キューディ・ファン・ガビザコ
ガビザコ家の勢力規模は、序列では上のバイザス家以上で第1党のムーン家に次ぐが、キューディが経験不足な若輩の上、父ライン・ガビザコが先代当主であった皇帝の剣の役の際、マナリアード・ボーズル・ロックランにお膳立てされた北部連合軍にやすやすとリ・ラズルへ攻め込まれる、という失態で赤の軍団の統括より外され、序列も下げられている。
その為、逆恨みと威信回復のために手段を問わず活動(ギルダル・ドアーテ・ムーンナルの拝領の要求、バイザス家に任された戦士の抹殺に黄の軍団を使ってちょっかいを出し、未だ多くのガビザコ家郎党が属する赤の軍団の統制をかき回す等)している。
危険な野心家であった故、夫に始末された母親マレーナの血を色濃く受け継いだのか、キューディ自身も自分が帝国の「中心人物」であるべきと本気で考えているが、幼さを差し引いても異常に短気で、何かと癇癪(家具の破壊〜従者の殺害まで様々)を起こし、家中のみならず帝国上層部もその振る舞いに頭を悩ませている。
なお皇帝と黒竜の巫女は全く気にもしていないどころか、帝国の存亡がかかったジグナー領の戦いにおいて、(次代の皇帝としての覚醒を促すためにか?)そのまま敵軍が追撃してくる危険地帯から助け出さず放置するという、更にキューディを狂気の深淵へと引き寄せるような真似を行い、帝国二大巨頭の意図が分からずこの少年貴族を陰から見守っていたマーレル・ジーソゥを煩悶させた。
その効果があってか、連合軍との戦争の最中急激に成長し、只の暴君めいた性格から脱皮して(傲岸不遜な態度はあまり変わりがないものの)、状況の判断能力や指揮能力、協調性も次第に身に付けつつあり、さんざん迷惑や被害を被ったリインナ・デゾ・バイザスからもそこそこ評価を見直されている模様。