クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ

登録日:2025/09/01 Mon 02:25:30
更新日:2025/09/19 Fri 07:35:56
所要時間:約 9 分で読めるゾ


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目覚めよ!インドパワー!


『クレヨンしんちゃん 超華麗(カレー)!灼熱のカスカベダンサーズ』とは、2025年8月8日に公開された映画『クレヨンしんちゃん』シリーズの第32作。
上映時間は106分。

前作『オラたちの恐竜日記
次作『なんかヨーカイ?


概要

監督&脚本は『もののけニンジャ珍風伝』以来となる橋本昌和・うえのきみこのゴールデンコンビ。

今回の舞台は、世界一の人口*1を誇るインド
インド映画と言えば、大ヒットを飛ばした『RRR』のように歌って踊ってアクション満載という印象だが、本作もそんな要素をふんだんに取り入れており、しんのすけ達が歌って踊る場面が多数散りばめられている。
挿入歌は10曲と歴代最多で、懐かしの『オラはにんきもの』のアレンジバージョンをはじめ、ゲスト声優陣も巻き込んで歌唱するのが見所。

そして、最大の特徴は今までいぶし銀的な役どころが多かったボーちゃんが初の主演となっていること。
原作でも家族構成などの多くが謎になっているボーちゃんやゲストヒロインのアリアーナを通し、「その人の何を知っているんだろう?」という深いテーマが描かれている。


【あらすじ】

春日部とインドの都市・ハガシミール州ムシバイの姉妹都市締結を記念し、優勝するとインドへ招待されるというダンス大会に出場したかすかべ防衛隊。見事優勝し、一同は野原家の面々や園長先生と共にインドに降り立つ。

インドを満喫する一行だったが、しんのすけとボーちゃんが雑貨屋の奥で発見した鼻の形をしたリュックを購入した際、そのリュックに刺さっていた紙をボーちゃんが鼻に挿したことで事態が急変。ボーちゃんがいつもと違う機敏な動きを見せたばかりか、突風を巻き起こすほどの力を身に着けたのだ。
そこに駆け付けたインド警察の刑事・カビールとディルによると、ボーちゃんが挿した紙は欲望を叶えるため、挿した者を暴君に変えてしまう邪悪なものなのだという。

ボーちゃんの鼻から紙を抜こうとするかすかべ防衛隊だが、ボーちゃんが起こした突風によりしんのすけ、マサオくん、シロが列車から落ちてしまった。
見知らぬ街に流れ着いたしんのすけ、そしてかすかべ防衛隊は、果たしてボーちゃんを止め、友情を取り戻すことができるのか!?


【登場人物】

〔レギュラー陣〕

野原しんのすけ(声:小林由美子
おなじみ主人公。
ダンスミュージカルでの役どころは大きなスプーンを持った勇者。
歌唱曲は『オラはにんきもの 〜インドバージョン〜』。

インドを観光中にボーちゃんと入った雑貨屋の奥で、がかかったクローゼットの中から鼻型のリュックを発見し購入。
「ハナジェリーナ・ジョリー」と名付けて可愛がっていたが、これのせいで今回の大事件が巻き起こることに……。

列車上での戦いで飛ばされた際、川に浮いていた小舟に落下し、気を失ってしまう。
目覚めた時には見知らぬ街の川辺に流れ着いていたが、親切なインドの人々の助けを借りながらたくましく行動する。

ボーちゃん/ボーくん(声:佐藤智恵)
今回のもう一人の主人公。
ダンスミュージカルでの役どころは鼻水を矢にする弓使い。何それ当たりたくない。
歌唱曲は『THIS IS ボ!』。

インドに着いてすぐに発見した、二つに割れたハート型の石をしんのすけと分け合う。
しかし、しんのすけが購入したリュックから飛び出ていた邪悪な紙の誘惑を受け、紙を鼻に詰めたことで「暴君(ボーくん)」と化してしまった!
これにより身体能力が大幅に向上し、鼻息で突風を放つようになる。また頭脳も普段より冴え渡り、スゴイキューブも巧みに活用する。

とはいえ暴君と化した後もあくまで「みんなでダンスフェスに出場する」という欲望のため行動し、その準備を整えていた。
だが、ダンスに参加しようとしないみんなを無理矢理踊らせるべく、キラービースト軍団を使って追い詰めていき……。

