ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

小ネタ01

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だれでも歓迎! 編集


14-687@クロス先不明

突如起こった時空間の歪みにより起こった学園の一斉転移。
この異常事態に対抗するべく、彼らは手を取り合い、1つの組織が生み出された。

今回の騒動の大半を占める、学生たちの、学生たちによる、学生たちのための組織。
学園同士のトラブルや“外”からやってくる危険に対処するために作られた組織。

学園の垣根を超えて、学園の運営に関して極大の権限を与えられた最上級の生徒会。
略して…

「ええと、それでは極上生徒会第6回定例会議を始めたいと思います」

生徒会長の宣言と共に会合が始まる。

「ふむ…ではまず私から報告させてもらおう。“外”からの襲撃に関してだ」
ポニーテールの少女が立ち上がり、手にした報告書を読み上げる。
「今週に入ってからの襲撃は7回、うち5回は極上生徒会合同対策班の出撃で対処した。
 士魂号の出撃は2回。いずれも損傷軽微で戦闘を終了している。死者はなおも0を更新中だ」
元々の世界で“戦争”をやっていたと言う彼らの学園は、学生の傭兵部隊SEEDと並ぶ荒事担当である。

「じゃあ、次は俺が報告するぜ」
次に立ち上がったのは髪を真っ赤に染めた少年。
冒険者育成を目的とした学校に通う彼らはこの世界に点在するダンジョンの探索を行っている。
「俺も初めて聞いたときは驚いたんだが…どうやらダンジョンの中に“学園”があるらしい」
その報告に生徒会が一時騒然とする。
「どうもナツミが聞いてきた限りだと、その世界の学園は元々ダンジョンの中にある…と言うより世界そのものが全部ダンジョンって世界の出身らしい。
 それで、後でこっちから何人か交渉役を派遣したいから、輝明とエルクレストからスカウト以外の護衛を何人か出してくれ」
まだまだ増えていく“学園”の運営には話し合いが必須である。
初期に頻発したトラブルでその事が身にしみているからこそ、交渉には細心の注意を支払う姿勢が身についていた。

「えっと、じゃあ次は私でいいかな?」
次に立ち上がるの1人の少女。元の世界では錬金術を研究していたと言う彼らは主にアイテムの調達、生成の担当である。
「材料の方は全体的には割と余裕ある感じ。ただ赤系統がちょ~っと心もとないから、後で収集を頼むと思う。
 あ、それとハカセちゃんと光明ちゃんがまた新しく色々作ったから、試用試験を頼みたいって言ってたよ」
研究を主にしている学園のせいか、現在アカデミーは他校の生徒も含めた“研究者”の巣窟となっている。
爆発だの異臭騒ぎだのが日常茶飯事なせいか、騒ぎ立てる生徒もいなくて、やりやすいのだろう。
ちなみに今のところ、奇跡的に死者は出ていない…らしい。

「じゃあ次は…」
また1人の生徒が立ち上がり、報告を行う。
このようにして集まった報告は会議にかけられ、適正のある学園に“依頼”として購買にまわされる。
それが、極上生徒会定例会議のルールである。


年こそ近いが、生きてきた環境も、考え方も違う彼ら。だが、彼らには大きな共通項がある。

“いつか、無事に帰って卒業する”

という、皆に共通した願いが。


14-711@クロス先不明

「だ~か~ら~いい加減にしてくれって言ってんだろ!?」
輝明学園、理事長室にて、柊蓮司は目の前の理事長代理兼世界の守護者代理兼幼馴染、赤羽くれはに食ってかかっていた。
「え~いいじゃん。ど~せ人手はいくらあっても足んないんだし。ひ~らぎだって黙~ってボーっとするのは苦手でしょ?」
くれはの言葉にやれやれとばかりに首を振り、柊は返す。
「俺だってな…普通に仕事すんのは構わねえよ。こんなときに俺知らねとか言うつもりもねえ。だけどよ…」
一旦言葉を切り、ビシッと親指で指す。自分の姿を。
「この格好はねえだろよ!?」
紫のブレザーに紺のズボン、赤いネクタイとシャツにトレードマークの指抜きグローブ。腕に輝くのは『極上生徒会特別執行委員』の金文字。

