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人外と人間

グリフォン×女子高生+スライム ディスコミュニケーション 和姦

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ディスコミュニケーション 4-242様

道路一面がキラキラと輝いているのは硝子が細かく散乱しているからだ。
緑の色が透き通るほどに鮮やかなのは、空から降り注ぐ紫外線の可視率が変わっているからだ。
青空は記憶の中よりも鮮やかな水色で、その空を区切るように伸びた電線はあちこちがブツブツと切れ、垂れ下がっていた。
街に人影はない。
この街だけではなく、歩いてきた全ての道になかった。
空にも地にも動く影はなく、ただ風に揺れる美しい緑だけが色鮮やかに存在を主張している。
廃墟ビルの殆どが緑に覆われ、崩れかけたコンクリートの肌から鉄骨を剥き出すそれらは古代に死に絶えた巨人の遺骸のようにも見えた。
使われなくなって久しい信号に撒きついた緑の蔓は、まるで大蛇だ。
白く花を咲かせ、甘い芳香を漂わせている。

ゴーストタウンを歩く。
アスファルトがやけに隆起していると思ったら、下からアスファルトを突き破って緑が這い出していた。
割れた硝子がジャリジャリと靴底で音を立てた。
看板が落ちていて、色あせたそれはもう穴が開いていたけど、女性歌手の錆びた笑顔に思わず声が出る。

「うわ、懐かしいー!このアルバム持ってたー!」
努めて作っていた軽薄な口調は今ではもう無意識に出るようになっていて、死んだ街に似あわぬ歓声が思ったよりも大きく響いた。
どんな風に喋っていたのかも思い出せない今、私の喋り方はかすかな記憶の中の友人たちの口調のミックスだ。

「消え去った君のー、面影を捜してー、」
記憶の片隅から引っ張り出したその曲を口ずさむ。
歌詞があやふやところは適当に作詞しながら、空に音階の怪しい歌が吸い込まれていく。
と、探していた目当ての物が目に入った。大型スーパー、駐車場完備。

「ぼっくらはー、空を翔け巡るー、幾千の光が落ちてー」
やはり歌いながら、私は少し小走りに駆けていく。荒れた道路に、小さな影がスカートを翻しながらついてくる。
駐車場を回ってスーパー裏手に回る。日の当たらないそこは、植物の繁殖が他に比べそれほど酷くない。まあ他に比べて、だけど。

「せっかいがー、砕けるともー、」

倉庫の扉は固く施錠されており、ガチャガチャと何度か鍵を揺すってみたのだが、到底女子供の非力な手で開くはずもない。スーパーの中から回るか。
世界の終わりには、スーパーマーケットに立てこもって、ゾンビ達と戦って脱出し、誰もいない遠い島へ逃げていくのが定番なんだろうけど、ここにはゾンビなんていない。
食い荒らされた死体もなく、血の海もない。
誰もいない。
みんな、もういない。
どこにもいない。

スーパーのスイングドアを押して、中へ入る。キィイイと蝶番が悲鳴のような声を上げた。

「幾億の星が流れてー、せっかいがー、消え去るともー」

歌詞、なんだったかな。幾億の星が流れて世界が消え去っても。
幾千の光が落ちて世界が砕けても。
カラカラに干からびた野菜の陳列棚を越え、鮮魚コーナーであっただろう茶色い染みと液体をのせたトレイの並ぶ売り場を過ぎ、壁沿いのスタッフオンリーと書かれた従業員用ドアから中へ入る。

「せっかいがー……、消え去るともー……」

駄目だ、次が出てこない。私は魚の加工調理場を抜け、奥の在庫用倉庫へ回る。
こういう場所は作りが同じで、ひとつ承知していれば大体どこに何があるのかはわかるものだ。
目当てのもの、菓子のダンボールが摘み上がったそこで箱を漁っていたら、何か聞こえた。

