バトルフィーバーJの第50話

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バトルフィーバーJの第50話 - (2024/05/29 (水) 01:18:26) の1つ前との変更点

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暗黒武道「邪心流」の宗家・鬼 一角の屋敷に数名の忍者が忍び込んだ。 忍者たちが一角の部屋へ突入し、刀で布団を突くが、中には誰もいない。 忍者「いない!」「ううむ、逃したか!」 周囲を探す忍者たち。 その頭上から、あらかじめ天井に飛び上がっていた一角が落下する。 たちまちのうちに乱戦になる。 一角「何者だ!?」 忍者たちを率いる覆面男が、刀を手に一角と対峙。 覆面男は問答無用で切りかかっていく。 つばぜり合いの末、覆面男の刀を弾き飛ばす一角。だが次の瞬間、覆面男の眼から強力な光が発せられ、一角の目をくらませてしまう。 隙を突き、覆面男が右腕の鉤爪を一角の喉笛に突き刺した。崩れ落ちる一角。 それを認め、覆面男がおもむろに覆面を外す。男の正体は──秘密結社エゴスのヘッダー指揮官。 一角「ヘッダー…… なぜ、わしの命を……」 ヘッダー「先生と一度、真剣勝負がしたかった」 一角「勝つためには、手段を択ばぬ…… それが、邪心流の極意。見事であった……」 ヘッダーがとどめの一撃を見舞い、一角が力尽きる。 ヘッダーの高笑いが響く──。 #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){将軍を狙う&font(#000000){_}&br()&font(#000000){____}覆面鬼}}}&br()&br()|} エゴス本部── ヘッダー「サタンエゴス様、邪心流を究めて参りました」 サタンエゴス「お前の師・鬼 一角を超えたか」 ヘッダー「はい。鬼 一角先生は、倉間鉄山以上の実力者です」 サタンエゴス「倉間鉄山を斬れると申すのだな?」 ヘッダー「必ず!」 サタンエゴス「倉間鉄山はバトルフィーバーの頭脳だ。頭脳を斬れば後はガラクタ同然!」 ヘッダー「出発いたします」 サロメ「ヘッダー様」 女幹部サロメがヘッダーに2枚の写真を渡す。 サロメ「この2人──倉間将軍の武術の師・藤波白雲。また、これが兄弟弟子の尾上竜山です」 ヘッダー「フフフ…… 手始めにこやつから血祭りにあげてやる」 白雲の写真にヘッダーの鉤爪が突き刺さる。 山伏に扮したヘッダーとカットマンの一団が東京の街を行く。 一方、白雲が率いる流派「一光流」の道場では、白雲自ら子供たちに剣道を教えている。 白雲「ああ、やたらに竹刀を振り回してはいかん。相手の目を見て、相手の呼吸を読んで打ち込むんじゃ」 そこへヘッダーたちが入室。 ヘッダー「藤波白雲斎!」 白雲「なんだ、君たちは」 ヘッダー「邪心流の者だ」 白雲「邪心流? すると一角の……」 ヘッダー「左様。30年前、お前が破門した鬼 一角先生が編み出した流派だ」 白雲「もはや一角とは何の関係もない! 帰ってもらおう」 ヘッダー「鬼 一角先生は、一光流を恨みながら亡くなられた。先生に代わって、わしが恨みを晴らす!」 白雲が子供たちを促す。 白雲「危険だ。君たちは帰りなさい」 子供たち「はい!」 子供たちが全員退出するかしないかのうちに、ヘッダーが錫杖を振るって襲い掛かる。 竹刀で応戦する白雲。 一瞬の交錯で、白雲がヘッダーの錫杖を叩き落とす。 すかさず両眼を光らせるヘッダー。白雲がまぶしさに目を背けた隙を突き、ヘッダーの鉤爪が白雲を貫いた。 