そう、今の柊はどうみても、高校3年生です。本当にありがとうございました。

「はわ?すっごく似合ってると思うよ?生徒会のみんなとのバランスもばっちりだし。
 それにそれってアンゼロットさんが次のひ~らぎの任務のために用意したって言う特別製の呪錬制服だから防御力も高いんだよ?」
「あんの野郎っ!?」
思わずいまだに連絡の取れない世界の守護者を罵倒する柊。やりきれなかった。色んな意味で。

一応言っておけば、柊は卒業している。それは事実だ。ついでに任務でまた戻ってきた、なんてわけでもない。

ただちょっとラースフェリアを救って帰ってきたら自分の卒業証書がバラバラになっていて。
しかもそれが何故か輝明学園にあるダンジョンの最下層付近に散らばっていて。
それを集めるべくダンジョンに潜っている途中に事件に巻き込まれた。

ただそれだけなのだ。

それからと言うもの、異世界の学園とファーストコンタクトを果たしてみたり、全学園全滅の危機を救ったり、
生徒同士のトラブルを解決しているうちに、柊蓮司の名はかなり広まっていた。
最初にいくつかの学園の代表が集まって極上生徒会が発足したときに、真っ先にメンバーに加えるべきと満場一致で決まったのだ。

そんなわけで今の柊は極上生徒会から回ってくる危険な任務を専門で受ける、特別執行委員と言う立場におさまっていた。
そして理事長代理の(笑い混じりの)温かい配慮により、他の生徒会メンバーから浮かないように“特別な装備”が支給され、今に至る。
「いっそ3年のクラスに席用意しよっか?エリスちゃんとあかりんもひ~らぎなら大歓迎って言ってたし」
「それだけはやめてくれ!?」
そんな、輝明学園で何度繰り返されたか分からないやりとりは、今日も柊の負けで終わった。

…一方その頃。

「うん?ルーシーどうしたんだ?なんかずいぶんご機嫌に見えるけど?」
「ええ。実はとんでもない縁起物を見つけまして。ほら、これです」
「これ?なんか破かれた賞状の欠片に見えるんだが」
「そうですよ」
「そんなものが縁起物なのか?いや俺には普通の紙にしか見えないけど」
「ふう~。ユウキ、まだまだですね。このあふれださんばかりの幸運オーラが分からないとは。
 ものすごい幸運を秘めてます。世界の常識を覆えしかねないほどです。ここまで行くともはや幸運と言うより奇跡の塊ですね」
「ふ~ん。そんな凄いものなのか」
「ええ、しかも素晴らしいことにこれは“欠片”。第2第3の欠片が見つかるかも知れないし、全部そろったらとてつもない縁起物です。
 多分奉げれば世界だって救えますよ?」
「そこまで言うほどのものなのか」
「ええ。そう言うわけですからユウキも見つけたらぜひ譲って下さい。お願いします」
「おう。分かった。見つけたら持ってくるよ」
「頼みましたよ」

肝心の卒業証書は本人の預かり知らぬところで世界を救うための尊い犠牲となろうとしていたのだが、それはまた、別の話。



14-772@トリステイン魔法学校

「へえ…使い魔として1年も。それは大変でしたねー」
魔法使いの学校らしいから魔術師が適任だろう。
そんな理由で学園との交渉役としてやってきたマユリ=ヴァンスタインは日本から召喚されてきた少年と出会い、話をしていた。
「あ、ああ大変だった。大変だったんですよ?」
少年、平賀才人は相槌を打ちながら、ずいぶんとリラックスしているのに気づいた。

