仮面ライダースーパー1の第23話

ナレーター「宿敵メガール将軍を倒した仮面ライダースーパー1は、メガールのオルゴールロケットに刻まれた地図からドグマの帝王テラーマクロのアジトを知った。
命を懸けてテラーマクロを倒す為に、沖一也はテラーマクロの城のある霊山に向けて、疾走を続けていた」


親衛隊「テラーマクロ!メガール将軍が破れた今、何とぞ我らにスーパー1打倒命令をお下しくだされ!」
テラーマクロが、鈴を握り潰した。
テラーマクロ「スーパー1に勝てる者は、最早余以外にいない」
親衛隊「それでは、帝王自ら」
テラーマクロ「余自ら、スーパー1の息の根を止めてくれるわ」


一也は、ドグマの基地がある岩山に着いた。
一也「あれがテラーマクロの城か。まるでバベルの塔だ」

ナレーター「天までそびえるテラーマクロの城にはどの様な恐ろしい罠が待ち構えているかも知れなかった。だが行かねばならない!それが仮面ライダースーパー1である沖一也の宿命であった」


テラーマクロの元に別の親衛隊が入ってきた。
親衛隊「申し上げます!沖一也めが霊山の入り口付近に姿を現しました」
テラーマクロ「何?」
親衛隊「何と!おのれ沖一也!神聖にして侵すべからざる我らドグマの聖域に!許さん!」
テラーマクロ「捨てて置け。隊長、人払いをしろ。余が許すまで何人たりともこの部屋に入れてはならぬ」
親衛隊「分かりました」

部屋の扉が開いて、一羽のカラスと3体のドグマファイターが入ってきた。
親衛隊「馬鹿者!何事だこれは!」
ドグマファイター「申し訳ありません!どこからともなく、このカラスが飛び込んでまいりましたものので」
親衛隊「ええい、ひねり殺してしまえ!」
テラーマクロ「待て。カラスはドグマの神の使者と呼ばれていることを忘れたか。そのままに捨てておけ」
親衛隊「しかし、テラーマクロ」
テラーマクロ「合体の儀式の前に、ドグマの神の使者が飛んで来るとは縁起が良い。このカラス、ドグマに幸運を運んできたに違いない」
親衛隊「分かりました。それでは」
親衛隊達が部屋から出た。

カラスはテラーマクロの右肩に止まった。
テラーマクロ「余が怖くないとは面白い。これから後も余がずっと可愛がってやるぞ」

テラーマクロの乗る椅子がカイザーグロウの神像の前に移動した。
テラーマクロが剣を抜く。
テラーマクロ「ドグマの神、カイザーグロウよ。テラーマクロを不死身にさせたまえ。鋼を打ち砕き、どのような高熱低熱ガスにも耐えられる、不死身の体にさせたまえ」
「おぉ、そちも余と共に不死身となり、永劫に余に仕えると言うのだな。よしよし、そちも不死身にしてやるぞ」
テラーマクロがカイザーグロウの神像に剣を突き刺した。
神像から白い血が吹き出し、テラーマクロとカラスにかかっていく。

ナレーター「ドグマの神、カイザーグロウに流れる血を全身に浴びた者は未来永劫決して死なぬ不死身の身体となるのだ!
今、テラーマクロはドグマの神から不死身の洗礼を受けていた!」

テラーマクロがカラスの怪人へと変化した。
そこに一人の親衛隊が入ってきた。
怪人「見たな!」
怪人が親衛隊に飛びかかり、顔を握り潰した。
親衛隊「うわーー!!」
怪人「ふはははは、スーパー1のファイブハンドも不死身となった余には空気も同然!来い、早く来い、スーパー1!」


不死身の帝王テラーマクロの正体は!?

谷達は、谷モーターショップに戻っていた。
ハルミ「無茶よ無茶よ、絶対無茶よ!テラーマクロの城に1人で乗り込むなんて、死にに行く様なものじゃない!」
谷「そんなことは分かってるよ。だけどな、俺達が行ったら、足手まといになるだけなんだ」
良「マスター!玄海老師と弁慶さんに一也さんを助けるよう言ってよ!」
チョロ「うん」
谷「玄海老師と弁慶さんは、もうアジトに向かってるよ」
良・チョロ・ハルミ「「「え!?」」」

ナレーター「玄海老師と弁慶は見張りの報告を受け、沖一也に協力する為、霊山に向けて走っていた!」

一也を3人の親衛隊が囲んだ。
親衛隊「沖一也、テラーマクロがお前を待っている。付いてこい」
一也「何、それはどういうことだ!?」
親衛隊「テラーマクロに会えば分かることだ!来い!」

