混浴~ふれあい~ ◆x/rO98BbgY
病院からだいぶ距離を取ってから、シャーリーはようやく地表へと降り立った。
ぴょこんと頭部から突き出たウサギの耳が、幻想のように消える。
人一人抱えて飛んだからか、全身に僅かな虚脱感が残った。
どうやら武装錬金とは、体力を消耗するものであるらしい。
ぴょこんと頭部から突き出たウサギの耳が、幻想のように消える。
人一人抱えて飛んだからか、全身に僅かな虚脱感が残った。
どうやら武装錬金とは、体力を消耗するものであるらしい。
「いざって時の事を考えて、あんまり移動とかに使わない方がいいかもな」
一人ごちるシャーリーの胸の中で、もがく感触が伝わる。
「シャ、シャーリーさん」
「ん、おお。悪い悪い」
「ん、おお。悪い悪い」
重心を安定させるため、自身とほとんど一体化するほど強くハグしていた少年を解放する。
解放した少年の背丈はシャーリーよりやや大きいくらいだが、発達途上のその骨格はまだ華奢だ。
真っ赤になった顔で必死に深呼吸している可愛らしい様子を見て、シャーリーはくすりと笑った。
解放した少年の背丈はシャーリーよりやや大きいくらいだが、発達途上のその骨格はまだ華奢だ。
真っ赤になった顔で必死に深呼吸している可愛らしい様子を見て、シャーリーはくすりと笑った。
「さてと、これからどうするかな。あたしは仲間たちを探したいんだが、君も一緒にくるか?」
「あ……いえ、俺は……病院に戻ろうと思います」
「なんだってェ!?」
「あ……いえ、俺は……病院に戻ろうと思います」
「なんだってェ!?」
せっかく逃げ出した危険な場所に舞い戻ろうという一騎の回答に、シャーリーは仰天する。
それでは一体何の為に逃げたのか判らないではないか。
理由を話せと迫るシャーリーに、思いつめたような表情で一騎は答えた。
それでは一体何の為に逃げたのか判らないではないか。
理由を話せと迫るシャーリーに、思いつめたような表情で一騎は答えた。
「友達なんだっ! 甲洋は……」
「!?」
「!?」
友人同士で殺し合っていたというのか。
衝撃を受けたシャーリーに、一騎はぽつぽつと事情を話し始める。
衝撃を受けたシャーリーに、一騎はぽつぽつと事情を話し始める。
少年の住処である竜宮島への、フェストゥムの襲来。
島から離れた自分の代わりに戦った羽佐間翔子の死。
自分がすぐに島に戻っていれば防げたはずのその死を、嘆き悲しみ激昂する甲洋。
そして対立の果てに、甲洋もまたフェストゥムに同化されて昏睡してしまった事。
島から離れた自分の代わりに戦った羽佐間翔子の死。
自分がすぐに島に戻っていれば防げたはずのその死を、嘆き悲しみ激昂する甲洋。
そして対立の果てに、甲洋もまたフェストゥムに同化されて昏睡してしまった事。
一騎はあまり語りが上手くない上に、シャーリーも極東の事情にはあまり明るくない。
少年の語る事情が上手く飲み込めず、扶桑も大変な事になっていたんだなと思うだけだ。
しかし。
少年の語る事情が上手く飲み込めず、扶桑も大変な事になっていたんだなと思うだけだ。
しかし。
「んー。細かい事情はよくわかんないケドさ。それは君の責任じゃないと思うよ」
様々な要因の絡む戦場での責任を、全て一人のパイロットに押し付けるなんてシャーリーからすれば、ただの子供のダダだ。
だが、全て自分のせいだと言わんばかりに、一騎は自己の否定こそを肯定してしまう。
