少女が歩けば勇者にぶつかる◆yzPs2TxFPo
B-5で戦闘が行われている頃、A-5で、より正確には道路ではハッパ少女改めインデックスとコキュートス改めアラストールは
その場で動きを止めていた。だが、なにもない平原では二者の行動を妨げるものは存在しない。
しかし、彼女らが立ち止まる理由はしごく簡単なものであった。B-5では魔力を持った者達による戦闘が行われおり、
街へと進行する途中にそのことを感知したインデックスはすぐに突撃することを避けたからだ。
インデックスの魔力探知の技能は一エリア丸々覆うほどの広さもなく、少量の魔力ならば察知することは難しいが
ヒト一人を殺せる以上の力を見過ごせるものではなかった。
(しかもあの子までいる)
そう、山頂で戦闘をしている者達の中にはどういう理由かは分からなかったが、
最初の大広間でジェダの傍らにいたリリスと名乗る少女がいることが知覚できたのだ。
「どうしたのだインデックス?」
とはいえ、そんな事情など知ることができないアラストールには突然インデックスが立ち止まり
進行方向と別の方をただじっと見つめているようにしか見えなかった。
「向こうで、戦闘が起こっているんだよ。しかも、あのリリスって子が戦ってる」
「それは真か!?」
そんなアラストールの返答にインデックスは疑問を覚えた。なぜ彼はこの戦いに気づかないのだろうかと。
存在の力を感知する能力では魔力を感知できないからか。いや、違うだろう。
魔力での自在法起動や存在の力での魔術起動を出来るかどうかは判断がつかないが、自身はコキュートスを異能の力だと判別できた以上は彼も
この異常を感知することはそう難しくはないだろう。しかも『魔力を持つ者』同士の戦いである。彼女の知る魔術師のすべては『体内に魔力を持たず』
に『生命力から魔力を練る』ことで魔術を行使する。ゆえに、魔力を持ち続けている参加者は腰に発信機を付けているような状態であり、
しかも現在は魔力を行使しているのだ。制限とやらで見えづらくなっていたとしても、これほど大きな異常はごまかされると思えない。
そこでインデックスは別の可能性に気づく。
「ねえ、アラストール。妙な圧迫感を感じるとか、視界が見え辛いとか、そんなことはないかな?」
「……いや。あれの元に戻れぬといったこと以外は、別段おかしなことはないが」
そのアラストールの言葉から、とある答えに確信を持つ。
「この島が魔術で構成されているって言ったことは覚えているよね」
「うむ」
「なら当然、魔術を発動させるのには魔力が必要なんだ。自在法を起動するのに存在の力がいるのと同じように」
「当然といえば当然な話だな」
「最初に言っておくべきだったんだけど、私達の周りにはジェダの魔力が敷き詰められているんだよ。たぶん、島全土を覆う規模で」
「……それはどういうことだ?」
インデックスはアラストールにさらなる情報を告げる。
「少し長くなるけどちゃんと聞いててね。十字教の教えでは、人に『魔力』があるように世界には『力』という物がって、その力を
通称『神の祝福(ゴッドブレス)』っていうんだ。あなたからすれば『存在の力』っていうのに似たようなものだと思う。
まあ、人間からは生み出すことができない『世界の力』だから厳密には違うんだろうけど。
その力は人間の持つ生命力や魔力よりも強大で、普通の人間や魔術師には見ることのできない、巫薙や風水師じゃないと見えない代物なんだ。
この島にはその『世界の力』がない、その代わりにジェダの魔力が敷き詰められているんだよ。
感覚としては質が低いわけじゃなくて、色が薄い感じで」
そこで一旦区切り、本題を切り出す。
「ここからは私の憶測なんだけどね。たぶん魔力が外に漏れ出さないように、この島全体に結界が張られているはず。
用途はあなたを含む各参加者の魔を感知する技能を阻害することで、普通なら気づくぐらいの距離でも気づき難くしていると思うんだよ」
だがそれならば、インデックスはなぜそれらのことを理解できるのか。当然ながらアラストールはそのことに疑問を持った。
「ならば、なぜお前はそのことに気づけるのだ?」
その問いにインデックスは悲しそうな表情をしながら答えた。
「それは、私が魔力を練る力を持たないからだよ」
インデックスには生命力から魔力を練る力がない。10万3000冊もの魔道書の知識は有っても魔術が使えずに無力感を噛み締めることすらある。
だからこそ気づける。大味になれた人間が薄味の隠し味を見抜けないように、魔術のプロフェッショナルでも分からないほどの薄さの魔力を、
まるでソムリエが機械油で満たされた工場でワインを匂いだけで種類を判別するかのごとく、力を持たずに魔を感知できる少女は
その薄味を感じ取ることが出来るのだ。
とはいえ、アウレオルス=イザードの作った魔塔という極めて似たような状況の経験があったからこそ、出せる答えでもあったが。
「通常の魔術師だと、彼ら自身が膨大な魔力精製炉だからね。たぶん、この状況に気付けないかも」
そう置いてからインデックスは、振るえる唇で次の言葉をアラストールに告げる。
「行くよ。あの山へ」
なぜリリスがここにいるか調べるという目的もあったが、本来インデックスは誰かのことを見捨てられない少女である。
自殺志願者でもなければ死を恐れるわけでもないが、今まさに失われていくかもしれない誰かを放っておくことなどできなかった。
危険だということなど理解している。だからこそ立ち止まり、脱出する者やジェダを打倒する者たちにとって少しでも有利になるように
アラストールに情報を伝える。自身が逝ってしまったとしても知識だけは誰かに伝わるように。
「……そうか」
そんな少女の意志を、魔神は止めようとは思えなかった。その意志を止めることは侮蔑であることを理解していたからだ。
だからこそ、かつての契約者と共にあった時と同様にその意志を見届けることにした。
「最初に打ち合わせたとおり、喋るときは選んでね」
「うむ」
そうして少女は歩みだした。死地になるやもしれぬ場所へと。
その場で動きを止めていた。だが、なにもない平原では二者の行動を妨げるものは存在しない。
しかし、彼女らが立ち止まる理由はしごく簡単なものであった。B-5では魔力を持った者達による戦闘が行われおり、
街へと進行する途中にそのことを感知したインデックスはすぐに突撃することを避けたからだ。
インデックスの魔力探知の技能は一エリア丸々覆うほどの広さもなく、少量の魔力ならば察知することは難しいが
ヒト一人を殺せる以上の力を見過ごせるものではなかった。
(しかもあの子までいる)
そう、山頂で戦闘をしている者達の中にはどういう理由かは分からなかったが、
最初の大広間でジェダの傍らにいたリリスと名乗る少女がいることが知覚できたのだ。
「どうしたのだインデックス?」
とはいえ、そんな事情など知ることができないアラストールには突然インデックスが立ち止まり
進行方向と別の方をただじっと見つめているようにしか見えなかった。
「向こうで、戦闘が起こっているんだよ。しかも、あのリリスって子が戦ってる」
「それは真か!?」
そんなアラストールの返答にインデックスは疑問を覚えた。なぜ彼はこの戦いに気づかないのだろうかと。
存在の力を感知する能力では魔力を感知できないからか。いや、違うだろう。
魔力での自在法起動や存在の力での魔術起動を出来るかどうかは判断がつかないが、自身はコキュートスを異能の力だと判別できた以上は彼も
この異常を感知することはそう難しくはないだろう。しかも『魔力を持つ者』同士の戦いである。彼女の知る魔術師のすべては『体内に魔力を持たず』
に『生命力から魔力を練る』ことで魔術を行使する。ゆえに、魔力を持ち続けている参加者は腰に発信機を付けているような状態であり、
しかも現在は魔力を行使しているのだ。制限とやらで見えづらくなっていたとしても、これほど大きな異常はごまかされると思えない。
そこでインデックスは別の可能性に気づく。
「ねえ、アラストール。妙な圧迫感を感じるとか、視界が見え辛いとか、そんなことはないかな?」
