004 a hard day's night ◆PuVQoZWfJc
前略 オフクロ様
僕たちは林田君の提案で北斗君の山の別荘へ遊びに行く予定でした。
ですがここに大きな問題が一つ生じてしまいました。何故だか海に来てしまっていることです。
僕たちは林田君の提案で北斗君の山の別荘へ遊びに行く予定でした。
ですがここに大きな問題が一つ生じてしまいました。何故だか海に来てしまっていることです。
何処の海のものとも知れない海水浴場で、二人の学生は目を覚ました。
???「う、う~ん」
「ああ、目が覚めたようだね、林田くん」
一見して平凡そうな、しかしよく見れば何か非凡そうな青年が傍で気を失っていた友人に声をかける。
「か、神山!......あれ、もしかしてさっきのは夢か」
林田と呼ばれたモヒカンの(鬘の)青年は飛び起きると、先ほど起きた惨劇を思い出し神山に聞いた。
???「う、う~ん」
「ああ、目が覚めたようだね、林田くん」
一見して平凡そうな、しかしよく見れば何か非凡そうな青年が傍で気を失っていた友人に声をかける。
「か、神山!......あれ、もしかしてさっきのは夢か」
林田と呼ばれたモヒカンの(鬘の)青年は飛び起きると、先ほど起きた惨劇を思い出し神山に聞いた。
「いや、残念ながら夢ではないようだよ、ほら」
友人の期待の篭った問いかけを否定すると、神山は自分と林田の首輪を指差し、次に二人分の
リュックサックを見せる。夜の暗闇の中でお互いの表情は分かりにくかったが、どちらも落胆している
であろうことは用意に知る事ができた。
友人の期待の篭った問いかけを否定すると、神山は自分と林田の首輪を指差し、次に二人分の
リュックサックを見せる。夜の暗闇の中でお互いの表情は分かりにくかったが、どちらも落胆している
であろうことは用意に知る事ができた。
「一体何がどうなってんだ、どうしてこんなことに巻き込まれちまったんだ。なあ神山よぉ、俺は確かに何かっつうと
退屈だの、面白い事ないかだの言って来た。けど何もこんなことを望んでたわけじゃねえんだぜ......」
そう告げる林田の声には後悔と謝罪の色を滲んでいた。影が動くどうやら顔に手を当てたようだ。
退屈だの、面白い事ないかだの言って来た。けど何もこんなことを望んでたわけじゃねえんだぜ......」
そう告げる林田の声には後悔と謝罪の色を滲んでいた。影が動くどうやら顔に手を当てたようだ。
「それは僕も同じだよ林田くん、でもこれは紛れも無く現実だ。今までワルの巣窟として色々なことがあったクロ高だけど、
とうとう裏社会、それも外国の人達の抗争もしくは人員整理に僕たちは巻き込まれてしまったみたいだ」
とうとう裏社会、それも外国の人達の抗争もしくは人員整理に僕たちは巻き込まれてしまったみたいだ」
「そうか、やっぱりありゃ夢じゃってちょっと待て神山、どうしてそんなことがわかるんだよ」
神山の突然の説明に当然の質問を返す林田、神山はやや緊張した態度で答え始める。辺りは潮騒の音に満ちている。
神山の突然の説明に当然の質問を返す林田、神山はやや緊張した態度で答え始める。辺りは潮騒の音に満ちている。
「いや、これは単なる僕の想像だよ、林田君。あの時のおよそ冗談とも思えない突然の出来事の連続を、ここに来るまでに
起こったことを君は覚えているかい」
答えを求めたはずが逆に質問を返されて林田は当惑したが言われるままにこれまでの経緯を思い出してみる
起こったことを君は覚えているかい」
答えを求めたはずが逆に質問を返されて林田は当惑したが言われるままにこれまでの経緯を思い出してみる
「ああ、確か北斗の別荘に遊びに行こうってなって、それから学校で待ち合わせしてて、いつの間にか皆であそこにいて,,,,,,」
「それから」と続けついさっき起こった事件を思い出して林田は口を押さえると海の方へ駆け寄り一息に戻した。
「それから」と続けついさっき起こった事件を思い出して林田は口を押さえると海の方へ駆け寄り一息に戻した。
「そう、何故か僕たちは揃ってここにいた。どうなっているのかは分からないがそれはあの時あの場所にいたほぼ全員が