そんなにかたっ苦しく考えなくてもいいだろうにと、シャーリーは少年の強すぎる責任感に危惧を抱いた。
だが、全て自分のせいだと言わんばかりに、一騎は自己の否定こそを肯定してしまう。
そんなにかたっ苦しく考えなくてもいいだろうにと、シャーリーは少年の強すぎる責任感に危惧を抱いた。
「いや……俺が悪かったんだ……」
守りたい人達がいた。
信じたい仲間があった。
だが、一騎が目前の戦いに捉われ、総士の命令を無視した結果、羽佐間翔子は命を落とした。
総士の命令に従い、甲洋を単独で行かせた結果、春日井甲洋を失った。
それでも――それでも総士が自分と同じ思いでいてくれれば、一騎は総士を信じて戦えただろう。
同じ思いで戦って、それでも力が及ばなかったのであれば……。
信じたい仲間があった。
だが、一騎が目前の戦いに捉われ、総士の命令を無視した結果、羽佐間翔子は命を落とした。
総士の命令に従い、甲洋を単独で行かせた結果、春日井甲洋を失った。
それでも――それでも総士が自分と同じ思いでいてくれれば、一騎は総士を信じて戦えただろう。
同じ思いで戦って、それでも力が及ばなかったのであれば……。
『ファフナーと俺たち……お前にとってどっちが大切なんだ?』
『……ファフナーだ』
『……ファフナーだ』
一騎は首を力なく振るい、甲洋を失った後に聞いた、総士の言葉を振り払う。
思いはすれ違い、今ここにいる一騎には縋るべき縁(よすが)もない。
だから。
思いはすれ違い、今ここにいる一騎には縋るべき縁(よすが)もない。
だから。
「でも……あそこに戻ったとしても、わからないんだ。
甲洋に……なんて言ってやればいいのか。どうしてやればいいのか」
甲洋に……なんて言ってやればいいのか。どうしてやればいいのか」
一騎は惑っていた。
この島で再び出会った甲洋は、翔子の為に全ての参加者を皆殺しにしようとしていた。
その想いの深さ、怒りの力は、一騎が思わず怯んでしまうほどに強い。
この島で再び出会った甲洋は、翔子の為に全ての参加者を皆殺しにしようとしていた。
その想いの深さ、怒りの力は、一騎が思わず怯んでしまうほどに強い。
確かに、島は彼らを見捨てたのかもしれない。
自分たちなど、ファフナーのパーツに過ぎないのかもしれない。
だとすれば、甲洋の怒りは正統な物だ。
どこにもいない自分を取り戻す為に、甲洋は怒りの声をあげたのだ。
自分たちなど、ファフナーのパーツに過ぎないのかもしれない。
だとすれば、甲洋の怒りは正統な物だ。
どこにもいない自分を取り戻す為に、甲洋は怒りの声をあげたのだ。
しかし、例えそうであったとしても。
それでもなお、一騎は甲洋を止めたかった。
お前のやり方は間違っていると、叫びたかった。
全てを犠牲にして翔子だけを守って。
それで彼女が喜ぶはずがない。
甲洋の願いは、独りよがりの身勝手な願いだ。
島の事だけを考えている総士と、どこが違う。
それでもなお、一騎は甲洋を止めたかった。
お前のやり方は間違っていると、叫びたかった。
全てを犠牲にして翔子だけを守って。
それで彼女が喜ぶはずがない。
甲洋の願いは、独りよがりの身勝手な願いだ。
島の事だけを考えている総士と、どこが違う。
ならば、二人の間にいる自分は、どんな答えを出せばいい?
この冷酷なルールが支配する島で、自分は何をすればいい?
この冷酷なルールが支配する島で、自分は何をすればいい?
