21世紀深夜アニメバトルロワイアル@ウィキ

バタフライエッジ

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バタフライエッジ ◆/Fnde2WILg



「うーむ、一体何があった?」

さて三杯目の食べラー・メンマ牛丼を食した後、お土産として倉庫に入っていた
大量のレトルトパックに詰まったピリ辛メンマをゲットした趙子龍は
ついに重い腰を上げ活動を再開した訳だが、目の前に広がる光景は御覧の有様である。

霧がかかった先にあるはずの橋が炎に包まれ、すっかり崩れてしまっているのだ。
相当頑丈そうな橋だったのだが一体どんな武器を使えばこうなるというのか?
さっきまでの四人組の安否が気になるが辺りに人の気配は無く、
もはや離島に残っているのは自分一人らしい。

「まあ、考えても仕方が無いか。」

レトルトパックの一つを開け、ポテチのごとくメンマを食しながら趙子龍は首を鳴らした。
体力の補充は十分。何処へ行くか分からないが、こんな所に居ても仕方あるまい。
武装錬金ヘルメスドライブを起動し、その場から姿を消した。

◇  ◇  ◇

(なんでこんなことになっているんだ?)

塔へ向かっていた筈の武藤カズキは未だに密林で足止めを食らっていた。
周りの木は所々火がつき、空へ向かって黒い煙を上げている。

その木々の間から、襲撃者が姿を現した。

「よぉ、どうした武藤カズキ?さっきから逃げてばっかじゃねぇか。」
「知らないよ!誰だよアンタ!?何で俺の名前を知ってんの!?」
「あぁ?ヴィクター化の影響で錯乱でもしてんのか?まぁ俺には関係ないことだがな。」

携帯放射器の発射口を向けながら男は敵意を剥き出しにした眼差しでカズキを一瞥する。

「錬金戦団、戦士長火渡赤馬。戦団の決定に従い、世界に仇名す貴様を再殺する。」

火渡赤馬――名簿の自分の名前が含まれる一群の中にその名前は入っていた。
でもこんな奴は知らない。それに――――。

「世界に仇なすって、なんだよ!?」
「自覚がねぇのか?てめぇは生きてるだけで世界を滅ぼしかねねぇ危険因子なんだよ!」
「な、なんだって!?」
「ヴィクターの力が使えねぇってんなら好都合だ!ここで死ねぇ!」

一切の情けも容赦なく、火炎放射器が火を放った。
かつて太平洋戦争の硫黄島の戦いで塹壕に引きこもる日本軍の兵士を焼き尽くした兵器の末裔。
ゲル状燃料を介してその筒から吹き上がる炎は半径40メートルを放射状に焼き尽くす。


「う……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

動くこともできず、目の前まで迫った炎を凝視した武藤カズキは心の中で真矢ちゃんや先ほど
埋葬した戦士風の少女に謝った。自分が何者かも分からないままこんな所で死ぬなんて。

その時だった。

「やれやれ、私が遭う人間はいつも誰かに襲われてるな。」

何者かが自分を抱きかかえ、そのまま跳躍して迫る炎からカズキを救い出したのは。
そのまま抱えられ、一緒に樹木の枝に着地する。
白い衣装に実に包んだ美しい人だった。そしてその顔には実に特徴的な―――。

「き、貴様ぁ!その仮面は!」

「ふっ、ある時はメンマ好きの旅の武芸者、またある時は美と正義の使者華蝶……」

「パピヨン!貴様も連れて来られてたのかぁ!?」

「え?いや、華……」
「知り合いなんですか、パピヨンさん?」
「いや、だから」
「けっ、武藤カズキのピンチに颯爽と駆けつけたってわけか!
 丁度いい、纏めて消し灰にしてやるぜ!」
「だから何の話だ!?パピヨンて誰だ!?」
「惚けんじゃねぇ!奴以外にそんなふざけたマスク付ける奴がいるか!」