一也は親衛隊に連れられ、テラーマクロの元に来た。
親衛隊「テラーマクロ、ご命令通り、沖一也を連れてきました」
テラーマクロ「ようし、お前達は下がっておれ」
親衛隊「は」
親衛隊が部屋から出て行く。
テラーマクロ「沖一也よ、勇敢なる獅子の子よ。よくぞ、ここまでやって来た。お前の勇敢さを褒めてとらそう」
一也「テラーマクロ、お前の話というのを聞こう」
テラーマクロ「一也、余の息子になれ」
一也「何だと?」
テラーマクロ「余の息子となって、ドグマの後継者となるのだ」
一也「馬鹿な事を!」
テラーマクロ「余の息子になれ。ドグマの組織がお前のものになる」
一也「そんなものはいるものか!」
テラーマクロ「お前は権力が欲しくないのか?人間の世に君臨する絶対的な権力がな」
一也「断る!人間を支配しようとする者は俺がこの手で打ち倒す!」
テラーマクロ「交渉決裂だな。可愛そうだが、お前はここで死なねばならん」
一也「死ぬか生きるかは、戦ってみた後での事だ。行くぞテラーマクロ!」

親衛隊が一也に襲いかかってきた。
一也は、弓矢を構えた親衛隊を、他の2人の親衛隊にぶつけた。
一也「行くぞ!赤心拳!えやあ!」
一也はテラーマクロに飛びかかるも、テラーマクロは姿を消した。
そこへ親衛隊が武器を投げつけ、一也はかわすも、テラーマクロの椅子から出てきた手枷に拘束されてしまう。
親衛隊「死ねぇ、沖一也」
一也「駄目だ、変身できない!」
親衛隊「死ね!」
親衛隊が更に武器を投げつけるも、一也はかわし、拘束が壊れた。
親衛隊も姿を消した。

一也「テラーマクロ!出てこい!」
扉が開き、テラーマクロはカイザーグロウの神像の部屋にいた。
一也「テラーマクロ勝負だ!」
テラーマクロ「来い」
一也「行くぞ!」
テラーマクロは、あのカラスの怪人に変身した。
一也「テラーマクロ!お前は!?」
カイザーグロウ「ドグマ不死身怪人、カイザーグロウ。死ねぇ沖一也!」
カイザーグロウは、一也に掴みかかり、基地の外まで投げ飛ばし、
自分も一也を追って、外に出た。

一也はカイザーグロウを殴りつけるも、全く効かない。
カイザーグロウ「無駄だな、一也。余は不死身じゃ」
一也「馬鹿な!この世に不死身なものなど・・・いる筈がない!」
一也は尚もカイザーグロウを攻撃するも、やはり効かず、カイザーグロウに殴り返された。
カイザーグロウ「今度はこちらから行くぞ」
カイザーグロウは一也の両足をつかみ、ジャイアントスイングで投げ飛ばした。

一也「行くぞ!変身・・・・!」
一也がスーパー1に変身した。
スーパー1「仮面ライダースーパー1!来い!カイザーグロウ!」
カイザーグロウ「スーパー1、余が直々、地獄に送ってやる」

スーパー1は、カイザーグロウに連続パンチを放つも、カイザーグロウには効かなかった。
スーパー1「閃光キック!!」
必殺技、スーパーライダー閃光キックがカイザーグロウの左肩に炸裂したが、はじき返された。

スーパー1「駄目だ、パンチもキックもカイザーグロウには効かない!よし、チェーンジ!エレキハンド!エレキ光線発射!」
スーパー1がエレキハンドからエレキ光線を撃つも、カイザーグロウには効かない。
カイザーグロウ「そんなものでは、儂は死なぬ」
スーパー1「チェーンジ!冷熱ハンド!同時発射!」
今度は、冷熱ハンドの火炎放射と冷凍ガスを同時発射したが、これもカイザーグロウには効かなかった。
カイザーグロウ「儂は不死身じゃ、そんなものは効かぬわ」
スーパー1「カイザーグロウは本当に不死身だ・・・・」
カイザーグロウ「どうやらファイブハンドも俺には役に立たない事が分かったようだな」
カイザーグロウが左足からバズーカを撃った。
その砲撃に吹き飛ばされたスーパー1は、坂から転げ落ちていき、そこへバズーカの砲弾を食らった。


傷ついた一也が霊山を彷徨う。
そこにテラーマクロの鈴の音が聞こえてきた
一也「ドグマ鈴鳴り地獄だ・・・」
一也が苦しんでいる所へ、ドグマ配下の拳士達が襲いかかってきた。
一也は何とか退けるも、ドグマ鈴鳴り地獄を聞き、倒れた。
一也(今死ぬ訳にはいかない・・今俺が死んだら・・・ドグマの思うがままだ・・・負けるな、一也・・・)
一也は滝壺へ這っていき、水を飲もうとしたが、誰かが近づいてきた。
一也(敵だ・・・立て・・・立て・・・!)
しかし、来たのは玄海老師と弁慶達赤心少林拳の拳士達だった。
玄海「一也!」
弁慶「一也!」
弁慶「一也しっかりしろ!見張れ!」
拳士「「「はっ!」」」
玄海「一也!」
一也「老師・・・弁慶・・・」
玄海「一也、気が付いたか」
弁慶「一也・・・肉体の限界まで戦ったようだな」
一也「テラーマクロは恐るべき拳法家、それに不死身怪人でした」
玄海「不死身だと?」
一也「はい、完膚なきまでに・・・打ちのめされました」
玄海「弱音を吐くな。不死身怪人といえど、生物なら弱点は必ずどこかにある。必ず、どこかにある」
一也「老師・・・」
弁慶「一也、静かにしろ・・・」