「わからない……わからないんだ」
「……はぁ……しょうがないな。お姉さんにちょっと付き合え!」
「……はぁ……しょうがないな。お姉さんにちょっと付き合え!」
項垂れる一騎の手を引っ張って、シャーリーは何処かへと歩きだす。
「えっ……あ、あの、シャーリーさん?」
戸惑う一騎の声を無視して、ぐいぐい進むシャーリーの足取りに迷いはない。
そうして進んでいくとやがて、周囲の空気に独特の臭気が漂い始め、一騎は顔を顰めた。
そうして進んでいくとやがて、周囲の空気に独特の臭気が漂い始め、一騎は顔を顰めた。
「ん。そろそろかな」
「なんですか? この臭い……」
「なんだ、扶桑の子のくせに知らないのか? 温泉の匂いじゃないか」
「お、温泉?」
「なんですか? この臭い……」
「なんだ、扶桑の子のくせに知らないのか? 温泉の匂いじゃないか」
「お、温泉?」
この殺し合いの最中、温泉などに何の用があるというのか。
シャーリーは一騎と手を繋いだまま、石階段を降りていく。
五十メートル四方程度の、僅かに窪んだ盆地となっているそこは、湯煙漂う露天風呂となっていた。
ちょっとした渓流のような、広々とした湯船になみなみと湯が流れている。
いくつか存在する東屋は、脱衣所であろうか。
空間を仕切る物など、のれん程度しかないそこに入ると、シャーリーは勢いよく衣服を脱いでいく。
シャーリーは一騎と手を繋いだまま、石階段を降りていく。
五十メートル四方程度の、僅かに窪んだ盆地となっているそこは、湯煙漂う露天風呂となっていた。
ちょっとした渓流のような、広々とした湯船になみなみと湯が流れている。
いくつか存在する東屋は、脱衣所であろうか。
空間を仕切る物など、のれん程度しかないそこに入ると、シャーリーは勢いよく衣服を脱いでいく。
「ちょっ! シャーリーさん、何やってんだよ!?」
「何って……風呂に入るんだよ、君も早いとこ脱ぎなさい」
「な、なんで今、俺が風呂に入らなきゃいけないんだっ!?」
「い・い・か・ら・は・い・れ。
いいか、あたしは君を連れて飛んで、汗を掻いた。ちょっとベタついてて気持ち悪い。
だから風呂に入りたいんだ。なんか文句あるのか?」
「何って……風呂に入るんだよ、君も早いとこ脱ぎなさい」
「な、なんで今、俺が風呂に入らなきゃいけないんだっ!?」
「い・い・か・ら・は・い・れ。
いいか、あたしは君を連れて飛んで、汗を掻いた。ちょっとベタついてて気持ち悪い。
だから風呂に入りたいんだ。なんか文句あるのか?」
なんと強引で、身勝手で、殺し合いという状況を無視した理由か。
普段は冷静な一騎も流石に腹を立てて、声を荒げる。
普段は冷静な一騎も流石に腹を立てて、声を荒げる。
「あるに決まってるだろっ! こんな時に風呂になんか入って、誰かに襲われでもしたらどうするんだ。
だいたい、あんただって仲間を探しに行きたいんじゃないのか? こんな事をしている暇は……」
「ええーいっ、問答無用っ! それー!」
だいたい、あんただって仲間を探しに行きたいんじゃないのか? こんな事をしている暇は……」
「ええーいっ、問答無用っ! それー!」
言葉と共に、シャーリーの持つ武装錬金が光を放ち、少女は疾風と化す。
遠距離からならともかく、至近距離から見るシャーリーの高速移動は、まさに目にも止まらぬ速度だ。
つむじ風のように目前から消えたシャーリーが、再び一騎の前に現れた時、その手には見覚えのある布が握られていた。
遠距離からならともかく、至近距離から見るシャーリーの高速移動は、まさに目にも止まらぬ速度だ。
つむじ風のように目前から消えたシャーリーが、再び一騎の前に現れた時、その手には見覚えのある布が握られていた。
「へへーん、これなーんだ?」
「え? あ、うわあっ!」
「え? あ、うわあっ!」