幾億の星が流れて 世界が消え去るとも想いは果てしない風になり 探し続ける巡る世界の果てで いつか君に会いたい

あの歌だ。記憶の中の女性歌手の声そっくりに、その歌は続く。
振向かない方がいいのはわかっていたけど、つい振向いた。
女性歌手がいた。
記憶の中の姿のままに、小柄な姿で、腹のそこから搾り出すように、歌っていた。
そうだ、そんなパワフルな歌い方だった。
あとずさる。
『彼女』は、そっと手を開いてきた。
途切れる事のない歌声に覆いかぶさるように、もうひとつの言葉が聞こえる。

『 お い で 』

私は逃げ出した。一目散に、外へ。
金属製のドアを蹴り、陳列棚の横を走って摘み上がったペットボトルの山を崩した。
物理的な障害なんて『あれ』は気にしないし、障害にもならないがせめてもの気休めに。
スイングドアを押し開けながら叫ぶ。

「クロ!!クロォーーーーーッ!!『海』がいる!!」

駐車場をひたすら走る。止まっている車のどれかひとつでも使えたらと思ったが、免許などもっていない。錆びた金属の車体の表面に、セーラー服の少女が髪を振り乱して走っているのが映って消えた。我ながら必死すぎる顔をしている。
そりゃそうだ、必死だ。
歌はまだ聞こえる。駐車場をつっきって、道路へ飛び出そうとした時、ドバンッ!!と爆発音が後ろから聞こえた。
スーパーの中から爆発したのか、全面に嵌っていた硝子がキラキラと割れて吹き飛び、中から空よりも青い液体があふれ出してきた。
『海』だ。
その液体は一瞬で駐車場に広がり、瞬く間に広がったそれに足をとられて転んだ。
ぬるりとした液体が私の足元を這い上がってくる。ハイソックスを越え、ミニスカートに絡みつき、胸まで上がってきた。

「くそっこの!!」

手を無茶苦茶に振り回し、顔まで這い上がってくる『海』から逃れようとした。

『一人は、さびしくないの?』

いつの間にか、体の上に圧し掛かっているのは不定形の液体ではなく、人の形をしていた。
肩口までの薄茶色の髪、大きな目、袖のところが擦り切れた紺のぶかぶかのカーディガン、固い生地で出来たセーラー服。丈を短くしたスカートは下着が見えそうだ。
少女はにこりと笑った。

これは私だ。

私の姿を模したそれは、先ほどの女性歌手の声でささやいた。

『そこはさびしいよ、ここにおいでよ』

ぬるりと液体が四肢に絡みつく。足の間に、服の中に、ぬるぬると感触が這い回る。
にちゃりとした何かが、足の間に入ってくる。
下着の上から、何かが押し当てられた。それは、生地を通して、ゆっくりと入ってくる。

「や…っやだ…っやめ…っ」
『ここは、みんないるよ。みんなみんないるよ』

周囲を覆い尽くした『海』から、無数の人が立ち上がってくる。
知った顔ばかり。お父さん。お母さん。友達。学校の先生。好きだった人。嫌いだった人。
『それら』が手を伸ばし、ゆっくりと近づいてくる。

『おいで』
『おいでよ』
『皆待っているから』
『ここにおいで』

腹の中にやわらかいものがずくりと入ってきて、ぬるりぬるりとかき回していった。

「ひっ……あぁ……っやだぁ……」

首を振り、近づいてくる自分自身から逃れようと身体を動かすが、もう動ける部位は少しもなかった。この期に及んで無意識に演技をする自分に少し笑えてくる。
役名:不定形のスライムに襲われて泣き叫ぶ女子高生A。

『こわくないよ、大丈夫』

そう笑った『自分』が顔を寄せてきた。頬を両手で掴まれて、唇を奪われる。
ぬるりとした感触が、唇を割って入ってきた。上からも下からも、侵入される。

『このままひとつになろう?』
『わたしたち、ずっと待ってるのよ』
『さびしくないよ』
『さびしくない』

そう笑う『みんな』が、『自分』が、いきなりバシャリと融け落ちた。
『海』が泡立っていた。悲鳴が上がる。
『海』が燃えていた。火はスーパーの中から燃え上がり、あっという間に不定形の『海』を走って不定形の液体を包み込んでいった。
こちらまで炎が走ってくる。そう思った瞬間、炎は体の下をくぐっていった。
いや、私が炎の上へ移動したのだ。