親衛隊の御輿で移動していたテラーマクロの元に、ドグマの拳士が報告に来た。
拳士「テラーマクロ、下の監視所が何者かに破られました。恐らく、赤心寺の玄海と弁慶が、この霊山に姿を現したものかと」
テラーマクロ「何?玄海と弁慶?飛んで火に入る夏の虫、積年の恨み、晴らしてくれる」

一也達の元にドグマファイターが近づいてきた。
玄海「一也はこれからも大勢の人の為に生きなければならない。ここは我らだけで戦おう!」
弁慶「は!」
玄海と弁慶がドグマファイターと戦い、倒した所にテラーマクロ達が来た。
テラーマクロ「はっはっは、玄海!今日という今日は赤心少林一派を根絶やしにしてくれるわ」
玄海「黙れテラーマクロ!この世に悪の栄えた試しはない!」
テラーマクロ「やれ!」

玄海「よし頼むぞ!」
拳士「「「はっ!」」」
赤心少林拳の拳士達と、ドグマ側の拳士、ドグマファイターの戦いが始まった。

赤心少林拳の拳士達はドグマファイターを倒していくも、拳士達も次々に倒れていく。

その戦いの中、親衛隊が一也を狙って矢を放ってきた。
弁慶「一也!」
弁慶が一也を狙った矢を落とすも、親衛隊が更に放ってきた矢に身体を貫かれてしまう。
弁慶「ぐわぁ・・・・」
一也「弁慶!」
玄海「動くな一也!今動けばお前は回復できない!弁慶の死が無駄になるぞ!」
弁慶が倒れた。
一也「弁慶!弁慶――!!」
弁慶「一也・・・・!」
弁慶が息を引き取った。

玄海は親衛隊を倒し、テラーマクロと相対する。
玄海が蹴りを放つも、テラーマクロには効かない。
続いて、玄海が飛び蹴りを放つと同時に、テラーマクロの右肩に止まっていたカラスが飛び立ち、飛び蹴りはテラーマクロの右肩に当り、テラーマクロがよろけた。
テラーマクロ「しまった・・・カラスの脚の部分が不死身の血を浴びてなかった・・・おのれ・・・」
玄海「テラーマクロ!弱点が見えた!一也!テラーマクロの弱点は右の肩だ!」

テラーマクロがカイザーグロウに変身した。
カイザーグロウが左足のバズーカを撃つ。
玄海は、バズーカの砲弾を避けて行くも、崖に追い込まれた所にバズーカの直撃を受け、倒れた。
玄海「うわぁぁ・・・・」
一也「老師――――!!うわーー!!」

一也がカイザーグロウに挑むも、拳を受け止められ、岩場まで投げ飛ばされた。
一也「行くぞ!変身!」
一也が、再び仮面ライダースーパ-1に変身した。
スーパー1は、目を点滅させ、拳を強く握る。
スーパー1「行くぞ!!」
スーパー1がカイザーグロウの右肩に飛び蹴りを食らわせると、
カイザーグロウは目を点滅させる。
カイザーグロウはスーパー1の攻撃をいなしてから、嘴からミサイルを撃ち、スーパー1は岩の陰に隠れる。

玄海(テラーマクロの弱点は右の肩だ!)
スーパー1「ようし!」
スーパー1は、カイザーグロウの右肩に飛び蹴りとパンチを連続して食らわせ、
そこからチョップを叩き込んだ。
カイザーグロウ「どこだ!カラスはどこじゃ!?儂の右肩に止まれ!カラスよ!」

カイザーグロウが左足のバズーカを撃つ。
スーパー1は、その砲撃をかわし、飛び上がった。
スーパー1「チェーンジ!エレキハンド!エレキ光線発射!」
スーパー1は、空中からエレキ光線を放ち、カイザーグロウの右肩に直撃させた。
スーパー1「スーパーライダー月面キック!!」
そこから、必殺技・スーパーライダー月面キックがカイザーグロウの右肩に炸裂し、
カイザーグロウが吹き飛んだ。
カイザーグロウ「・・・ドグマは永遠なりぃぃ!!」
カイザーグロウが大爆発し、ドグマの基地も爆発していく。
こうして、ドグマ帝国は滅び去った。
だが・・・


あのカラスは、謎の怪人、悪魔元帥の元に帰っていた。
悪魔元帥「帰ったか、クロウ。何?テラーマクロが・・・スーパー1に破れたと言うのか?だーはははは!]
「魔女参謀!鬼火司令!幽霊博士!妖怪王女!」
悪魔元帥に呼ばれ、4人の幹部達が姿を見せた。
悪魔元帥「時こそ来たり。いよいよ我らジンドグマの時代が来たぞ。わーはははは!!」


(つづく)

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最終更新:2020年02月29日 20:55