目の前の少女、“日本にある学園からやってきた少女”に話しかけられたのがついさっき(この学園には珍しい格好だったからだそうだ)
こう見えても高レベルの魔術師だと言う少女は、懐かしい故郷の食べ物、おにぎり(と言ったらおむすびですと訂正された)を差し出しながら、話しかけてきた。
学校まるごと転移してしまったと思ったら学園内にエルフが侵入したり(後で聞いたところによると別の学園の教師だったらしい)
見たことも無いモンスターが襲撃してきたり、それとルイズたちと一緒に戦っていたら剣を持った男がやってきて共闘したり、
それを裏で操っていたと言う黒幕の美少女と激戦を繰り広げたり…
ここ最近、心休まることが無かったサイトは少女の持つ“癒しの雰囲気”に随分と助けられていた。

だが、あるとき、その空気は即座に消え去った。
「ふう…ずっと話してたらちょっと暑くなっちゃいました」
そういって少女がずっと着ていた黒いコートを脱いだ瞬間に。

(で…でけえ!?)
それはサイトの知る褐色の少女やハーフエルフの少女のそれを比べればやや小さかった。
だが、幼い顔立ちの少女が持つには余りにも凶悪な代物だった。
そう、見た目からすれば少女は幼い、タバサよりはちょっと上、ルイズくらい、それぐらいの外見。
でも巨乳。ロリなのに、巨乳。
(これは…よいものだ)
「え?どうしたんですか突然頷いたりして?」
未知の領域にサイトは困惑しながらも確信を持って頷いた。

(それにしても…うまく行ってよかったです)
自分に向けられている視線には露ほども気づかず、マユリは話しながらも考える。
最初に他の学園と問題を起こした学校だと聞いて身構えていたが、一度分かり合えればいい人たちだった。
思えば目の前の少年と言う“異邦人”を受け入れていた、と言う土壌もプラスに働いていたかも知れない。
(これなら、輝明学園ともうまくやっていけそうですね)

そして、少年も少女も気づいていなかった。
「あんの馬鹿犬…エルフ女とねんごろかと思ったら今度はあんな子に…乳か、乳なのか!?所詮はおっぱい星人か!?」
「…大き過ぎると、早く、垂れる。将来性は私のが上」
「サイトさん…やっぱりヴァリエール嬢みたいな幼い子が好みなんですか…?」

彼らに向けられる、強烈な嫉妬の視線に。
このことが後にまぁたいらぬ騒動を起こすのだが、それはまた、別の話。


14-773 導入@暗黒不思議学園

「さて皆さん。理事長の座を私に譲ってください」

暗黒不思議学園理事長・リジィの宣告が統合学園内に嵐を巻き起こす。
20歳にも満たないヒッキーな小娘が齢数百年を超えるものも珍しくないそうそうたる顔触れに対して
私の下につけ、と命じたのである。素直に通るわけもない。

だが、リジィにとってこれはどうしても必要なことであった。自分がその集団のトップでなければ「国王」
でなくなってしまうのだ。(「国王」が3人いる国家があったとも伝えられるが、一瞬で崩壊したことが多頭
制による国家運営の難しさを語っていよう)
父をその手にかけてまで守り通した学園の主導権を他人の手に渡すわけにはいかない。また、この学園
の理事長に自分がなったならば、自国は「列強」となる。しかも国民数・逸材の数・国土の面積、いずれを
みても4大列強をも上回る大国である。「自国を列強とする」ことを目的とするあの騎士の目標も達成され、
帰ってくるだろう。

この要求はこれまでお互いの主導権を棚上げすることで保たれてきたバランスを大きく揺るがせることと
なった。肩書き的に理事長がトップなのであるが、理事長が存在せず学長がトップを務める学園もある。
理事長であるから学長より上、と肩書だけでマーリンやタンブルドアを下に置くことが許されるか?彼ら
自身が認めたとしてもその弟子たちは認めない。

とはいえ、実力行使による決着が好ましくないことは状況を鑑みれば当然である。結局、男塾塾長・江田島
平八の発案による、教育方針がもっともすぐれているものが最高理事長となることが妥当とされた。

最も優れた教育方針=最も優れた生徒たちを輩出した学園の長が頂点となるのである。

知力・体力・度胸の3本勝負による決定戦が今始まる!