『遅くなった』
「本当に遅かったよ」

そういいながら見上げると、そこには小型自動車ほどもありそうな巨大な白い鳥のような生物が、面目なさそうな表情を浮かべていた。巨大な鉤爪に掴まれている。
もっとも四足歩行の鳥はいないが。

「本体、叩けた?」
『ごらんのとおり』

眼下では炎に巻かれて、巨大なスライム状のものがのた打ち回っていた。
それが徐々に小さく、萎んでいくのを見ている。

「久々に見たよ、あんな小型」
『海岸線もないようなこんな山岳地帯で見るのは珍しいな』
「あーあ、新しそうなカントリーマアムとかあったんだけどなー」
『どこだってあるだろうに』
「なんとなくすごく甘い物が食べたくなる時ってあるじゃない」
『食べないから知らない』
「便利でいいよねクロは」
『お前だって食べなくても困らないだろう』
「気持ち的に。女の子には定期的にあまいものが必要ですよ」

くすくすと笑うと、クロが背中の大きな翼をバサリとはためかせた。
白い巨躯が、私を抱えたまま空を舞う。

「そういや誰かいた?見つけた?」
『何も』
「ですよねー」
『ですよ』

やはり二人で少し笑った。








世界は平和だ。

人類はひとつになって、いまではもう戦争なんかどこにもない。
ある日全員融けてしまったのだ。パシャンと軽い水音と共に。
私の両親も兄弟も友人も、知っている人も知らない人も、全て。
それらは広がって大きな液体となって、元来海があったところに今は収まっているが、たまに細切れの小さな塊がいることがある。
とはいえ、それらはプールや溜め池などにおり、あんな倉庫の中で見たのは初めてだ。
クロが焼き殺したようにみえるが、『海』はすべてでひとつだ。
あんなのは木の枝を払ったにすぎず、本体の幹に影響はない。
『海』は執拗に人を誘う。何故執拗なのかといえば、寂しいからだと言う。
『海』は、『海』の中にいる、親しい人の姿を借りてやってくる。

「ねーえ、クロ。あのピンクのお城っぽいのってラブホじゃない?多分シャワーあるよね?」
『ああ、わかった。お前ベタベタだもんな』

『海』に融けた人、『海』に融けなかった人の違いはなんだろう。
そもそも『海』とはなんだろう。
液体型宇宙人とか世界征服の為に作られた秘密兵器とか色々アホな説も出ていて、それのどれもが眉唾で、ぶっちゃけ私はもうどうでもいい。
考えてもどうにかなるものではないからだ。
ちなみに生き残った、というよりも『海』に融けなかった人間は多少いる。
一つところに留まっていると『海』が津波のように押し寄せてくるため、今のところ少人数であちこちを移動するのが一番平和な暮らし方だ。
その人間達は、どんなに『海』に誘われても決して融けない。
いや、多分融けたいと思ったって無理なのだ。

これは仮説だが、私を含め彼らもまた、一人一人が変質した『海』なのではないかと思う。
彼らは液体ではないが、人の姿をしていない者も少なくない。
彼らは老いる事がない。彼らは、食べる必要がない。
彼らは、まるでおままごとのように、生活を繰り返す。

窓からクロが窓を割ってくれたので私達はそこから侵入した。湯は出ないが、蛇口を捻ったら水が流れ出す。セーラー服を脱ぎ捨てると、冷たい水のシャワーを浴びた。
足の間を丹念に流し、口もゆすいだ。
ダブルベッドの上で、クロが丸まっている。通常の大きさだとベッドを壊すので、今は虎かライオンぐらいのサイズである。
今まで色んな姿の者を見たが、クロのように架空の動物の姿をしているのははじめて見た。
獣のような四足、背中から生えた巨大な翼、鳥の頭。
ふかふかの羽毛で覆われたその身体は大きい。
グリフォンと呼ばれる怪物の姿によく似ている。彼は何故、この姿を選んだのか。
戦うためか。ただ飛ぶだけなら、鷹でもよかったし、勇壮な竜でもよかっただろうに。
尋ねてみたが、「気がついたらこの姿だった」という。
本人にも理由がわからないのかもしれない。
そういやクロは火が吐けます。火を吐くならやっぱドラゴンでいいと思う。