「……いや。あれの元に戻れぬといったこと以外は、別段おかしなことはないが」
そのアラストールの言葉から、とある答えに確信を持つ。
「この島が魔術で構成されているって言ったことは覚えているよね」
「うむ」
「なら当然、魔術を発動させるのには魔力が必要なんだ。自在法を起動するのに存在の力がいるのと同じように」
「当然といえば当然な話だな」
「最初に言っておくべきだったんだけど、私達の周りにはジェダの魔力が敷き詰められているんだよ。たぶん、島全土を覆う規模で」
「……それはどういうことだ?」
インデックスはアラストールにさらなる情報を告げる。
「少し長くなるけどちゃんと聞いててね。十字教の教えでは、人に『魔力』があるように世界には『力』という物がって、その力を
通称『神の祝福(ゴッドブレス)』っていうんだ。あなたからすれば『存在の力』っていうのに似たようなものだと思う。
まあ、人間からは生み出すことができない『世界の力』だから厳密には違うんだろうけど。
その力は人間の持つ生命力や魔力よりも強大で、普通の人間や魔術師には見ることのできない、巫薙や風水師じゃないと見えない代物なんだ。
この島にはその『世界の力』がない、その代わりにジェダの魔力が敷き詰められているんだよ。
感覚としては質が低いわけじゃなくて、色が薄い感じで」
そこで一旦区切り、本題を切り出す。
「ここからは私の憶測なんだけどね。たぶん魔力が外に漏れ出さないように、この島全体に結界が張られているはず。
用途はあなたを含む各参加者の魔を感知する技能を阻害することで、普通なら気づくぐらいの距離でも気づき難くしていると思うんだよ」
だがそれならば、インデックスはなぜそれらのことを理解できるのか。当然ながらアラストールはそのことに疑問を持った。
「ならば、なぜお前はそのことに気づけるのだ?」
その問いにインデックスは悲しそうな表情をしながら答えた。
「それは、私が魔力を練る力を持たないからだよ」
インデックスには生命力から魔力を練る力がない。10万3000冊もの魔道書の知識は有っても魔術が使えずに無力感を噛み締めることすらある。
だからこそ気づける。大味になれた人間が薄味の隠し味を見抜けないように、魔術のプロフェッショナルでも分からないほどの薄さの魔力を、
まるでソムリエが機械油で満たされた工場でワインを匂いだけで種類を判別するかのごとく、力を持たずに魔を感知できる少女は
その薄味を感じ取ることが出来るのだ。
とはいえ、アウレオルス=イザードの作った魔塔という極めて似たような状況の経験があったからこそ、出せる答えでもあったが。
「通常の魔術師だと、彼ら自身が膨大な魔力精製炉だからね。たぶん、この状況に気付けないかも」
そう置いてからインデックスは、振るえる唇で次の言葉をアラストールに告げる。
「行くよ。あの山へ」
なぜリリスがここにいるか調べるという目的もあったが、本来インデックスは誰かのことを見捨てられない少女である。
自殺志願者でもなければ死を恐れるわけでもないが、今まさに失われていくかもしれない誰かを放っておくことなどできなかった。
危険だということなど理解している。だからこそ立ち止まり、脱出する者やジェダを打倒する者たちにとって少しでも有利になるように
アラストールに情報を伝える。自身が逝ってしまったとしても知識だけは誰かに伝わるように。
「……そうか」
そんな少女の意志を、魔神は止めようとは思えなかった。その意志を止めることは侮蔑であることを理解していたからだ。
だからこそ、かつての契約者と共にあった時と同様にその意志を見届けることにした。
「最初に打ち合わせたとおり、喋るときは選んでね」
「うむ」
そうして少女は歩みだした。死地になるやもしれぬ場所へと。
* * *
蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!
蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!
蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!
ニケの目の前で行われていたことは、ただそれだけであった。
それだけのことだけだというのに動けなかった。それは、これまで遭遇したことのないほどの残虐な状況であったからだ。
普段暴行を受けるのは自身か、キタキタ親父か、たまにトマ、ときどきゲストである。そのほとんどが男であった。
故に女の子が女性であったと思えぬほどに、知り合いですらもエヴァ本人であると認められぬであろう程に
蹴り砕かれていくという光景にニケは驚きすくみあがっていた。
(ど、どうするよ!? おい!)
そう思ってみたものの、彼の周りにいるのは蹴られ続けているエヴァとそのエヴァを蹴り続けているリリスだけである。
逃げようとは思ったものの、キタキタ親父でもないエヴァをこのまま放っておけば死んでしまうであろうことが容易に想像
できてしまったために逃げるに逃げられず、リリスに止めるように言ったとしても止まるとも思えぬために何もできない。
そんなことを考えている勇者の頭に一つの名案が思い浮かんだ。
(こ、これならいける!?)
この手段ならば、自身は危険を侵さずにエヴァを助けられる。そう思い実行に移すことにする。
「おい、リリス!!」
勇者は吸血鬼を蹴り続けている夢魔にビシッと一指し指を突きつけ叫ぶ。
「えい! えい! って何ニケ? 今度はあなたが遊んでくれるの?」
声を掛けられたリリスは蹴るのを止め、エヴァからニケへと視線を向ける。
「これ以上エヴァを苛めると酷い目に遭わすぞ!!」
「苛めてないよ、リリスはおばさんで遊んでるんだよ」
あまりに気楽に言うリリスに腹が立ったもののニケは次の言葉を紡ぐ。
「それ以上我が仲間を傷つけるのならば、風の精霊が汝の命を冥土に運ぶであろう」
その言葉を言い終え、ニケは決まったと思った。
思いついたことは簡単である。クサイ台詞を言うことでシリアス嫌いの風の精霊ギップルを呼び出し、
囮にしている間にリリスからエヴァを取り戻し担いで逃げるという手段である。
外道な手段ではあるが、彼なりにこの状況を切り抜ける手段を考えた結果であった。
だが、ピューッと風が吹くだけで何も起こらず、誰も現れなかった。
『ニケはギップルを呼んだ。だがここには現れない』
そんなウインドウがニケの頭の中に表示される。
(え、うそ。来れねえのかよあいつ!?)
なぜか『勇者さん、仕様なんです御察し下さい!!』などとのたまう褌精霊の姿が脳裏に思い浮かんだ。
なんとなく、びびったからこないのかもしれないとも思ったが。
だが、ガビーンッという擬音をあげ驚愕している勇者にはあいにくとボケをかましている余裕などなかった。
すでに夢魔が標的を吸血鬼から少年へと移していたのだから。
「じゃ、あそぼ♪ ニケ」
そう言いながらリリスは、まるでゴミを扱うがごとくエヴァを放り投げニケへと迫る。
「ちくしょう!!」
ニケは迫ってくるリリスから離れようと後ろへ下がる。
それだけのことだけだというのに動けなかった。それは、これまで遭遇したことのないほどの残虐な状況であったからだ。
普段暴行を受けるのは自身か、キタキタ親父か、たまにトマ、ときどきゲストである。そのほとんどが男であった。
故に女の子が女性であったと思えぬほどに、知り合いですらもエヴァ本人であると認められぬであろう程に
蹴り砕かれていくという光景にニケは驚きすくみあがっていた。
(ど、どうするよ!? おい!)
そう思ってみたものの、彼の周りにいるのは蹴られ続けているエヴァとそのエヴァを蹴り続けているリリスだけである。
逃げようとは思ったものの、キタキタ親父でもないエヴァをこのまま放っておけば死んでしまうであろうことが容易に想像
できてしまったために逃げるに逃げられず、リリスに止めるように言ったとしても止まるとも思えぬために何もできない。
そんなことを考えている勇者の頭に一つの名案が思い浮かんだ。
(こ、これならいける!?)
