車種名 | EX8 |
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クラス | C |
最高出力 | 250ps |
車体重量 | 1200kg |
パワーウェイトレシオ | 4.8 |
吸気形式 | 自然吸気 |
駆動方式 | FR |
入手金額 | 98,000 cr. |
0-100km/h加速 | xxx sec. |
最高速度 | xxx km/h |
メモ | 実用性とスポーティーさを両立。 最後のロータリー搭載スポーツカー |
記事は編集中です。
概要
元ネタ解説
マツダ・RX-8 Type-S (SE3P)
マツダがラリーに?と怪訝な顔をする諸氏もいるだろうが、実はマツダはかなり由緒正しいラリーメーカーなのである。グループB時代はSA型RX-7で戦い、来たるグループS(結局は中止となったが)のために3ローターエンジンを搭載した4WDのFC型RX-7を作っていたり、果敢にもグループAの覇者ランチアデルタに四駆とはいえパワー面では不利なテンロクの323(日本名:ファミリア)で挑んだり。由緒正しいどころか格上への下剋上を企てるほどの硬派なメーカーだったのである。にも関わらずイマイチ認知度が低いのはル・マンでの華々しい活躍の影に隠れがちなのか、それとも国産の他メーカーがラリーで活躍しすぎなのか…
マツダがラリーに?と怪訝な顔をする諸氏もいるだろうが、実はマツダはかなり由緒正しいラリーメーカーなのである。グループB時代はSA型RX-7で戦い、来たるグループS(結局は中止となったが)のために3ローターエンジンを搭載した4WDのFC型RX-7を作っていたり、果敢にもグループAの覇者ランチアデルタに四駆とはいえパワー面では不利なテンロクの323(日本名:ファミリア)で挑んだり。由緒正しいどころか格上への下剋上を企てるほどの硬派なメーカーだったのである。にも関わらずイマイチ認知度が低いのはル・マンでの華々しい活躍の影に隠れがちなのか、それとも国産の他メーカーがラリーで活躍しすぎなのか…
マツダは1967年、一台のスポーツクーペを発売。流麗なスタイルと特徴的なエンジンを有するその車の名前は、コスモスポーツ。その特徴的なエンジンこそがロータリーエンジンである。ロータリーエンジンはドイツのF.ヴァンケルが発明した非常に特殊な構造のエンジンで、おにぎりと形容される三角形に近い形のローターがハウジングの中を回転し、その回転をそのまま出力する機構である。通常のエンジンのような爆発→ピストンの往復運動→回転運動という機構ではなく爆発→回転運動とダイレクトに交換できるため小型化が可能で、小排気量でも大パワーを得ることができる。その反面、燃焼室に対して表面積が大きくなりやすく、燃焼効率は低下しがちなので燃費はよくない。そんなロータリーエンジンを本家NSUに続いて実用化し、継続して市販車に採用し続けたほぼ唯一のメーカー(*1)が東洋工業、のちのマツダであったのだ。
マツダはこの後様々な車種にロータリーエンジンを搭載。国内ではそれぞれの車種に名前が振られていたが、輸出モデルには統一してある名称が用いられていた。それが「RX」の名である。RX-2「カペラ」、RX-3「サバンナ」、RX-4「ルーチェ(Ⅱ)」、RX-5「コスモ(Ⅱ)」、RX-9「ルーチェ(Ⅲ)」そして最も有名なのがRX-7「サバンナ」であろう。マツダはこうして、ロータリーエンジンを搭載した量産車を多く送り出してきたのである。その多くは2ローターであったが、例外として3ローターエンジンを搭載したユーノスコスモがリリースされており、これは3ローターRE搭載の量産車として唯一の例(*2)となっている。
時代は移り変わり、マツダはフォード傘下の企業となる。2002年、排ガス規制を理由にRX-7が生産を終了。マツダはRX-7に代わる新たなスポーツモデルを開発していたが、親会社であるフォードからはある条件が提示されていた。米国での保険の関係などから4ドアでなければならなかったのである。しかし、安易に4ドアセダンにしてしまえば車体は大きく、重くなり、RX-7のような軽快なピュアスポーツといった味を損なってしまう。ロータリーエンジンならではのコンパクトさ、そしてそれを生かした軽快さを失うわけにはいかない。そこでマツダが採用したのが観音開きのドアであった。こうすることで車体のサイズを抑えつつ、フォード側の4ドアという条件もクリアしたのである。横から見たスタイリングは丸みを帯びていながらも4ドアであることを感じさせないスタイリッシュな仕上がりとなっているのが分かる。
エンジンはRX-7と型番こそ同じ13Bであるが、排気ポートをサイドに移設するなどの改良を行なった「RENESIS」を搭載。燃費の向上や低速トルクの改善が図られた。過給機は搭載されていないもののカタログ値で最大250馬力と、初期の13Bターボ搭載のFD型RX-7(255馬力)にも劣らない仕上がりとなっている。レブリミットは驚異の9,000rpmと、ロータリーエンジンらしい吹け上がりを実現した。もっとも、改良を行ったとはいえ、サイドポート化によって水温が上がりやすくなったり燃焼室に煤が溜まりやすくなるといった新たな問題も発生したようだが。