ヘッダーが白雲の亡骸に「邪心流 二代目鬼 一角 参上」の書置きを残して立ち去る。 しばらくして、鉄山が弔問のため一光流道場を訪れた。 白雲の弟子たちがむせび泣いている。 白雲の弟子「先生……」「私たちがいれば、こんなことには……」 竜山「倉間将軍、どうして今頃邪心流が!?」 鉄山「…………」 |鉄山将軍は、その時すでに、藤波白雲の死の向こうに、&br()何かどす黒い陰謀が渦巻いていることを感じ取っていた。| エゴス本部── サロメ「ヘッダー様は、藤波白雲の暗殺に成功いたしました」 サタンエゴス「そうか。倉間鉄山は、火のような行動力と水のような思考力を兼ね併せ持つ男。斬り合いに持ち込むにはまだまだ…… そろそろバトルフィーバーが動き出すぞ」 サロメ「はっ」 サタンエゴス「息子・オニヒゲ怪人よ、今ヘッダーが倉間鉄山暗殺計画を進めている。バトルフィーバーに邪魔させぬよう、身辺警護せよ!」 オニヒゲ怪人「承知!」 と言いつつも、オニヒゲ怪人は自分の髭の手入れに余念がない。 ビッグベイザー内の道場にて、バトルジャパン・正夫とバトルコサック・神、そして鉄山が顔を突き合わせている。 神「邪心流とは、ずいぶん憎悪に満ちた流派ですね」 鉄山「うむ。『勝つためには手段を択ばず』『卑怯もまた兵法の&ruby(ひとつ){一}』…… 鬼 一角はそう主張していた。&ruby(まこと){真}の実力を見るには、真剣に限るとな。白雲先生を襲ったのは、エゴスの暗殺団に違いない」 正夫「エゴス……」 顔を見合わせる正夫と神。 鉄山「邪心流の鬼 一角なら、エゴスとつながっていても不思議はない。ただ怪しいのは、その二代目鬼 一角を名乗る男だ」 神「二代目鬼 一角……」 早速バトルフィーバー隊の捜査が始まった。 夜間パトロールを行うバトルフランス・京介とバトルケニア・四郎の前に、山伏に扮したカットマンの一団が立ちはだかる。 山伏カットマンを蹴散らす2人。そこへヘッダーも現れた。 京介「ヘッダー!」 四郎「貴様が白雲先生を!?」 ヘッダー「フフフ……」 京介「ケニア!」 四郎「おう!」 2人が変身しようとした瞬間、ヘッダーの両眼が光る。2人がまぶしさに目を背けた隙を突き、ヘッダーが鉤爪で切りかかった。 傷を負い、倒れこんだ2人を山伏カットマンたちが六角棒で押さえ込む。 ヘッダー「雑魚に用はない」 ヘッダーが果たし状を置いて立ち去る。 ビッグベイザー指令室── |&I(){果し状&br()貴殿の一光流が勝つか&br()私の邪心流が勝つか&br()日時、明朝六時&br()場所、&ruby(あら){荒}&ruby(の){野}峠}| 京介「まるで時代劇だね」 鉄山「ヘッダーの狙いは、このわしだ」 神「将軍、決闘に応じてはいけません。敵の思うつぼです」 正夫「我々に手を焼いて、将軍暗殺をもくろんでいるんです」 九太郎「逃ゲルガ勝チ、逃ゲルガ勝チ」 鉄山「逃げるが勝ちか…… なるほどな」 鉄山が不敵な笑みを浮かべる。 翌日、荒野峠、午前六時。 ヘッダーとサロメはすでに現場に到着していたが、鉄山は一向に姿を見せない。 ヘッダー「ええい、遅い! 鉄山はいったいどうしたんだ?」 サロメ「あっ、来ました」 バトルフィーバー隊のパトロールカーがやって来る。 まず、今回も山伏カットマンたちが最初に出撃。パトロールカーを取り囲み、ドアを開けるが、中はもぬけの殻。 カットマン「いないぞ!」「逃げられたか!」 ヘッダー「ぬうっ、謀られたか!」 そこへ変身したバトルフィーバー隊が立ちはだかる。 ジャパン「ヘッダー!」 ヘッダー「バトルフィーバー……!」 