この手段ならば、自身は危険を侵さずにエヴァを助けられる。そう思い実行に移すことにする。
「おい、リリス!!」
勇者は吸血鬼を蹴り続けている夢魔にビシッと一指し指を突きつけ叫ぶ。
「えい! えい! って何ニケ? 今度はあなたが遊んでくれるの?」
声を掛けられたリリスは蹴るのを止め、エヴァからニケへと視線を向ける。
「これ以上エヴァを苛めると酷い目に遭わすぞ!!」
「苛めてないよ、リリスはおばさんで遊んでるんだよ」
あまりに気楽に言うリリスに腹が立ったもののニケは次の言葉を紡ぐ。
「それ以上我が仲間を傷つけるのならば、風の精霊が汝の命を冥土に運ぶであろう」
その言葉を言い終え、ニケは決まったと思った。
思いついたことは簡単である。クサイ台詞を言うことでシリアス嫌いの風の精霊ギップルを呼び出し、
囮にしている間にリリスからエヴァを取り戻し担いで逃げるという手段である。
外道な手段ではあるが、彼なりにこの状況を切り抜ける手段を考えた結果であった。
だが、ピューッと風が吹くだけで何も起こらず、誰も現れなかった。
『ニケはギップルを呼んだ。だがここには現れない』
そんなウインドウがニケの頭の中に表示される。
(え、うそ。来れねえのかよあいつ!?)
なぜか『勇者さん、仕様なんです御察し下さい!!』などとのたまう褌精霊の姿が脳裏に思い浮かんだ。
なんとなく、びびったからこないのかもしれないとも思ったが。
だが、ガビーンッという擬音をあげ驚愕している勇者にはあいにくとボケをかましている余裕などなかった。
すでに夢魔が標的を吸血鬼から少年へと移していたのだから。
「じゃ、あそぼ♪ ニケ」
そう言いながらリリスは、まるでゴミを扱うがごとくエヴァを放り投げニケへと迫る。
「ちくしょう!!」
ニケは迫ってくるリリスから離れようと後ろへ下がる。
ペタン。
だが柔らかいなにかにぶつかる。なんだ、と思い後ろを振り返るとリリスがいた。
(へ? 回り込まれた?)
不思議に思ったが、視線の端にはもう一人のリリスが正面から迫ってくるのが見え、
何時の間にか分裂していたらしいなどと思った。が、そんな感想を漏らす間もなく触手を纏わせ剣のように纏められた夢魔の右腕が迫ってくる。
(や、やべえ!?)
避けようとしたものの、がっしりと両肩を分身に掴まれ逃げるに逃げられない。
(だ、誰か助けてくれ!!)
そんな願いを虚しく打ち砕くようにリリスの一撃が振り下ろされ、思わずニケは目を強く閉じる。
金属と金属がぶつかり合うような音が耳に響いた。
だが、それだけだった。痛みも何もない。
ニケは恐る恐る目を開ける。眼前には振り下ろされようとする触手と、それの一撃を妨げようとする峰と刃が反対となっている刀が見えた。
助かった、と安堵した瞬間に視界が反転し肌色しか見えなくなり、衝撃が体に走る。
助太刀に入った誰かと共に吹き飛ばされてしまったことをニケが理解する前に、地面にぶつかり再び衝撃が走る。
ニケは痛みを堪えつつも起き上がろうとした。だが、何かが自身に圧し掛かっているために起き上がれない。
「うう、痛いかも」
「……お、重え……ハウッ!?!?!?!?!?」
そう言ったとたんに三度目の衝撃が走る。
それは一番弱い部分に当たり、この島に連れてこられてから今までで一番の攻撃力を伴っていた。
その圧し掛かっていた誰かが、汚いものから離れるようにニケの上から退いたために、ニケはその場を盛大に転がることとなった。
(へ? 回り込まれた?)
不思議に思ったが、視線の端にはもう一人のリリスが正面から迫ってくるのが見え、
何時の間にか分裂していたらしいなどと思った。が、そんな感想を漏らす間もなく触手を纏わせ剣のように纏められた夢魔の右腕が迫ってくる。
(や、やべえ!?)
避けようとしたものの、がっしりと両肩を分身に掴まれ逃げるに逃げられない。
(だ、誰か助けてくれ!!)
そんな願いを虚しく打ち砕くようにリリスの一撃が振り下ろされ、思わずニケは目を強く閉じる。
金属と金属がぶつかり合うような音が耳に響いた。
だが、それだけだった。痛みも何もない。
ニケは恐る恐る目を開ける。眼前には振り下ろされようとする触手と、それの一撃を妨げようとする峰と刃が反対となっている刀が見えた。
助かった、と安堵した瞬間に視界が反転し肌色しか見えなくなり、衝撃が体に走る。
助太刀に入った誰かと共に吹き飛ばされてしまったことをニケが理解する前に、地面にぶつかり再び衝撃が走る。
ニケは痛みを堪えつつも起き上がろうとした。だが、何かが自身に圧し掛かっているために起き上がれない。
「うう、痛いかも」
「……お、重え……ハウッ!?!?!?!?!?」
そう言ったとたんに三度目の衝撃が走る。
それは一番弱い部分に当たり、この島に連れてこられてから今までで一番の攻撃力を伴っていた。
その圧し掛かっていた誰かが、汚いものから離れるようにニケの上から退いたために、ニケはその場を盛大に転がることとなった。
* * *
(い、痛かった)
やっとのことで股間に走る痛みが治まりニケは転がるのを止めた。
地面に寝転んだまま様子を窺う。
その場にはニケを除けば一応は四人いた。
一人は自身と同様にその場に転がったままのエヴァである。吸血鬼である以上は死んでしまったら灰になってしまうだろうが、
そうなっていないということは死んではいないのだろう。
リリスは二人に分裂したまま、両方共に不思議そうな、興味深そうな表情でこちらを見ている。
そして、最後の一人は助けに入ってくれた人物である。その少女は少年と間違えるほどの非常に平坦な体つきだった。
それでも、背を向けていた少女のことをニケが女性だと分かったのはすけべ大魔神の称号ゆえか。
そんな少女はニケの方を見ずにリリス達に対峙したまま刀を構えている。
(よく刺さらなっかたなぁ)
などとニケは思ったものの、そんなことはどうでもよかった。それよりも気になることがあったからだ。
その格好は魔法でできた守備力の高い服なのか、それともそのような趣味なのか、『露出度何それ?』といった水でできたような服装であった。
そして、下着一枚、素肌が見えやすい服といった格好からとある存在が連想できてしまった。
その存在は少女の被っているフードこそ身につけていなかったが、変態度は同じ程度はあるだろう。
その存在は、もし勇者が風の谷に行った後に連れてこられていたのならば想像することなどないことであった。
だがあいにくと、そこに行く前にこの島に呼び出されたためにそのことを発想してしまった。
「……ギップル……のお姉さんか何か?」
「? ……ヨム・キプルがどうかしたの?」
とはいえ褌精霊のことなど知らない少女にとっては、そんな不名誉な称号を得てしまったことなど関係なかった。
眼前の相手から目を逸らすだけで、致命的な結果になるであろうことが分かっていたからだ。
「「あなた誰?」」
リリスがステレオで突然現れた少女に問いかける。
「 dedicatus545」
「……デ、デデ……イ……何?」