白い体毛なのに名前がクロなのもわからない。芸人でそういう名前の人がいたねと言ったらあんなピザではないと怒鳴られた。元の姿は太っていたのかもしれない。
私がいまだにこの姿をしているのかわからないのと同じだろう。
どこにでもいそうな平凡な少女の姿は、本来の姿ではない。
気がつけば、『海』に覆われた教室の中、一人立っていた。
自分の名は忘れた。家族や友達の記憶はあるが、家にどうやって帰ればいいのかわからない。
そこはどうやら女子高で、生徒なら確実に女子高生だろうし、同じ年頃だろう。
数年学校に暮らし、誰もいなくなった用務員室で寝泊りした。
学校で漁ったクラス名簿に今の顔はのっておらず、どれが元の自分なのかもわからなかった。
外に出ることにした。
あれから、どれぐらい立ったのか。もう、数えるのは止めた。

シャワーを浴びるとタオルを巻きつけ、もふもふとしたクロによりかかる。

「ねえクロ。起きてる?」
『寝てる』
「起きてよ」

クロの鼻面にキスをする。タオルを巻いただけのまだ濡れている身体をふわふわとしたクロの身体に押し付ける。クロの首に手を回し、何度もクロの鼻面にキスする。
うるさそうにクロが、嘴を半開きにした。そこに、舌を差し込む。
肉の塊のようなクロの舌が、こちらに絡んできた。
物を食べる必要がない。年を取らない。だけど、それじゃまるで幽霊だ。
一度クロの嘴の中から舌を抜くと、今度は自分の口を半開きにし、クロの嘴に顔を寄せた。
クロの大きな舌が入ってくる。
セックスだって全然必要じゃない。だけど、一人じゃさびしい。だから、クロといる。
誰かと同一になりたくなんてない。誰かと一緒にいたいのだ。だから、皆、誰かといる。
だから皆、『海』に融けなかったのだ、きっと。独立独歩で、死ぬ時は一人の海だけど、その時までは傍らに誰かと。

鉤爪が、肩をそっと掴んで、ふわふわした羽毛に抱きしめられる。
圧し掛かってきたグリフォンに胸の先端をちろりと舐められて、くすぐったさに少し笑った。
裸の体にクロはどこもかしこも気持ちがいい。軽く噛まれて、柔らかい肌から浅く血が吹き出る。こんなのも見た目だけの事で。本当は誰も彼も、あの青い『海』でしかないんじゃないかと思う。
足を開かされて、クロの肉厚の舌がそこをすりあげて舐め上げてくる感触がたまらなくいい。

「ん、ぁあ、あ…っ、いいよ、っ」

乱暴で少し痛いぐらいのその感触は、だが身体の中から熱い疼きを引き出していく。
ビチャビチャとたつその音は耳から犯されているようで、倒錯的なその感覚に震える。
もっと奥まで欲しい。身体を起こした。
クロに尻をむけ、獣のように四つんばいになって、足を開く。

「ね、クロ…」
『全く好きだよなお前』
「もお…クロだって好きじゃんエッチさあ!」

粘つく足の間に何かが当たる。その感触と、これから味わう快楽を期待して腰が揺れる。

「早くぅ…」

演技しなくても十分に滴るような甘ったれた声で、当てられたそれに自分の股をこすりつけた。
急に背中に重量が圧し掛かり、熱い感触が身体を割って侵入してきた。
圧迫感と巨大な質量が押し込まれて、思わず体が固くなる。
クロは構わずに背に鉤爪を立てながら体重を乗せ、一気に貫いてきた。