悪戯っぽく笑う少女の持つその布は、一騎の着ていた服だった。
いつの間にか全裸を晒していた事に気付き、少年は慌てて手で体を隠す。
いつの間にか全裸を晒していた事に気付き、少年は慌てて手で体を隠す。
「ほらほら、先に行った行った。それとも……あたしの体が、そんなに見たいのか?」
からかうように、シャーリーはポーズをとって一騎を挑発する。
少女は元々はいてなかった下半身はともかく、きっちり着込んでいた上半身のスーツをも脱いで、今は繊細なレースの入った純白の下着だけを上下に纏った姿であった。
健全な男子であれば、思わず鼻血を噴き出してしまいそうなグラマラスなボディを前にして、一騎は真っ赤になって体を後ろに向ける。
少女は元々はいてなかった下半身はともかく、きっちり着込んでいた上半身のスーツをも脱いで、今は繊細なレースの入った純白の下着だけを上下に纏った姿であった。
健全な男子であれば、思わず鼻血を噴き出してしまいそうなグラマラスなボディを前にして、一騎は真っ赤になって体を後ろに向ける。
「いいか一騎。自分がしなきゃいけない事だけじゃなくて、自分がしたい事も考えてもいいんだぞ。
ま、バランスが大事なんだけどな。お前さんみたいなのは、ちょっとくらい我がままを言うくらいで丁度いい」
ま、バランスが大事なんだけどな。お前さんみたいなのは、ちょっとくらい我がままを言うくらいで丁度いい」
後ろを向いた一騎に、少しだけ神妙な口調でシャーリーが語りかける。
それを言う為に、ここまで連れてきたのだろうか。
それを言う為に、ここまで連れてきたのだろうか。
「俺のやりたい事……シャーリーさん、それは……」
「そら、わかったら風呂入ってこい!」
「そら、わかったら風呂入ってこい!」
答えようとした瞬間、尻を蹴り飛ばされた。
一騎の肉体は持ち主の意思を離れ、東屋から足を踏み出して露天風呂の中へとダイブする。
水飛沫を上げて飛び込んだ湯船は、大きかった。
一騎は海へと飛び込んだ時のように、少し泳ぎながら浮上する。
一騎の肉体は持ち主の意思を離れ、東屋から足を踏み出して露天風呂の中へとダイブする。
水飛沫を上げて飛び込んだ湯船は、大きかった。
一騎は海へと飛び込んだ時のように、少し泳ぎながら浮上する。
「ぷはっ」
熱い湯から頭を出し、顔を濡らす湯を手で拭ってから一騎は目を見開いた。
一騎に続いて東屋から出てきたシャーリーはちゃんとバスタオルを体に巻いており、少し安心したような残念なような
これまでに感じた事のない感情を彼は覚えた。沈める方法は彼も知らない。
感感彼彼。それはさておき。
一騎に続いて東屋から出てきたシャーリーはちゃんとバスタオルを体に巻いており、少し安心したような残念なような
これまでに感じた事のない感情を彼は覚えた。沈める方法は彼も知らない。
感感彼彼。それはさておき。
「……驚いたな。私の他にも、湯に浸かろうなんて酔狂な事を考える奴がいたとは」
湯煙の中に、先客がいた。
小麦色の肌に、黒い髪。均整のとれた肉体にアジア人の風貌を備えた女は、手に蛇のような入れ墨を彫っていた。
女は、アルファルドと名乗った。
小麦色の肌に、黒い髪。均整のとれた肉体にアジア人の風貌を備えた女は、手に蛇のような入れ墨を彫っていた。
女は、アルファルドと名乗った。
「死んだはずの奴や、動けるはずのない奴がいる――か」
互いに寸鉄帯びぬ、風呂の中での邂逅である。
当初ムトウカズキという奴と間違われるなどの問題はあったが、概ね諍いなしに互いの状況を簡単に説明すると、女は一騎たちにこう言った。
そいつらはホムンクルスなのではないか――と。
当初ムトウカズキという奴と間違われるなどの問題はあったが、概ね諍いなしに互いの状況を簡単に説明すると、女は一騎たちにこう言った。
そいつらはホムンクルスなのではないか――と。
