触手男と少女 1-75様
寂れた港町にサナトリウムがある。
そこに少女が一人手が届きそうなほどの海を見つめてベッドに横たわっていた。
そこに少女が一人手が届きそうなほどの海を見つめてベッドに横たわっていた。
少女はある日、森に迷い込んで妖精と出会い、そして一緒に森の奥で遊んだのだ。
できたてのイチゴのジャムと引き換えに、少女は妖精たちと友達になった。
できたてのイチゴのジャムと引き換えに、少女は妖精たちと友達になった。
水や木に住む妖精と話せるようになった少女は彼らとの会話を運良く大人に見つからないでいた。
しかし、父親の船に乗ったある満月の晩、潮風の吹く甲板で傷ついた妖精を見つけて手当てをして――彼は人間の男性を少し上回るくらいの背丈で、いるかのような肌をしていた。
彼の口調が貴族の屋敷に奉公に出た少女の兄を思わせ、少女は周りを忘れてついうっかり話し込んでしまったのだ。
それを見ていた父親は、岸に着くとあっと言う間に少女をサナトリウム送りにした。
暗い甲板では、彼に巻かれた包帯は父親には見えなかったのだろう。
しかし、父親の船に乗ったある満月の晩、潮風の吹く甲板で傷ついた妖精を見つけて手当てをして――彼は人間の男性を少し上回るくらいの背丈で、いるかのような肌をしていた。
彼の口調が貴族の屋敷に奉公に出た少女の兄を思わせ、少女は周りを忘れてついうっかり話し込んでしまったのだ。
それを見ていた父親は、岸に着くとあっと言う間に少女をサナトリウム送りにした。
暗い甲板では、彼に巻かれた包帯は父親には見えなかったのだろう。
「いつになったら家へ帰れるのでしょう」
「あなたが変な幻覚を見なくなったらよ」
看護婦の言葉に少女はふくれた、幻覚だなんて失礼よね、と窓辺に座った風の妖精に問いかける。
「今日は塩水に濡れてないのね」
少女の目線を無視した看護婦は取り替えたシーツを見てそう呟いた。
少女はどきりとしたが知らないふりをして布団に顔をうずめた。
「抜け出して海に行くのは良いけれど、ちゃんと体を拭いてから寝てちょうだい」
さして興味も無さそうに看護婦は部屋を出た。
少女は窓から見える海を見つめた。
多分今夜、シーツは塩水に濡れるだろう。
満ち潮に乗って彼が海からやって来る日だから。
「あなたが変な幻覚を見なくなったらよ」
看護婦の言葉に少女はふくれた、幻覚だなんて失礼よね、と窓辺に座った風の妖精に問いかける。
「今日は塩水に濡れてないのね」
少女の目線を無視した看護婦は取り替えたシーツを見てそう呟いた。
少女はどきりとしたが知らないふりをして布団に顔をうずめた。
「抜け出して海に行くのは良いけれど、ちゃんと体を拭いてから寝てちょうだい」
さして興味も無さそうに看護婦は部屋を出た。
少女は窓から見える海を見つめた。
多分今夜、シーツは塩水に濡れるだろう。
満ち潮に乗って彼が海からやって来る日だから。
夜、窓を叩く音が聞こえた。
少女がベッドを降りる間もなく、銀色の液体はするりと隙間をすり抜けて部屋に入る。
「こんばんは、お久しぶりです」
「元気そうだな」
銀色の液体はまばたきの間に形を成して、少女の前に立っていた。
満月の晩、甲板で出会った彼だ。
蛇のような触手の腕をうねらせて、少女に近づく。
少女がベッドを降りる間もなく、銀色の液体はするりと隙間をすり抜けて部屋に入る。
「こんばんは、お久しぶりです」
「元気そうだな」
銀色の液体はまばたきの間に形を成して、少女の前に立っていた。
満月の晩、甲板で出会った彼だ。
蛇のような触手の腕をうねらせて、少女に近づく。
「具合はどうだ」
「どこも悪くないですよ」
唇を彼の指が掠める。
塩辛い、海の水の味が舌先に残った。
唇に触れた彼の指―正確には指ではなくてらてらと光る触手なのだが、―は少女のうなじをくすぐり、髪をあやして背中に潜り込んだ。
「ひゃっ…!」
「少々顔が赤いようだが」