「あなたと違って、敵を目の前にして余裕なんか見せてあげないし。あなた達の思い通りにはさせてあげないってこと」
そう言われリリスは頬を膨らます。だが、まだ襲ってはこなかった。
「大丈夫?」
少女は小声で傍らにいるニケに語りかける。
「ああ、なんとか」
「そう……一つ質問があるんだけど……殺し合いには乗っていないよね」
「おう、当然」
ニケがそう言うと少女はその言葉を吟味するかのごとく僅かな時間押し黙り、再び口を開いた。
「なら、私がリリスの目を引き付けてあげるから、その間にあの子を連れて逃げて」
その言葉がどういう意図で発せられたかは分からなかったが、ニケにとってありがたいものであった。
エヴァの負傷も気になり、帰ってこないなのはのことも気になる状況では
目の前にいる名前も知らない少女に任せた方がいいだろう。
やっとのことで股間に走る痛みが治まりニケは転がるのを止めた。
地面に寝転んだまま様子を窺う。
その場にはニケを除けば一応は四人いた。
一人は自身と同様にその場に転がったままのエヴァである。吸血鬼である以上は死んでしまったら灰になってしまうだろうが、
そうなっていないということは死んではいないのだろう。
リリスは二人に分裂したまま、両方共に不思議そうな、興味深そうな表情でこちらを見ている。
そして、最後の一人は助けに入ってくれた人物である。その少女は少年と間違えるほどの非常に平坦な体つきだった。
それでも、背を向けていた少女のことをニケが女性だと分かったのはすけべ大魔神の称号ゆえか。
そんな少女はニケの方を見ずにリリス達に対峙したまま刀を構えている。
(よく刺さらなっかたなぁ)
などとニケは思ったものの、そんなことはどうでもよかった。それよりも気になることがあったからだ。
その格好は魔法でできた守備力の高い服なのか、それともそのような趣味なのか、『露出度何それ?』といった水でできたような服装であった。
そして、下着一枚、素肌が見えやすい服といった格好からとある存在が連想できてしまった。
その存在は少女の被っているフードこそ身につけていなかったが、変態度は同じ程度はあるだろう。
その存在は、もし勇者が風の谷に行った後に連れてこられていたのならば想像することなどないことであった。
だがあいにくと、そこに行く前にこの島に呼び出されたためにそのことを発想してしまった。
「……ギップル……のお姉さんか何か?」
「? ……ヨム・キプルがどうかしたの?」
とはいえ褌精霊のことなど知らない少女にとっては、そんな不名誉な称号を得てしまったことなど関係なかった。
眼前の相手から目を逸らすだけで、致命的な結果になるであろうことが分かっていたからだ。
「「あなた誰?」」
リリスがステレオで突然現れた少女に問いかける。
「 dedicatus545」
「……デ、デデ……イ……何?」
「あなたと違って、敵を目の前にして余裕なんか見せてあげないし。あなた達の思い通りにはさせてあげないってこと」
そう言われリリスは頬を膨らます。だが、まだ襲ってはこなかった。
「大丈夫?」
少女は小声で傍らにいるニケに語りかける。
「ああ、なんとか」
「そう……一つ質問があるんだけど……殺し合いには乗っていないよね」
「おう、当然」
ニケがそう言うと少女はその言葉を吟味するかのごとく僅かな時間押し黙り、再び口を開いた。
「なら、私がリリスの目を引き付けてあげるから、その間にあの子を連れて逃げて」
その言葉がどういう意図で発せられたかは分からなかったが、ニケにとってありがたいものであった。
エヴァの負傷も気になり、帰ってこないなのはのことも気になる状況では
目の前にいる名前も知らない少女に任せた方がいいだろう。
一見弱そうに見えるが問題ない。フラグのことを考えれば自分とエヴァは逃げ切れる。
そうフラグである。この場合は『ここは俺に任せて、先に行け』というフラグであり、
この場合は自分とエヴァが逃げ切るまで、少女がなんとか足止めをしてくれるのだ。
ただし、少女の死を知りそのことをエヴァと二人で悲しむという条件付きで。
別にそうしたとしても、問題は無い。そのことを怒りそうなエヴァとて死んでしまっては元も子もない。
優先すべきは自身の命と仲間の命、お助けキャラであるNPCが死んでしまったとしても、それはそういうイベントなのだ、仕方がない。
(でも、それって勇者のやることか?)
だがニケはふと思ってしまう。本当にそれでいいのだろうかと。
自分の職業は盗賊だ、逃げ足が自慢であるしLVだって一桁だ。
だが、それでも数々のボス戦やピンチを凌ぎ、仲間を誰かを見捨てたことなどない(キタキタ親父などを除く)
第一置いていくのは女の子だ。女の子に死亡フラグを立てるなど、自分の主義に反するのだ。
(それに、言われた通りに殺しあってやるつもりも、フラグにそって行動してやるつもりもねえ。ましてやラスボスの言うとおりなんざ!)
だからこそ立ち上がる。目の前のリリスを倒すために、できれば生け捕りで。
「光魔法キラキラ、自分の剣!!」
戦うために選ぶは『自分の剣』、それは剣というよりもニケを模った人形のように見えるが強力な武器である。
カッコイイポーズは効果的であると知っていたが、弱っているであろうエヴァを巻き込んでしまえば本当に死にかねないために使わない。
肩を並べる形となった少女が驚愕の表情をこちらに向けてくる。
表情だけで、どうして、と言っているのが分かった。ニケは初めて少女の顔を見る、ヒロイン顔だなと思った。
「――意地があんのさ、男の子には」
だからヒーローぽい表情で、ヒーローぽい台詞を言った。勇者だから。
「「二人とも、お話は終わった?」」
律儀に待っていたらしいリリス達が問いかけてくる。
だが、ニケは勇者でありながら盗賊である。律儀に返答を返してやらずに生じた隙をチャンスだと思い、一気に距離を詰め寄る。
しかし、リリスも切り倒されるまで待つつもりなどなかった。
無数の触手がリリスの羽から生え、ニケへと殺到する。
ニケは右横に大きく跳ぶことによりそれらを避け、剣をリリスに向ける。
その剣が急激に伸びた。光魔法キラキラ『自分の剣』の本領は攻撃力ではなく、その変幻自在の動きにある。
「いやん、ニケのエッチ♪」
リリスは剣が伸びることなど知らず、距離も詰められていたために剣があっさりと纏わり付く。
脇、胸、腕、羽、足、尻尾、股間、とリリスの全身を剣で縛り身動きできなくする。
「へへ、これで動けないだろう」
「うん、そうだね」
リリスの返答はあくまで軽かった。そのことをニケはいぶかしむ。
(なんだ、この不安は? それになんか忘れているような……)
そんな思考を中断するかのように聞き覚えのある金属音が幾度か鳴り響く。
ニケが音のした方を見ると、少女がリリスに襲われ斬撃を見舞われていた。
(しまった、もう一人忘れてた!!)
少女は刀で応戦しており怪我をしているようには見えなかったが、リリスの攻撃は明らかに遅かった。
剣士ゴチンコと魔物のタテジワねずみぐらいの差はあるだろう。あれが分身で本体より弱いわけでないのならば、完全に遊ばれている。
(援護を!)