14-790@神撫学園

 異世界に存在する複数の学園の転移。
 非現実的な出来事に混乱することもあり、落ち着けるまでに、各学園の生徒会などが尽力を注いだ。
 学園間でのトラブル、魔物の出現などは勿論、常識の違いなど様々な弊害が起きることもあった。

「それはそれとして、我々にとっても懸念すべき事項がある」
 神撫学園論説部部長、黒河雲母はそう切り出した。
「学食のこと? それは重要なこと」
「御木津、真剣な話し合いの最中は食欲の思考を外せ」
「どこの学食も美味だった。異世界とはいえ、やはりどの学園も学食は置くべき」
「そんな話はしていない」
 妙に騒がしく狭い一室――論説部。
 部活から成り上がり、生徒会として活動を始めた経歴から狭い部室が生徒会室になっている。
 恐らく神撫学園以外の人間で、ここが生徒代表の部屋と思う人間はまず居ないだろう。
 もっとも表記は『星徒会』なのであるが。
「で、部長は何を言いたいんだ?」
 気を取り直すように赤髪の青年、朱島歩武が尋ねる。
「よく訊いてくれた。他の学園にも関わる――調査についてだ」
「他の学園ともトラブルが起きてるもんね。魔法とかイベントとか実験とか爆発もあったし」
 ピンク髪の星徒会長、翠下弓那がしみじみと頷く。彼女も学園間の事件を解決する日々に追われていた。

「形は我々の世界に近くとも魔法やらが当たり前の世界や、常識も全く違う世界なども転移しているからな……
そうした事件が起きるのは必然かもしれん」
「確かに輝明学園の学食に行ったら、チョコレートが暴れてた。頂いたら個性的な味で、活きは良かったけど美味しくなかった」
「何だそれ、そもそもチョコが暴れる? 活きがいい?」
 青髪の少女、御木津藍の言葉に歩武は首を傾げた。
「渡された資料の上だけでは分からないこともある。そこで私と御木津は学園転移や他学園の調査。
弓那は神撫学園の代表として他学園との会議。歩武、お前はこの生徒に付いて行き魔物退治等をしてほしい」
 雲母は一枚の写真をテーブルに置く。
 写っていたのは、学園ダンジョン内に出現した魔物と剣で戦う青年の姿だった。
「えーと、この人って下がる人よね?」
「輝明学園"一応"卒業生、柊蓮司。輝明学園のトラブルシューター……通称、下がる男」
 弓那の説明にならない説明を藍が補足する。
「魔物退治と調査、どういう関わりがあるんだ?」

「こちらの方が重要でな……実はダンジョンで『異空体』らしき目撃情報があった」
 『異空体』、雲母の放った言葉に三人が反応する。
 異空体は、破壊意思を持つ怪獣のようなものだ。彼らの世界では既に滅んだはずだが、それらしき物がダンジョンに出現した。
 雲母が言うにはそういう事らしい。
「私達の力――イシリアルに呼ばれた奴が居たのか、何か原因があるのか、エミュレイターとやらの見間違いかは知らんが、
仮に異空体が現れたなら、殲滅の必要がある」
「本物の異空体なら、生徒会の議題に挙げる。違うなら黙る。部長はそういう意見?」
「何か遭ってからでは遅いが、確証もなく悪戯に情報を流すものでもない。そう考えての判断だ。歩武は執行部に同行し、
情報の虚偽を調べてもらいたい」
「あたしとしては直接ダンジョンに乗り込みたいけど……」
「いや、ただでさえ弓那は仕事溜め込んでるから、それはマズいって」
「この場合弓那よりフットワークの軽い歩武や、執行部の柊蓮司のような者に任せた方がいい」
 神撫学園星徒会は弓那によって成立している。何かあれば面倒ごとが増えるのは目に見えていた。
 雲母の言葉が伝わったのか、弓那も不承不承という風だが納得したようだ。
 歩武も柊に興味があった。輝明学園で抜きん出た知名度がある人間だ。興味が出ないはずもない。
 恐らく、自分と同じ厄介事体質という連帯感も内に含まれているだろうが。



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