『時をかける少女』は、バンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から1998年に発売予定だったPlayStation用ゲームソフト。
原作は言わずと知れた筒井康隆の同名小説。1967年の刊行以来多彩なメディア化がされているが、ゲーム化(の企画)は本作が唯一となっている。
原作は言わずと知れた筒井康隆の同名小説。1967年の刊行以来多彩なメディア化がされているが、ゲーム化(の企画)は本作が唯一となっている。
概要
舞台を1991年の鎌倉に移し、原作の設定をベースにしつつもオリジナル要素の強いADV(AVG)として制作されていた。映画館で起きた火事に少女の幽霊・悪徳不動産屋の陰謀・タイムリープ(時間移動)による過去の改変が絡む、壮大なストーリーが構想されていたことがわかっている。詳細は不明だが、6年前・10年前・40年前の鎌倉にタイムリープする展開もあった模様。他にもオリジナルキャラクターや独自の設定が多数存在する。
基本のゲームシステムは斜め見下ろし型のフィールド探索タイプ。プレーヤーは主人公の和子を操作して場所移動や会話を行う。イベント発生時はADV形式に変わり、背景と立ち絵が表示される。これらに加え、スタジオディーン制作による合計20分のアニメーションムービーが挿入される予定だった。マルチエンディング方式で、ゲームの進め方に応じた4種類のエンドが用意されていたという。
脚本は『新世紀エヴァンゲリオン』の山口宏、キャラクターデザインは『まもって守護月天!』の桜野みねねが担当。主題歌は1997年の映画版と同じ松任谷由実の「時のカンツォーネ」が使われる予定だった。
著作権表記にダイナミック企画(*1)の名前があるが、これは原作者の筒井がダイナミックプロに所属する知人の幸森軍也に著作権処理やシナリオの内容チェックを依頼していた為だという。
著作権表記にダイナミック企画(*1)の名前があるが、これは原作者の筒井がダイナミックプロに所属する知人の幸森軍也に著作権処理やシナリオの内容チェックを依頼していた為だという。
1998年4月24日発売の雑誌『電撃PlayStation』Vol.72にて制作を発表。この時点でメインキャラのビジュアルやゲーム画面が多数公開されていた。同誌ではその後2回に渡って特集が組まれており、期待された作品だったことが窺える。当初は1998年6月発売と告知されていたが、夏に延期され、さらに延期された後に情報が途絶え、事実上の発売中止となった。中止の理由は公表されておらず不明。
前述の幸森は、シナリオは第1稿・第2稿まで、開発はゲーム画面やムービーを収録しただけのデモディスクレベルまでしか見ておらず、完成には程遠い段階だったのではないかと話している。しかし、ゲームの公開情報が多いこと、店頭用のダミージャケットが作られていることなどから、制作がある程度進んでいた可能性は高い。
前述の幸森は、シナリオは第1稿・第2稿まで、開発はゲーム画面やムービーを収録しただけのデモディスクレベルまでしか見ておらず、完成には程遠い段階だったのではないかと話している。しかし、ゲームの公開情報が多いこと、店頭用のダミージャケットが作られていることなどから、制作がある程度進んでいた可能性は高い。
序盤のストーリー
1991年7月6日の放課後、芳山和子は浅倉吾朗から深町一夫の生徒手帳を託される。学校中を探し回った末、理科室で一夫を見つけて手帳を渡した和子は、そのまま一緒に下校することに。駅で別れて帰路についた和子は、仲の良いフラワーショップの店長が引っ越しの準備をしているところを見かける。ショックを受けている和子に、店長はラベンダーの押し花を添えた栞を手渡した。
