21世紀深夜アニメバトルロワイアル@ウィキ

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ◆KiK5vDV3wM


「おいおい何だよここは、パラダイスじゃねーか。こんな良い場所があるのならばなんで早く教えてくれなかったんだよ」

どこか知らない場所にいつの間にか閉じ込められたと思えば、目の前で人の頭が吹き飛び、光に包まれまたも知らない場所に飛ばされた。
持たされた荷物の中に入っていたルールブックとやらに、何をすれば良いのかは書いてあったので特に混乱する事はなかった。
つまりは、あそこにいた奴ら全員皆殺しにすればいいだけなのだろう。
これだけ大規模に誘拐して殺し会いをさせている。
それなのに警視庁特殊急襲部隊に所属して色々やっかいな案件をこなしてきた時には、この様な話はちっとも耳にしなかった。
ゲーム自体が闇に包まれていても、人が大勢消えれば噂にはなる。
それなのにこの一斉拉致が公になっていなかったという事――即ち半ば公認でこの殺し会いゲームは行われてるという事である。
しかもあの車椅子の少女の能力は見覚えがある。
忘れたくても忘れられない、両腕を千切られ、両目から光を奪っていったベクター能力に間違いない。
国のトップと何らかの繋がりがあるという証拠でもあるわけだ。

「国のお墨付きで人を殺し放題。こんな俺向きなゲームがあればさっさと教えてくれれば良かったんだよ」

『人間兵器』の異名を持つ男、坂東は笑みを浮かべつつ歩みを進めていく。

「優勝したときの願いか……。次のゲームがあるとしたらそれにも出さして貰うってのもありかもな」


そう呟いたとき、近くで何かが動く音が聞こえた。
場所は森の中、風は特に吹いていない。
慣れていない者ならば、移動するときに音が出てしまっても仕方がない。
物音を便りに、坂東はゆっくりと近づいていく。
そして物音のすぐ近くまで来ると、木陰に隠れて静かに様子を窺った。

(ゴリラかよ……)

そういえば体育館のような場所に監禁されていたときにも、ゴリラをみた記憶がある。

(ちっ、仕方ねぇ)

心の中で舌打ちして、支給されたナチス製の機関銃MG151/20を構えた。

「おい、ゴリラ。少しは愉しませてくれよっ!」

人を合法的に撃てる。
それを期待していた坂東にとって、最初の獲物がゴリラであったことは残念で仕方なかった。
木陰から狙い撃つ事も出来たのであろうが、それだと面白くない。
折角の獲物だ、愉しんで愉しんで狩ってやろうじゃないか。

「ほらほら、逃げろよ。ハンティングタイムの始まりだ」

わざと大声で場所が相手に解るように叫び、ゴリラの足下に向けて機関銃のトリガーを引いた。
15mmという中口径の機関銃の威力は流石としか言いようがない。
本来は航空機に装備させる機関砲である。
マグナムを片手で扱える坂東とはいえ、流石に片手では荷が重い。
次々と撃ち出される弾丸の反動で、体勢が崩れてしまった。


しかし逃げるとばかり思っていたゴリラが、体勢を崩している板東に向かって飛びかかってきた。
急に起きた出来事に混乱して飛びかかってきたのか、はたまた敵が体勢を崩している今がチャンスと野生の本能が告げたのか……。

「ちっ」

坂東は咄嗟に体勢を整え、MG151/20で飛びかかってくるゴリラの横面を殴りつける。
しかしそのダメージを物ともせずに、ゴリラは機関銃をつかみ、坂東から奪おうとした。
ゴリラの握力は500kgとも600kgとも言われている。
しかしそれに対し人間は200kgの握力を超えた者は正式には存在しない。
両手でMG151/20を引く坂東であったが、徐々に自身ごとゴリラに引き寄せられていく。
単純な力比べではゴリラに敵うはずもなかった。
しかし――。

