「なんだっけ、古日本語で……シュンミンアカツキにオボえる?」
ガラスの先の風景を見て、蓬髪を雑に後ろでまとめた女性...名をエルティア・チェーティリー、カプスタット重工造船部門の部門長、兼、戦略兵器開発室長...が零す。
「春眠暁を覚えず、です。……学生の頃から相変わらずですね。」
その隣で、整った金髪の女性がため息とともにそう言ったのはユーリィ・ヴァン・ネスト。時のネストニア大統領。...日本の春の風景とは全然違う、なんて無粋なセリフは飲み込んだようだった。
「日本語だけはどうしても苦手でね……まぁボーダーピッタ維持で留年はしなかったし、いーじゃん?」
エルティアが頭の後ろに手を組みながらニカっと笑う。
「にしても、こんな気持ちのいい朝にこんな物騒なモンのテストするなんてねぇ...」
紅葉の葉が散る山の中で、二人の前に置かれていたのは内径300cm、全長83mの超大口径砲。白一色に染められた砲身の横には、「KI(カプスタット重工)」の文字とネストニアのラウンデルが描かれている。
その数百メートル先には、一辺60mのコンクリートの立方体。
「ここ20年で失われたネストニアの力を、取り戻さないといけないんです。」
「私は政治には興味ないよ。限界を見てみたいだけ。」
「そう言うと思っていました。...懐かしいですね。」
高校時代の同級生二人が、まるでその頃に戻ったかのように、そう言うにはあまりに仰々しいモノの前で談笑していた。
「室長、大統領。発射準備が整いました。」
そんな声で二人は我に返り、同級生ではなく一国の長と一介の科学者に戻った。
「ありがとうございます。...では、予定通りお願いします。」
先ほどの柔らかな笑顔とは違う、キッとした顔でそう言うユーリィ。
「目標照準合わせよし、装薬・弾頭ともに異常なし、射撃設定確認...0-128-4-15、よし!」
自らの手で指差し確認と部下への指示を飛ばすエルティア。
「カウントダウン開始!」
60(ゼクシュツィヒ)、59(フィアーツィヒノイン)、58(フィアーツィヒアスチュ)...カウントダウンが、進んでいく。
「残り10!」
「総員、対ショック防御!」
3(Þla/スラー)。
2(Dwehe/ドヴェー)。
1(Eun/オイン)。
0(Xegh/ゼフ)。
「onfë'pt!(撃て!)」
ガラスの先の風景を見て、蓬髪を雑に後ろでまとめた女性...名をエルティア・チェーティリー、カプスタット重工造船部門の部門長、兼、戦略兵器開発室長...が零す。
「春眠暁を覚えず、です。……学生の頃から相変わらずですね。」
その隣で、整った金髪の女性がため息とともにそう言ったのはユーリィ・ヴァン・ネスト。時のネストニア大統領。...日本の春の風景とは全然違う、なんて無粋なセリフは飲み込んだようだった。
「日本語だけはどうしても苦手でね……まぁボーダーピッタ維持で留年はしなかったし、いーじゃん?」
エルティアが頭の後ろに手を組みながらニカっと笑う。
「にしても、こんな気持ちのいい朝にこんな物騒なモンのテストするなんてねぇ...」
紅葉の葉が散る山の中で、二人の前に置かれていたのは内径300cm、全長83mの超大口径砲。白一色に染められた砲身の横には、「KI(カプスタット重工)」の文字とネストニアのラウンデルが描かれている。
その数百メートル先には、一辺60mのコンクリートの立方体。
「ここ20年で失われたネストニアの力を、取り戻さないといけないんです。」
「私は政治には興味ないよ。限界を見てみたいだけ。」
「そう言うと思っていました。...懐かしいですね。」
高校時代の同級生二人が、まるでその頃に戻ったかのように、そう言うにはあまりに仰々しいモノの前で談笑していた。
「室長、大統領。発射準備が整いました。」
そんな声で二人は我に返り、同級生ではなく一国の長と一介の科学者に戻った。
「ありがとうございます。...では、予定通りお願いします。」
先ほどの柔らかな笑顔とは違う、キッとした顔でそう言うユーリィ。
「目標照準合わせよし、装薬・弾頭ともに異常なし、射撃設定確認...0-128-4-15、よし!」
自らの手で指差し確認と部下への指示を飛ばすエルティア。
「カウントダウン開始!」
60(ゼクシュツィヒ)、59(フィアーツィヒノイン)、58(フィアーツィヒアスチュ)...カウントダウンが、進んでいく。
「残り10!」
「総員、対ショック防御!」
3(Þla/スラー)。
2(Dwehe/ドヴェー)。
1(Eun/オイン)。
0(Xegh/ゼフ)。
「onfë'pt!(撃て!)」
——轟音。
ガラス越しでもわかる、大きな衝撃と爆風。
先ほど二人の童心を掴んでいた紅葉は散り、一人は自国の圧倒的な力として、もう一人は自分たちの技術の結晶として破壊の光景を眺めていた。
「レーダーが麻痺しました!過大なエネルギーと大量の破片のせいで状況確認できません!」
「視界が悪く被害確認できません!」
「慌てるな、煙が晴れるまで待機!」
パニックになった部下をエルティアが制する。
...煙が晴れたとき、コンクリートの立方体は三分の一が消失していた。
ガラス越しでもわかる、大きな衝撃と爆風。
先ほど二人の童心を掴んでいた紅葉は散り、一人は自国の圧倒的な力として、もう一人は自分たちの技術の結晶として破壊の光景を眺めていた。
「レーダーが麻痺しました!過大なエネルギーと大量の破片のせいで状況確認できません!」
「視界が悪く被害確認できません!」
「慌てるな、煙が晴れるまで待機!」
パニックになった部下をエルティアが制する。
...煙が晴れたとき、コンクリートの立方体は三分の一が消失していた。