ジャパン「将軍に代わり、我々バトルフィーバーが相手になる!」 オニヒゲ怪人「待て~! ヘッダー、俺に任せろ」 ヘッダー「余計なことを! 我々の目的は鉄山ひとり。雑魚に用はない、退け!」 ヘッダーたちが撤退。 ジャパン「逃げられたか」 ケニア「ちっくしょう……」 竜山を乗せ、国防省関東本部基地を出発した1台の車が、トラックに道を遮られる。 もちろんエゴスの仕業だ。 竜山「貴様だな、白雲先生を襲ったのは!」 ヘッダー「一光流は、我が邪心流の宿敵……」 ヘッダーが眼を光らせる。まぶしさに倒れ伏す竜山。 ビッグベイザーでは、白装束に着替えた鉄山が出撃の準備を整えていた。 それを必死に止めようとする正夫たち。 正夫「待ってください、将軍!」 鉄山「これ以上奴らの勝手にはさせん!! 尾上はわしの弟も同然だった。許すわけにはいかん!」 正夫「尾上参謀を暗殺したのも、将軍を刺激して決闘をするためです!」 鉄山「ならばわしが応じてやろう」 正夫「いけません!!」 神「将軍!!」 九太郎「逃ゲルガ勝チ、逃ゲルガ勝チ」 鉄山「…………」 神「あなたはバトルフィーバー隊の頭脳だ。頭脳が剣を振り回してはいけないと思います」 鉄山と神がにらみ合う。 神はたとえ一戦交えててでも鉄山を行かせない覚悟だ。 鉄山は引き下がり、ビッグベイザー内の道場で素振りを始める。 |恩師に続き、兄弟弟子まで殺されてしまった鉄山将軍の胸は、&br()張り裂けそうであった……。| 程なくして、都下で遊んでいた連絡員・ケイコとその弟・マサルがエゴスに拉致された。 ケイコが鉄山に電話させられる。 鉄山「何、修験者の一団に!?」 ケイコ「将軍、そうなんです。マサルも一緒なんです」 ヘッダーが電話を取り次ぐ。 ヘッダー「明朝、荒野峠へ迎えに来い。ただし、1人で来ること」 ヘッダーが電話を切る。 鉄山「もしもし!? おい!! もしもし!!」 四郎「くそぉ、なんて卑怯な奴なんだ! 何もマサル君まで……」 京介「今度こそ逃がさんぞ! 叩きのめしてやる」 鉄山「……明日は、わし1人で行くぞ」 マリア「えっ!?」 神「将軍! ダメです!」 鉄山「これ以上、我慢ができるか?」 正夫「将軍は…… 我々の命です」 鉄山「……命か。命は、大事にせにゃいかんな……」 鉄山が指令室を去る。 マリア「よかった、思いとどまってくれて」 数分後、マリアが鉄山の自室に茶を持っていく。 しかし、そこに鉄山の姿はない。 マリア「将軍!?」 指令室── マリア「大変よ、将軍が!! 見て……」 |&I(){一光流の名誉を守るためにも&br()是非とも邪心流を倒さなければならない}| 荒野峠にはケイコとマサルが磔にされている。 サロメ「来るでしょうか、倉間鉄山は」 ヘッダー「来る、必ず来る。命を賭けても子供を救う、そこがあの男の弱点だ」 そこへ白装束姿の鉄山が現れた。堂々たる立ち振る舞いだ。 ケイコ「鉄山将軍……」 ついに鉄山とヘッダーが相対した。 ヘッダー「よく来た、鉄山」 鉄山「あの2人を逃がしてやれ。約束だ」 ヘッダーが無言でサロメに指示を出し、ケイコとマサルを解放させる。 拘束を解かれた2人が鉄山に抱き着く。それを受け止め、マサルの頭を優しく撫でる鉄山。 鉄山「さぁ、早く行きなさい」 ケイコ「でも……」 鉄山「行くんだ! 急げ!」 ケイコ「……はい」 ケイコが泣きじゃくるマサルを促し、物陰へ向かう。 ヘッダーの目配せを合図に、山伏カットマンたちが鉄山を取り囲み攻撃を開始。 鉄山の猛攻に、1人、また1人とカットマンが切り捨てられていく。 鉄山の刀とヘッダーの鉤爪、お互いの視線と視線がぶつかり合う。 