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砂漠を歩む一人の若者がいた
彼の名は結城晶である
アキラ「はあ…はあ…」
チラシが風いで飛ぶ
チラシが引っ掛かる
アキラ「チャイナタウン…」
その先には都会が
#center(){|&big(){&bold(){八極拳の晶 登場}}|}
聖林
海
中華街にて
アキラ「ねえねえ、おじさん、これってマジ?マジ?本当ーーに餃子50人前を1時間で食べたらタダにしてくれんの?」
店主「やるのかい、あんた?」
アキラ「やる!やります!絶対やっちゃう!」
店主「後悔するよ、あんた。」
困惑する店長
餃子を平らげ、次々に皿を載せるアキラ
「今、何皿目だ?」
「よ、45皿。」
「どういう胃袋してやがんだ、あいつ。」
店長「あんた、途中でやめたって構わないんだから」
アキラ「んなの無理だよ。」
店長「無理って?」
アキラ「途中でやめたらここまでの金払うんだろ?俺、そんな金ねえもん。」
店長「か、金がない?」
アキラ「平気、平気!残り10分であと5皿だろ。楽勝、楽勝。」
店長「成功されたら大損。失敗しても大損じゃん…かいさい。」
「質、悪いわね。」
アキラ「おじさん、残り3皿、早く!」
店長「わあってるよ!」
アキラ(成功したら写真、飾ったりしてくれるんだな。参ったな、有名人になっちゃうよ。)
逃げる少女
「どけ、おらあ!」
「何、すんだよ!」
「何だと?」
「こ、虎燕館!」
「てめえ…」
「やめろ!雑魚に構ってんじゃねえ。」
探す虎燕館の手の者
「いたか?」
「いえ、見失いました。」
「くそ、どこへ行きやがったあの尼?」
?「いたぞー!」
追跡する虎燕館の手の者
振り向くパイ
路地裏に逃げる少女(パイ)しかし、そこは行き止まりだった
「さあ、ここまでですぜ。大人しくして貰いましょうか。」
パイ「…」
「とっ捕まえろ!」
壁を蹴り、飛び蹴りを繰り出すパイ
パイ「ベー。」
逃げるパイ
「おのれ、逃がすな!」
再び追跡する虎燕館の手の者
「待てえ!」
パイ「もう、全くしつこいわねえ!」
包囲されるパイ
「ここまでだな。往生際が悪いですぜ。」
餃子を食べるアキラ
アキラ「48皿目!おっさん、あと2皿、早く!」
店主「へええい…」
満福に逃げるパイ
店主「いらっしゃい!」
通り過ぎるパイ
アキラ「危ねえ!」
「待て、こらあ!」
店主「虎燕館!」
追撃をかわす、パイ
回し蹴りを繰り出すパイ
「この尼!待ちやがれ…」
交わすパイ
アキラ「危ねえ!」
皿を受け止めるアキラ
餃子を食べるアキラ
「邪魔だ、どけえ!」
かわすアキラ
「てめえ…」
再びかわすアキラ
かわし、皿を受け止めるアキラ
呆然する二人
「この野郎!」
攻撃をかわすアキラ
アキラ「49皿目。」
餃子を食べるアキラ
襟を掴まれるアキラ
「てめえ、なめてんのか?」
アキラ「なめてんじゃなくて、食ってんだよ。」
「に、葫!臭え!」
時計を見るアキラ
アキラ「や、やべえ!
おやっさん、ラストの皿、早く!」
「そいつを押さえろ!」
躱すアキラ
手を伸ばすアキラしかし、押さえられる
餃子の皿を弾く虎燕館の手の者
強引に拘束を解くアキラ
アキラ「あーーーーーん!」
餃子を食べるアキラ
必死にブレーキをかけるアキラ
勢い余って接吻する
しばし沈黙する二人
アキラに平手打ちをするパイ
アキラ「痛えな、おい、何すんだよ!」
パイ「何が言いたいよ?何が餃子よ…この世に生まれて19年、ずーっと守って来た大事なファーストキスを…何で、何であんたなんかと?
