「きゅうりょう」と読む。
龍が巫女に対して行う有名な攻撃行動。危険度E程度の弱い龍が行うこともあれば、危険度Aに数えられる強力無比な龍でも行わないこともある。
生きた巫女の肉体に噛みつく、或いは舌や口吻を突き刺すなどして、体内を駆け巡る巫力を直接吸収し、龍気に変換して奪い取る攻撃である。
巫女と神々との間の根源的な魂の繋がりを断ち切ることはできないため、巫女からするとどれほど吸霊されても「巫女であること」をやめさせられることはなく、また失った巫力も大抵の場合は一月ほど療養すればほぼ完全に回復し、後遺症もシンクロ率がやや低下する程度のことが多い。
しかしその一方で、当然相手の龍はこれにより力を増す上、あまりに吸霊を受けすぎると巫力による無意識下の肉体強化や防御、さらに創傷の自発的治癒といった巫女としての普遍的な技能すらも使えなくなる。これはすなわち強制的に無防備な生身の人間に戻らされてしまうのと同義であるため、吸霊された場合は可能な限り速やかに脱出することが求められる。
吸霊によって龍が得る巫力の量は、巫女を打倒して死体から吸収した場合のそれと比べて少ないため、強い吸霊能力を持つ龍であっても、吸霊をとどめに使うことはない。これはしばしば以下のように説明される。
巫女を一つのビニールプール、神々を水道管で繋がった複数の湖のようなものだとすると、巫女がその身に神々を降ろすのは、湖からホースでビニールプールに水を注ぐことに近い。
このとき、吸霊はビニールプールの水を奪う行為である。一時的に水をなくすことができたとしても、ホースを断ったわけではないため、また時間をおけば水は元通りに溜まる。
一方で、巫女を打倒して巫力を奪い取る場合は、龍はビニールプールのみならず隣接した一つの湖からも水を奪うことができる。一つだけなのは、普段は湖同士を繋ぐ水道管が閉じており、水は湖ごとに異なる巫女と共有されているからである。
なお、臨界者の超過顕現時は、全ての水道管が開くため、平素より巫女が振るうことのできるそれとは比較にもならない強力かつ純粋な巫力を扱うことができる。ただし、それは後述のように連結した湖全て、すなわち神々そのものを危険に曝す行為でもある。
このとき、吸霊はビニールプールの水を奪う行為である。一時的に水をなくすことができたとしても、ホースを断ったわけではないため、また時間をおけば水は元通りに溜まる。
一方で、巫女を打倒して巫力を奪い取る場合は、龍はビニールプールのみならず隣接した一つの湖からも水を奪うことができる。一つだけなのは、普段は湖同士を繋ぐ水道管が閉じており、水は湖ごとに異なる巫女と共有されているからである。
なお、臨界者の超過顕現時は、全ての水道管が開くため、平素より巫女が振るうことのできるそれとは比較にもならない強力かつ純粋な巫力を扱うことができる。ただし、それは後述のように連結した湖全て、すなわち神々そのものを危険に曝す行為でもある。
吸霊は龍が巫女に対して行う最も基本的かつ象徴的な攻撃手段であると同時に、臨界者の超過顕現により現界した真なる神々に対して顕著な効果を示す数少ない攻撃手段の一つでもある。勿論、仮初といえど神体に秘められた神力は膨大なものであり、一柱の神を余すことなく吸収しうるほどの龍気許容量と吸霊能力とを併せ持つ龍はいなくとも不思議ではないが。