「あっ…んうぅ…っ」

ぬじゅっにちっにちにちにちっ
肉の軋む音が聞こえる。いつもながら、入りきるまでがつらい。圧迫感と痛みに、このまま裂けてしまうのではないかといつも考える。
何でこんなのと寝ようと思ったのか覚えてない。やけくそだったのかも知れないし、さびしかっただけなのかもしれない。クロが側にいるように、身体で釣っているだけかも。
何せ、この意識して装っている「女子高生キャラ」の他にはもう、何もないのだ。
どんな性格だったのかとか、どんな外見だったのかとか、どんな人間だったのかとか全部。
装ってたら本当にそのうちその通りの性格にならないかなと思っているが、今のところはどうも。
クロがぐいっと腰を引いてきた。ずずっと中の肉まで引きずり出されるような感触にシーツにしがみ付いて耐えた。
パァンと肉がぶつかる音がして、クロが腰をぶつけてくる。奥まで当たって「ヒァ!!」と悲鳴になった。どんどんと中でぶつかってくるクロの性器は大きすぎるし、形も肉のヒダがボコボコに連なっていてグロテスクで、だけど慣れてくると中をそのヒダがぐいぐいと擦ってくるのがはっきりわかるし、最後の方は気持ちよすぎて訳がわからなくなる。

「んあ、あっあぁ…っ」
『お前、ここらへんが好きだよな』
「うぁっやっらめぇ…っ!」
『ダメじゃないだろ、自分から腰振りやがって』

お腹の中から、擦り上げられたそこにもっと欲しくて、必死にクロの動きに腰を合わせる。
セックスは気持ちがいい。違う生物同士が、ぴったりと重なるのが気持ちがいい。
クロが激しく突いてきて、ギュウウっと鉤爪がさらに食い込んできて、痛いんだけどそれもジンジンして気持ちいい。多分私はちょっとMぽい。クロに首の後ろを噛まれるのが好きだ。
クロにやめてって泣いてお願いしながらめちゃくちゃに突かれるのが好きだ。
クロはわかっているから全然止めてもくれないし、痛いことも平気でする。
鉤爪が背から離れ、胸に食い込んできた。

「痛…ッ痛いよぉ……んんっ」
『痛いの好きだろう、このドM』
「ちがっちがう、もんっ」
『バーカ』
「ひっあっ痛い痛い痛い!!」

腹を引っかかれて、強引に頭を起こされた。髪を掴まれて、クロが無理やりキスしてくる。
痛くて気持ちいい。ぐちゃぐちゃとクロにかき回されながら、ベロリと背中を舐められてそのまま腰を抱えられて、思いっきり突かれた。

『く、う、出すぞ!!』
「だし…てぇ…!!」

ビュルっとお腹の中で、何かが弾けた。それは何度も何度もビクビクと跳ね上げながら、私の中で熱いものを吹き上げてた。




血と精液と抜け落ちた羽毛で汚れたシーツの上で、私達はゴロゴロしていた。
傷なんてすぐ治る。致命的な怪我をしたらそれはどうなるんだろうという好奇心はあるがさすがに死んだら嫌なので試した事はないが、セックス中の傷は本当すぐに治る。
下はべたつくが、生きた羽毛に包まって私はぬくぬくと丸まっていた。
セックスがなしでも、この羽毛だけでクロは私が側にいる価値のある生物だ。
本当ふこふこふかふかもっふもふなのである。あったかいし気持ちいい。

「次は、どこ行こうか」
『どこでもいい』
「もうちょい山越えてー、北海道の方まで飛べたりしない?」
『北海道行ってどうすんだよ、寒いぞ』
「スキーとか」
『俺が出来るかバカ』
「腹ばいになって滑り落ちれば天然のソリだよ」
『冷たいっつうの!』
「摩周湖って『海』かな?」
『でかいところは大抵『海』になってるな』
「あとー、そのうち太平洋越えて外国行きたい」
『どれだけの高度で飛べっていうんだお前!!』
「色々試そうよ、楽しいよ」
『お前はスーパーフライ級バカですね』
「えへへへ」
『褒めてないから』

クロとひとつになったらこんなふかふかが味わえなくなる。
それだけで、二人でいたい理由にならないだろうか。
全部あの『海』になるなんてもったいない。クロと、一緒にいたい。
死ぬ時は一人の海だけど、その時までは傍らにクロと。





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