首にまで首輪を填めたことが許せない。
リリスがジェダのものであると示するような、銀色の輪が許せない。
(リリス。その首輪、すぐに外してやるからな)
リリスがグリーンの懐に、甘えるようにしなだれかかる。
「……ね、グリーン。リリスのお願い、聞いてくれる?
六時になるまでに、できるだけたくさん首輪を集めないとコナン君との勝負に負けちゃうの。
負けたら、勝ったほうの家来にならなくちゃいけないんだよ。
そんなのイヤだから、首輪を集めるのを手伝ってほしいんだ。ねぇ、いい?」
上目遣いに見つめられ、グリーンの心は幸福感に浸されて奮い立つ。
(リリスが、俺を頼みにしてくれる。俺はリリスのために力を尽くしてやることができる)
「首輪を集めればいいんだろう? リリスのためならいくらでも集めてやる。
リリスをどこの馬の骨とも知れないヤツの家来なんかにさせはしないさ。
しかし、首輪を集めるだけでいいのか?
俺はリリスの頼みだったらなんだって聞いてやる。だから、何だって言ってくれ」
「ホント? うれしい……あたしも、キミの頼みだったらなんだって聞いちゃうよ。だから何でも言ってね♪」
「……ね、グリーン。リリスのお願い、聞いてくれる?
六時になるまでに、できるだけたくさん首輪を集めないとコナン君との勝負に負けちゃうの。
負けたら、勝ったほうの家来にならなくちゃいけないんだよ。
そんなのイヤだから、首輪を集めるのを手伝ってほしいんだ。ねぇ、いい?」
上目遣いに見つめられ、グリーンの心は幸福感に浸されて奮い立つ。
(リリスが、俺を頼みにしてくれる。俺はリリスのために力を尽くしてやることができる)
「首輪を集めればいいんだろう? リリスのためならいくらでも集めてやる。
リリスをどこの馬の骨とも知れないヤツの家来なんかにさせはしないさ。
しかし、首輪を集めるだけでいいのか?
俺はリリスの頼みだったらなんだって聞いてやる。だから、何だって言ってくれ」
「ホント? うれしい……あたしも、キミの頼みだったらなんだって聞いちゃうよ。だから何でも言ってね♪」
かくて相思相愛のふたりは初々しい恋人同士のように肩を寄せ合い、
恋人同士のように再び唇を重ね合わせた。
恋人同士のように再び唇を重ね合わせた。
【C-4/森/一日目/真昼】
【相思相愛】
【グリーン@ポケットモンスターSPECIAL】
[状態]:リリスにメロメロ、体の数箇所に怪我、腹部打撲(内臓や骨を損傷しているおそれ有)
[装備]:こぶたのしない@FF4、ナインテールキャッツ
[道具]:魔女の媚薬@H×H、はりぼて首輪
[思考]:リリス……
第一行動方針:リリスのために首輪を狩る。
また、リリスを首輪の束縛から解放してやるために、首輪解除方法の模索は継続して行う
第二行動方針:レッド達は……まあ、大丈夫だろう。リリスが許してくれたら探してみようか
基本行動方針:リリスのために何でもしてやる。対主催、首輪解除方法模索のスタンスは継続
[状態]:リリスにメロメロ、体の数箇所に怪我、腹部打撲(内臓や骨を損傷しているおそれ有)
[装備]:こぶたのしない@FF4、ナインテールキャッツ
[道具]:魔女の媚薬@H×H、はりぼて首輪
[思考]:リリス……
第一行動方針:リリスのために首輪を狩る。
また、リリスを首輪の束縛から解放してやるために、首輪解除方法の模索は継続して行う
第二行動方針:レッド達は……まあ、大丈夫だろう。リリスが許してくれたら探してみようか
基本行動方針:リリスのために何でもしてやる。対主催、首輪解除方法模索のスタンスは継続
【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]:グリーンにメロメロ、中程度の魔力消費
腹部打撲(やや痛むがMっ気あるなため遊ぶのには支障はない)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料は無し)
[思考]:グリーン……
第一行動方針:グリーンと一緒に獲物を狩り、遊びを楽しむ
第ニ行動方針:18時にはB-7のタワーへ行く
基本行動方針:楽しく遊びつつ、優勝して本当の身体を手に入れる
[備考]:コナン&ネギと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです
[状態]:グリーンにメロメロ、中程度の魔力消費
腹部打撲(やや痛むがMっ気あるなため遊ぶのには支障はない)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料は無し)
[思考]:グリーン……
第一行動方針:グリーンと一緒に獲物を狩り、遊びを楽しむ
第ニ行動方針:18時にはB-7のタワーへ行く