「畜生が人間様に敵うと本気で思ってるのか?」

急にMG151/20を手放されたゴリラは体勢を崩して尻餅をつく。
その隙を見逃さず、坂東は支給されていたもう一挺のMG151/20をゴリラに構えた。

「この距離なら照準をつける必要もない」

反動で銃口がぶれてしまうのなら、反動すら関係ない距離でぶっ放せばいい。


「あばよ、ゴリラ。少しは愉しませて……」
「駄目ーっ!」

坂東がトリガーを引く前に、銃声を聞いてやってきた少女が銃口とゴリラの間に割り込んだ。
「殺し会いなんてしちゃ絶対駄目なんだからー!」

目の前に大の字で立ち塞がっていたのは、銀髪の少女リネット・ビショップ、通称リーネ。
その少女の懇願するような目に見つめられて、坂東のトリガーにかけていた指の動きが止まった。

「銃の前に立つって事は、撃たれても良いって事だよな」
「撃たれたくない……。けどゴリラさんを殺されるのも嫌っ」

なんという我が儘な意見。
面倒だし撃ち殺そうと坂東は指に力を込めたが、思うようにトリガーが引けない。
理由は自分でも解っている。
自分の強い意志を持って目の前に立ち塞がる少女と、自分の命を救ってくれた少女や、一緒に敵を倒そうと同盟を組んだ少女に無意識に姿を重ねてしまっていたからだ。

「けっ、場が白けちまった。ゴリラや雌餓鬼なんぞ殺しても愉しめねぇ」

そう言い残すと坂東はゴリラからもう一挺の機関銃を奪い返すと、森の奥へと姿を消していった。


「よかったね。ゴリラさん」

板東の背中を見送ったリーネは振り向いて、その満面の笑みを倒れていたゴリラに向けた。
命を救って貰ったゴリラもどこか嬉しそうにみえる。
立ち上がったゴリラがゆっくりとリーネの頭に手を置いた。

「きゃっ」

驚いたリーネであったが、その行為が頭を撫でてくれているのだと理解し、抵抗しなかった。

「これからも一緒に頑張ろうね!」

ゴリラが言葉をわかってくれるとは思っていない。
しかし気持ちなら伝わる筈。
リーネはそういって、再び笑った。

ゴキリ

鈍い音が森を木霊した。
崩れ落ちる少女の身体。
そして、あり得ない方向に向いている少女の笑顔。

弱肉強食の血がルールブックを読めなくても、バトルロワイヤルを理解させたのか。
はたまたクロマティ高校でそこらの生徒より知能が高いゴリラだったからなのか。
彼はこの島の唯一のルールを理解していた。

――殺される前に殺せ。

その唯一のルールを頭にゴリラもまた森の奥へと姿を消していった。
リネットの支給品をちゃんと回収して……。


【リネット・ビショップ@ストライクウィッチーズ 死亡】



【一日目 B-1 森の中 深夜】


【坂東@エルフェンリート】
[状態]:健康
[装備]:MG151/20二挺@ストライクウィッチーズ
[道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~1(確認済み)、Fw190D-6プロトタイプ@ストライクウィッチーズ
[思考]
基本:全員殺す。
1:人を合法的に撃てるなんて天国じゃねーか。
2:優勝したら、またここに連れてきて貰おう。

【ゴリラ@魁!!クロマティ高校】
[状態]:頭に軽度の打撲
[装備]:
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品×6
[思考]
基本:弱肉強食。
1:?(何考えているか解らないが、ルールだけは把握できている様子)

※板東に支給されたストライカーユニットですが、板東が魔力を持っているか、ズボン状態じゃないと飛べないかなどは後の書き手様にお任せします。






008:女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。 投下順に読む 010:元気なぼくらの元気なおもちゃ
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000:胎動 板東 027:―テイク・オフ―
ゴリラ 032:Inner Light
リネット・ビショップ 死亡

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