第9話 BLUE SKY BLUE
「女性が三人…。これは俺のハーレムを作る計画もついに動き始めたな」
桃尻は蛇のように睨みじっくりを品定めをする。
まず、イッスン・ポンシーノ。全体的に小柄な体ながら気が強く挑発的だ。気が強い女は嫌いではない。
残念ながら胸というパロメータはゼロに近いが別に巨乳オンリーにしか興味がないわけではないので問題ない。
「なに見てんのよ!!」
ただ見てるだけで殺し屋のような目をする。さっきも軟式がボコボコにされてたしな。
攻略するのが厳しい程燃えるものだ。で、オドール氏を助けるのが目的らしい。
そして、ヒャック。トーナメントは一人会場に入る途中で頭を撃って気絶していたらしい。
彼女はヒーローフェチでマスクを取ると性格が強気になるようだ。
「何を見てるんだ」
マスクをラリアットではがす。普段からマスクをつけるのは辞めろと、ビックリするから。
「なんですかぁ~…? 返してくださいよぉ…。」
マスクさえつけてなければ普通にちょっと気弱なぐらいの女の子なんだが。
変身願望という奴だろうな。こういう女の子は奥手だから簡単か凄い難しいか、だ。
で、彼女は正義のために戦いたいらしい。正義なんて幻想だが。
そして、岡田です!
「キモいわさ!」
彼女は俺らを鍛えてくれるようで相当強いようだ。雰囲気だけでそれは分かる。
なんというか、変な人だ。年下に見えるのに相当円熟してるし、雰囲気が異様なんだよな。
アカツキと知り合いとなると年上かも…? あとは赤いジャージが特徴的だ。まるでV3みたいだ。
なんだか燃えてきたぜ!!
次回、桃尻SIDE STORY ときめき学校生活編! 楽しみにしてくれよ!!
「…、軟式との戦闘で血を流しすぎたか。白昼夢を見てたようだぜ」
ポスティング失敗、赤黄色、イッスン・ポンシーノ。このメンツを目にして桃尻は心拍数が早くなり呼吸が苦しくなっていた。
この三人を同時に相手にするのは得策ではない。ただでさえダメージが重すぎるのだ。このままじゃヤバイ。
どちらかを争わせてせめて一人を相手にしなくては…。しかし、この狭い会場では距離を取るのも難しい。どうする!
「壁を壊した…だと!?」
そんな事は出来るわけがない。それにあいつは葬ったはず!?
赤黄色は動揺していた。元々計算ずくで動くタイプであり突然の行動に弱いのだ。
自分の能力は若干の距離を取るのが重要だ。誰を相手にするにしても、だ。早くしなければ。
「壁を越えたか。いや、越えてはいないな。その片鱗が見えただけじゃ」
アカツキは冷静にポンシーノの行動を分析する。
空間を壊す事など出来るわけがない。これはあくまでマタスケも黒婆も参戦しなかった故の不具合。
その補完を会場が求めただけだ。勝負はこれから、それは一瞬で読めた。ただ、結果は読めなかった。
「お前らか。少しは楽しませてくれよ」
ポッスンは一人ダメージを殆ど残していなかった。
ロハンに敗れた怒り、さわだけに敗れた痛み。その怒りが彼を支配していた。
相手が誰ではなく、自分のために戦う。彼は策も考えも何もなかった。
「かかってきなさい!!」
ポンシーノ、スタイル:バーサーカー。新たな能力を得て彼女は狂戦士と化していた。
しかし、彼女はダメージが消えたわけではない。むしろ、限界は超えていた。
それに気づいているのは観戦者の三人のみだった。
「うらー!!」
ポンシーノは赤黄色に飛び掛かり、連打を放つ。赤黄色は戸惑いと焦りで反応が遅れていた。しかし、
「ベア・ナックル!!」
「うがー!!」
ポッスンの拳が炸裂する。
「一対一の戦いじゃないって事を忘れたか?」
その衝撃にポンシーノが吹き飛ばされる。
「別にお前を助けたわけじゃない!」
そして、赤黄色を同様にベース・ボールベアーで吹き飛ばす。