鉤爪で腕を傷つけられる鉄山だが、それを気にも留めない。 ヘッダー「かぁっ!!」 ヘッダーが必殺の眼光を放って勝負をつけようとする。 すかさず刀を盾にして、光を反射させる鉄山。 ヘッダーの眼光はヘッダー自身の眼を焼いた。 ヘッダー「うわぁーっ!!」 坂を転がり落ちるヘッダー。 そこへオニヒゲ怪人が加勢する。 ヘッダー「御子! 鉄山は私めが!!」 視力を回復させたヘッダーは、意趣返しに煙球を投げつけた。 鉄山「卑怯な……」 ヘッダー「たわけ! 卑怯も兵法なり、これが邪心流だ!」 目を封じられた鉄山は、耳を頼りにヘッダーの位置を探る。 ヘッダー「死んでもらうぞ、鉄山!!」 鉤爪を振りかざして襲い掛かるヘッダーに、起死回生の一太刀が決まった。 鉤爪を切断され、返す刀で切り伏せられるヘッダー。 しかし、鉄山の肩口にも鉤爪が突き刺さる。 サロメ「ヘッダー様!!」 ヘッダーに駆け寄るサロメ。 サロメ「やれ!!」 カットマンたちが鉄山に襲い掛かる。 そこへコマンドバットが飛来。 ジャパン「バトルジャパン!」 コサック「バトルコサック!」 フランス「バトルフランス!」 ケニア「バトルケニア!」 ミスアメリカ「ミスアメリカ!」 ジャパン「アメリカ、将軍を頼む」 アメリカ「はい!」 バトルフィーバー隊とカットマンの戦いが始まったのもつかの間、巨大なオニヒゲロボットが姿を現した。 ケニア「また出やがった!」 オニヒゲ怪人「弟よ、やれ~!」 オニヒゲロボットの容赦ない攻撃がバトルフィーバー隊を襲う。 負傷した鉄山をかばって走るミスアメリカ。 オニヒゲ怪人も杖を振り回してバトルフィーバー隊を攻撃。 鉄山を退避させ、戻ってきたミスアメリカも戦闘に加わる。 オニヒゲ怪人は放り投げた杖を遠隔操作してバトルフィーバー隊を苦しめる。 バトルジャパンが杖を掴んで投げ返し、飛び蹴りで応戦。 ジャパン「スクラムだ!」 一同「ペンタフォース!!」 オニヒゲ怪人「ぐわぁ──っ!」 合体武器のペンタフォースが炸裂。 オニヒゲ怪人は爆死したが、オニヒゲロボットの攻撃はなおも続く。 ジャパン「バトルシャーク!!」 ビッグベイザーからバトルシャーク、そしてバトルフィーバーロボが出撃。 ジャパン「ジェット・オン!」 5人がバトルフィーバーロボに乗り込み、オニヒゲロボットとの一騎討ちが始まった。 オニヒゲロボットの投げつけた杖を難なく払い落とし、槍「スティックアタッカー」を投げつける。 スティックアタッカーに腹部を貫かれるオニヒゲロボット。 ジャパン「電光剣・唐竹割り!!」 とどめの必殺剣が炸裂。オニヒゲロボットが真っ二つに斬り裂かれて大爆発、もうもうと爆煙があがる。 エゴス本部では、鉄山の剣に倒れたヘッダーが手厚く弔われていた。 一方、ビッグベイザー指令室では、バトルフィーバー隊がヘッダーの鉤爪を調べている。 正夫「見事な切り口だ。さすが鉄山将軍」 神が鉄山の刀を抜く。 神「刃こぼれ1つしてない」 京介「ヘッダー指揮官を斬ったっていうのにな」 四郎「丈夫な刃だなぁ」 鉄山「いやいや…… ケニアの&ruby(・){歯}には、敵うまいよ」 四郎「それじゃあ俺の歯は、怪獣みたいじゃないですか!」 マリア「怪獣以上でしょ?」 四郎「あ~、泣ける~」 ついに大幹部・ヘッダー指揮官を打ち倒し、ようやく鉄山にもバトルフィーバー隊にも笑顔が戻った。 だが、ヘッダーを失った今、サタンエゴスは次にどんな手を打ってくるかわからない。 バトルフィーバー隊の戦いも、いよいよクライマックスを迎えようとしている。 #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){つづく}}}&br()&br()|}