アルファルドが出会ったと言う津村斗貴子。
その少女の話を録音したレコーダーによれば、この会場には人の姿をした人喰いの化け物――ホムンクルスが紛れこんでいるらしい。
この錬金術が生み出した化け物は、ベースとなった生物が人間の場合、精神はそのままに肉体だけがホムンクルスへと変貌する。
アルファルドは、甲洋の変貌を指して、それはホムンクルスなのではないかと疑いをかけたのだ。
死んだはずの奴は、クローンという事で説明が付く。
現代技術では、未だ禁忌とされているが人造人間すら作り出す錬金術の世界では、実用化されていても不思議はない。
その少女の話を録音したレコーダーによれば、この会場には人の姿をした人喰いの化け物――ホムンクルスが紛れこんでいるらしい。
この錬金術が生み出した化け物は、ベースとなった生物が人間の場合、精神はそのままに肉体だけがホムンクルスへと変貌する。
アルファルドは、甲洋の変貌を指して、それはホムンクルスなのではないかと疑いをかけたのだ。
死んだはずの奴は、クローンという事で説明が付く。
現代技術では、未だ禁忌とされているが人造人間すら作り出す錬金術の世界では、実用化されていても不思議はない。
「そんな……甲洋が……化け物に?」
「まぁ、可能性の話だがな」
「まぁ、可能性の話だがな」
人型ホムンクルスならば、左胸のあたりに「章印」というマークが刻まれているらしい。
ただのクローンなのかもしれないが、その場合は甲洋が一騎たちとの記憶を持っている事に説明が付かない。
錬金術以外にも、色々な可能性があるのかもしれない。
だが結局のところ、再び甲洋に会わなければ何も分からなかった。
その結論に至り、一騎は口を開いた。
ただのクローンなのかもしれないが、その場合は甲洋が一騎たちとの記憶を持っている事に説明が付かない。
錬金術以外にも、色々な可能性があるのかもしれない。
だが結局のところ、再び甲洋に会わなければ何も分からなかった。
その結論に至り、一騎は口を開いた。
「シャーリーさん、俺、やっぱり甲洋の所に行ってみます。色々と、ありがとうございました」
「そっか。決めたか男の子。――よし、お姉さんも手伝ってやろう!」
「そっか。決めたか男の子。――よし、お姉さんも手伝ってやろう!」
一騎の目は、先ほどとは別人のように強い決意を湛えている。
それを眩しそうに見ながら、シャーリーは自分の胸をパンと叩いて協力を申し出る。
バスタオルに押さえつけられていても豊満なサイズを誇る巨乳が、ボインと揺れる。
それを眩しそうに見ながら、シャーリーは自分の胸をパンと叩いて協力を申し出る。
バスタオルに押さえつけられていても豊満なサイズを誇る巨乳が、ボインと揺れる。
「え、でも……」
「なぁに。あたしの仲間は強いからな。みんな上手くやってるさ」
「それなら私も一緒に行こう。ホムンクルスだったとしたら、放っておくわけにはいかないからな」
「なぁに。あたしの仲間は強いからな。みんな上手くやってるさ」
「それなら私も一緒に行こう。ホムンクルスだったとしたら、放っておくわけにはいかないからな」
アルファルドもまた、同行を申し出る。
甲洋がホムンクルスだったら始末する――そういう意味合いを含んだ言葉に、少し不快感を持ったが甲洋を止めるのに人手は多いほうが有利だった。
まずは一騎が話をしてみるという条件付きで、二人はアルファルドの同行を承知する。
かくして三人はそれぞれの思惑を持ちながらも手を組む事と相成り、温泉での会談は終わった。
たった一つの、問題を残して。
甲洋がホムンクルスだったら始末する――そういう意味合いを含んだ言葉に、少し不快感を持ったが甲洋を止めるのに人手は多いほうが有利だった。
まずは一騎が話をしてみるという条件付きで、二人はアルファルドの同行を承知する。