そうだったに違いない。林田くん、僕がさっき言った風に思うのはその後の皆の反応を見たから何だよ」
そうだったに違いない。林田くん、僕がさっき言った風に思うのはその後の皆の反応を見たから何だよ」
林田は息を切らせながらも神山の言う事の続きを待った。頭の中は形にならない疑問符が多数を占めていたが
不思議とパニックには陥らなかった。
不思議とパニックには陥らなかった。
「あの女の子たちがあんなことになった後、僕たちのように手と手を繋いで怯えていた人間は驚くほど少なかったんだ。
たぶん半分以上は堅気じゃないし、その中には外国の人、しかも僕たちよりも明らかに年下の人までいたんだ。むしろ
そっちの方が僕は怖かったけど、とにかくこの事から考えて、僕たちは巻き込まれてしまったんだろうと思う」
「外国は銃社会で最近は特に物騒らしいから」と付け加える。林田は今の話を聞いて考える変だ、と
たぶん半分以上は堅気じゃないし、その中には外国の人、しかも僕たちよりも明らかに年下の人までいたんだ。むしろ
そっちの方が僕は怖かったけど、とにかくこの事から考えて、僕たちは巻き込まれてしまったんだろうと思う」
「外国は銃社会で最近は特に物騒らしいから」と付け加える。林田は今の話を聞いて考える変だ、と
「確かに神山、あの場にいた連中はそれでいいかも知れん。だが殺されてしまった子たちや俺等はどうなる、それこそ
巻き込まれる理由がねえだろう」
巻き込まれる理由がねえだろう」
確かにその通りであった。今大事な事は「どうして自分達が」ということを言っているのであって他人の事情を考察している
時ではない。しかし神山の影が首を振る、やれやれと言わんばかりの気だるさを闇の中でもはっきりと示しながら。
時ではない。しかし神山の影が首を振る、やれやれと言わんばかりの気だるさを闇の中でもはっきりと示しながら。
「恐らくはテコ入れだろう、掲載紙が変ると作風の変更を迫られる事はよくあることことだよ」
「お前は何を言ってるんだ、神山......」
「お前は何を言ってるんだ、神山......」
「冗談はさておきいいかい林田くん、恐らくあの子達はあの場にいた人達の身内か何かで、今回の見せしめに
きっと攫われて来たんだよ。そして僕たちもクロ高に通う誰かの抹殺のために連れてこられた可能性が高い」
きっと攫われて来たんだよ。そして僕たちもクロ高に通う誰かの抹殺のために連れてこられた可能性が高い」
「ちょっと待ってくれ、それはつまり俺たちの中に誰か人殺しの仲間がいるかも知れないってことか!」
声を荒げるものの林田はその可能性は高いことを神山と同じ程度には考えていた。しかしそれを実際に
言われた事が辛かった。
声を荒げるものの林田はその可能性は高いことを神山と同じ程度には考えていた。しかしそれを実際に
言われた事が辛かった。
「そうは言ってないよ。でも僕たちは彼らの過去を全く知らない。フレディが昔外人部隊にいたかも知れない、ゴリラが
彼らの実験動物だったかも知れない、メカ沢くんに至っては何を言ってもおかしくない。違うかい、林田君」
今言った一人と一匹と一体にクロ高で最も接点が多いのは自分達だ。となれば変化に気付くのも自分達、その線が濃厚だった。
彼らの実験動物だったかも知れない、メカ沢くんに至っては何を言ってもおかしくない。違うかい、林田君」
今言った一人と一匹と一体にクロ高で最も接点が多いのは自分達だ。となれば変化に気付くのも自分達、その線が濃厚だった。
「以上のことは全て僕の妄想ですが宇宙人とも顔見知りである以上今更僕たちに何が起こっても不思議じゃありません。
僕らが生きて帰るためにはこの首輪を外して脱出を図るしかないでしょう。それと気休めですが首輪に一応ハンカチを
巻いた方がいいです。そのあとは持ち物の確認、僕はさっき読みましたが林田くんもルールブックには目を通して下さい」
僕らが生きて帰るためにはこの首輪を外して脱出を図るしかないでしょう。それと気休めですが首輪に一応ハンカチを
巻いた方がいいです。そのあとは持ち物の確認、僕はさっき読みましたが林田くんもルールブックには目を通して下さい」