そのまま火渡は木の上に発射口を向け、迷わず炎を噴射する。

「えー。格好いいと思うんだけどなぁ?」
「はい!オレもそのマスクはイケてると思いました!」
「どうやら君とは気が合いそうだな。その鉄の棒、少し借りるぞ。」
「え?何を?」
「はぁ!」

カズキからバールのようなものを拝借したパピヨン…趙子龍は木を飛び降り、
臆することなく炎に突っ込んでいった。思わず顔を背きかけたカズキはそこで
信じられない光景を目にする。

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「えぇ!?」
「何だと!?」

ものすごい速さでバールのようなものを回転させ、炎をサーカスの演技のように回し、
自分の周りに火を散らしているのだ。趙子龍は真っ直ぐ火渡の立っている場所へ落ちていく。


「す、凄いパピヨンさん、落ちながら消火してる……!」
「廻し受けだと!畜生!不味い!」
「やぁ!!!!」

炎を散らしきった趙子龍はバールのようなものを上段に持ち替え、火渡の頭部を狙って振り下ろした。
それを察知した火渡は体を後ろに逸らしてかわし、更に回転して後方に下がって着地した。

「なかなかやるな。」
「おいおい、これで終わりだと思うなよ。」
「なに?」

「あれは、クラウチングスタート?」

火渡は着地と同時に助走をつける体勢に入っていたのだ。足を上げ、勢いよく地面を蹴って飛び出す。
レスラーの伝家の宝刀、低姿勢タックルである。火渡は錬金戦団に所属する戦士長。
戦闘のほとんどを拳で行うキャプテン・ブラボーほどの変態ではないが有事に備えて格闘技も精通しているのだ。
しかし、確実に捕らえたと思ったその体は虚しく空を切った。

「あぁ!?」
「ふっ、私に接近戦を挑むとは、愚かだな。」

バールのようなものを地面に付きたて、体操選手のごとく棒を両手で掴んで体を宙に浮かせていた。
その足は既に遠心力が加えられ、容赦ない蹴りを火渡に叩き込む。

「ぐぉ!?」
「はぁ!」

着地際にバールのようなものを抜き、同時に顔面を蹴り上げ火渡を強制的に立ち上がらせる。
その晒した体の正中線を狙って瞬時にバールのようなもので突きを叩き込み、最後に蹴りで吹き飛ばした。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

派手に吹っ飛ばされた火渡は地面に倒れ、動かなくなった。

「つ、強い……!」

木の上で観戦していたカズキは思わず息を呑む。
銃火器のなかった時代、常に敵の眼前に姿を晒しつつ無数の刃先をかわしながら敵を倒すには
尋常ならざる変態的な身体能力が必要であった。ましてやは趙子龍は神槍の二つ名を持つ一騎当千の将。
いくら錬金の戦士とはいえ肉弾戦においては大きな差が生まれるのは明白である。

「カズキ君だったかな?もう片付いた様だから降りてきたらどうだい?」
「はい!……え?」

木の幹を伝って降りようとしたカズキは火渡が何かを地面に塗っているのが見えた。
更に、火渡の口元がニヤリと歪んでいる。


「……ようこそ射程距離へ。」
「何?」
「パピヨンさん!後ろへ飛んで下さい。」
「……!?ちっ!」

火渡が舌打ちし、趙子龍が後方へ跳び退いたと同時に、彼女が立っていた場所が爆発した。

「うお!?なんだ!?」

地面に着地して煙の奥を凝視すると、火渡は姿を消していた。

「パピヨンさん!」
「大丈夫だ、問題ない。やれやれ、逃げられたみたいだな。」


◇  ◇  ◇


「記憶喪失?」
「……ええ。」

C-6の塔。真矢とは入れ違いになったのか既に彼女の姿はない。
不安を感じつつもパピヨン…趙雲に休養を進められたカズキは座り込み、
レトルトパックのピリ辛メンマを二人で食べながら先ほどから抱えていた悩みを打ち明けた。