あんたなんかと?それも、餃子味なんかで!」
かわすアキラ
パイ「しなくちゃなんないのよ!?」
倒れるアキラ
アキラ「…!」
一瞥するアキラ
時間が過ぎていた
アキラ「の、残ってる!」
パイ「最悪よ、悪夢よ…ファーストキスで餃子風味だなんて…これ以上の悲劇はないわ!」
逃げ出すアキラ
パイ「こら、待てえ!」
「待つのはあんただろう、お嬢さん。」
パイ「…」
逃げ出すアキラ
アキラ「はあ、はあ、はあ。」
振り向くアキラ
アキラ「おっさん、ごめん!」
肩をつんつん叩く
アキラ「何?」
再度叩く
アキラ「今、取り込んでんだから。」
三度叩く
アキラ「だから!」
振り向くと店主が
土下座するアキラ
アキラ「ごめん、ほんとにごめんなさい!お金は働いて、必ず送りますから。だから、今は見逃して!」
店主「いいよ代金は、さっきのはもういい、代金はチャラ。」
アキラ「ほんと?」
店主「うん。だけど、一つだけ頼みがある。」
アキラ「頼み?」
店主「さっきの女の子、助け出してくれないか?虎燕館の奴らから。」
アキラ「虎燕館?」
店主「ああ、虎燕館ってのはこのチャイナタウンにある虎燕拳って拳法を教えてる…道場なんだ。だが、裏でこの町を影で支配する悪党集団てんだ。奴ら、拳法が強いのを盾にやりたい放題。十数人も落とし前…
やっていない悪さを数えた方が早いくらいだ。ちょっとでも奴らに逆らうなら…あの子も今頃どんな目に遭わされているのやら…」
虎燕館にて
放す虎燕館の手の者
?「いけませんねえ、もっと丁重に扱いなさい。」
パイ「! お前は…」
ヤン・ウェイミンが現れる
パイ「…ヤン・ウェイミン!お前、いつ香港から?」
ウェイミン「相変わらず、お転婆ぶりですねえ、パイお嬢様?」
歩むウェイミン
ウェイミン「貨物船で密航してまで香港から逃げるとは…」
パイの顎を掴むウェイミン
ウェイミン「男顔負けの大冒険ですなあ、お嬢さん…」
唾を吐くパイ
パイ「黙れ、ヤン!高々弟子の分際であたしに手を出す気か!汚らわしい。」
ウェイミン「これは、これは…お父上を嫌って、家を出られたあなたが、そのお父上の威光を顔ざしするとは。」
パイ「何!」
ウェイミン「無駄ですよ、どこに逃げられても。既に世界中の虎燕館支部に通達がなされているのです。
見つけ次第、あなたを捕らえて…香港にお連れしろという総本部師範代のご命令でね。」
パイ「師範代、リュウ・カオルン…」
ウェイミン「そう、あなたのお父上、虎燕館総帥の一番弟子にして…あなたの婚約者。」
パイ「ふざけるな!奴などと婚約した覚えはない!」
ウェイミン「あなたは香港に帰って、師範代とめでたく結婚をなさり。さすれば、師範代の次期総帥としても地位を与えてくだし…
あなたとリュウ様の間を取り縒った私をお褒めもめでたく。全てがうまくいくのです!」
パイ「黙れ!誰が貴様らの思い通りになどなるものか!リュウの野望を、あの男ラウ・チェンも…皆この私が叩き潰してやる!」
ウェイミン「できますかな?」
店主「奴らは力は今や西海岸じゃマフィア以上と言われてる。あの子がどこの誰かは知らねえが、けど、俺は黙ってらんねえ。
てめえの店の中で女の子がかっ攫われて、ほっといてできるかってんだ?だがな…悔しいよ、俺には、奴らと張り合う腕っ節がねえ。
だがな、見たところ、あんたはかなりの武術の使い手らしい。頼む!あんたの手であの子を助けてやってくれ!」
アキラの姿がなかった
店主「あ、あれ?」
呆れる店主
店主「わーったよ・・・あの子を救ってくれたら、飯はタダだ。」
アキラ「ほんと?タダ飯OK?マジ?」
店主「ああ、マジ、マジ。」
アキラ「うおっしゃ!」
困惑する店主
取手を鳴らす
アキラ「まいど、福でーす!」
一方、牢獄
パイ「この匂い!」
アキラ「まいど!出前、お持ちしました。」