基本行動方針:楽しく遊びつつ、優勝して本当の身体を手に入れる
[備考]:コナン&ネギと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです
[備考]:グリーンはリリスの体液の催淫効果によって、リリスは魔女の媚薬によって、ともに相手にメロメロな状態にあります。
ちなみに、魔女の媚薬の効果は制限下で6時間程度。
どちらの効果が先に切れるかは、後続の書き手のかたにお任せします。
ちなみに、魔女の媚薬の効果は制限下で6時間程度。
どちらの効果が先に切れるかは、後続の書き手のかたにお任せします。
【魔女の媚薬@H×H】
掌ほどの大きさの林檎形の瓶にぎっしり丸薬が入っている。
「この薬に口づけして意中の相手に飲ませれば、その人はあなたの虜となる。
1粒の効き目は1週間、1ビン500粒入り。」(カード原文より)
ただし、ロワ内においては効果時間は6時間に限定されている。
掌ほどの大きさの林檎形の瓶にぎっしり丸薬が入っている。
「この薬に口づけして意中の相手に飲ませれば、その人はあなたの虜となる。
1粒の効き目は1週間、1ビン500粒入り。」(カード原文より)
ただし、ロワ内においては効果時間は6時間に限定されている。
◇
のび太が走って逃げた先に、グリーンの言ったとおり「学校」は見つかった。
しかし、その学校は理由は分からないが――のび太のよく知っていた、通っていた小学校であった。
なぜ、こんなところに、自分の学校があるのかわからなかったが、そのことでのび太の心に一つの希望が湧いた。
もしかしたら、この世界から帰れるかもと思ってのび太が疲れた体に鞭打ち走り続けた先に目指したのは――学校の裏山。
一緒にリルルが参加しているということは、もしかしたら裏山には鏡面世界の入り口がそのまま残っているかもしれない。
もしかしたらここは鏡面世界のほうで、もしかしたらその鏡面世界の出入り口さえ見つければ帰れるかもしれない、と思ったのだ。
しかし、その学校は理由は分からないが――のび太のよく知っていた、通っていた小学校であった。
なぜ、こんなところに、自分の学校があるのかわからなかったが、そのことでのび太の心に一つの希望が湧いた。
もしかしたら、この世界から帰れるかもと思ってのび太が疲れた体に鞭打ち走り続けた先に目指したのは――学校の裏山。
一緒にリルルが参加しているということは、もしかしたら裏山には鏡面世界の入り口がそのまま残っているかもしれない。
もしかしたらここは鏡面世界のほうで、もしかしたらその鏡面世界の出入り口さえ見つければ帰れるかもしれない、と思ったのだ。
しかし、へとへとの体を引きずり、土にまみれて裏山じゅうを探し回ってみても、お座敷釣り堀の置かれた場所は見つからなかった。
山中で、のび太は疲れきってへたりこんでいる。
傍らでは、ひまわりがぐずり続けている。
「うるさいなあ……黙れよ。怖い人に見つかったらどうするんだよ……」
苛々しながらつぶやいても、ひまわりがぐずりをやめる様子はない。
よく見ると、ベビー服のお尻のあたりに、土とは違う汚れが染み出している。
それがわかっても、のび太はオムツ替えの仕方などわからない。
なので放っておくしかないのだが、泣き声だけは延々と聞かされ続ける。
「うるさいなあ! 黙れってば!」
とうとう怒鳴っても、よけいに泣き声は高くなるばかり。
のび太の神経も磨り減るばかり。
傍らでは、ひまわりがぐずり続けている。
「うるさいなあ……黙れよ。怖い人に見つかったらどうするんだよ……」
苛々しながらつぶやいても、ひまわりがぐずりをやめる様子はない。
よく見ると、ベビー服のお尻のあたりに、土とは違う汚れが染み出している。
それがわかっても、のび太はオムツ替えの仕方などわからない。
なので放っておくしかないのだが、泣き声だけは延々と聞かされ続ける。
「うるさいなあ! 黙れってば!」
とうとう怒鳴っても、よけいに泣き声は高くなるばかり。
のび太の神経も磨り減るばかり。
周りには、誰もいない。
遠くが騒がしいような気もするが、山の中は静寂そのものである。
目の前には、邪魔にしかならない赤ん坊。
遠くが騒がしいような気もするが、山の中は静寂そのものである。
目の前には、邪魔にしかならない赤ん坊。
この状況に、忘れかけていた考えを思い出してのび太は唾を飲み込んだ。
心臓が動悸を増し、手のひらが汗ばむ。
心臓が動悸を増し、手のひらが汗ばむ。
周りには、誰もいない。
遠くが騒がしいような気もするが、山の中は静寂そのものである。
のび太を見咎めるものは、誰もいない。
遠くが騒がしいような気もするが、山の中は静寂そのものである。
のび太を見咎めるものは、誰もいない。
目の前には、邪魔にしかならない赤ん坊。
この子を、殺そうか……?