同じ日の深夜、校内で起きた幽霊騒ぎを調査するため学校に集まった和子・一夫・吾朗・真理子・神田・美紀の6人。和子は一夫とペアになって探索するが、途中で1人理科室に取り残される。そこに少女の幽霊が現れ、「私を…助けに来て…」と言い残して姿を消す。目撃した和子は気絶し、同時にラベンダーの香りがする謎の薬品を吸い込んでしまった。
2日後の7月8日の夜、町に大地震が発生し、近所の映画館が全焼してしまう。火事の原因は地震ではなく、映画館の土地を欲しがる不動産屋が雇ったチンピラによる放火だった。火災現場に来てその事実に気付いた和子と一夫は、帰りにチンピラが運転する車に襲われる。轢き殺されそうになった瞬間、和子は不思議な感覚に包まれ、気が付くと駅前に立っていた。7月8日を繰り返していることに気付いた和子は、映画館の火事を阻止するために奔走。火事は防げなかったが大切なフィルムを守ることに成功した。しかしその直後、再びチンピラの車が迫ってくる…
同じ日の深夜、校内で起きた幽霊騒ぎを調査するため学校に集まった和子・一夫・吾朗・真理子・神田・美紀の6人。和子は一夫とペアになって探索するが、途中で1人理科室に取り残される。そこに少女の幽霊が現れ、「私を…助けに来て…」と言い残して姿を消す。目撃した和子は気絶し、同時にラベンダーの香りがする謎の薬品を吸い込んでしまった。
2日後の7月8日の夜、町に大地震が発生し、近所の映画館が全焼してしまう。火事の原因は地震ではなく、映画館の土地を欲しがる不動産屋が雇ったチンピラによる放火だった。火災現場に来てその事実に気付いた和子と一夫は、帰りにチンピラが運転する車に襲われる。轢き殺されそうになった瞬間、和子は不思議な感覚に包まれ、気が付くと駅前に立っていた。7月8日を繰り返していることに気付いた和子は、映画館の火事を阻止するために奔走。火事は防げなかったが大切なフィルムを守ることに成功した。しかしその直後、再びチンピラの車が迫ってくる…
キャスト・スタッフ
キャスト
芳山和子:川上とも子
浅倉吾朗:松野太紀
深町一夫:草尾毅
神谷真理子:天野由梨
幽霊の少女:平松晶子
浅倉吾朗:松野太紀
深町一夫:草尾毅
神谷真理子:天野由梨
幽霊の少女:平松晶子
※この他、メインキャラに芳山友子(和子の妹)、神田先輩(超科学研究会会長)、森山美紀(和子のクラスメイト)がいる。
スタッフ
脚本:山口宏
アニメーション制作:スタジオディーン
キャラクターデザイン:桜野みねね
原作:筒井康隆
協力:ダイナミック企画(幸森軍也)
主題歌:松任谷由実「時のカンツォーネ」
アニメーション制作:スタジオディーン
キャラクターデザイン:桜野みねね
原作:筒井康隆
協力:ダイナミック企画(幸森軍也)
主題歌:松任谷由実「時のカンツォーネ」
発見状況
ゲームの宣伝映像が2本現存している。1つはCD-ROMマガジン『プレプレ(*2)』12号に収録されていたCM、もう1つは1997年の映画版『時をかける少女』のVHSに収録されていたPVである。前者は2007年に「amblo」氏がニコニコ動画に、後者は2020年に「森アーT教授」氏がYouTubeに投稿した。映像ではアニメーションの一部や会話画面・移動画面の様子を見ることができる。BGMのみで音声は入っていない。
2026年6月10日、ノルウェーのゲームショップオーナー「Stian Schultz」氏が有志の協力を得て、『電撃PlayStation』の特集記事(及びその他の関連資料)をTwitterにアップロード。当時公開された情報の詳細が判明した。
メディアギャラリー





『プレプレ』12号に収録されていたCM(*3)。
『時をかける少女』(1997年版)のVHSに収録されていたPV
主題歌として予定されていた、松任谷由実の「時のカンツォーネ」
参考文献・外部リンク
- 天野譲二,『幻の未発売ゲームを追え!』,徳間書店 ,2017 ,p73-75
- じろのすけ氏のツイート ダミージャケットの写真
- Stian Schultz氏のツイート