暗黒武道「邪心流」の宗家・鬼 一角の屋敷に数名の忍者が忍び込んだ。 忍者たちが一角の部屋へ突入し、刀で布団を突くが、中には誰もいない。 忍者「いない!」「ううむ、逃したか!」 周囲を探す忍者たち。 その頭上から、あらかじめ天井に飛び上がっていた一角が落下する。 たちまちのうちに乱戦になる。 一角「何者だ!?」 忍者たちを率いる覆面男が、刀を手に一角と対峙。 覆面男は問答無用で切りかかっていく。 つばぜり合いの末、覆面男の刀を弾き飛ばす一角。だが次の瞬間、覆面男の眼から強力な光が発せられ、一角の目をくらませてしまう。 隙を突き、覆面男が右腕の鉤爪を一角の喉笛に突き刺した。崩れ落ちる一角。 それを認め、覆面男がおもむろに覆面を外す。男の正体は──秘密結社エゴスのヘッダー指揮官。 一角「ヘッダー…… なぜ、わしの命を……」 ヘッダー「先生と一度、真剣勝負がしたかった」 一角「勝つためには、手段を択ばぬ…… それが、邪心流の極意。見事であった……」 ヘッダーがとどめの一撃を見舞い、一角が力尽きる。 ヘッダーの高笑いが響く──。 #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){将軍を狙う&br()&font(#000000){__}覆面鬼}}}&br()&br()|} エゴス本部── ヘッダー「サタンエゴス様、邪心流を究めて参りました」 サタンエゴス「お前の師・鬼 一角を超えたか」 ヘッダー「はい。鬼 一角先生は、倉間鉄山以上の実力者です」 サタンエゴス「倉間鉄山を斬れると申すのだな?」 ヘッダー「必ず!」 サタンエゴス「倉間鉄山はバトルフィーバーの頭脳だ。頭脳を斬れば後はガラクタ同然!」 ヘッダー「出発いたします」 サロメ「ヘッダー様」 女幹部サロメがヘッダーに2枚の写真を渡す。 サロメ「この2人──倉間将軍の武術の師・藤波白雲。また、これが兄弟弟子の尾上竜山です」 ヘッダー「フフフ…… 手始めにこやつから血祭りにあげてやる」 白雲の写真にヘッダーの鉤爪が突き刺さる。 山伏に扮したヘッダーとカットマンの一団が東京の街を行く。 一方、白雲が率いる流派「一光流」の道場では、白雲自ら子供たちに剣道を教えている。 白雲「ああ、やたらに竹刀を振り回してはいかん。相手の目を見て、相手の呼吸を読んで打ち込むんじゃ」 そこへヘッダーたちが入室。 ヘッダー「藤波白雲斎!」 白雲「なんだ、君たちは」 ヘッダー「邪心流の者だ」 白雲「邪心流? すると一角の……」 ヘッダー「左様。30年前、お前が破門した鬼 一角先生が編み出した流派だ」 白雲「もはや一角とは何の関係もない! 帰ってもらおう」 ヘッダー「鬼 一角先生は、一光流を恨みながら亡くなられた。先生に代わって、わしが恨みを晴らす!」 白雲が子供たちを促す。 白雲「危険だ。君たちは帰りなさい」 子供たち「はい!」 子供たちが全員退出するかしないかのうちに、ヘッダーが錫杖を振るって襲い掛かる。 竹刀で応戦する白雲。 一瞬の交錯で、白雲がヘッダーの錫杖を叩き落とす。 すかさず両眼を光らせるヘッダー。白雲がまぶしさに目を背けた隙を突き、ヘッダーの鉤爪が白雲を貫いた。 ヘッダーが白雲の亡骸に「邪心流 二代目鬼 一角 参上」の書置きを残して立ち去る。 しばらくして、鉄山が弔問のため一光流道場を訪れた。 白雲の弟子たちがむせび泣いている。 白雲の弟子「先生……」「私たちがいれば、こんなことには……」 竜山「倉間将軍、どうして今頃邪心流が!?」 