「出前?んなもん頼んでないぞ。」
アキラ「あれ、そうっすか?おかしいなあ・・・」
蓋を開けるアキラ
アキラ「確かにこれをここにって。」
パイ「ぎ、ぎ、餃子!」
「?」
餃子を押し付けるアキラ
失神する虎燕館の手の者
アキラ「さ、早く逃げようぜ。」
パイ「何であんたがここに来る訳?」
アキラ「決まってんだろ?助けに来たの。」
パイ「やあよ、あんたなんかに助けられたくなーい。」
アキラ「何で?」
パイ「嫌ったら嫌!あんたと一緒じゃ嫌な思い出が蘇っちゃうでしょ!ああ、蘇る。」
アキラ「んな事、言われたって、俺、店のおじさんと約束したんだもん。
連れて帰らなきゃ、俺、飯ないんだぜ。」
パイ「何、訳わかんない事言ってんの?んな暇があったら、鍵開けてよ!」
アキラ「ったく、解明?ほら!」
鍵を投げるアキラ
パイ「さあ、これで目的は片付いたでしょ?さっさと、行ってよ。」
アキラ「か、可愛くねえ・・・」
「おい、貴様、何してる?」
「逃がす気か?」
アキラ「あ、いた!」
回し蹴りを繰り出すパイ
パイ「早く、行くわよ!」
アキラ「なあにを偉そうにしてんだ、あいつは。」
逃げる二人
パイ「来たわね。」
背転脚を繰り出すパイ
かわすアキラ
アキラ「燕青拳か!」
ナレーション「燕青拳、それは、中国三東省に伝わる武術である。
電光石火の如く空を裂き、柔にして剛。奇想の拳と呼ばれ、その動きの華麗さは他に類を見ない。」
アキラ「すっげー!」
分銅がパイの足に巻きつく
パイ「ヤン・ウェイミン!」
ウェイミン「見事なものですね、お嬢さんの燕青拳。
空を裂くとはまさにこれ・・・・・・が、それこそがこの拳の欠点でもある。」
パイ「何?」
ウェイミン「燕青拳はすばやい動きこそ全て。が、その動きを封じられた時は、脆い。」
パイ「くっ!」
ウェイミン「そんな燕青拳に虎拳の重厚さを加えたもの、それが虎燕拳・・・
さすがに、あなたのお父上ラウ・チェン総帥は偉大な方だ・・・」
パイ「言うな、私の前でその名を口にするな!」
「そうかい。ならすぐにここで楽してあげますよ!」
引きずられるパイ
ウェイミン「少しお仕置きをさせていただきますよ・・・香港までの道中大人しくして貰いたいのでね。」
屋根から下りるウェイミン
ウェイミン「ふふふふふふふ。」
分銅を引くウェイミン
ウェイミン「やれ、ブル!」
たたみ掛けるブル
石を切り払うブル
ブル「誰だ?」
アキラの姿が
ブル「てめえはさっきの!」
パイ「馬鹿、まだいたの?」
アキラ「たく、洒落になんねえよね。」
胴着に変わる
アキラ「故に、ちーとばっか強くなると、すぐに振るいたがる。ちったあ、他人の迷惑考えろよな?」
ブル「何?」
アキラ「人は我を侵さず、我もまた人を傷つけず・・・これぞ、我が武道の心得なり。だが、外道はその限りに非ず!」
鉢巻を巻き、構えるアキラ
アキラ「躾のなってねえ奴は俺が叩き直してやる!来い!」
攻撃を繰り出すブル、それをかわすアキラ
攻撃を繰り出すアキラ
パイ「あの伸脚は!」
掌底を繰り出すブル
カウンターを繰り出すアキラ
パイ「こ、これは・・・」
回し蹴りを繰り出すアキラ
ウェイミン「あれは・・・」
パイ「・・・八極拳。」
蹴りを繰り出すアキラ
アキラ「はああ!裡門頂肘!」
ナレーション「裡門頂肘。強靭な足腰による鋭い飛び込みと・・・鋼のような肘の突き。鍛錬された者のみが使える八極拳の高騰技である。」
ブルの下敷きになるウェイミン
アキラ「はあ・・・。」
アキラ「そんなに暴れたければ、身内でやってろ。」
拘束を解くパイ
ポーズを決めるアキラ
店主「ほら、約束の写真だ。ここへサインしてくれ、飾ってやっから。」
アキラ「やったあ!」
写真にサインするアキラ
パイ「アキラ?」
アキラ「そう、結城晶!アキラって呼んでくれよ。
