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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 血と涙がまだ足りない

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

血と涙がまだ足りない

最終更新:2008年12月22日 17:32

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だれでも歓迎! 編集

血と涙がまだ足りない ◆sUD0pkyYlo


前編より


『 ――では、次の放送は午前六時の予定だ。その時にまた会う事にしよう。 これにて放送を終了する。 』

(時間がない――)

森の出口近くで島に流れる放送を聞きながら、シャナは焦りを覚える。
第一回目の、定期放送。その内容は予想していたよりも酷い。
苛立たしさを感じながらも、頭の中で再度反芻する。

37人の死亡。確かに多い。けれどもそれは、予想よりほんの少し悪いという程度のことだ。
無惨に殺された死体もいくつか見ている。殺し合いに乗った敵とも遭遇している。間接的に話も聞いた。
島の各所で殺し合いが進行しているのなら、それくらいには達していてもおかしくない。

呼ばれた名前にも、そう驚くものは無い。
ネギやコナンの名前も、高町なのはの話の裏が取れた、という以上の意味を持たない。
リリスの参戦も、既に聞いていた通り。
梨々や小太郎といった、聞こえて欲しくない名前も、呼ばれていない。
総じて、定期放送の後半部分に、シャナの興味を引くものは無かった。

ただ、無視できないことが1つ――それは、禁止区域。
あろうことか、リリスの尻尾を捕まえるつもりのポイント、エリアB-7のタワーが指定されている。
それも、放送のあった18時現在から、わずか1時間後の19時に。

実のところ、シャナの予定は当初の計画から大きくズレてしまっている。
16時には廃病院を出発するつもりが、複数のトラブルで大きく後ろにズレ込んで。
18時の放送の時点でタワーに着いているつもりが、今なおB-4の森の中。
同行者は2人。
双葉は自分の足で歩けるものの、怪我と消耗が酷くて普段通りには走り回れない。
紫穂に至っては、気絶したまま、今もシャナに背負われている格好。
この状態で、高町なのはに頼まれたアリサ・バニングスを保護せねばならないのだ。
アリサは廃病院から南西の方角に居るというが、双葉の状態も考えれば、森を突っ切って行くことはできない。
森の中に半ば消えかけている、南北に走る道。遠回りになることを承知で、歩きやすい道を進む。
そして森を出た所で西に進路を変え、アリサを回収するつもりでいたが……

(……時間が、ない)

動きが鈍くなるからといって双葉や紫穂を見捨てるつもりはない。
義理が無いからといってアリサを放置するつもりもない。
けれども、時間がない。せっかくの好機を前に、あまりに時間がない。
リリスが確実にタワーにやってくるこの時間帯は、主催者側の事情を掴むためのまたとない好機なのだ。
保護せねばならない者たちが居なければ、自分1人であるならば、すぐにでも飛んでいけるのだ。

シャナは歯噛みする。
チラリ、と、少し遅れて歩いている同行者の方を振り返る。

「畜生っ……! なんでなんだよ……! なんで、そんなに平気で殺せるんだよ……!」

定期放送が流れてからというもの、双葉は苛立ちを隠しきれない。
多すぎる人の死を嘆き、そして何もできない自分の無力さを嘆き。
しかし、愚痴を口にするくらいのことしか出来ない存在。

足手まとい。シャナの頭の中に、そんな言葉がよぎる。
双葉の精神が善良で真っ直ぐなのは確かだが、この殺し合いの極限状況の中では何の役にも立たない。
ああ、ここに小太郎がいてくれたなら。
小太郎でなくてもいい、戦闘力のある仲間がいれば、双葉や紫穂の身を任せられるのに――!