そう言うと神山は波にハンカチを浸し、絞ると首輪に巻く。林田もそれに倣うと二人で明かりをともしつつリュックを漁り始める。
「あーあ、当たりで首輪を外すボタンでも入ってねぇかな」
「医薬品の類でもいいですけどね」
「あーあ、当たりで首輪を外すボタンでも入ってねぇかな」
「医薬品の類でもいいですけどね」
ぼやきつつも中身を確認していく二人そして神山のリュックから出てきたのは
「神山、それってもしかしてプールの監視員が使ってる奴じゃねえか」
「拡声器ですね、あとはこれですね、中にコートが収納されてるらしいのですが、えい」
「神山、それってもしかしてプールの監視員が使ってる奴じゃねえか」
「拡声器ですね、あとはこれですね、中にコートが収納されてるらしいのですが、えい」
掛け声とともに手の平サイズの六角形の金属の塊を叩くと一瞬で海賊船の船長のような格好になる。それまでは学ラン姿で
あったはずだがどういうわけか上から突然着込んだ形になり、その服装に二人は慌てた。
「いきなり服装が変ったが、その格好まずくないか、神山」
「ああ、なんだか二度と家の敷居を跨げないような悪い事をしているよな居心地の悪さがあるよ」
あったはずだがどういうわけか上から突然着込んだ形になり、その服装に二人は慌てた。
「いきなり服装が変ったが、その格好まずくないか、神山」
「ああ、なんだか二度と家の敷居を跨げないような悪い事をしているよな居心地の悪さがあるよ」
服装のことは(戻り方が分からなかったので)ひとまず置いて今度は林田の荷物を確認する。
「林田くん、これはなんだい。このノートパソコンの画面だけみたいなのは」
「説明書によると首輪の位置がわかるらしいがボタンを押すだけみたいだが、5回しか使えないらしい」
「林田くん、これはなんだい。このノートパソコンの画面だけみたいなのは」
「説明書によると首輪の位置がわかるらしいがボタンを押すだけみたいだが、5回しか使えないらしい」
その説明を聞いて神山が身を乗り出してくる。
「当たりだよ林田くん!それがあれば皆と合流することも逃げる事もできる。それで、他には何もないのかい」
「「いやまだ他にもあるが、それより神山よぉ、これから一体どうするんだ。いつまでもここにいるわけにも行かん」
「「いやまだ他にもあるが、それより神山よぉ、これから一体どうするんだ。いつまでもここにいるわけにも行かん」
神山は移動を促されて予め考えていたことを林田に告げる。
「うん、それなんだけど、僕たちでは首輪は外せない。だから外せそうな人と皆を集める所から始めよう。その為には
林田くんのそれを使わせてもらいたんだけど良いかい」
林田くんのそれを使わせてもらいたんだけど良いかい」
ソレと言われて首輪探知機を見ると林田は快諾した。逸れたと思わしき知人達を探すのは彼も考えていたらしい。しかし
「それはいいが神山、メカ沢はまだ良いとして俺たちあいつらの名前ちゃんと知らないよな。今考えると」
「............え?」
「それはいいが神山、メカ沢はまだ良いとして俺たちあいつらの名前ちゃんと知らないよな。今考えると」
「............え?」
言われたことに戸惑う神山を他所に今度は林田が続ける。
「そもそもゴリラに名前があるかも分かんねえし、フレディはお前がつけた呼び名だ。竹之内はもう一人の名前がわかんねえ。
そんな中コレ使って意味あんのかよ、それに他の参加者には外人も多い。俺は英語なんか話せねえから手伝ってくれとさえ
言えねえ。どうすんだ神山」
「そもそもゴリラに名前があるかも分かんねえし、フレディはお前がつけた呼び名だ。竹之内はもう一人の名前がわかんねえ。
そんな中コレ使って意味あんのかよ、それに他の参加者には外人も多い。俺は英語なんか話せねえから手伝ってくれとさえ
言えねえ。どうすんだ神山」
「,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,」
神山は目を閉じて黙考しやがて静かにこう告げた。