そう思い、剣で縛ったリリスをハンマーがわりにもう一人へとぶつけようする。
「せめてこないなんて、ツマンナイ」
だがリリスはあっさりとその拘束を引きちぎり、触手をニケの顔面に突き刺そうとする。
投げようとした勢いがついていた為に、その行き場のない力がニケの体勢を崩す。
だが盗賊としてのすばやさ故か、そんな体勢でも何とかしゃがみ、攻撃を避けた。
「い、痛え!?」
しかしその勢いは速く、避けきれずに左肩が触手に削られる。
「ん、もう! じっとしてれば痛くしないのに!!」
「そんなわけにいくかよ!!」
ニケは触手から離れつつ叫んだものの、串刺しになるのも時間の問題かもしれないと思った。
リリスが容姿に似合わずとんでもない実力を秘めているぐらいのことは理解できている。
余裕を見せている状況のうちになんとか打開はしたいが、手持ちのアイテムではなんとかなりそうなものはない。
キラキラも、地は最初から除外、風は最初から使えない、自分の剣は役立たず。
残るは水か火ではあるが、水は使用回数が少なく制限のことを考えればあてにすることが不安である。
火はキラキラの中で二番目に攻撃力があるとは思うものの、普段から携行している火を熾す道具で使っていたために
今は使用不能である。とはいえ、すぐに使えるのはペットボトルの中にある水を使用した剣であり、
このままでは後ろから聞こえている金属音が聞こえなくなるのも時間の問題である以上は水の剣を使うしかない。
(ん? 待てよ)
思考の途中でとあることが引っ掛る。
そして、勇者はとあることに気づき、思わずニヤケ顔になる。
「何笑ってるの? 楽しいことならリリスにも教えてよ」
「わりいけど、教えてやんねえ」
その言葉を発し、リリスに向かって駆ける。リリスはまるで美味しそうな果実が目の前にあるような表情でニケに向かって三度目の触手を放つ。
だが、その行動は予想通りであった。
袋のポケットの中からとある物を取り出す。それはスペクタルズという虫眼鏡状のアイテム。
相手の能力を調べるためのもの。とはいえ本来の役目など必要とはしていない。
ようは、とあることに役立ってもらえばいいのだ。
(これで、どうだ!!)
触手の大群に当らぬよう体をずらし、スペクタクルズを触手に擦り付けるように掠らせる。
スペクタクルズの金属でできた縁と触手との接触面から火花が散ったのが見えた。
(よし、予想通り!!)
ニケが実行したのは摩擦を利用することによって火種を起こす方法である。
別に科学の知識があったわけではないが、かつてのサバイバル生活と火の王の下での修行により
硬い物同士がお互いを高速で削りあえば、火花程度ならば発生することぐらいは理解していた。
ゆえに、触手の鋭さ、速さ、硬さをだいたい理解できていたゆえにその手段を実行したのだ。
そうして、ニケは火花が発生すると同時に壊れたスペクタクルズを放棄、火花に意識を集中する。
すると、たった僅かな火がニケの魔力と周りの酸素を飲み込み燃え上がり、剣の形をとった。
その剣は光魔法キラキラ『火の剣』、勇者ニケが火を恐れず、火を克服し、火を味方とし、火の王に認められた証。
それが自身の手に宿り、リリスの全ての触手を焼き切る。そのままの勢いでリリスに突っ込む。
だが、直前まで迫り僅かな躊躇が芽生えてしまった。
このまま叩っ切ってもいいのだろうかと。
それは戦場では大きな隙だった。リリスが見過ごす理由などないほどの。
そうフラグである。この場合は『ここは俺に任せて、先に行け』というフラグであり、
この場合は自分とエヴァが逃げ切るまで、少女がなんとか足止めをしてくれるのだ。
ただし、少女の死を知りそのことをエヴァと二人で悲しむという条件付きで。
別にそうしたとしても、問題は無い。そのことを怒りそうなエヴァとて死んでしまっては元も子もない。
優先すべきは自身の命と仲間の命、お助けキャラであるNPCが死んでしまったとしても、それはそういうイベントなのだ、仕方がない。
(でも、それって勇者のやることか?)
だがニケはふと思ってしまう。本当にそれでいいのだろうかと。
自分の職業は盗賊だ、逃げ足が自慢であるしLVだって一桁だ。
だが、それでも数々のボス戦やピンチを凌ぎ、仲間を誰かを見捨てたことなどない(キタキタ親父などを除く)
第一置いていくのは女の子だ。女の子に死亡フラグを立てるなど、自分の主義に反するのだ。
(それに、言われた通りに殺しあってやるつもりも、フラグにそって行動してやるつもりもねえ。ましてやラスボスの言うとおりなんざ!)
だからこそ立ち上がる。目の前のリリスを倒すために、できれば生け捕りで。
「光魔法キラキラ、自分の剣!!」
戦うために選ぶは『自分の剣』、それは剣というよりもニケを模った人形のように見えるが強力な武器である。
カッコイイポーズは効果的であると知っていたが、弱っているであろうエヴァを巻き込んでしまえば本当に死にかねないために使わない。
肩を並べる形となった少女が驚愕の表情をこちらに向けてくる。
表情だけで、どうして、と言っているのが分かった。ニケは初めて少女の顔を見る、ヒロイン顔だなと思った。
「――意地があんのさ、男の子には」
だからヒーローぽい表情で、ヒーローぽい台詞を言った。勇者だから。
「「二人とも、お話は終わった?」」
律儀に待っていたらしいリリス達が問いかけてくる。
だが、ニケは勇者でありながら盗賊である。律儀に返答を返してやらずに生じた隙をチャンスだと思い、一気に距離を詰め寄る。
しかし、リリスも切り倒されるまで待つつもりなどなかった。
無数の触手がリリスの羽から生え、ニケへと殺到する。
ニケは右横に大きく跳ぶことによりそれらを避け、剣をリリスに向ける。
その剣が急激に伸びた。光魔法キラキラ『自分の剣』の本領は攻撃力ではなく、その変幻自在の動きにある。
「いやん、ニケのエッチ♪」
リリスは剣が伸びることなど知らず、距離も詰められていたために剣があっさりと纏わり付く。
脇、胸、腕、羽、足、尻尾、股間、とリリスの全身を剣で縛り身動きできなくする。
「へへ、これで動けないだろう」
「うん、そうだね」
リリスの返答はあくまで軽かった。そのことをニケはいぶかしむ。
(なんだ、この不安は? それになんか忘れているような……)
そんな思考を中断するかのように聞き覚えのある金属音が幾度か鳴り響く。
ニケが音のした方を見ると、少女がリリスに襲われ斬撃を見舞われていた。
(しまった、もう一人忘れてた!!)
少女は刀で応戦しており怪我をしているようには見えなかったが、リリスの攻撃は明らかに遅かった。
剣士ゴチンコと魔物のタテジワねずみぐらいの差はあるだろう。あれが分身で本体より弱いわけでないのならば、完全に遊ばれている。
(援護を!)
そう思い、剣で縛ったリリスをハンマーがわりにもう一人へとぶつけようする。
「せめてこないなんて、ツマンナイ」
だがリリスはあっさりとその拘束を引きちぎり、触手をニケの顔面に突き刺そうとする。
投げようとした勢いがついていた為に、その行き場のない力がニケの体勢を崩す。
だが盗賊としてのすばやさ故か、そんな体勢でも何とかしゃがみ、攻撃を避けた。
「い、痛え!?」
しかしその勢いは速く、避けきれずに左肩が触手に削られる。
「ん、もう! じっとしてれば痛くしないのに!!」
「そんなわけにいくかよ!!」
ニケは触手から離れつつ叫んだものの、串刺しになるのも時間の問題かもしれないと思った。
リリスが容姿に似合わずとんでもない実力を秘めているぐらいのことは理解できている。
余裕を見せている状況のうちになんとか打開はしたいが、手持ちのアイテムではなんとかなりそうなものはない。
キラキラも、地は最初から除外、風は最初から使えない、自分の剣は役立たず。
残るは水か火ではあるが、水は使用回数が少なく制限のことを考えればあてにすることが不安である。
火はキラキラの中で二番目に攻撃力があるとは思うものの、普段から携行している火を熾す道具で使っていたために
今は使用不能である。とはいえ、すぐに使えるのはペットボトルの中にある水を使用した剣であり、
このままでは後ろから聞こえている金属音が聞こえなくなるのも時間の問題である以上は水の剣を使うしかない。
(ん? 待てよ)
思考の途中でとあることが引っ掛る。
そして、勇者はとあることに気づき、思わずニヤケ顔になる。
「何笑ってるの? 楽しいことならリリスにも教えてよ」
「わりいけど、教えてやんねえ」
その言葉を発し、リリスに向かって駆ける。リリスはまるで美味しそうな果実が目の前にあるような表情でニケに向かって三度目の触手を放つ。
だが、その行動は予想通りであった。
袋のポケットの中からとある物を取り出す。それはスペクタルズという虫眼鏡状のアイテム。
相手の能力を調べるためのもの。とはいえ本来の役目など必要とはしていない。
ようは、とあることに役立ってもらえばいいのだ。
(これで、どうだ!!)