森が開ける。森から南に道路が、T字路を作っている。
開けた空間に辿り着いたシャナたちは、そしてそこで、東からやってきた2人の少女と遭遇した。

        *     *     *

――互いに互いの情報を聞いていたのが幸いした。
廃病院にいた面々は、高町なのはから。神社から来た面々は、小太郎から梨花・リンクを経た伝言ゲームで。
それぞれの簡単な特徴、行動方針は既に把握していたのだ。
せいぜい、シャナの銀色の髪と目、そしてインデックスや紫穂の微妙な格好が互いを驚かせた程度。
出会った途端に、緊張は解けた。

簡単に名前を確かめ合った後、ゆっくり歩み寄ったのは、インデックス。
その手には、黒い宝玉が握られている。

「シャナ。まずは預かっていたものを返しておくんだよ」
『しかしどうしたのだ、その髪の色は……』
「詳しい話をしているヒマはない。放送は聞いたでしょう?」

積もる話は山ほどあり、聞いておきたいことも無数にあったが、今は何より、時間が惜しい。
アラストールとの『再会』を喜ぶ間もなく、シャナは急いで要点だけを確認する。

「そっちの2人は、戦えるの?」
『む。まあ、不安は残るが……それでも、身を守るくらいのことはできよう。
 そうでなくては、この少人数で行動させたりはせん』
「なら、こっちの2人を任せても大丈夫か」

結局小太郎は戻って来なかったが、代わりにちゃんと「代理人」を寄越してくれた。
これも彼なりの筋の通し方なのだろう。双葉を救ったことに対する、彼なりの責任の取り方なのだろう。
シャナは背負っていた紫穂を地面に下ろす。
話の急転についていけずにいる双葉とヴィータをチラリと見てから、改めてインデックスに向き直る。

「私は急ぐの。分かるでしょう?」
「うん。19時になる前にタワーに行って、リリスから情報を引き出すんだね」
「今は一分一秒さえも惜しい。この2人と、高町なのはから頼まれた探し人のことは、任せる」
「高町なのはの……探し人?」
「詳しい話は双葉から聞いて。私も、そっちの詳しい話はアラストールから聞いておく」

シャナの言葉に、インデックスは頷く。インデックスだけが頷く。
2人とも、タイプや性格は違えど、基本的に合理的な思考の持ち主だ。時に合理的過ぎるほどの存在だ。
言葉は、さほど必要ない。
シャナは走り出そうとして、ふとあることを思い出す。荷物から何かを取り出すと、インデックスに投げ渡す。

「ああ、そうそう、行く前にコレを預けておく」
「これって……首輪?!」
「私が殺したわけじゃないけど。私には調べている時間がないし、その能力もない。でも必要とするはずよ」
「分かったんだよ。あ、そうだ、武器は大丈夫?
 いつもはサムライのカタナ使ってるんだよね? だったら、これはどうかな?」

首輪を受け取ったインデックスが取り出したのは、逆刃刀・真打。
1人で強敵リリスに立ち向かうつもりなら、武器は良いものがあるに越したことはない。
受け取ってみればマスターソードよりも軽く、また手に馴染む。シャナの剣技を活かすには、こちらの方がいい。

「刃が逆についた刀、か……。何を考えてるのか知らないけれど、確かに良いものか。
 じゃあ、代わりにこの剣を。重いけれど、身を守るには何も無いよりはマシなはず」
「うん、そうだね。じゃあ……気をつけて」

コキュートスとビュティの首輪、逆刃刀とマスターソード。手早く持ち物を交換しただけで、実にあっさりと。
十万三千冊の禁書目録と銀髪白眼の討ち手は、再会を約す言葉すらも交わさずに、別れてしまった。

        *     *     *

シャナは駆ける。草原を駆ける。
長い銀髪をなびかせて、目標目指して疾走する。

(ジェダを討つ、自動人形も討つ……どちらもやらねばならないのが『しろがね』の辛いところか)

19時になる前にタワーに到達して、リリスを取り押さえる。
情報を引き出したら、取って返して夜が明ける前に島の北東の市街地に向かい、自動人形たちを討つ。
全てが終わったら、仲間たちと合流する。
やらねばならぬことは数多く、側にいるのは戻ってきたコキュートスだけ。
それでもシャナは急ぐ。山脈を目の前にして、炎の翼を広げながらなお急ぐ。