【D-3/学校の裏山/一日目/真昼】
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:心身ともに疲労
[装備]:なし
[道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、
アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ3))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1)
[服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(失禁の染み付き。ほぼ乾いている)
[思考] :この子を……
第一行動方針:ひまわりを殺す?
第二行動方針:子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す
第三行動方針:出会う人には警戒し、基本的に信用しない。
だが、自分を守ってくれそうな人・脱出する方法を知ってそうな人なら考える
基本行動方針:死にたくない
[備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。
[状態]:心身ともに疲労
[装備]:なし
[道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、
アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ3))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1)
[服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(失禁の染み付き。ほぼ乾いている)
[思考] :この子を……
第一行動方針:ひまわりを殺す?
第二行動方針:子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す
第三行動方針:出会う人には警戒し、基本的に信用しない。
だが、自分を守ってくれそうな人・脱出する方法を知ってそうな人なら考える
基本行動方針:死にたくない
[備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。
【野原ひまわり@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:ガードグラブ@SW
[道具]:ピンクの貝がら、基本支給品
[思考]:たー……(しんのすけにもう一度会いたい)
第一行動方針:(おにいさんを待つ)
第二行動方針:(しんのすけに会いたい)
基本行動方針:(おうちに帰る)
[状態]:健康
[装備]:ガードグラブ@SW
[道具]:ピンクの貝がら、基本支給品
[思考]:たー……(しんのすけにもう一度会いたい)
第一行動方針:(おにいさんを待つ)
第二行動方針:(しんのすけに会いたい)
基本行動方針:(おうちに帰る)
【B-6/市街地外れ/一日目/真昼】
【摂津のきり丸@落第忍者乱太郎】
[状態]:健康、戸惑い
[装備]:デッキブラシ@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品一式 魔晶石(15点分) テーザー銃@ひぐらしのなく頃に
のび太のランドセル(基本支給品一式、ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、林檎10個@DEATH NOTE)
[服装]:青い忍者服
[思考]:まっじいなあ……どうすっかなあ……
第一行動方針:のび太を見つけ、誤解を解きたい。無理なら口を封じることも考える
第二行動方針:道具と情報を手に入れる
第三行動方針:ゼニにつながるものを集める
第四行動方針:乱太郎、しんべヱの情報を探す
基本行動方針:生き残り脱出する。他人には極力会わないし、会ってもまずは疑う
[備考]:きり丸にとって、テーザー銃はあくまで「拾った」ものです
[状態]:健康、戸惑い
[装備]:デッキブラシ@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品一式 魔晶石(15点分) テーザー銃@ひぐらしのなく頃に
のび太のランドセル(基本支給品一式、ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、林檎10個@DEATH NOTE)
[服装]:青い忍者服
[思考]:まっじいなあ……どうすっかなあ……
第一行動方針:のび太を見つけ、誤解を解きたい。無理なら口を封じることも考える
第二行動方針:道具と情報を手に入れる
第三行動方針:ゼニにつながるものを集める
第四行動方針:乱太郎、しんべヱの情報を探す
基本行動方針:生き残り脱出する。他人には極力会わないし、会ってもまずは疑う
[備考]:きり丸にとって、テーザー銃はあくまで「拾った」ものです
≪131: | それぞれの限界、それぞれの転向 (前編) | 時系列順に読む | 134:人はいつでも間違うもの 大切なのはそれからの(前編)≫ |
≪131: | それぞれの限界、それぞれの転向 (前編) | 投下順に読む | 133:海の見える街≫ |
≪064: | 栄光のマウンテンロード | グリーンの登場SSを読む | 139:幸せのかたち≫ |
≪115: | 少女が歩けば勇者にぶつかる | リリスの登場SSを読む | 139:幸せのかたち≫ |
≪093: | 子豚=ジャイアン? | 野比のび太の登場SSを読む | 134:人はいつでも間違うもの 大切なのはそれからの(前編)≫ |
≪064: | 栄光のマウンテンロード | 野原ひまわりの登場SSを読む | 134:人はいつでも間違うもの 大切なのはそれからの(前編)≫ |
≪093: | 子豚=ジャイアン? | 摂津のきり丸の登場SSを読む | 159:決意を胸に秘めて≫ |