風間トオル(声:真柴摩利)
しんのすけの大親友。
今回の旅行のきっかけとなった「カスカベキッズエンタメフェスティバル」への参加の言い出しっぺでもある。
ダンスミュージカルでの役どころは魔法使い。

列車での戦いではディルに助けられ、落下を免れる。
ネネちゃんと共にウルフ城に連行され、珍しく二人だけで行動することに。

桜田ネネ(声:林玉緒)
防衛隊の紅一点。
ダンスミュージカルでの役どころはウサギ型の剣を使う女剣士。

風間くんと共にウルフ城に連行され、二人で暴君化したボーちゃんに立ち向かう。

佐藤マサオ(声:一龍斎貞友)
防衛隊のオニギリ。
ダンスミュージカルでの役どころはオニギリ型のを使う戦士。

ハナジェリーナ・ジョリーから出ていた邪悪な紙を最初に目にし、「強くなりたい」欲望を持っていたために誘惑されるが、紙を取れなかったため暴君化せずに済む。
その後シロと共に列車から落とされ、知らない街中で怯えることに。おまけに野犬の群れに襲われる窮地に陥る中、助けてくれたシロを「シロパイセン」と呼び慕いながら一緒に行動する。

シロ(声:真柴摩利)
名犬。今回も野原家の一員として連れてきてもらえた。検疫大変そう。
青地にチェック柄のスカーフを首に巻いている。

マサオくんもろとも列車から落ち、見知らぬ異国の街を彷徨うハメになるも、野犬の群れに襲われた際はマサオくんを護るため戦う姿を見せる。

野原ひろし(声:森川智之
他の保護者の都合がつかなかったためか、仕事を休んでかすかべ防衛隊の引率役として同行。
風間くん、ネネちゃんと共にウルフ城に連行され、ひたすらカレー用のタマネギを切らされる。
脱出後はみさえと共に子供達を救出すべく奮闘するが、頼みの綱の最臭兵器「靴下」が効かないというまさかの窮地に立たされてしまい……。

歌唱曲はトム・クルーズ主演映画『トップガン』のテーマ曲『Danger Zone』。
なお、ひろし役の森川氏はトム・クルーズの専属吹替声優である。

野原みさえ(声:ならはしみき)
かすかべ防衛隊の引率役として同行。来られなかったかすかべ防衛隊のママ達に撮影した写真を送って報告している。
歌唱曲は『野原みさえが通る』。

マサオくんに続いて邪悪な紙に「ナイスバディのスーパー主婦になる」欲望で誘惑されるも、やはり紙を取れず暴君化せずに済んだ。
後半のウルフ城での戦いでは珍しく髪型を変えるシーンも。

野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
しんのすけの妹。今回は活躍は少なめ。

園長先生(声:森田順平)
おなじみ怖い顔の組長園長先生。
かすかべ防衛隊の引率役として野原一家に同行するも、ボーちゃんが暴君化した後、アハーンと共に発車してしまった列車に置いて行かれてしまう。
終盤で合流し、その頃にはアハーンと友情を育みワイルドな姿になっていた。

〔ゲストキャラ〕

アリアーナ(声:瀬戸麻沙美
今作のゲストヒロイン。
昨年のダンスフェスに出場して人気になった、笑顔がかわいい歌姫。一人で街を彷徨っていたしんのすけと知り合い、事件に巻き込まれる。
歌唱曲は『笑顔の形』。

日本のアニメが好きで日本語も堪能。
特に『ブリブリキュア』という女児向けアニメの大ファンで、ひまわりと一緒に視聴しているしんのすけと意気投合する。
ちなみに『ブリブリキュア』の映像が流れるシーンは思いっきり本家を意識した変身シーンに『クレしん』らしさを足したものとなっていて必見。同じテレビ朝日系列ゆえにできたお遊びだろう*2

一方、笑顔の自分だけ(・・)を見る周囲にプレッシャーを感じており、素の自分を出せないことに苛立ってもいる。

カビール(声:山寺宏一
インド警察・機密未解決怪奇事件特殊捜査班の刑事。
フルネームは「カビールカッチャパパルパッカパパルカッチャパパルパッカパーパル」と物凄く長いので、いつもは単にカビールとのみ名乗る。
歌唱曲は『インドパワー120%』。