鉄山「…………」 |鉄山将軍は、その時すでに、藤波白雲の死の向こうに、&br()何かどす黒い陰謀が渦巻いていることを感じ取っていた。| エゴス本部── サロメ「ヘッダー様は、藤波白雲の暗殺に成功いたしました」 サタンエゴス「そうか。倉間鉄山は、火のような行動力と水のような思考力を兼ね併せ持つ男。斬り合いに持ち込むにはまだまだ…… そろそろバトルフィーバーが動き出すぞ」 サロメ「はっ」 サタンエゴス「息子・オニヒゲ怪人よ、今ヘッダーが倉間鉄山暗殺計画を進めている。バトルフィーバーに邪魔させぬよう、身辺警護せよ!」 オニヒゲ怪人「承知!」 と言いつつも、オニヒゲ怪人は自分の髭の手入れに余念がない。 ビッグベイザー内の道場にて、バトルジャパン・正夫とバトルコサック・神、そして鉄山が顔を突き合わせている。 神「邪心流とは、ずいぶん憎悪に満ちた流派ですね」 鉄山「うむ。『勝つためには手段を択ばず』『卑怯もまた兵法の&ruby(ひとつ){一}』…… 鬼 一角はそう主張していた。&ruby(まこと){真}の実力を見るには、真剣に限るとな。白雲先生を襲ったのは、エゴスの暗殺団に違いない」 正夫「エゴス……」 顔を見合わせる正夫と神。 鉄山「邪心流の鬼 一角なら、エゴスとつながっていても不思議はない。ただ怪しいのは、その二代目鬼 一角を名乗る男だ」 神「二代目鬼 一角……」 早速バトルフィーバー隊の捜査が始まった。 夜間パトロールを行うバトルフランス・京介とバトルケニア・四郎の前に、山伏に扮したカットマンの一団が立ちはだかる。 山伏カットマンを蹴散らす2人。そこへヘッダーも現れた。 京介「ヘッダー!」 四郎「貴様が白雲先生を!?」 ヘッダー「フフフ……」 京介「ケニア!」 四郎「おう!」 2人が変身しようとした瞬間、ヘッダーの両眼が光る。2人がまぶしさに目を背けた隙を突き、ヘッダーが鉤爪で切りかかった。 傷を負い、倒れこんだ2人を山伏カットマンたちが六角棒で押さえ込む。 ヘッダー「雑魚に用はない」 ヘッダーが果たし状を置いて立ち去る。 ビッグベイザー指令室── |&I(){果し状&br()貴殿の一光流が勝つか&br()私の邪心流が勝つか&br()日時、明朝六時&br()場所、&ruby(あら){荒}&ruby(の){野}峠}| 京介「まるで時代劇だね」 鉄山「ヘッダーの狙いは、このわしだ」 神「将軍、決闘に応じてはいけません。敵の思うつぼです」 正夫「我々に手を焼いて、将軍暗殺をもくろんでいるんです」 九太郎「逃ゲルガ勝チ、逃ゲルガ勝チ」 鉄山「逃げるが勝ちか…… なるほどな」 鉄山が不敵な笑みを浮かべる。 翌日、荒野峠、午前六時。 ヘッダーとサロメはすでに現場に到着していたが、鉄山は一向に姿を見せない。 ヘッダー「ええい、遅い! 鉄山はいったいどうしたんだ?」 サロメ「あっ、来ました」 バトルフィーバー隊のパトロールカーがやって来る。 まず、今回も山伏カットマンたちが最初に出撃。パトロールカーを取り囲み、ドアを開けるが、中はもぬけの殻。 カットマン「いないぞ!」「逃げられたか!」 ヘッダー「ぬうっ、謀られたか!」 そこへ変身したバトルフィーバー隊が立ちはだかる。 ジャパン「ヘッダー!」 ヘッダー「バトルフィーバー……!」 ジャパン「将軍に代わり、我々バトルフィーバーが相手になる!」 オニヒゲ怪人「待て~! ヘッダー、俺に任せろ」 ヘッダー「余計なことを! 我々の目的は鉄山ひとり。雑魚に用はない、退け!」 ヘッダーたちが撤退。 ジャパン「逃げられたか」 ケニア「ちっくしょう……」 竜山を乗せ、国防省関東本部基地を出発した1台の車が、トラックに道を遮られる。 