もう、止めねばならない。
血と涙がこれ以上流される前に、止めなければならない。
シャナは往く。時間的な余裕の無い中、それでも先を急ぐ――。


【B-5/山脈上空/1日目/夜】

【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:しろがね化。炎の翼で飛行中
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心、コキュートス@灼眼のシャナ
[道具]:支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯、
[思考]:
第一行動方針:19時になる前にB-7のタワーに到達してリリスと接触し、情報を引き出す。
第二行動方針:移動しながらでも、アラストールからこれまでの経緯を聞きだす。
第三行動方針:夜が明ける前に北東の市街地に向かい、いるはずの自動人形(トリエラ・リルル)を破壊する。
第四行動方針:要件が済んだら、インデックスや双葉たちと合流。
基本行動方針:ジェダを討滅する。自動人形(と認識した相手)は、全て破壊する。
[備考]:義体のトリエラ、及びロボットのリルルを自動人形の一種だと認識しました。
    アラストールから、詳しい経緯を聞きだしている最中です。

[備考]:アラストールは、これまでのインデックスの行動の全てを知っています。
    神社を拠点にする計画も知っています。


        *     *     *

――太陽はすっかり水平線の向こうに姿を隠し、橙色に染まっていた西の空も急速に色を失っていく。
深い藍色の闇が空に広がり、太陽に代わって青白い月明かりがあたりを照らす。
彼女たちがそこに到着した時、そこにはただ、無人の焼け跡が残っているだけだった。

「……いない、ね」
「……いない、な」

インデックスと双葉は、揃って首を傾げる。
2人の後ろには、シャナに代わって紫穂を背負うことになったヴィータも立ち尽くしている。
高町なのはがシャナたちに回収と保護を依頼したアリサ・バニングスは、はやての親友の1人でもある。
ヴィータにとっても他人事では無いのだが、しかし肝心のアリサの姿が無い。
ここまで歩きながら双葉から聞きだした話では、このあたりに居るはずなのだが。

「高町なのはは、『とても落ち込んで、混乱しているはず』って言ってたんだよね?」
「あ、ああ。あたしは確かにそう聞いたぞ」
「だとしたら、そう遠くに行っているはずはないんだよ。できれば見つけ出したいところだけど……」

そこで言葉を切って、インデックスは険しい顔で空を見上げる。
日没からけっこう時間が経って、もう夕焼けの残り火は空に無い。ひんやりした夜の空気が漂い始めている。
本当なら、暗くなったら神社に引き返すつもりだった。この空の色は、想定していたタイムリミットを過ぎている。
予定よりも「戦えない人間」が増えた今、あまり暗い中を歩き回りたくはない。
大体、人を探すにしたって、こう暗くなってしまっては。

(……だけど、気になるんだよ。
 この破壊の跡がどうやって出来たのかとか、何でそこに高町なのはとアリサ・バニングスがいたのかとか)

焦げた地面を、そっと指でなぞる。
高町なのはがこの場に居合わせたのなら、この圧倒的な破壊を可能とする手段には心当たりがある。
でも――話が繋がらない。
何故その破壊の跡でアリサが放心している「はず」だったのか。
何故なのははそのアリサを放置していったのか。
何故なのはの言葉に反して、アリサがここに居ないのか。
戻って来なかった勝のことは、何か関係があるのか。
破壊の痕跡が途中で割れて、Yの字状になっているのはどういうことなのか。
疑問は次から次へと湧いてくるけれど、情報はあまりに乏しく、結論は何も出せない。

「見つけたいところだけど、って……見捨てるのかよ!? そのアリサって奴のこと!」
「いや、そうじゃないよ。でも、既に移動してるなら、この辺を探しても見つからない可能性が……」
「あたしは嫌だからな! 見捨てるなんて、そんな……!」

双葉は猛る。誰かを見捨てるのがそんなに嫌なのか、大きく吼える。
インデックスだって、その魔法名に賭けて弱者を見捨てるつもりは全くない。
ただ、どうすれば一番良いのか、どうすれば確実に保護できるか、冷静に検討しているだけなのに。
そこまで考えていないであろう双葉の気迫に、インデックスは小さく溜息と共に譲歩案を示す。