「さっきの火渡と名乗ったおっさんはオレの事を知っているみたいだった。
 しかも世界を滅ぼす存在だって。でも何も分からないんです。
 俺が覚えてないだけで本当は名簿のオレが入った一群とは知り合いだったのもしれない。
 火渡が言ってたようにパピヨンさんとも旧知の仲だったのかもしれない。」

「……あるいは、カズキ君は奴と違う時間から来たのかも知れないな。」
「違う時間?」
「どうもこのゲームの主催者には時空を越える力があるらしい。火渡は未来から来て、
 君は過去から来た。その可能性もある。」
「じゃあ、未来のオレは世界を滅ぼす存在になるって……?」

「なぁに、心配する必要はあるまい。」
「え?」
「今の君は何も起こしてないんだろう?ならそれでいいじゃないか。
 それに、実は私もパピヨンなる人物はよく知らない。多分奴の言うパピヨンとは別人だ。
 だが大体推測はできるぞ。さっきのおっさんは見た目からして明らかに悪のサイドの人間だろう。
 パピヨンは名前の響きからして正義の味方っぽい感じだ。そして君をしょっちゅう助けていたらしい。
 ならば未来の君もそんなに悪い奴じゃなかったのかもしれんな。知らないなら知らないでいいんだ。
 今から新しい未来を切り開いていけばいいんだよ。」
「パピヨンさん……!」
「あー…まぁいいか。その名前もヒーローっぽくて気にいったしな。」

華蝶仮面改めマスクド・パピヨンはカズキに手を差し伸べた。

「これからよろしく、武藤カズキ君。」
「はい!」

カズキはその手を取った。


◇  ◇  ◇

「畜生。このままじゃ埒があかねぇ。」

危険分子が二人…一刻も早く誰かに伝えなくてはならない。
火渡は足をふらつかせながら森を抜けた。


【一日目 B-6 塔 早朝(放送直前)】


【趙雲@真・恋姫†無双】
[状態]:健康
[装備]:バールのようなもの@現実 、ヘルメスドライブ@武装錬金、
    パピヨンのマスク@武装錬金
[道具]:基本支給品×1、ピリ辛メンマのレトルトパック×20@現実、ランダム支給品0~1
[思考]
基本:美と正義の使者として振る舞う
1:ヘルメスドライブの扱いに慣れる
2:カズキを仲間に加える
備考※ヘルメスドライブを上手くコントロールする事が出来ません

【武藤カズキ@武装連金】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考]
基本:生き残る
1:真矢ちゃんの所に戻る。
2:友好的な参加者を探す。
3:殺し合いが起きているかどうか確かめ、起きていれば止める。
4:パピヨンさん蝶格好いい……。
[備考]
※一話にて、斗貴子を助ける為に飛び込む寸前からの参加です。


【一日目 C-5 森の外 早朝(放送直前)】

【火渡赤馬@武装錬金】
[状態]:疲労(大)
[装備]:携帯放射器(ゲル化油燃料付き)
[道具]:基本支給品×1、BLOCK DEMOLITION M5A1 COMPOSITION C4(時限信管 残り2個)@現実
    ランダム支給品0~1(確認済み)、セブンスター@現実、工具セット@現実
[思考]
基本:優勝を目指す人間と人外を皆殺し
1:上記の参加者を庇う足手まといの人間も場合によっては殺害
2:中村剛太や津村斗貴子との合流および核鉄の回収
3:カズキとパピヨン(趙雲)の危険性を他の参加者に伝える
[備考]
※趙雲をパピヨンだと思っています


050:クロマティ 逃げた先にも クロマティ 投下順に読む 052:熊が火を発見する
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029:天使~Angel~ 趙雲 068:シンデレラ・ファーザー
036:永別 武藤カズキ 068:シンデレラ・ファーザー
028:フォークト=カンプフ検査法 火渡赤馬 0:[[]]

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