インド14億5000万人の頂点に立つトップエリートで、鋭い推理力を持つ。
さらに歌って踊ることで自らをパワーアップさせるインドパワーの使い手でもあり、戦闘能力も非常に高い。
邪悪な紙を相棒のディルと共に追っており、ボーちゃんから紙を抜くためしんのすけ達と共闘する。

ディル(声:速水奨
カビールの相棒で、彼をアニキと呼び慕う同じくインド警察・機密ry所属の刑事。
歌唱曲はやはり『インドパワー120%』。

推理面ではカビールに依存しているがディルもまた優秀で、潜入捜査もお手の物。
列車上での戦いの際には、飛ばされた風間くんとネネちゃんを救け、自らはタンクローリーに突っ込んで爆発の中に消えてしまうが……!?

ウルフ(声:賀来賢人)
本作の一応悪役。
歌唱曲は『ザ ウルフ』。

一兆円を「はした金」とのたまうほどの金持ちで、巨大な城を所有している。
他にも下記のスゴイキューブを開発させたり、自家用飛行機や巨大ドローン、ロボット「キラービースト」の軍団などを持ったりしている。

また、自分の相棒に相応しい「強き者」を探してもいたところ、ラーテルを倒したボーくんを見込んで自分の相棒にしようとする。
しかしボーくんの眼中にはなく、たびたび拳を合わせようと突き出してはスルーされていた。
そこでボーくんの欲望を叶えるため財力を惜しみなく発揮し、ダンスフェスの主催権を買い取ってしまい……?

スゴイキューブ(声:日髙のり子
ウルフが一兆円をかけて開発させた、球体の中にルービックキューブが浮かぶコンピュータ。
周囲に立体映像のキーボードやスクリーンを投影したり、Siriなどのように音声認識とAIで質問に答えたりするなど多彩な機能を有する。

ウフンアハーン(声:小峠英二(バイきんぐ))
今回の芸人枠その1。
一行のガイド役だが、「uh-hum(アハーン)」としか返事をしない謎の人。
園長先生と共に置いて行かれるが、合流するまでの道中で彼と友情を育み、「ブンタ・タカクーラ」と本名で呼ぶ仲に。

フラグタテルデー(声:宝亀克寿)
ハナジェリーナ・ジョリーが置いてあった雑貨屋の店主。
当初はカビールとディルに在処を聞かれても知らぬ存ぜぬを決め込んでいたが、歌って踊る二人に誘われてミュージカルに参加してしまったノリの良い人。

バイト君(声:西村瑞樹(バイきんぐ))
芸人枠その2。
読んで字のごとくフラグタテルデーの店のバイト。
あまりやる気がないらしく、邪悪な紙の伝説も知らなかったためしんのすけに売ってしまった。

ラーテル(声:坂本千夏)
ウルフが自分の相棒とするために捕まえた最強の動物(実在。詳細は個別記事参照)。別名ミツアナグマ。
背中の装甲はライオンの牙すら通さず、「世界一恐れを知らない動物」としてギネス認定されている。

獰猛だったが、ボーくんに敗北した後は彼のペットとなる。
ちなみに担当声優の坂本千夏氏は、「ラーテルの声が分からなかったので、己の中の野生を爆発させた」と語っている。



【余談】

  • 新婚旅行ハリケーン』以来6作ぶり、かつ2020年代公開作品としては初めて海外を舞台にしている。
  • 今作のためにインドへの取材旅行も行われており、パンフレットに様子が収録されている。
  • すき家とのコラボで「灼熱の焼きハンバーグカレー」「灼熱の焼きカレー」が提供された。
  • 刑事コンビの声優は『ブタのヒヅメ大作戦』にも揃って出演した実績を持つ。速水氏は同作以来で山寺氏は『カスカベ野生王国』以来、劇しんにはお久しぶりぶりの参加。
    ちなみに速水氏は同年公開のこちらの作品でも刑事役を演じている。


追記・修正はカレーを食べてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\華麗!/

最終更新:2025年09月19日 07:35

*1 2025年現在約14億人。これまで最多だった中国の13億人を2023年に上回った。

*2 なお、瀬戸氏は元ネタのアニメでこの人役である。