触手の大群に当らぬよう体をずらし、スペクタクルズを触手に擦り付けるように掠らせる。
スペクタクルズの金属でできた縁と触手との接触面から火花が散ったのが見えた。
(よし、予想通り!!)
ニケが実行したのは摩擦を利用することによって火種を起こす方法である。
別に科学の知識があったわけではないが、かつてのサバイバル生活と火の王の下での修行により
硬い物同士がお互いを高速で削りあえば、火花程度ならば発生することぐらいは理解していた。
ゆえに、触手の鋭さ、速さ、硬さをだいたい理解できていたゆえにその手段を実行したのだ。
そうして、ニケは火花が発生すると同時に壊れたスペクタクルズを放棄、火花に意識を集中する。
すると、たった僅かな火がニケの魔力と周りの酸素を飲み込み燃え上がり、剣の形をとった。
その剣は光魔法キラキラ『火の剣』、勇者ニケが火を恐れず、火を克服し、火を味方とし、火の王に認められた証。
それが自身の手に宿り、リリスの全ての触手を焼き切る。そのままの勢いでリリスに突っ込む。
だが、直前まで迫り僅かな躊躇が芽生えてしまった。
このまま叩っ切ってもいいのだろうかと。
それは戦場では大きな隙だった。リリスが見過ごす理由などないほどの。
ただし、それが本当にリリスであった場合の話だ。
突然、ニケの目の前にいたリリスの姿がぶれる。
そのことを疑問に思う間もなく、夢魔の姿が掻き消えた。
(へ? なんで?)
そう思ったが、分身であることを考えると、なんとなくだが検討はついた。
ようは魔力で作られた分身である以上は、あれだけ暴れれば消えてもおかしくはないだろう。
他の要因かもしれないが、そう結論付ける。今まで戦っていたのが分身ならば、まだ終わってはいないのだから。
まだ戦っている二人の方を見る。リリスの方は先ほどと同じく余裕であった。
ただ、名も知らぬ少女の方は違った。一見、確実に一撃一撃を防御しているように見えるが、そうとしか思えないのならば眼科に行った方がいいだろう。
なぜなら、斬撃を受け止めるために刀を握っている腕は真っ赤になっていくのだ。
血で濡れているわけではなく、筋肉が限界に来ている様子が逆に痛々しい。
顔面も負けず劣らず真っ赤であり、大粒の汗まで零れていた。
(ええい、ままよ!!)
だからこそ思考を一点に集中させる。名も知らぬ少女を救うために。リリスを撃退するために。迷いを忘れるために。
リリスの背中へと炎の剣を振り下ろす。その一撃は盗賊故の速さであり、不意打ちであり、会心の一撃であった。
「ふふ、遅いよ♪」
だが、そんなニケの必殺の一撃すらリリスは雑作も無いといった風情で避け、あっさりと宙へ身を翻した。
そのすばやさは先ほど戦っていた分身よりも速かった。
(偽者より本物が強いなんざ、ありがち過ぎて笑えねえ!!)
ニケは大地を抉る炎剣を切り返そうとした。だがそれよりも頭上を取ったリリスの一撃の方が速かった。
その魔手は疾風の如く繰り出され、リリスの背後にいる少女が一撃を加えられぬほどであり、
一瞬無防備になったニケの脳天に魔手が突き刺ささる、
「こ、この……」
「はい、おしま……」
「 AFFE!!」
はずであった。だが割って入った、たった一声の言葉だけでその結果は覆される。その言葉はノタリコン。
アルファベットの頭文字のみ発音することで詠唱の暗号化と高速化の二つを同時にこなす発音。
それは少女――10万3000冊の魔道書を暗記し、学び、応用ができる頭脳を持つ禁書目録の対魔術戦での切り札『強制詠唱』。
それは相手の術式に干渉し制御を乗っ取る技。
ほとんどの魔術師は頭の中で魔術の命令を組み立てる。ならば術者の頭を混乱させることができれば、
その制御の妨害も可能だ。それは頭の中で一から順に数を数えている人のすぐ耳元で出鱈目な数字を
ささやいてカウントを乱す行為と同じようなものである。
それは味方である勇者にも十分通用する。
その命令の意味は炎剣に指向性の爆発を起こさせ、リリスだけを吹き飛ばすということ。
呪文よりも道具を主に置いた魔術やリリスのように魔力そのものが手足であるような相手には通用はしないが、
事前に『自分の剣』をあらかじめ見る事によって、光魔法キラキラのおおまかな魔力構成を理解していた禁書目録にとっては
勇者の炎剣に命令を下すことなど造作もなかった。
「キャ!!」
その言葉通りに夢魔は下方向からの激しい爆発によって空中へと放り出される。
ニケはその瞬間に走った。いきなり剣が爆発する、しかも自分を避けるようにリリスだけを吹き飛ばすという突然の事態に
驚きはしたものの、勇者としての才能か、盗賊としての資質故にか、次にやらなければいけないことは自然と理解していた。
とびつくは、先ほどエヴァがリリスの反撃を受け、取り落としたコエカタマリン。
それを飲み、空中へと投げ出されたリリスへと視線を向け、叫んだ。
「どっかいけ!!」
その叫びが具現化し夢魔へと迫る。
リリスは避けられない。炎剣に掛けられた制限があるため爆発の威力はリリスの命を奪うほどではないが、
炎剣を構成していた力のすべてが注ぎ込まれている。それは意識を一瞬刈り取るには十分な威力であった。
ニケの叫びがリリスにぶつかり、空中であったためにその場に留めるものはなく何処かへと吹き飛ばす。
そのまま大空へと吸い込まれるように夢魔の姿と固まった台詞は見えなくなった。
「ぷは~、ちかれた~」「ぷは~、疲れたんだよ~」
少年と少女はその光景を見て、とりあえずの危機を乗り越えたことに同時に安堵し、同じような言葉を発した。
二人ともそのことが微妙に可笑しく、顔を見合わせて笑った。
「あ、そうだ。エヴァが」
ニケは微妙に忘れていたエヴァに慌てて駆け寄り声を掛ける。
「おい、エヴァ。あいつは追っ払ったぞ」
だが、いくら声を掛けても、いくら揺さぶっても、吸血鬼の少女は答えず動かなかった。
「ふざけてる場合じゃ……」
「その子はふざけてなんかいないよ」
いつの間にか横にいる少女に、どういうことだよ、と問い返す。
「私の医学の知識は最新のものじゃないけれど、それでもまだ死んでいないだけ。たぶん致命傷かも」
ニケとて自分が怪我をしたこともあれば、誰かが怪我をした場面とて見たことはある。
しかし、怪我をしても何とかなる状況か誰かであったために、怪我の度合など分からない。
だからこそ、少女の言葉が理解できない。
「そんなわけねぇ! エヴァは吸血鬼なんだ! これぐらいすぐ治る!!」
「吸血鬼? ……その子が本当に吸血鬼だったとしても再生が間にあっているようには見えないんだよ」
その言葉を聞き、エヴァの方を見る。再生が始まっているのか出血は収まりつつあるものの、それでも血がだらだらと流れ出ていた。
それが、多いか少ないかは分からなかった。ただ命が流れ出ていることだけが理解できた。
「……なぁ、回復魔法とか使えないか?」
「私には回復魔法は使えないよ」
その言葉はニケの心に暗いものを植え付けるものであり、
「でも、あぶない橋だけど、その子を治すことはできるんだよ」
呆然となるほどやさしいものであった。
「へ?」
「闇の眷属でも十分に通用する術式があるんだよ。チップは君とその子の命。 0か 100か、それ以外はないよ。どうする?」
ニケにとっては目の前の少女が何をするのかは分からなかった。
ただ、危険な賭けらしいことだけが理解できた。
正直に言うとニケとて命はおしい。やりたいことなどいくらでもある。
だけれども、エヴァの姿を見るとその言葉に自然と笑って答えることができた。
「遠慮なくやってくれ」
そのことを疑問に思う間もなく、夢魔の姿が掻き消えた。
(へ? なんで?)
