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第3話 混乱

この国に来る前、いつか困ったときは再び集まることを約束した仲間達がいた。
桃尻「我ら三人、姓は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、願わくば同年、同月、同日に死せん事を」
あの時、ああ誓いあった仲間達。梅銀、桜青、そして私桃尻。

そして、今こそあの仲間達が集まる日が来た。このTOKYO CITYを火の海にしようと目論む輩達を倒すために。
二人に連絡した時、この秋葉原のイベントスペースで集まることを取り付けた。それは、梅銀からの指定だった。

何故ここなのか疑問に思ったが、深くは考えなかった。それは彼を信頼していたからに他ならない。
JRの駅を降り、電気街口へ出る。いつもならば人で溢れかえる秋葉原に人影が殆ど見えない。客寄せにチラシを配るメイドの姿も見えなかった。
(…? おかしい。歓楽街であるこの場所に何故人がいない)
イベントスペースは電気街を少し進んだ所にある。大きなビルでイベントスペース以外にも企業が入っているらしい。
入口に人影も見えず、違和感は益々増していく。桃尻は建物の中に入るが、この場も静まりかえっている。
電気もついてなく、人がいない。これじゃあまるで廃屋だ。
ー、おかしい。そう気づき咄嗟に逃げようとすると何かに足をとられる。
「!!」
梅銀、そして桜青が倒れていた。
「おい、どうしたんだ!」
梅銀は力を振り絞り、小さく息を吐く。
「桃尻…。俺達にも分からんですたい…、全部お前から連絡を受けてここに来たらだけですたい…」
連絡? 梅銀の指示でここに来たはずなのに…。
「俺達は大丈夫ですたい…。ここに来たら体調が悪いでごんす…」
うぐっ、と呻き梅銀は気絶してしまった。「桃尻」と同じように息絶え絶えで呼ぶ桜青に駆け寄る。
「何かしらの攻撃を受けたようだが命に別状はないでやんす…。体が痺れて意識がもうろうとしているだけでやんす」
それは重傷だと思うが…。
「何かが起きているでやんす。気を付けて進むでやんす……」
そう言い残し桜青も意識を失う。
「誰がこんな事を…」
何故この二人が狙われた。そもそもこの二人の存在を把握しているのが何人いるのか。

おかしい、おかしい、おかしい。冷静になれ。
国内に帰国してから彼らも同じように活躍していた。存在を知らないわけがない。
だが、今回集めたのは誰も知らないはず…。それに連絡したのはオレだという…。
まさかあの還元という男か? 奴は私の動向を見張っていた。
そんな簡単に動向を把握出来るほど軽率な手段は使っていない。それ程のやり手という事か? いや、還元だけに的を絞るのは正しくない…。
そんなことを考えていると、人の足音が近づいてきた。
「やや、なにかありましたか!」
「これは大変!」
ここのスタッフの方が救護室に連れてってくれる。このイベントスペースの異常さに二人も目を丸くしている。
「……」
今ココで足止めをされている場合ではない。隙を見てその場から立ち去る。
すると、いつのまにか人が集まってきた。まるで今まで人が入らないように細工していたかのように…。
(まさか、誰かの能力…)
二人も命に別状はないが、すぐに復帰して私の戦力になれる状態ではない。
ここで襲われては危ない。すぐさまこの場を離れる事にした。
「!?」
外に出るとな痛いほどの殺気が浴びせられた。
まっすぐ視線の向こうに、清廉そうな青年と少年の中間ほどの男がこっちを睨付けている。
(これは……)
何やらヤバイ予感がしたので急いで建物の影へ隠れる。
(奴は犯人かもしれない。こうなれば……。いや、冷静になれ。相手の巣穴に飛び込むような真似は危険すぎる)
冷静になれ。クールにいこう。
だが。
「冷静に考えられる状況なわけがないだろうが」
追ってきてる事を確認し、少し移動して工場のエリアに到着し、後ろを振り返る。
「出てこいよ」

「もう冷静でいられそうにないんでな!!」

第4話 衝突

少年は現れるやいなや、殺気を爆発させる。
「君は何者だ?」
「お前に名乗るような名前はない!!」
そう言い切る。すると、手からオーラが発動し、何かを発現させようとしていた。
「君は、スタンド使いか…!!」

『ミ ド リ』

少年の顔が狂気に歪む。
その手に現れたのは拳銃だった。リボルバーとでも呼ぶのだろうか?
少年は手から拳銃を具現化し乱発してくる。銃弾をかいくぐり慌てて工場の影に隠れて様子を見る。
「それで終わるならタダのリボルバーと一緒だろこのビチグソガァァァァ!!」
性格変わっとる!! どういう事だ? その時、何かが体を絡め取る。これは…。
「草と来たか…」
銃弾から草が生えて体を締め付ける。女の子なららめぇぇとおいしい展開もあったのだろうが。
「最高にハイ!って奴だぁぁぁ!!」
「……ははは」
何がおかしい! 少年はそう怒鳴り散らして、拳銃を眉間へと構える。
「頭でもおかしくなったのかい?」
「どう考えても君が犯人ではないようだからな」
目を白黒させている。この状況で何を言ってるのか?という表情だ。
「だが、ここまでされて黙ってられる私ではない!!」
なっ!! そう漏らすと少年は引き金を引いた。

煙幕が起こり、何が起きたのか分からなかった。少年は必死で引き金を引き続ける。
「無駄だ」
そして、煙がひいた時彼の姿が露わになった。
「!!」
彼の体には傷一つない。それどころか、服すら着ていなかった。
「な…!? どういう事だァァァアァ!!」
「これぞ私のスタンド"ピンクフロイド"」

彼のスタンド、ピンクフロイドは少年にとって天敵のような能力だった。
単純に「服を脱げば脱ぐほど硬くなる」それだけの能力だが、驚く程の強さを発揮していた。

「必殺、ホームランバット!!」
動機が激しく動揺した彼を、諭すかのように彼の硬く怒張した物が少年をなぎ倒した。
「またつまらぬ物を犯ってしまった…。そして時は動き出す……」

「はっ…!」
「気づいたかい?」
起きあがる少年は、横に座る彼を睨付ける。
しかし、抵抗しても無駄と分かっているのか諦めた。
「何故僕にトドメをささない!」
「君は敵じゃないだろ? 調べさせてもらった。桜青、梅銀とは山梨で出会っているようだね。クローバー・ヨツバーラ・フレンチトースト」
何故知っているのか、そう目を疑うようにパチクリさせる。
懐から手帖を出す。そこには三人のスリーショットが収まっていた。
「それは僕の手帖…」
「師弟関係だか、友情だかは知らないが付けてきて二人が倒れていたから私がやったと思ったのだろう」
コクリと頷く。
「だが、あんたの能力じゃないみたいだ」
「ああ。倒すべきは他にいる。私と一緒に来るんだ」
その問いにクローバーは頷いた。
心強い味方が出来た。彼はそう思うと二人の仲間を失った辛さが少し軽くなった。
「それより、服を着てください」
「全裸が私のポリシーなのだがな…」
マリアンヌもこの姿を見て赤面していたな。祖国の空が懐かしく思えた。


第5話 にゃんこ
「にゃーにゃー」
猫だー。

終わり

森先生の次回作にご期待ください!!

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最終更新:2009年09月26日 02:44