もちろんエゴスの仕業だ。 竜山「貴様だな、白雲先生を襲ったのは!」 ヘッダー「一光流は、我が邪心流の宿敵……」 ヘッダーが眼を光らせる。まぶしさに倒れ伏す竜山。 ビッグベイザーでは、白装束に着替えた鉄山が出撃の準備を整えていた。 それを必死に止めようとする正夫たち。 正夫「待ってください、将軍!」 鉄山「これ以上奴らの勝手にはさせん!! 尾上はわしの弟も同然だった。許すわけにはいかん!」 正夫「尾上参謀を暗殺したのも、将軍を刺激して決闘をするためです!」 鉄山「ならばわしが応じてやろう」 正夫「いけません!!」 神「将軍!!」 九太郎「逃ゲルガ勝チ、逃ゲルガ勝チ」 鉄山「…………」 神「あなたはバトルフィーバー隊の頭脳だ。頭脳が剣を振り回してはいけないと思います」 鉄山と神がにらみ合う。 神はたとえ一戦交えててでも鉄山を行かせない覚悟だ。 鉄山は引き下がり、ビッグベイザー内の道場で素振りを始める。 |恩師に続き、兄弟弟子まで殺されてしまった鉄山将軍の胸は、&br()張り裂けそうであった……。| 程なくして、都下で遊んでいた連絡員・ケイコとその弟・マサルがエゴスに拉致された。 ケイコが鉄山に電話させられる。 鉄山「何、修験者の一団に!?」 ケイコ「将軍、そうなんです。マサルも一緒なんです」 ヘッダーが電話を取り次ぐ。 ヘッダー「明朝、荒野峠へ迎えに来い。ただし、1人で来ること」 ヘッダーが電話を切る。 鉄山「もしもし!? おい!! もしもし!!」 四郎「くそぉ、なんて卑怯な奴なんだ! 何もマサル君まで……」 京介「今度こそ逃がさんぞ! 叩きのめしてやる」 鉄山「……明日は、わし1人で行くぞ」 マリア「えっ!?」 神「将軍! ダメです!」 鉄山「これ以上、我慢ができるか?」 正夫「将軍は…… 我々の命です」 鉄山「……命か。命は、大事にせにゃいかんな……」 鉄山が指令室を去る。 マリア「よかった、思いとどまってくれて」 数分後、マリアが鉄山の自室に茶を持っていく。 しかし、そこに鉄山の姿はない。 マリア「将軍!?」 指令室── マリア「大変よ、将軍が!! 見て……」 |&I(){一光流の名誉を守るためにも&br()是非とも邪心流を倒さなければならない}| 荒野峠にはケイコとマサルが磔にされている。 サロメ「来るでしょうか、倉間鉄山は」 ヘッダー「来る、必ず来る。命を賭けても子供を救う、そこがあの男の弱点だ」 そこへ白装束姿の鉄山が現れた。堂々たる立ち振る舞いだ。 ケイコ「鉄山将軍……」 ついに鉄山とヘッダーが相対した。 ヘッダー「よく来た、鉄山」 鉄山「あの2人を逃がしてやれ。約束だ」 ヘッダーが無言でサロメに指示を出し、ケイコとマサルを解放させる。 拘束を解かれた2人が鉄山に抱き着く。それを受け止め、マサルの頭を優しく撫でる鉄山。 鉄山「さぁ、早く行きなさい」 ケイコ「でも……」 鉄山「行くんだ! 急げ!」 ケイコ「……はい」 ケイコが泣きじゃくるマサルを促し、物陰へ向かう。 ヘッダーの目配せを合図に、山伏カットマンたちが鉄山を取り囲み攻撃を開始。 鉄山の猛攻に、1人、また1人とカットマンが切り捨てられていく。 鉄山の刀とヘッダーの鉤爪、お互いの視線と視線がぶつかり合う。 鉤爪で腕を傷つけられる鉄山だが、それを気にも留めない。 ヘッダー「かぁっ!!」 ヘッダーが必殺の眼光を放って勝負をつけようとする。 すかさず刀を盾にして、光を反射させる鉄山。 ヘッダーの眼光はヘッダー自身の眼を焼いた。 ヘッダー「うわぁーっ!!」 坂を転がり落ちるヘッダー。 そこへオニヒゲ怪人が加勢する。 