かくして三人はそれぞれの思惑を持ちながらも手を組む事と相成り、温泉での会談は終わった。
たった一つの、問題を残して。
「シャーリーさん、アルファルドさん、先に脱衣場を使って貰えますか? 俺は後から行きますから……」
「ん? まぁいいけど?」
「くく……」
「ん? まぁいいけど?」
「くく……」
如何に一騎が朴念仁とはいえ。
如何に二人がバスタオルを纏っていたとはいえ。
思春期の少年には、美女二人との混浴は刺激が強かった。
つまり、そういう事であった。
如何に二人がバスタオルを纏っていたとはいえ。
思春期の少年には、美女二人との混浴は刺激が強かった。
つまり、そういう事であった。
【一日目 D-5 温泉 黎明】
【アルファルド@CANAAN】
[状態]:軽傷(手当て済み)
[装備]:青龍偃月刀@真†恋姫無双
[道具]:基本支給品×2、大型バイク『MTS1200S』@現実、ボイスレコーダー@DARKER THAN BLACK、
自作のスリング、確認済み支給品0~2、デイバッグ×2
[思考]
基本:主催者と交渉に持ち込み、脱出する。他者の犠牲も厭わない
1:カナンに絶望を与える。
2:錬金の戦士との接触。
3:ヴィクターの末路への興味。
4:甲洋がホムンクルスかどうかを調べる。ホムンクルスであれば――?
※ バイクは修理しないとあまり走れません
※ ボイスレコーダーには津村斗貴子との会話が録音されています。
[状態]:軽傷(手当て済み)
[装備]:青龍偃月刀@真†恋姫無双
[道具]:基本支給品×2、大型バイク『MTS1200S』@現実、ボイスレコーダー@DARKER THAN BLACK、
自作のスリング、確認済み支給品0~2、デイバッグ×2
[思考]
基本:主催者と交渉に持ち込み、脱出する。他者の犠牲も厭わない
1:カナンに絶望を与える。
2:錬金の戦士との接触。
3:ヴィクターの末路への興味。
4:甲洋がホムンクルスかどうかを調べる。ホムンクルスであれば――?
※ バイクは修理しないとあまり走れません
※ ボイスレコーダーには津村斗貴子との会話が録音されています。
【シャーロット・E・イェーガー@ストライクウィッチーズ】
[状態]健康
[装備]核鉄「モーターギア・アナザータイプ」@武装錬金
[道具]基本支給品×1、不明支給品0~1
[思考]
基本:501航空団の仲間と合流して脱出する
1:一騎と甲洋に話し合いをさせる
2:ルッキーニと芳佳が心配
[状態]健康
[装備]核鉄「モーターギア・アナザータイプ」@武装錬金
[道具]基本支給品×1、不明支給品0~1
[思考]
基本:501航空団の仲間と合流して脱出する
1:一騎と甲洋に話し合いをさせる
2:ルッキーニと芳佳が心配
【真壁一騎@蒼穹のファフナー】
[状態]健康
[装備]宝剣・靖王伝家@真・恋姫†無双
[道具]基本支給品×1、不明支給品0~1
[思考]
基本:竜宮島の仲間を島に帰す
1:甲洋を説得したい
2:総士、翔子を守る
3:竜宮島の仲間を探す
[状態]健康
[装備]宝剣・靖王伝家@真・恋姫†無双
[道具]基本支給品×1、不明支給品0~1
[思考]
基本:竜宮島の仲間を島に帰す
1:甲洋を説得したい
2:総士、翔子を守る
3:竜宮島の仲間を探す
034:黒豹少女-閃光と共に- | 投下順に読む | 036:永別 |
033:“事故”る奴は……“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったんだよ…… | 時系列順に読む | 037:我が良き友よ |
010:元気なぼくらの元気なおもちゃ | アルファルド | 053:死の先を逝く者たちよ |
013:闇の中の少年 | シャーロット・E・イェーガー | |
真壁一騎 |