そう思ったが、分身であることを考えると、なんとなくだが検討はついた。
ようは魔力で作られた分身である以上は、あれだけ暴れれば消えてもおかしくはないだろう。
他の要因かもしれないが、そう結論付ける。今まで戦っていたのが分身ならば、まだ終わってはいないのだから。
まだ戦っている二人の方を見る。リリスの方は先ほどと同じく余裕であった。
ただ、名も知らぬ少女の方は違った。一見、確実に一撃一撃を防御しているように見えるが、そうとしか思えないのならば眼科に行った方がいいだろう。
なぜなら、斬撃を受け止めるために刀を握っている腕は真っ赤になっていくのだ。
血で濡れているわけではなく、筋肉が限界に来ている様子が逆に痛々しい。
顔面も負けず劣らず真っ赤であり、大粒の汗まで零れていた。
(ええい、ままよ!!)
だからこそ思考を一点に集中させる。名も知らぬ少女を救うために。リリスを撃退するために。迷いを忘れるために。
リリスの背中へと炎の剣を振り下ろす。その一撃は盗賊故の速さであり、不意打ちであり、会心の一撃であった。
「ふふ、遅いよ♪」
だが、そんなニケの必殺の一撃すらリリスは雑作も無いといった風情で避け、あっさりと宙へ身を翻した。
そのすばやさは先ほど戦っていた分身よりも速かった。
(偽者より本物が強いなんざ、ありがち過ぎて笑えねえ!!)
ニケは大地を抉る炎剣を切り返そうとした。だがそれよりも頭上を取ったリリスの一撃の方が速かった。
その魔手は疾風の如く繰り出され、リリスの背後にいる少女が一撃を加えられぬほどであり、
一瞬無防備になったニケの脳天に魔手が突き刺ささる、
「こ、この……」
「はい、おしま……」
「 AFFE!!」
はずであった。だが割って入った、たった一声の言葉だけでその結果は覆される。その言葉はノタリコン。
アルファベットの頭文字のみ発音することで詠唱の暗号化と高速化の二つを同時にこなす発音。
それは少女――10万3000冊の魔道書を暗記し、学び、応用ができる頭脳を持つ禁書目録の対魔術戦での切り札『強制詠唱』。
それは相手の術式に干渉し制御を乗っ取る技。
ほとんどの魔術師は頭の中で魔術の命令を組み立てる。ならば術者の頭を混乱させることができれば、
その制御の妨害も可能だ。それは頭の中で一から順に数を数えている人のすぐ耳元で出鱈目な数字を
ささやいてカウントを乱す行為と同じようなものである。
それは味方である勇者にも十分通用する。
その命令の意味は炎剣に指向性の爆発を起こさせ、リリスだけを吹き飛ばすということ。
呪文よりも道具を主に置いた魔術やリリスのように魔力そのものが手足であるような相手には通用はしないが、
事前に『自分の剣』をあらかじめ見る事によって、光魔法キラキラのおおまかな魔力構成を理解していた禁書目録にとっては
勇者の炎剣に命令を下すことなど造作もなかった。
「キャ!!」
その言葉通りに夢魔は下方向からの激しい爆発によって空中へと放り出される。
ニケはその瞬間に走った。いきなり剣が爆発する、しかも自分を避けるようにリリスだけを吹き飛ばすという突然の事態に
驚きはしたものの、勇者としての才能か、盗賊としての資質故にか、次にやらなければいけないことは自然と理解していた。
とびつくは、先ほどエヴァがリリスの反撃を受け、取り落としたコエカタマリン。
それを飲み、空中へと投げ出されたリリスへと視線を向け、叫んだ。
「どっかいけ!!」
その叫びが具現化し夢魔へと迫る。
リリスは避けられない。炎剣に掛けられた制限があるため爆発の威力はリリスの命を奪うほどではないが、
炎剣を構成していた力のすべてが注ぎ込まれている。それは意識を一瞬刈り取るには十分な威力であった。
ニケの叫びがリリスにぶつかり、空中であったためにその場に留めるものはなく何処かへと吹き飛ばす。
そのまま大空へと吸い込まれるように夢魔の姿と固まった台詞は見えなくなった。
「ぷは~、ちかれた~」「ぷは~、疲れたんだよ~」
少年と少女はその光景を見て、とりあえずの危機を乗り越えたことに同時に安堵し、同じような言葉を発した。
二人ともそのことが微妙に可笑しく、顔を見合わせて笑った。
「あ、そうだ。エヴァが」
ニケは微妙に忘れていたエヴァに慌てて駆け寄り声を掛ける。
「おい、エヴァ。あいつは追っ払ったぞ」
だが、いくら声を掛けても、いくら揺さぶっても、吸血鬼の少女は答えず動かなかった。
「ふざけてる場合じゃ……」
「その子はふざけてなんかいないよ」
いつの間にか横にいる少女に、どういうことだよ、と問い返す。
「私の医学の知識は最新のものじゃないけれど、それでもまだ死んでいないだけ。たぶん致命傷かも」
ニケとて自分が怪我をしたこともあれば、誰かが怪我をした場面とて見たことはある。
しかし、怪我をしても何とかなる状況か誰かであったために、怪我の度合など分からない。
だからこそ、少女の言葉が理解できない。
「そんなわけねぇ! エヴァは吸血鬼なんだ! これぐらいすぐ治る!!」
「吸血鬼? ……その子が本当に吸血鬼だったとしても再生が間にあっているようには見えないんだよ」
その言葉を聞き、エヴァの方を見る。再生が始まっているのか出血は収まりつつあるものの、それでも血がだらだらと流れ出ていた。
それが、多いか少ないかは分からなかった。ただ命が流れ出ていることだけが理解できた。
「……なぁ、回復魔法とか使えないか?」
「私には回復魔法は使えないよ」
その言葉はニケの心に暗いものを植え付けるものであり、
「でも、あぶない橋だけど、その子を治すことはできるんだよ」
呆然となるほどやさしいものであった。
「へ?」
「闇の眷属でも十分に通用する術式があるんだよ。チップは君とその子の命。 0か 100か、それ以外はないよ。どうする?」
ニケにとっては目の前の少女が何をするのかは分からなかった。
ただ、危険な賭けらしいことだけが理解できた。
正直に言うとニケとて命はおしい。やりたいことなどいくらでもある。
だけれども、エヴァの姿を見るとその言葉に自然と笑って答えることができた。
「遠慮なくやってくれ」
【B-5/山頂付近/一日目/昼】
【ニケ@魔法陣グルグル】
[状態]:すけべ大魔神LV.4、魔力中消費、中程度の疲労、左肩に切り傷あり
[装備]:スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品、うにゅー×3@ローゼンメイデン、クロウカード『光』、 コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん
「ぬのハンカチ×20@ボボボーボ・ボーボボ」を結んで作った即席ロープ
[思考]: エヴァを治さなきゃ!