「うがぁ!!」
桃尻は自分にもくるか、と思い距離を若干とる。
桃尻の行動を見て、ポッスンはまくし上げる。
「どうした? なんなら三人でかかってくるんだな!!」
好機、桃尻はポッスンの発言に一人チャンスだと思っていた。
今の状態では一人ポッスンに勝つのは厳しい。だが、三人なら。
「うがぁぁぁぁ!!」
しかし、バーサーカー状態のポンシーノはその考えを見事に打ち砕き桃尻へと襲いかかる。
「くっ! このバカ娘が!!」
この前見たときと様子が随分違うな。あれだ、軟式の死神モードと似ている。
ひょっとすると、こいつも戦闘に全ての意識を注いだのか。それなら、戦いやすい。
「仕方ないな」
桃尻は戦闘モードに入り、仕方なくポンシーノに対峙した。
そして、ポッスンの前に一人の男が鼻血まみれて立ち上がる。
「…、今のダメージで目が覚めました」
「そりゃ有り難い。この程度でくたばってもらっちゃ興ざめだ」
ピリピリとした緊張感が走る。自然と赤黄色VSポッスンの構図が出来上がっていた。
「それに、クマの称号は私だけで十分です」
"熊の惑星 急直下拳!!"
「ほう、お前もクマの能力者か」
"ベース・ボール・ベアー 饅頭拳!!"
凄まじい衝撃波がぶつかり合う。
「退屈しないですみそうだ」
ポッスンは楽しそうに微笑んだ。
第10話 Last Days Over Run
イッスン・ポンシーノの猛攻は続く。スピード、パワー、不規則な動きに桃尻は翻弄されている。
人間はある程度の規則性に管理されて生きている。それは普段の生活も同じだ。攻撃リズム、というのが戦闘にもある。
ポンシーノにはその法則性が欠如している。この野性味のおかげで…と素人なら思うだろうが桃尻は違かった。
野性味故の単純さは確実に単調なパターンを作っていた。
それに加え、桃尻にはダメージが蓄積している。それが逆に最低限での回避を実現させていた。
軟式との戦いで獲得していた戦闘方法。最低限の動きで交わし、力を爆発させる。桃尻はそれを意識せずに行なう事ができた。
おそらく、守備だけなら天下一品の技術だろう。攻撃を避けられ続けているポンシーノの表情にも疲れが見えていた。
「なぁ、ポンシーノ。軟式もお前も…」
「嫌いじゃないぜ!!」
距離を保ち、桃尻は今まで攻撃をせず溜めていたオーラを放出する。
『ピンク・フロイド!!』 硬質化された指は強度でいえばダイヤモンドに近いだろう。大声ダイヤモンド。
「うぉぉ!!」
ポンシーノのバーサーカーモードにはそれを逃げるような精神はなかった。
「マグナムフィンガー!!」
桃尻の指がポンシーノの秘部に襲いかかる。
しかし。
「うあぁあぁ!!」
野性味故の奇抜さ、それがここになり現れた。ポンシーノは普段ならばあり得ない程状態を逸らし桃尻の指のかわす。
そして。
「はぁぁあ!!」
"バーサーカー・ゴールデン・アックスボンバー"
早い話が単純なラリアット。しかし、腕の強度が異常になっているのを考えるとこれを喰らえば一溜まりもない。
その一撃が桃尻の首を捉え鈍い音が響いた。そして、その場に崩れ落ちた。実質、初めてのダウンだった。
勝ったと確信すれば負ける。
それは自分が一番分かっていた。
桃尻は負けた。この敗北は大きな影響を後々に与えていく。
「はぁはぁ…」
限界を超えたポンシーノもリスクを背負っていた。身体が重い。痛い。
力を出し切り、バーサーカーモードが解け、全てに気づく。
「あたしは…。あんたも強かったよ、桃尻。憶えてないけど」
その時、ポンシーノはまだ戦いは終わっていない事に気づいた。後ろの異様な威圧感。
今の状態で戦う? 逃げる? 諦める? 選択肢はどうなろうと、一つしかなかった。
「あんたか、相手は」
最終更新:2010年02月07日 02:52