んじゃ、親父さん。もう一つの約束・・・」
店主「わーてるよ。」
餃子の山盛りが
パイ「ギ、ギ、餃子!嫌あ!」
逃げ出すパイ
アキラ「おーい!一緒に食べようよ、タダだよ!」
パイ「馬鹿、近付くな!あっち行け!やだったら!」
アキラ「ねえってば!」
パイ「嫌ああ!」
#center(){
(続く)
}
砂漠を歩む一人の若者がいた
彼の名は結城晶である
アキラ「はあ…はあ…」
チラシが風いで飛ぶ
チラシが引っ掛かる
アキラ「チャイナタウン…」
その先には都会が
#center(){|&big(){&bold(){八極拳の晶 登場}}|}
聖林
海
中華街にて
アキラ「ねえねえ、おじさん、これってマジ?マジ?本当ーーに餃子50人前を1時間で食べたらタダにしてくれんの?」
店主「やるのかい、あんた?」
アキラ「やる!やります!絶対やっちゃう!」
店主「後悔するよ、あんた。」
困惑する店長
餃子を平らげ、次々に皿を載せるアキラ
「今、何皿目だ?」
「よ、45皿。」
「どういう胃袋してやがんだ、あいつ。」
店長「あんた、途中でやめたって構わないんだから」
アキラ「んなの無理だよ。」
店長「無理って?」
アキラ「途中でやめたらここまでの金払うんだろ?俺、そんな金ねえもん。」
店長「か、金がない?」
アキラ「平気、平気!残り10分であと5皿だろ。楽勝、楽勝。」
店長「成功されたら大損。失敗しても大損じゃん…かいさい。」
「質、悪いわね。」
アキラ「おじさん、残り3皿、早く!」
店長「わあってるよ!」
アキラ(成功したら写真、飾ったりしてくれるんだな。参ったな、有名人になっちゃうよ。)
逃げる少女
「どけ、おらあ!」
「何、すんだよ!」
「何だと?」
「こ、虎燕館!」
「てめえ…」
「やめろ!雑魚に構ってんじゃねえ。」
探す虎燕館の手の者
「いたか?」
「いえ、見失いました。」
「くそ、どこへ行きやがったあの尼?」
?「いたぞー!」
追跡する虎燕館の手の者
振り向くパイ
路地裏に逃げる少女(パイ)しかし、そこは行き止まりだった
「さあ、ここまでですぜ。大人しくして貰いましょうか。」
パイ「…」
「とっ捕まえろ!」
壁を蹴り、飛び蹴りを繰り出すパイ
パイ「ベー。」
逃げるパイ
「おのれ、逃がすな!」
再び追跡する虎燕館の手の者
「待てえ!」
パイ「もう、全くしつこいわねえ!」
包囲されるパイ
「ここまでだな。往生際が悪いですぜ。」
餃子を食べるアキラ
アキラ「48皿目!おっさん、あと2皿、早く!」
店主「へええい…」
満福に逃げるパイ
店主「いらっしゃい!」
通り過ぎるパイ
アキラ「危ねえ!」
「待て、こらあ!」
店主「虎燕館!」
追撃をかわす、パイ
回し蹴りを繰り出すパイ
「この尼!待ちやがれ…」
交わすパイ
アキラ「危ねえ!」
皿を受け止めるアキラ
餃子を食べるアキラ
「邪魔だ、どけえ!」
かわすアキラ
「てめえ…」
再びかわすアキラ
かわし、皿を受け止めるアキラ
呆然する二人
「この野郎!」
攻撃をかわすアキラ
アキラ「49皿目。」
餃子を食べるアキラ
襟を掴まれるアキラ
「てめえ、なめてんのか?」
アキラ「なめてんじゃなくて、食ってんだよ。」
「に、葫!臭え!」
時計を見るアキラ
アキラ「や、やべえ!
おやっさん、ラストの皿、早く!」
「そいつを押さえろ!」
躱すアキラ
手を伸ばすアキラしかし、押さえられる
餃子の皿を弾く虎燕館の手の者
強引に拘束を解くアキラ
アキラ「あーーーーーん!」
餃子を食べるアキラ
必死にブレーキをかけるアキラ
勢い余って接吻する
しばし沈黙する二人
アキラに平手打ちをするパイ
アキラ「痛えな、おい、何すんだよ!」
パイ「何が言いたいよ?何が餃子よ…この世に生まれて19年、ずーっと守って来た大事なファーストキスを…何で、何であんたなんかと?
