DEAD OR ALIVE !? ◆x/rO98BbgY
海から吹き抜ける潮風に、モヒカン刈りにした髪の毛がそよぐ。
先ほどから変わらずに背後から聞こえる、革靴がアスファルトを叩く音に林田慎二郎は堪らず振り返った。
先ほどから変わらずに背後から聞こえる、革靴がアスファルトを叩く音に林田慎二郎は堪らず振り返った。
「神山よ。俺たちは別れてメカ沢と竹之内を探すんじゃなかったのか? なぜついて来るんだ?」
汗を浮かべながら疑問の声をあげる林田の目線の先にいるのは、怪しげなコートの襟に顔まで埋もれた人物だ。
六角形の支給品を使った『変身』の瞬間を見ていなければ、林田とてそれが親友である神山だとは判るまい。
六角形の支給品を使った『変身』の瞬間を見ていなければ、林田とてそれが親友である神山だとは判るまい。
「それなんだが……」
顔は見えなかったが、恐らくいつものように真面目な表情を浮かべているのだろう。
神山はいつもの調子で林田の疑問に答える。
神山はいつもの調子で林田の疑問に答える。
「どうやら、メカ沢くんと、竹之内くんは同じ方向にいるみたいなんだ」
「なにィ? ……つまり、どういう事なんだ?」
「わざわざ別れなくても、一緒に行けるって事だよ」
「なにィ? ……つまり、どういう事なんだ?」
「わざわざ別れなくても、一緒に行けるって事だよ」
それを聞くと、林田の高校生にしては強面の顔が安堵に緩んだ。
「そ、そうか。それはよかった……。竹之内と合流出来ても、奴が俺の話を聞いてくれるかどうかはわからないからな……。
お前はあいつにも一目置かれているみたいだから、一緒に来てくれるなら助かる」
「別にそんな事はないと思うけど……ボクも林田くんと二人で行動出来るのは心強いよ」
お前はあいつにも一目置かれているみたいだから、一緒に来てくれるなら助かる」
「別にそんな事はないと思うけど……ボクも林田くんと二人で行動出来るのは心強いよ」
二人は闇夜の海岸線を並んで歩きはじめる。
その緊張感の欠片もない空気は、既に見知った街中を二人で歩いている時のようだ。
その緊張感の欠片もない空気は、既に見知った街中を二人で歩いている時のようだ。
「しかし、その格好はなんとかならないのか? 怪しい奴と誤解されかねんぞ……」
林田が危惧するのは、神山の格好である。
せめて顔さえ出ていればまだマシなのだろうが……帽子と襟に隠された頭部は、眼だけが光っていて威圧感を覚えるほどだ。
せめて顔さえ出ていればまだマシなのだろうが……帽子と襟に隠された頭部は、眼だけが光っていて威圧感を覚えるほどだ。
「うーん、そんなに怪しいかな……まぁ、追々考えてみるよ」
「ああ、そうしろよ。ところで、話は変わるけどよ……」
「ああ、そうしろよ。ところで、話は変わるけどよ……」
コートの事を懸念事項に加えた神山に、林田が新しく話題を切りだす。
「俺たちの近くに、フレディがいたみたいなんだが、先に合流しておかなくても良かったのか?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
たっぷりと、数十秒は沈黙が流れた。
フレディは、なぜ高校にいるのかも判らないような謎の人物である。
しかし、野球部のメンバーでもあり、神山たちとの関わり合いは深い。
深いが……
フレディは、なぜ高校にいるのかも判らないような謎の人物である。
しかし、野球部のメンバーでもあり、神山たちとの関わり合いは深い。
深いが……
「と、とりあえず今は予定通りメカ沢くんたちとの合流を優先しよう。今から来た道を引き返すのも効率が悪いからね」
「そ、そうだな。変な事を聞いて悪かった」
「そ、そうだな。変な事を聞いて悪かった」
神山たちは今、フレディやゴリラが裏社会と関わっているのではという疑念を抱いている。
メカ沢にもその疑いはあったのだが、彼の場合意思疎通が可能な為、会えれば事情も判るだろう。
しかし、フレディは会話が成立しているのかどうかすら、よく判らない奴なのだ。
部費に三十万円もポンと出してくれる辺り、善良な男なのは間違いないと思うのだが……
その金でトランペットを欲しがる辺り、やはりよく判らない男だった。
メカ沢にもその疑いはあったのだが、彼の場合意思疎通が可能な為、会えれば事情も判るだろう。
しかし、フレディは会話が成立しているのかどうかすら、よく判らない奴なのだ。
部費に三十万円もポンと出してくれる辺り、善良な男なのは間違いないと思うのだが……
その金でトランペットを欲しがる辺り、やはりよく判らない男だった。
とりあえず、彼との合流を先延ばしにすることに決めた二人は、メカ沢の反応があった病院近辺へと続く道を歩く。
竹之内やゴリラの反応があった小島は、その病院の先にある為、先に会うことになるのは恐らくメカ沢だろう。
地図によれば、この辺にあるはずのホテルの先を、北に向かえばいいはずなのだが……。
竹之内やゴリラの反応があった小島は、その病院の先にある為、先に会うことになるのは恐らくメカ沢だろう。
地図によれば、この辺にあるはずのホテルの先を、北に向かえばいいはずなのだが……。
「お、神山、あの建物じゃないのか?」
「そうみたいだね」
「そうみたいだね」
林田の指し示す方向に、疲れた人々を迎え入れるような優しい光を放つ建物があった。
闇の中でもランドマークとして極めて目立つ、巨大な建築物。
その建物を発見した瞬間、二人の耳に凄まじい爆音が響いた。
闇の中でもランドマークとして極めて目立つ、巨大な建築物。
その建物を発見した瞬間、二人の耳に凄まじい爆音が響いた。
「――っ!? なんだ!?」
「わからんっ! 行ってみるか!?」
「わからんっ! 行ってみるか!?」
この島で、参加者同士による殺し合いが行われている可能性をすっかり忘れていた二人は、いきなりの爆音に度肝を抜かれる。
その場に漂い始めた硝煙の匂いは、果たして二人を戦場へと誘うのか。
それとも――。
その場に漂い始めた硝煙の匂いは、果たして二人を戦場へと誘うのか。
それとも――。
【一日目 G-5 ホテル前 深夜】
【神山高志@魁!!クロマティ高校】
[状態]:健康
[装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金
拡声器@現実
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1
[思考]
基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める
1:なんだろう?
2:メカ沢くんならたぶん首輪が......
3:このコートをどうにかする
[状態]:健康
[装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金
拡声器@現実
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1
[思考]
基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める
1:なんだろう?
2:メカ沢くんならたぶん首輪が......
3:このコートをどうにかする
【林田慎二郎@魁!!クロマティ高校】
[状態]:健康、疲労(少)
[装備]:首輪探知機残り@使用回数4回
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品1~2
[思考]
基本:とにかくクロ高の仲間を集める
1:今の音は?
2:殺し合いなんか冗談じゃねえや
[状態]:健康、疲労(少)
[装備]:首輪探知機残り@使用回数4回
[道具]:基本支給品×1 未確認支給品1~2
[思考]
基本:とにかくクロ高の仲間を集める
1:今の音は?
2:殺し合いなんか冗談じゃねえや
024:とある路地裏の小夜曲(セレナーデ) | 投下順に読む | 026:邂逅~とまどい~ |
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神山高志 |