うつむいた少女の顎に器用にも触手を添えて顔を覗き込む。
少女は少しの間息を止めて彼を見つめた。
もちろん彼は人間じゃない、表情は読めないし、体温は低い、キスも難しい口だ。
「ふ…」
少女の甘いため息を彼の口が拾う。
急な角度をつけないと、唇を傷つけてしまう、本当にキスの難しい口だ。
けれども、こうして満ち潮の度にするものだからいつの間にか慣れてしまった。
長いキスから解放された少女の唇が薄く開いた。
「…シーツが塩水でびしょびしょだって、怒られたんです」
「そうか」
ぷつんぷつんと寝間着の小さなボタンを彼は器用に外していく。
少女の肌に温められた触手は微妙な冷たいを保ったまま背中からわき腹、胸を撫でるように動いた。
「だから今日はもう…」
「お前の汗かもしれないだろう」
「そんな」
ぱさりと寝間着がベッドの下に落とされた。
肩を押されて、こてんとベッドに寝ころぶ格好になる。
するんと内股に触手が潜り込んだ。
「あ…」
困惑する少女の頭を、彼はまるで兄のように撫でる。
少女はついうっとりとしてしまってシーツをきゅうと握った。
「どこも悪くないですよ」
唇を彼の指が掠める。
塩辛い、海の水の味が舌先に残った。
唇に触れた彼の指―正確には指ではなくてらてらと光る触手なのだが、―は少女のうなじをくすぐり、髪をあやして背中に潜り込んだ。
「ひゃっ…!」
「少々顔が赤いようだが」
うつむいた少女の顎に器用にも触手を添えて顔を覗き込む。
少女は少しの間息を止めて彼を見つめた。
もちろん彼は人間じゃない、表情は読めないし、体温は低い、キスも難しい口だ。
「ふ…」
少女の甘いため息を彼の口が拾う。
急な角度をつけないと、唇を傷つけてしまう、本当にキスの難しい口だ。
けれども、こうして満ち潮の度にするものだからいつの間にか慣れてしまった。
長いキスから解放された少女の唇が薄く開いた。
「…シーツが塩水でびしょびしょだって、怒られたんです」
「そうか」
ぷつんぷつんと寝間着の小さなボタンを彼は器用に外していく。
少女の肌に温められた触手は微妙な冷たいを保ったまま背中からわき腹、胸を撫でるように動いた。
「だから今日はもう…」
「お前の汗かもしれないだろう」
「そんな」
ぱさりと寝間着がベッドの下に落とされた。
肩を押されて、こてんとベッドに寝ころぶ格好になる。
するんと内股に触手が潜り込んだ。
「あ…」
困惑する少女の頭を、彼はまるで兄のように撫でる。
少女はついうっとりとしてしまってシーツをきゅうと握った。
「あ…も、もう…は、ぁ…」
胸をやわやわと触手が締め付け、とろとろとした中には細い触手が二本くちゅくちゅと粘液をかき混ぜている。
「あぁ…!」
少女の細い背中がびくんと跳ねて、くたりとシーツに倒れ込んだ。
中途半端に達したせいか、肩がまだふるふると震えている。
「辛そうだな」
表情では分からないが、異形の男はニヤニヤと笑うようなニュアンスを言葉に含ませて少女を見下ろした。
少女は手探りで触手を愛おしそうに掴むと、小さく呟いた。
「も…限界、です…早く、ぁ…」
男は空いた方の、触手ではない方の手で少女の頭をくしゃりとあやすようになでた。
「シーツが濡れたら怒られるんじゃないのか?」
「で、でも…うぅ…」
「一度や二度で終わらないぞ」
はあぁ…と苦しそうに甘いため息をつくと少女は涙を拭ってもう一度男を見上げた。
「…お願い、します…何回でもいい、からぁっ…」
下腹部がきゅうと縮むような痛みに声を絞り出した。
男はよしよしと満足そうに呟くと、ころんと小さい体を仰向けにする。
恥ずかしそうにすりよせた膝を押し開き、人間のよりも大きいそれをあてがった。
胸をやわやわと触手が締め付け、とろとろとした中には細い触手が二本くちゅくちゅと粘液をかき混ぜている。
「あぁ…!」
少女の細い背中がびくんと跳ねて、くたりとシーツに倒れ込んだ。
中途半端に達したせいか、肩がまだふるふると震えている。