「……分かった。もうちょっとだけ、手分けしてこの辺を探そう。
 でもあと少しだけだからね。ダメだったら、一旦神社まで戻ってみんなと合流して考え直すんだよ?」
「わかってるっ!」
「森に入ってっちゃダメだよ? 双葉が二次遭難したら何にもならないんだよ?」
「わかってるっ!」
「算数の問題。1たす1は?」
「わかってるっ!」
「絶対分かってないねっ!?」

双葉といいヴィータといい、どうしてこう、人の話を聞かない奴が多いのか。
どっと疲れを感じた彼女は、ふと思い出して、残るの同行者の方を振り返る。
気絶したままの紫穂を含め、この場にいる4人のうち、ほぼ唯一、直接的な戦闘能力を持つ人物。
神社を飛び出した時には、今の双葉と同じように頭に血を昇らせていたはずの人物。

「ヴィータ? ヴィータもちょっと手伝って欲しいんだよ。ボーッとしてないで」
「……あ、ああ。ごめん、ちょっと考え事してた。じゃ、あっちの方調べてくる」

覇気のない声で、ヴィータは生返事を返す。そのまま、双葉の歩き出した方向とは逆の方にゆっくりと向かう。
いったい何を考えているのか。あの時の勢いはどこに消えたのか。
妙に引っ掛かりを覚えたインデックスだが、すぐに走り出した双葉に気を取られて、その疑問を棚上げとした。

        *     *     *

(こんなことをしている場合じゃ、ねぇ……)

ヴィータはずっと考えていた。
この圧倒的な破壊が起きた原因ではない。双葉の話の中で出てきた、あることについて。

(高町なのはは、夜が明けるまで隠れて回復を待つ、って言ってた……。
 ってことは、もうアイツを探したって意味ないんじゃねーか?)

探しても見つからないだろう、というのは、双葉を通して聞いたシャナの評だ。
そしてヴィータもその考えを肯定する。
高町なのはは、ある意味では完璧主義者だ。一度「やる」と決めたら容赦はない。
彼女が感情を廃し、隠れることに徹したのなら、見つけ出すことはかなり困難だろう。
時間ばかり余計にかかって、成果を得られない可能性は高い。

(それに、なのはを探そうと思ったのだって、「動き回ってるなら色々知ってるかもしれない」ってだけだ。
 見つけたところで、はやての死の真相を知ってるとは限らねぇ)

紫穂を背負ったまま、ヴィータはインデックスや双葉から離れる方向に歩みを進める。
形だけなら辺りを調べているようで、その実、彼女の意識はそこにない。
ただ、考える。焼けつくような激情を胸の奥に飲み込んで、考える。

(なら――どうしたらいい?
 はやての仇を討つためには、いったいどうすれば――わわっ!?)

――考え事をしていたのが、悪かったのかもしれない。
暗くなってきた焼け跡で、そしてヴィータは「何か」につまづきかける。
紫穂を背負ったまま、何度かたたらを踏んで、ようやくバランスを取り戻す。なんとか転ばずには済んだ。
木の根でも張り出していたのだろうか。思わず振り向いたヴィータは、そして、

「あぶねーなぁ。いったいなんだよ……って、え?!」

呪いの言葉を吐きかけて……硬直した。
一瞬にして、全ての思考が吹き飛んだ。

  そこにあったのは、見覚えのある剣を握った、見覚えのある腕。
  赤く、波打ったような剣を握った、生傷だらけの少年の腕。

辺りがここまで暗くなってなければ、もっと早く見つけられていたのかもしれない。
ヴィータより先に、インデックスや双葉が見つけていたのかもしれない。
けれども実際には、こうしてつまづくまで誰も気が付かなくて。
ヴィータは呆然となる。踏みつけてしまった腕を前に、呆然となる。