RX-8に関するエピソードとして、この車をベースとする水素燃料を用いたロータリーエンジンの車両が開発されたことも挙げられる。水素ロータリー搭載のRX-8は、公用車や海外での実験向けのリース車両として極小数存在する。RX-8 ハイドロジェンREと呼ばれるこの車両は水素とガソリンを切り替えて使用出来るデュアルフューエル仕様となっており、水素使用時は出力が半分程度になるが街乗りには問題ない出力が確保されている。ロータリーエンジンは構造上吸気室と燃焼室が分かれている上、高温になる排気バルブも存在しないためバックファイア等の異常着火が発生しない事や大型のインジェクターを設置しやすい等の理由から水素燃料との相性に優れるとされている。また、ガソリン車とのエンジンの共通性も非常に高いため低コストで信頼性に優れるという特徴があるのだ。
様々な制約を受けつつもそれぞれの落とし所を見極めて「ファミリーカー」「スポーツカー」を両立して2003年にリリースされたRX-8。この車は小改良を続けながら2013年まで10年の長きに渡って販売されるロングセラーモデルとなった。そしてこの車の生産終了によって、コスモから46年間途切れること販売されてきたマツダのロータリーエンジン搭載車両は、ついにカタログから姿を消したのであった。
マツダはこの後様々な車種にロータリーエンジンを搭載。国内ではそれぞれの車種に名前が振られていたが、輸出モデルには統一してある名称が用いられていた。それが「RX」の名である。RX-2「カペラ」、RX-3「サバンナ」、RX-4「ルーチェ(Ⅱ)」、RX-5「コスモ(Ⅱ)」、RX-9「ルーチェ(Ⅲ)」そして最も有名なのがRX-7「サバンナ」であろう。マツダはこうして、ロータリーエンジンを搭載した量産車を多く送り出してきたのである。その多くは2ローターであったが、例外として3ローターエンジンを搭載したユーノスコスモがリリースされており、これは3ローターRE搭載の量産車として唯一の例(*2)となっている。
時代は移り変わり、マツダはフォード傘下の企業となる。2002年、排ガス規制を理由にRX-7が生産を終了。マツダはRX-7に代わる新たなスポーツモデルを開発していたが、親会社であるフォードからはある条件が提示されていた。米国での保険の関係などから4ドアでなければならなかったのである。しかし、安易に4ドアセダンにしてしまえば車体は大きく、重くなり、RX-7のような軽快なピュアスポーツといった味を損なってしまう。ロータリーエンジンならではのコンパクトさ、そしてそれを生かした軽快さを失うわけにはいかない。そこでマツダが採用したのが観音開きのドアであった。こうすることで車体のサイズを抑えつつ、フォード側の4ドアという条件もクリアしたのである。横から見たスタイリングは丸みを帯びていながらも4ドアであることを感じさせないスタイリッシュな仕上がりとなっているのが分かる。
エンジンはRX-7と型番こそ同じ13Bであるが、排気ポートをサイドに移設するなどの改良を行なった「RENESIS」を搭載。燃費の向上や低速トルクの改善が図られた。過給機は搭載されていないもののカタログ値で最大250馬力と、初期の13Bターボ搭載のFD型RX-7(255馬力)にも劣らない仕上がりとなっている。レブリミットは驚異の9,000rpmと、ロータリーエンジンらしい吹け上がりを実現した。もっとも、改良を行ったとはいえ、サイドポート化によって水温が上がりやすくなったり燃焼室に煤が溜まりやすくなるといった新たな問題も発生したようだが。
RX-8に関するエピソードとして、この車をベースとする水素燃料を用いたロータリーエンジンの車両が開発されたことも挙げられる。水素ロータリー搭載のRX-8は、公用車や海外での実験向けのリース車両として極小数存在する。RX-8 ハイドロジェンREと呼ばれるこの車両は水素とガソリンを切り替えて使用出来るデュアルフューエル仕様となっており、水素使用時は出力が半分程度になるが街乗りには問題ない出力が確保されている。ロータリーエンジンは構造上吸気室と燃焼室が分かれている上、高温になる排気バルブも存在しないためバックファイア等の異常着火が発生しない事や大型のインジェクターを設置しやすい等の理由から水素燃料との相性に優れるとされている。また、ガソリン車とのエンジンの共通性も非常に高いため低コストで信頼性に優れるという特徴があるのだ。
様々な制約を受けつつもそれぞれの落とし所を見極めて「ファミリーカー」「スポーツカー」を両立して2003年にリリースされたRX-8。この車は小改良を続けながら2013年まで10年の長きに渡って販売されるロングセラーモデルとなった。そしてこの車の生産終了によって、コスモから46年間途切れること販売されてきたマツダのロータリーエンジン搭載車両は、ついにカタログから姿を消したのであった。
量産車へのロータリーエンジン搭載は終わってしまったが、マツダのロータリーエンジンへの挑戦は終わっていなかった。RX-8の生産終了から10年が経った2023年、マツダはMX-30でついに量産車へのロータリーエンジン採用を復活。シリーズ式ハイブリッドカーの発電機としてではあるが、マツダのロータリーエンジンの歴史は再び動き出したのだ。嬉しいことに、マツダはコンセプトカーの「RX-VISION」や「ICONIC-SP」などにもロータリーエンジンを採用。近年話題となっているカーボンニュートラルにもトヨタ、スバルと共に内燃機関での実現を目指す旨のコメントを公表し、電動化とともに今後もロータリーエンジンの研究、開発を進める姿勢を明らかにしている。マツダとそのロータリーエンジン搭載車の動向は、どうやら期待に胸を膨らませながら注視する必要がありそうだ。
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