ヘッダー「御子! 鉄山は私めが!!」 視力を回復させたヘッダーは、意趣返しに煙球を投げつけた。 鉄山「卑怯な……」 ヘッダー「たわけ! 卑怯も兵法なり、これが邪心流だ!」 目を封じられた鉄山は、耳を頼りにヘッダーの位置を探る。 ヘッダー「死んでもらうぞ、鉄山!!」 鉤爪を振りかざして襲い掛かるヘッダーに、起死回生の一太刀が決まった。 鉤爪を切断され、返す刀で切り伏せられるヘッダー。 しかし、鉄山の肩口にも鉤爪が突き刺さる。 サロメ「ヘッダー様!!」 ヘッダーに駆け寄るサロメ。 サロメ「やれ!!」 カットマンたちが鉄山に襲い掛かる。 そこへコマンドバットが飛来。 ジャパン「バトルジャパン!」 コサック「バトルコサック!」 フランス「バトルフランス!」 ケニア「バトルケニア!」 ミスアメリカ「ミスアメリカ!」 ジャパン「アメリカ、将軍を頼む」 アメリカ「はい!」 バトルフィーバー隊とカットマンの戦いが始まったのもつかの間、巨大なオニヒゲロボットが姿を現した。 ケニア「また出やがった!」 オニヒゲ怪人「弟よ、やれ~!」 オニヒゲロボットの容赦ない攻撃がバトルフィーバー隊を襲う。 負傷した鉄山をかばって走るミスアメリカ。 オニヒゲ怪人も杖を振り回してバトルフィーバー隊を攻撃。 鉄山を退避させ、戻ってきたミスアメリカも戦闘に加わる。 オニヒゲ怪人は放り投げた杖を遠隔操作してバトルフィーバー隊を苦しめる。 バトルジャパンが杖を掴んで投げ返し、飛び蹴りで応戦。 ジャパン「スクラムだ!」 一同「ペンタフォース!!」 オニヒゲ怪人「ぐわぁ──っ!」 合体武器のペンタフォースが炸裂。 オニヒゲ怪人は爆死したが、オニヒゲロボットの攻撃はなおも続く。 ジャパン「バトルシャーク!!」 ビッグベイザーからバトルシャーク、そしてバトルフィーバーロボが出撃。 ジャパン「ジェット・オン!」 5人がバトルフィーバーロボに乗り込み、オニヒゲロボットとの一騎討ちが始まった。 オニヒゲロボットの投げつけた杖を難なく払い落とし、槍「スティックアタッカー」を投げつける。 スティックアタッカーに腹部を貫かれるオニヒゲロボット。 ジャパン「電光剣・唐竹割り!!」 とどめの必殺剣が炸裂。オニヒゲロボットが真っ二つに斬り裂かれて大爆発、もうもうと爆煙があがる。 エゴス本部では、鉄山の剣に倒れたヘッダーが手厚く弔われていた。 一方、ビッグベイザー指令室では、バトルフィーバー隊がヘッダーの鉤爪を調べている。 正夫「見事な切り口だ。さすが鉄山将軍」 神が鉄山の刀を抜く。 神「刃こぼれ1つしてない」 京介「ヘッダー指揮官を斬ったっていうのにな」 四郎「丈夫な刃だなぁ」 鉄山「いやいや…… ケニアの&ruby(・){歯}には、敵うまいよ」 四郎「それじゃあ俺の歯は、怪獣みたいじゃないですか!」 マリア「怪獣以上でしょ?」 四郎「あ~、泣ける~」 ついに大幹部・ヘッダー指揮官を打ち倒し、ようやく鉄山にもバトルフィーバー隊にも笑顔が戻った。 だが、ヘッダーを失った今、サタンエゴスは次にどんな手を打ってくるかわからない。 バトルフィーバー隊の戦いも、いよいよクライマックスを迎えようとしている。 #center(){|BGCOLOR(#000006):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){つづく}}}&br()&br()|} ※ この続きは[[バトルフィーバーJの第51話]]をご覧ください。

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