あんたなんかと?それも、餃子味なんかで!」
かわすアキラ
パイ「しなくちゃなんないのよ!?」
倒れるアキラ
アキラ「…!」
一瞥するアキラ
時間が過ぎていた
アキラ「の、残ってる!」
パイ「最悪よ、悪夢よ…ファーストキスで餃子風味だなんて…これ以上の悲劇はないわ!」
逃げ出すアキラ
パイ「こら、待てえ!」
「待つのはあんただろう、お嬢さん。」
パイ「…」
逃げ出すアキラ
アキラ「はあ、はあ、はあ。」
振り向くアキラ
アキラ「おっさん、ごめん!」
肩をつんつん叩く
アキラ「何?」
再度叩く
アキラ「今、取り込んでんだから。」
三度叩く
アキラ「だから!」
振り向くと店主が
土下座するアキラ
アキラ「ごめん、ほんとにごめんなさい!お金は働いて、必ず送りますから。だから、今は見逃して!」
店主「いいよ代金は、さっきのはもういい、代金はチャラ。」
アキラ「ほんと?」
店主「うん。だけど、一つだけ頼みがある。」
アキラ「頼み?」
店主「さっきの女の子、助け出してくれないか?虎燕館の奴らから。」
アキラ「虎燕館?」
店主「ああ、虎燕館ってのはこのチャイナタウンにある虎燕拳って拳法を教えてる…道場なんだ。だが、裏でこの町を影で支配する悪党集団てんだ。奴ら、拳法が強いのを盾にやりたい放題。十数人も落とし前…
やっていない悪さを数えた方が早いくらいだ。ちょっとでも奴らに逆らうなら…あの子も今頃どんな目に遭わされているのやら…」
虎燕館にて
放す虎燕館の手の者
?「いけませんねえ、もっと丁重に扱いなさい。」
パイ「! お前は…」
ヤン・ウェイミンが現れる
パイ「…ヤン・ウェイミン!お前、いつ香港から?」
ウェイミン「相変わらず、お転婆ぶりですねえ、パイお嬢様?」
歩むウェイミン
ウェイミン「貨物船で密航してまで香港から逃げるとは…」
パイの顎を掴むウェイミン
ウェイミン「男顔負けの大冒険ですなあ、お嬢さん…」
唾を吐くパイ
パイ「黙れ、ヤン!高々弟子の分際であたしに手を出す気か!汚らわしい。」
ウェイミン「これは、これは…お父上を嫌って、家を出られたあなたが、そのお父上の威光を顔ざしするとは。」
パイ「何!」
ウェイミン「無駄ですよ、どこに逃げられても。既に世界中の虎燕館支部に通達がなされているのです。
見つけ次第、あなたを捕らえて…香港にお連れしろという総本部師範代のご命令でね。」
パイ「師範代、リュウ・カオルン…」
ウェイミン「そう、あなたのお父上、虎燕館総帥の一番弟子にして…あなたの婚約者。」
パイ「ふざけるな!奴などと婚約した覚えはない!」
ウェイミン「あなたは香港に帰って、師範代とめでたく結婚をなさり。さすれば、師範代の次期総帥としても地位を与えてくだし…
あなたとリュウ様の間を取り縒った私をお褒めもめでたく。全てがうまくいくのです!」
パイ「黙れ!誰が貴様らの思い通りになどなるものか!リュウの野望を、あの男ラウ・チェンも…皆この私が叩き潰してやる!」
ウェイミン「できますかな?」
店主「奴らは力は今や西海岸じゃマフィア以上と言われてる。あの子がどこの誰かは知らねえが、けど、俺は黙ってらんねえ。
てめえの店の中で女の子がかっ攫われて、放っといてできるかってんだ?だがな…悔しいよ、俺には、奴らと張り合う腕っ節がねえ。
だがな、見たところ、あんたはかなりの武術の使い手らしい。頼む!あんたの手であの子を助けてやってくれ!」
アキラの姿がなかった
店主「あ、あれ?」
呆れる店主
店主「わーったよ…あの子を救ってくれたら、飯はタダだ。」
アキラ「ほんと?タダ飯OK?マジ?」
店主「ああ、マジ、マジ。」
アキラ「うおっしゃ!」
困惑する店主
取手を鳴らす
アキラ「まいど、満福でーす!」
一方、牢獄
パイ「この匂い!」
アキラ「まいど!出前、お持ちしました。」
「出前?んなもん頼んでないぞ。」
アキラ「あれ、そうっすか?おかしいなあ…」
蓋を開けるアキラ
アキラ「確かにこれをここにって。」
パイ「ぎ、ぎ、餃子!」
「?」