「辛そうだな」
表情では分からないが、異形の男はニヤニヤと笑うようなニュアンスを言葉に含ませて少女を見下ろした。
少女は手探りで触手を愛おしそうに掴むと、小さく呟いた。
「も…限界、です…早く、ぁ…」
男は空いた方の、触手ではない方の手で少女の頭をくしゃりとあやすようになでた。
「シーツが濡れたら怒られるんじゃないのか?」
「で、でも…うぅ…」
「一度や二度で終わらないぞ」
はあぁ…と苦しそうに甘いため息をつくと少女は涙を拭ってもう一度男を見上げた。
「…お願い、します…何回でもいい、からぁっ…」
下腹部がきゅうと縮むような痛みに声を絞り出した。
男はよしよしと満足そうに呟くと、ころんと小さい体を仰向けにする。
恥ずかしそうにすりよせた膝を押し開き、人間のよりも大きいそれをあてがった。
「ああぁあっ…!」
震えが頭からつま先まで走る。
浮いた細い腰に熱い滴がぽたぽたと伝った。
ぐちゅ、とゆっくり動かすと首の後ろに回された手にきゅうと力が込められる。
「も、もうこんなに…きもち…い、はぁ…あぁ!」
「じっくり可愛がった甲斐があった」
くく、と耳元で笑う声が少女のぼんやりとした頭に響いた。
この人の声は、胸がきゅうっとなる。
怖いぐらいとろんとした頭がかき乱されるような感覚に、ちょうど一番熱くどろどろしている所が反応してしまう。
「いや、…あぁあ…!」
「そうか、お前はここが好きだったな」
大きな手で頭を引き寄せられて、耳元で名前を呼ばれた。
体が熱くて寒くて、何も考えられなくなる。
「あ、あ、あ!あぁ、はぅ…あ、あ!」
ぐじゅぐじゅとかき回されて背中まで垂れた粘液がこすれる。
にゅる、と触手が背中を這ってまた小ぶりな胸に絡みついた。
「!あ、そこ、そこもやられた、らぁ…!だめ、ぉ…かしくなっちゃうぅ…!」
体中を攻められてもう何も考えられなくなって、自分がなんて叫んでるのかわからなかった。
「は、は…!も、う…あっ、あぁああ…!」
水に近いさらさらとした粘液がお腹を満たしていくのを少女は感じた。
ぼんやりとする頭の片隅で、明け方まで彼は何回するのだろうと考えていた。
震えが頭からつま先まで走る。
浮いた細い腰に熱い滴がぽたぽたと伝った。
ぐちゅ、とゆっくり動かすと首の後ろに回された手にきゅうと力が込められる。
「も、もうこんなに…きもち…い、はぁ…あぁ!」
「じっくり可愛がった甲斐があった」
くく、と耳元で笑う声が少女のぼんやりとした頭に響いた。
この人の声は、胸がきゅうっとなる。
怖いぐらいとろんとした頭がかき乱されるような感覚に、ちょうど一番熱くどろどろしている所が反応してしまう。
「いや、…あぁあ…!」
「そうか、お前はここが好きだったな」
大きな手で頭を引き寄せられて、耳元で名前を呼ばれた。
体が熱くて寒くて、何も考えられなくなる。
「あ、あ、あ!あぁ、はぅ…あ、あ!」
ぐじゅぐじゅとかき回されて背中まで垂れた粘液がこすれる。
にゅる、と触手が背中を這ってまた小ぶりな胸に絡みついた。
「!あ、そこ、そこもやられた、らぁ…!だめ、ぉ…かしくなっちゃうぅ…!」
体中を攻められてもう何も考えられなくなって、自分がなんて叫んでるのかわからなかった。
「は、は…!も、う…あっ、あぁああ…!」
水に近いさらさらとした粘液がお腹を満たしていくのを少女は感じた。
ぼんやりとする頭の片隅で、明け方まで彼は何回するのだろうと考えていた。
次の日の朝、じめっとした感触で少女はぼんやりした目で、弱い朝日が差し込む窓辺を見ていた。
体温でほんの少し渇いたシーツを感じながら少女は考えていた。
看護婦が来るまでに起きて寝間着を着ていないと、昨日の睦み事の跡をうまく隠せないな、と。
体温でほんの少し渇いたシーツを感じながら少女は考えていた。
看護婦が来るまでに起きて寝間着を着ていないと、昨日の睦み事の跡をうまく隠せないな、と。