作品情報
クロス元 | アルシャードガイア |
---|---|
作者 | 24-930 |
紅と蒼と黒の円舞曲
――――この話は、ある少女が言い争う二人の男に声をかけたことから始まる。
「やれやれ、とんでもないことになったな」
「まったくだ。まさかこんな異世界に押し流されて、そこにいた訳わかんねぇ怪物と戦うはめになるたぁな」
「――そもそもこうなった原因は、あの時貴様がもたついたからだと思うんだが」
「まったくだ。まさかこんな異世界に押し流されて、そこにいた訳わかんねぇ怪物と戦うはめになるたぁな」
「――そもそもこうなった原因は、あの時貴様がもたついたからだと思うんだが」
「……あの~。ちょっといいですか~?」
「なんでそーなんだよ! それを言うなら兄ちゃんが何もないとこでつまづいたのがわりーんじゃねーか!」
「つまづいてなんかない! 大体だな。貴様、不良世界とかいう場所に行ったのは、そんなつまらん言い訳の仕方を学ぶためか!?」
「それを言うなら! わざわざウィーンからポリネシアにまで行った成果が、死ヌほど怪しい格好になることだってんなら、行く必要なんてねーじゃねーか!?」
「つまづいてなんかない! 大体だな。貴様、不良世界とかいう場所に行ったのは、そんなつまらん言い訳の仕方を学ぶためか!?」
「それを言うなら! わざわざウィーンからポリネシアにまで行った成果が、死ヌほど怪しい格好になることだってんなら、行く必要なんてねーじゃねーか!?」
「すいませ~ん。もしも~し?」
「まったく、貴様のようなだらしない奴が我が弟、そして茉莉の兄だなどと、嘆かわしい」
「そっちこそ! お前のような変態が兄貴だなんて、茉莉が可哀相だぜ」
「なんだと貴様ぁ! どうやら貴様とは、本気で決着をつける必要があるようだな!」
「奇遇だなバカ兄貴。俺も同じ事を考えてたとこだ!」
「そっちこそ! お前のような変態が兄貴だなんて、茉莉が可哀相だぜ」
「なんだと貴様ぁ! どうやら貴様とは、本気で決着をつける必要があるようだな!」
「奇遇だなバカ兄貴。俺も同じ事を考えてたとこだ!」
「お取り込み中のところすいませんが……」
「「やかましいっっ!!」」
「はひーーーっ!!」
――――これは、ありえないはずの偶然が作り出す物語。
その日、アンゼロットに仕える少女、神田和泉はいかなる偶然か、次元を超えてやってきたという兄弟に出会う。
宮沢虎吾郎と宮沢竜一郎の二人は、ある事件を解決した際に発生した次元の隙間に飲み込まれたのだという。
そして、二人の妹――宮沢茉莉もまた、同じように巻き込まれたのだ、と。
かくして和泉は、強制的に二人の手伝いをさせられることになる。
宮沢虎吾郎と宮沢竜一郎の二人は、ある事件を解決した際に発生した次元の隙間に飲み込まれたのだという。
そして、二人の妹――宮沢茉莉もまた、同じように巻き込まれたのだ、と。
かくして和泉は、強制的に二人の手伝いをさせられることになる。
その頃、いつものように柊蓮司は、アンゼロットの命である任務に就いていた。
それは、数日前に突如出現した、正体不明の漆黒の魔剣士の討伐。
恐るべき強さを見せる侵魔とも冥魔とも異なる敵を倒すため、柊は戦場に向かって一直線に落ちて――いや下がっていく。
ごくシンプルな任務なので、すぐにカタがつくだろう、と柊は思っていた。
だが――
それは、数日前に突如出現した、正体不明の漆黒の魔剣士の討伐。
恐るべき強さを見せる侵魔とも冥魔とも異なる敵を倒すため、柊は戦場に向かって一直線に落ちて――いや下がっていく。
ごくシンプルな任務なので、すぐにカタがつくだろう、と柊は思っていた。
だが――
『我は全てを滅ぼす者也』
殺意に満ちた言葉とともに、漆黒の剣士が振るう剣と、柊の魔剣がぶつかり合う。
その瞬間。柊はもうひとつの声を聞いた。
彼が聞いたことのある声。それも、この世界――ファー・ジ・アースにはいないはずの少女の声を。
殺意に満ちた言葉とともに、漆黒の剣士が振るう剣と、柊の魔剣がぶつかり合う。
その瞬間。柊はもうひとつの声を聞いた。
彼が聞いたことのある声。それも、この世界――ファー・ジ・アースにはいないはずの少女の声を。
(……お願……助け……柊……くん……)
「この声……! まさか、茉莉なのかっ!?」
「この声……! まさか、茉莉なのかっ!?」
宮沢茉莉は、『奈落』と呼ばれる闇に囚われていた。
もしこのまま放置すれば、彼女は心を飲み込まれ、完全に奈落の使徒と化すだろう。
事態の急変を知り、アンゼロットは柊を強制的に回収。
そして、異世界――ブルースフィアからの来訪者である宮沢兄弟とともに事件を解決するよう改めて柊と和泉に命じた。
しかし、4人が4人とも、強烈な個性を持っているがゆえに、すぐに打ち解けられるハズも無いワケで……
もしこのまま放置すれば、彼女は心を飲み込まれ、完全に奈落の使徒と化すだろう。
事態の急変を知り、アンゼロットは柊を強制的に回収。
そして、異世界――ブルースフィアからの来訪者である宮沢兄弟とともに事件を解決するよう改めて柊と和泉に命じた。
しかし、4人が4人とも、強烈な個性を持っているがゆえに、すぐに打ち解けられるハズも無いワケで……
「ああ、柊先輩と一緒の任務だなんて……感激です!!」
「ところで、どうして異世界にいるはずの君が茉莉と知り合うことができたのか、きっちり説明してもらえないかね?」
「兄ちゃん……何でウチの親父みたいなセリフを……?」
「説明次第では、三途の川を渡ってもらうことになるがね……!」
「だぁぁっ! 今はそんなことしてる場合じゃないだろ!」
「そうですよ! 柊先輩にひどい事しないでください!