餃子を押し付けるアキラ
失神する虎燕館の手の者
アキラ「さ、早く逃げようぜ。」
パイ「何であんたがここに来る訳?」
アキラ「決まってんだろ?助けに来たの。」
パイ「やあよ、あんたなんかに助けられたくなーい。」
アキラ「何で?」
パイ「嫌ったら嫌!あんたと一緒じゃ嫌な思い出が蘇っちゃうでしょ!ああ、蘇る。」
アキラ「んな事、言われたって、俺、店のおじさんと約束したんだもん。
連れて帰らなきゃ、俺、飯ないんだぜ。」
パイ「何、訳わかんない事言ってんの?んな暇があったら、鍵開けてよ!」
アキラ「ったく、解明?ほら!」
鍵を投げるアキラ
パイ「さあ、これで目的は片付いたでしょ?さっさと、行ってよ。」
アキラ「か、可愛くねえ…」
「おい、貴様、何してる?」
「逃がす気か?」
アキラ「あ、いた!」
回し蹴りを繰り出すパイ
パイ「早く、行くわよ!」
アキラ「なあにを偉そうにしてんだ、あいつは。」
逃げる二人
パイ「来たわね。」
背転脚を繰り出すパイ
かわすアキラ
アキラ「燕青拳か!」
ナレーション「燕青拳、それは、中国三東省に伝わる武術である。
電光石火の如く空を裂き、柔にして剛。奇想の拳と呼ばれ、その動きの華麗さは他に類を見ない。」
アキラ「すっげー!」
分銅がパイの足に巻きつく
パイ「ヤン・ウェイミン!」
ウェイミン「見事なものですね、お嬢さんの燕青拳。
空を裂くとはまさにこれ……が、それこそがこの拳の欠点でもある。」
パイ「何?」
ウェイミン「燕青拳は素早い動きこそ全て。が、その動きを封じられた時は、脆い。」
パイ「くっ!」
ウェイミン「そんな燕青拳に虎拳の重厚さを加えたもの、それが虎燕拳…さすがに、あなたのお父上ラウ・チェン総帥は偉大な方だ…」
パイ「言うな、私の前でその名を口にするな!」
「そうかい。ならすぐにここで楽してあげますよ!」
引きずられるパイ
ウェイミン「少しお仕置きをさせていただきます…香港までの道中大人しくして貰いたいのでね。」
屋根から下りるウェイミン
ウェイミン「ふふふふふふふ。」
分銅を引くウェイミン
ウェイミン「やれ、ブル!」
たたみ掛けるブル
石を切り払うブル
ブル「誰だ?」
アキラの姿が
ブル「てめえはさっきの!」
パイ「馬鹿、まだいたの?」
アキラ「たく、洒落になんねえよな。」
胴着に変わる
アキラ「故に、ちーとばっか強くなると、すぐに振るいたがる。ちったあ、他人の迷惑考えろよな?」
ブル「何?」
アキラ「人は我を侵さず、我もまた人を傷つけず…これぞ、我が武道の心得なり。だが、外道はその限りに非ず!」
鉢巻を巻き、構えるアキラ
アキラ「躾のなってねえ奴は俺が叩き直してやる!来い!」
攻撃を繰り出すブル、それをかわすアキラ
攻撃を繰り出すアキラ
パイ「あの伸脚は!」
掌底を繰り出すブル
カウンターを繰り出すアキラ
パイ「こ、これは…」
回し蹴りを繰り出すアキラ
ウェイミン「あれは…」
パイ「…八極拳。」
蹴りを繰り出すアキラ
アキラ「はああ!裡門頂肘!」
ナレーション「裡門頂肘。強靭な足腰による鋭い飛び込みと…鋼のような肘の突き。鍛錬された者のみが使える八極拳の高騰技である。」
ブルの下敷きになるウェイミン
アキラ「はあ…。」
アキラ「そんなに暴れたければ、身内でやってろ。」
拘束を解くパイ
ポーズを決めるアキラ
店主「ほら、約束の写真だ。ここへサインしてくれ、飾ってやっから。」
アキラ「やったあ!」
写真にサインするアキラ
パイ「アキラ?」
アキラ「そう、結城晶!アキラって呼んでくれよ。
んじゃ、親父さん。もう一つの約束…」
店主「わーてるよ。」
餃子の山盛りが
パイ「ギ、ギ、餃子!嫌あ!」
逃げ出すパイ
アキラ「おーい!一緒に食べようよ、タダだよ!」
パイ「馬鹿、近付くな!あっち行け!やだったら!」
アキラ「ねえってば!」
パイ「嫌ああ!」
#center(){
(続く)
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