第一行動方針:エヴァを治す
第ニ行動方針:なのはの捜索、音の原因も気になる
第三行動方針:水の剣が使えるか試しておきたい
第四行動方針:自分の仲間となのは&エヴァの友人を探す。
基本行動方針:とりあえずラスボスを倒す。その過程で女の子の仲間が増えればいいッスねぐへへ
【ニケ@魔法陣グルグル】
[状態]:すけべ大魔神LV.4、魔力中消費、中程度の疲労、左肩に切り傷あり
[装備]:スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品、うにゅー×3@ローゼンメイデン、クロウカード『光』、 コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん
「ぬのハンカチ×20@ボボボーボ・ボーボボ」を結んで作った即席ロープ
[思考]: エヴァを治さなきゃ!
第一行動方針:エヴァを治す
第ニ行動方針:なのはの捜索、音の原因も気になる
第三行動方針:水の剣が使えるか試しておきたい
第四行動方針:自分の仲間となのは&エヴァの友人を探す。
基本行動方針:とりあえずラスボスを倒す。その過程で女の子の仲間が増えればいいッスねぐへへ
【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル@魔法先生ネギま! 】
[状態]:気絶、魔力中消費、重度の全身打撲及び全身裂傷(骨折の可能性あり)、瀕死
[装備]:フェアリィリング@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品、歩く教会@とある魔術の禁書目録、クロウカード 『希望』@CCさくら
なのはの荷物(基本支給品、時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん)
[思考]:……(気絶中)
第一行動方針:リリスに激しく警戒、というか殺す!
第ニ行動方針:なのはを捜索に行く。轟音の原因も調査したい
第三行動方針:同じ目的の者を探し、仲間と情報を集める
第四行動方針:ジェダが島の地下に居る、という仮定に基づき、地下空間に通じる道を探す
基本行動方針:ゲームからの脱出。ジェダを倒す。
[備考]:
エヴァンジェリンは、預けられた「なのはの荷物」を一通り調べています。
支給品の説明書も読んでいるようです。
光魔法『カッコいいポーズ』がジェダにも有効かもしれないと考えています
リリスが他の参加者と同じ待遇だと認識しました
[状態]:気絶、魔力中消費、重度の全身打撲及び全身裂傷(骨折の可能性あり)、瀕死
[装備]:フェアリィリング@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品、歩く教会@とある魔術の禁書目録、クロウカード 『希望』@CCさくら
なのはの荷物(基本支給品、時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん)
[思考]:……(気絶中)
第一行動方針:リリスに激しく警戒、というか殺す!
第ニ行動方針:なのはを捜索に行く。轟音の原因も調査したい
第三行動方針:同じ目的の者を探し、仲間と情報を集める
第四行動方針:ジェダが島の地下に居る、という仮定に基づき、地下空間に通じる道を探す
基本行動方針:ゲームからの脱出。ジェダを倒す。
[備考]:
エヴァンジェリンは、預けられた「なのはの荷物」を一通り調べています。
支給品の説明書も読んでいるようです。
光魔法『カッコいいポーズ』がジェダにも有効かもしれないと考えています
リリスが他の参加者と同じ待遇だと認識しました
【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:けっこうな空腹とけっこうな疲労、
[装備]:水の羽衣@ドラゴンクエストⅤ、コキュートス@灼眼のシャナ、葉っぱの下着
[道具]:支給品一式、逆刃刀・真打@るろうに剣心
[思考]:治してあげるんだよ。
第一行動方針:治癒魔術をニケに実行させ、吸血鬼の少女の傷を治す
第ニ行動方針:シャナと合流
第三行動方針:状況を打破するため情報を集める。(人の集まりそうな場所を目指す)
第四行動方針:太った男の子(パタリロ)を警戒
第五行動方針:普通の下着、てか服がほしいかも
基本:誰にも死んで欲しくない。この空間から脱出する。
[備考]:主催者の目的を最後の一人か、この状況を何らかの魔術儀式に使うと考えています。
アラストールと互いの世界に関する詳細な情報交換を行いました。
[状態]:けっこうな空腹とけっこうな疲労、
[装備]:水の羽衣@ドラゴンクエストⅤ、コキュートス@灼眼のシャナ、葉っぱの下着
[道具]:支給品一式、逆刃刀・真打@るろうに剣心
[思考]:治してあげるんだよ。
第一行動方針:治癒魔術をニケに実行させ、吸血鬼の少女の傷を治す
第ニ行動方針:シャナと合流
第三行動方針:状況を打破するため情報を集める。(人の集まりそうな場所を目指す)
第四行動方針:太った男の子(パタリロ)を警戒
第五行動方針:普通の下着、てか服がほしいかも
基本:誰にも死んで欲しくない。この空間から脱出する。
[備考]:主催者の目的を最後の一人か、この状況を何らかの魔術儀式に使うと考えています。
アラストールと互いの世界に関する詳細な情報交換を行いました。
[備考]
1:ニケとエヴァは、1つの仮説を立てました。その概要は以下の通り。
1:ニケとエヴァは、1つの仮説を立てました。その概要は以下の通り。
- 『結界』は空中だけでなく、地中にまで及んでこの島を球形に包み込んでいると考えられる。
- この『結界』は外部との念話や、転移魔法を阻害する性質を持つと思われる。
- OPで全参加者を転移させたことなどを考えると、ジェダもまたこの『結界』内部にいる可能性が高い。
おそらくは島の地下。
- その地下空間と地上の間に、緊急用の通路がある可能性がある。特に怪しいのは城や塔、洞窟など。
2:インデックスがこの空間内にジェダの魔力が敷き詰められていることを感知しました。
- 用途は知覚の妨害であると推測しています。
【B-5/空中/一日目/昼】
【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]:服部打撲(激しく痛むがMっ気あるなため遊ぶのには支障はない)、小程度の魔力消費、
「どっかいけ」のコエカタマリンに吹き飛ばされている
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(食料は無し)
[思考]:ん、もう。これ邪魔だなぁ。
第一行動方針:変な声をなんとかしたい
第ニ行動方針:まだ遊び足りない
第三行動方針:獲物を探して狩る
第四行動方針:18時にはB-7のタワーへ行く
基本行動方針:楽しく遊びつつ、優勝して本当の身体を手に入れる
[備考]
コナン&ネギと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです
【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]:服部打撲(激しく痛むがMっ気あるなため遊ぶのには支障はない)、小程度の魔力消費、
「どっかいけ」のコエカタマリンに吹き飛ばされている
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(食料は無し)
[思考]:ん、もう。これ邪魔だなぁ。
第一行動方針:変な声をなんとかしたい
第ニ行動方針:まだ遊び足りない
第三行動方針:獲物を探して狩る
第四行動方針:18時にはB-7のタワーへ行く
基本行動方針:楽しく遊びつつ、優勝して本当の身体を手に入れる
[備考]
コナン&ネギと殺害数を競う約束をしています。待ち合わせは18時にB-7のタワーです
≪112:でにをは、そして正しすぎる拳(前編) | 時系列順に読む | 119:混沌の学び舎にて(1)≫ |
≪114-1:はやてのごとく!~at the doll's theater~(前編) | 投下順に読む | 116:誰にだって勝つ権利はある/難しいのはその行程≫ |
≪106:遊ぼ♪ | リリスの登場SSを読む | 132:his sin, his crossroads(前編)≫ |
ニケの登場SSを読む | 123:それは狂的なまでに(前編)≫ | |
エヴァの登場SSを読む | ||
≪058:銀髪翠眼の導き手 | インデックスの登場SSを読む |