「よし、じゃあこうしよう」
神山は目を閉じて黙考しやがて静かにこう告げた。
「よし、じゃあこうしよう」
「ソレを使って、とりあえずメカ沢くんと竹之内くんを探す。僕がメカ沢くんで、林田くんが竹之内くんを探すんだ。僕は
この首輪に思う所がってね、もしかしたら彼のはすぐ外せるかもしれない。竹ノ内くんは英語ができる。そうすれば
無理なく合流できるはずだ」
この首輪に思う所がってね、もしかしたら彼のはすぐ外せるかもしれない。竹ノ内くんは英語ができる。そうすれば
無理なく合流できるはずだ」
「わかった、それじゃ使うぞ、せーので見よう。取りこぼしがなるべくないようにだ、せーの!」
首輪探知機を使用した瞬間二人同時に『あ!』と声をあげてしまう。
「フレディだ!」「ゴリラだ!」
探知機の画面にはしっかりとそう表記されていた。その事実に危うく失念しそうになるがメカ沢と竹之内の所在を確認しておく。
「フレディだ!」「ゴリラだ!」
探知機の画面にはしっかりとそう表記されていた。その事実に危うく失念しそうになるがメカ沢と竹之内の所在を確認しておく。
「よし、これで心配事が減ったよ林田くん!それぞれ相手と合流したら6時に神社で合流しよう」
「ああ、まずはそれからだな!だが俺はこれがあるかいいが、お前一人で大丈夫か」
「わからないが頑張ってみるよ、この拡声器を使いながら歩けば向こうも気付きやすいと思うからね」
「ああ、まずはそれからだな!だが俺はこれがあるかいいが、お前一人で大丈夫か」
「わからないが頑張ってみるよ、この拡声器を使いながら歩けば向こうも気付きやすいと思うからね」
他の参加者が殺し合いに乗るかもしれないという可能性は完全に失念したまま二人は互いが探す相手の本へと歩き出した。
【一日目 G-6 海水浴場 深夜】
【神山高志@魁!!クロマティ高校】
[状態]:健康
[装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金
拡声器@現実
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1
[思考]
基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める
1:拡声器で呼びかけながらメカ沢と合流して6時に林田と神社で合流を目指す。
2:メカ沢くんならたぶん首輪が......
[状態]:健康
[装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金
拡声器@現実
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1
[思考]
基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める
1:拡声器で呼びかけながらメカ沢と合流して6時に林田と神社で合流を目指す。
2:メカ沢くんならたぶん首輪が......
【林田慎二郎@魁!!クロマティ高校】
[状態]:健康、疲労(少)
[装備]:首輪探知機残り@使用回数4回
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品1~2
[思考]
基本:とにかくクロ高の仲間を集める
1:探知機を使い竹之内と合流して6時に神社で神山との合流を目指す。
2:殺し合いなんか冗談じゃねえや
[状態]:健康、疲労(少)
[装備]:首輪探知機残り@使用回数4回
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品1~2
[思考]
基本:とにかくクロ高の仲間を集める
1:探知機を使い竹之内と合流して6時に神社で神山との合流を目指す。
2:殺し合いなんか冗談じゃねえや
003:守りたいから私は殺る! | 投下順に読む | 005:芽生える光と闇の中で |
時系列順に読む | ||
000:胎動 | 林田慎二郎 | 025:DEAD OR ALIVE !? |
神山高志 |