大体柊先輩には、アンゼロット様や私の他にも、くれはさん、エリスさん、チハヤさん、ベルさん、他にもいろんな女の子がいるんですから!」
「このタイミングで何を言ってるんだ和泉ぃぃっ!!」
「ところで、どうして異世界にいるはずの君が茉莉と知り合うことができたのか、きっちり説明してもらえないかね?」
「兄ちゃん……何でウチの親父みたいなセリフを……?」
「説明次第では、三途の川を渡ってもらうことになるがね……!」
「だぁぁっ! 今はそんなことしてる場合じゃないだろ!」
「そうですよ! 柊先輩にひどい事しないでください!
大体柊先輩には、アンゼロット様や私の他にも、くれはさん、エリスさん、チハヤさん、ベルさん、他にもいろんな女の子がいるんですから!」
「このタイミングで何を言ってるんだ和泉ぃぃっ!!」
さまざまな紆余曲折の末、ついに奈落の魔剣士を見つけた4人。
だが、内部に茉莉が取り込まれている以上、自分を倒すことが出来ないことを奈落は理解していた。
そして、それを利用して柊達の攻撃をすり抜け、再び逃走する。
それも、魔剣で次元の壁を切り裂き、ファー・ジ・アースの外へと!
だが、内部に茉莉が取り込まれている以上、自分を倒すことが出来ないことを奈落は理解していた。
そして、それを利用して柊達の攻撃をすり抜け、再び逃走する。
それも、魔剣で次元の壁を切り裂き、ファー・ジ・アースの外へと!
奈落は、己の勝利を確信していた。
次元の壁を越えての逃走に成功した以上、これ以上自分を追うことなどできない。
あとは取り込んだ娘をじっくりと奈落の使徒に変えてしまえばいい。
時間はいくらでもある。心を絶望で埋め尽くしてやろう。
何も知らない奈落は、そんな未来を思い描いていた。
次元の壁を越えての逃走に成功した以上、これ以上自分を追うことなどできない。
あとは取り込んだ娘をじっくりと奈落の使徒に変えてしまえばいい。
時間はいくらでもある。心を絶望で埋め尽くしてやろう。
何も知らない奈落は、そんな未来を思い描いていた。
だが、その思惑はあっさり覆されることになる。
柊蓮司が用意した、『最後の切り札』によって。
それは――
柊蓮司が用意した、『最後の切り札』によって。
それは――
「柊先輩、何なんですかアレ?」
「HAーHAHAHA! 久シブリノ出番デース!」
「待て! どんなすっとこどっこいなヴァルキリーだよこいつはっ!?」
「オーウ! アナタカラ、女難ノおーらガ出テイマース! コレダケ女運ノ悪イ人ガ、ゴ主人様以外ニイルトハ、驚キデース!」
「てめーにンなこと言われる筋合いはないわぁぁぁあっ!!」
「バカ言ってる場合か!? 時間がないんだ! とっととレーヴァテインを起動させるぞ、ヴィオレット!」
「――イエス、マスター」
柊の命令を受けて、エセ外国人な口調をやめ、ヴィオレットは起動の言葉を口にする。
「――目覚めなさい、レーヴァテイン」
「HAーHAHAHA! 久シブリノ出番デース!」
「待て! どんなすっとこどっこいなヴァルキリーだよこいつはっ!?」
「オーウ! アナタカラ、女難ノおーらガ出テイマース! コレダケ女運ノ悪イ人ガ、ゴ主人様以外ニイルトハ、驚キデース!」
「てめーにンなこと言われる筋合いはないわぁぁぁあっ!!」
「バカ言ってる場合か!? 時間がないんだ! とっととレーヴァテインを起動させるぞ、ヴィオレット!」
「――イエス、マスター」
柊の命令を受けて、エセ外国人な口調をやめ、ヴィオレットは起動の言葉を口にする。
「――目覚めなさい、レーヴァテイン」
それは、2万年前の異世界で、柊蓮司を主として建造された超次元戦艦にして、異世界に消えた魔剣使いの少女の想いの結晶――レーヴァテイン。
柊達は、レーヴァテインに乗り、次元の壁を越える。
全ては、奈落の剣士を滅ぼすために。
そして、奈落に囚われた宮沢茉莉を救うために。
柊達は、レーヴァテインに乗り、次元の壁を越える。
全ては、奈落の剣士を滅ぼすために。
そして、奈落に囚われた宮沢茉莉を救うために。
――――これは、夜闇の魔法使いと蒼き星の探求者が織り成す、激闘と爆笑と奇跡の物語。
ナイトウィザード×アルシャードガイア(+α)
『紅と蒼と黒の円舞曲』(あかとあおとくろのワルツ)
20××年公開予定(?)
『紅と蒼と黒の円舞曲』(あかとあおとくろのワルツ)
20××年公開予定(?)
『馬鹿な! 何故貴様が蒼き星の力を……!?』
「この世界に、いや、どの世界にも、てめぇの居場所なんかねぇ! 茉莉は返してもらうぜ!!」
「この世界に、いや、どの世界にも、てめぇの居場所なんかねぇ! 茉莉は返してもらうぜ!!」
――――次元の門が開くとき、新たな奇跡が生まれる。
なお、本編は予告なくその内容が変更される場合があるので、あらかじめご了承下さい。