「な……こ、これって……!」

放心したヴィータの背から、ずるりと紫穂の身体がずり落ちる。
支えていた腕から力が抜けて、小さな音を立てて紫穂の身体が地に落ちる。
けれどもヴィータにそれを気にする余裕はない。震える手を伸ばし、赤い炎の剣に手を伸ばす。

何故ここにこの剣があるのか。無数の傷痕のせいで一発で彼と分かる腕を残して、才賀勝はどうなったのか。
無数の疑問は全て一旦脇に置かれ、ヴィータの脳裏に浮かぶのはその剣を手にしていた頃の自分の姿。
はやてを救うためなら何でもする、誰が相手でも殺すんだ、と決めたあの時の決意。
その記憶は、自然と彼女に「ある方法」を思いつかせる。
人の道から外れた、ある外道な方法。

「そうだよ……その方法があったじゃねーか……! 何で気付かなかったんだよ……!」

かつて、はやてと合流する手段として狙っていた、3人抜きの「ご褒美」。
それはこの局面でも利用可能なはずだ。
誰でもいいから3人殺して、ジェダにこう尋ねればいい。

  『はやてを殺した犯人は今どこに居る?』、と。

提示された3つの権利のうち、最後の「ジェダに質問する権利」については説明も曖昧だ。
どんな質問が許されるのか、どんな質問ならジェダにも答えられるのか、いまいちよく分からない。
でも、この質問にはきっと答えてくれるはずだ。答えられるはずだ。
何しろ「ご褒美」を授ける都合上、ジェダたちは「誰が誰を殺したか」を把握しているはずなのだから。

そして――「ご褒美」を得るために好都合な獲物も、すぐ近くにいる。
ちょうど3人、いる。

  装備と知識はそれなりに充実しているが、自分自身では魔法の1つも使えないインデックス。
  溢れる気力でカバーしてるが、良く見ればかなりの重傷、つついただけでも死にそうな気配の双葉。
  全身タイツにスクール水着という不審者そのもの、底が知れない存在だが、気絶して無力な紫穂。

熱にうなされたような表情で、ヴィータはフランヴェルジュを拾い上げる。
硬直した指を引き剥がして、勝の腕を打ち捨てる。
痺れの残る手の調子を確かめるように、その柄を握り締める。

きっとそれは、最低な発想だ。
「そんなこと」をしたら、きっとヴィータはもう『騎士』とは名乗れない。
ベルカの騎士としての誇りは、無力な者を不意打ちで殺すようなことをよしとしない。
はやての守護騎士としての思い出は、そんな行為を許さない。はやてが生きていたら、絶対に許さない。
そして、ヴィータは……

「でも、あたしは……あたしはもう、『騎士』じゃなくていい」

幼い顔に、獰猛な肉食獣の如き壮絶な笑みが浮かぶ。
肝心のはやてを守れなくて、何が騎士か。今さら誇りも何もあったものか。
それにこれは、あくまでヴィータの我侭。
「はやてのため」でもなく、「はやてのせい」でもなく、単に「ヴィータ個人」が望んでやること。
だから。


まだ足りない。
血と涙がまだ足りない。
はやての死という欠落を埋めるには、血と涙がまだまだ足りない。
これではやての仇の居場所が分かる。これではやての仇が取れる。
ヴィータはそして、こちらに背を向けているインデックスと双葉に、歓喜の色を全身に滲ませ、向き直った。

        *     *     *

――そして、だから。
頭の中に、そのアイデアがいっぱいになってしまっていたから。
ヴィータは、気付かなかった。インデックスや双葉も、もちろんまだ気付いていなかった。

三宮紫穂が、ヴィータの背に背負われ、ずっと『触れて』いたレベル7接触感応能力者(サイコメトラー)・紫穂が。
地面に倒れたまま、うっすらとその眼を開けていた。


【A-4/砲撃跡地/1日目/夜】
【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康、それなりに疲労
[装備]:水の羽衣@ドラゴンクエストⅤ、葉っぱの下着
[道具]:マスターソード@ぜルダの伝説(重量感あり)、支給品一式(食料-1日分)、 ビュティの首輪
[思考]:気になることは多いけど、そろそろ戻らないと危険かもしれないんだよ。
第一行動方針:焼け跡を調べる。焼け跡自体の検証、およびアリサの捜索。
第二行動方針:暗くなってきたので、適当な所で探索を切り上げ、双葉や紫穂を保護しつつ神社に戻る。
第三行動方針:落ち着いたら、明るい所でじっくりビュティの首輪を調べたい。
第四行動方針:状況を打破するため情報を集める。
第五行動方針:普通の下着、てか服がほしいかも。
基本:誰にも死んで欲しくない。この空間から脱出する。

【吉永双葉@吉永さん家のガーゴイル】
[状態]:腹部の銃創と胸部の刺傷は塞がったが、激しい運動は禁物。全身に打撲や擦り傷。
[服装]:血のついたオーバーオール、腹部にカラフルな包帯。
[装備]:メガネ@ぱにぽに、コキリの剣(泥がついている)@ゼルダの伝説
[道具]:支給品一式(水少量、パン一個消費)、ショックガン@ドラえもん、きんのたま@ポケットモンスター、
     邪剣ファフニール@TOS、包帯
[思考]:あたしは諦めねーぞ!
第一行動方針:アリサという子を探したい。暗くなってはきたが絶対に見つけたい。諦めたくない。
第二行動方針:インデックスたちと行動を共にする。
第三行動方針:気絶している(?)紫穂に責任感。面倒を見る
第四行動方針:梨々と合流
基本行動方針:このふざけた殺し合いを終わらせ、脱出する


【A-4/砲撃跡地(南東・才賀勝死亡地点)/1日目/夜】
【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:はやての死により激昂、両腕に痺れが残っている、左足に火傷跡、左手爪全剥(痛みは減衰)
[装備]:祈りの指輪@DQ、フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア 
[道具]:基本支給品 ぬのハンカチ×20(即席ロープ)
[服装]:普段着(ドクロのTシャツ、縞模様のニーソックス等)
[思考]:……やるか?
第一行動方針:はやてを殺した犯人を見つけ出し、殺す。
第二行動方針:目の前の3人を襲って殺して「ご褒美」を得る? はやて殺しの犯人をジェダに聞く?
基本行動方針:もうどうでもいい。

【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】
[状態]:覚醒。詳細不明。
[装備]:ワルサーPPK(銀の銃弾7/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD
    スクール水着@魔法先生ネギま!、全身黒タイツ@名探偵コナン
[道具]:支給品一式×2(水少量、パン一個消費)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、
     血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、包帯
[服装]:スクール水着の上に全身タイツを重ね着
[思考]:???
第一行動方針:???
第ニ行動方針:誰も信用しない。状況に応じてどのスタンスもとれるように構えておく
第三行動方針:利用できそうな仲間を探す
基本行動方針:元の世界に帰るためには手段を選ばない。自分の安全は最優先。

[備考]:紫穂がいつから目覚めていたのか、邪剣による精神汚染の程度など、一切不明です。


≪183:血と涙はもう要らない 時系列順に読む 184:蜘蛛の網 -hell and heaven-≫
≪183:血と涙はもう要らない 投下順に読む 184:蜘蛛の網 -hell and heaven-≫
≪171:大した事じゃない(前編)
≪175:第一回定時放送
シャナの登場SSを読む 195:刀銀十字路(前編)≫
≪179:ファンブル インデックスの登場SSを読む 187:血と涙は買えばいい -人心、バイバイ。-(前編)≫
≪171:大した事じゃない(前編)
≪175:第一回定時放送
双葉の登場SSを読む 187:血と涙は買えばいい -人心、バイバイ。-(前編)≫
≪179:ファンブル ヴィータの登場SSを読む 187:血と涙は買えばいい -人心、バイバイ。-(前編)≫
≪171:大した事じゃない(前編)
≪175:第一回定時放送
紫穂の登場SSを読む 187:血と涙は買えばいい -人心、バイバイ。-(前編)≫

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