仮面ライダー鎧武の最終回

~次回予告~
ナレーター(大塚芳忠)(本編では無し)『次回、仮面ライダー鎧武、最終回!』
紘汰『ここからは俺のステージだ!』
光実『なんだ!?あのアーマードライダーは?』
光実『もう紘汰さんはいない。だから僕達がヒーローにならなきゃいけないんだ!』
紘汰『俺達いつまでも仲間だぜ・・・』
最終話 変身!そして未来へ


ある日の沢芽市にコウモリインベス、シカインベス、セイリュウインベスが人々を襲っている。
そこへ紘汰が駆けつけた。
紘汰「やめろ、インベス!
変身!」
戦極ドライバー「オレンジ!ロックオン!
オレンジアームズ!花道!オンステージ!」
紘汰が鎧武に変身する。

鎧武「ここからは俺のステージだ!」
鎧武は3体のインベスを切り伏せる。
戦極ドライバー「オレンジスカッシュ!」
オレンジの輪切りを模した斬撃が3体のインベスを倒した。
そして、爆炎の中からタイトルが浮かぶ。



仮面ライダー鎧武

変身!そして未来へ


紘汰が変身を解く。光実も駆けつけてきた。
光実「紘汰さん、怪我はありませんでしたか」
紘汰「こっちは大丈夫だ」
光実「良かった」
紘汰「あっ!バイトの面接!」
紘汰が慌てて去っていった後で、人々が影口を言い始めた。

人々「なんだよアイツら・・・わざとらし~」
「ヒーローにでもなったつもりかね」
「だいたいインベスが暴れているのはビートライダーズの仕業じゃないか」

光実と紘汰はチーム鎧武のたまり場に戻った。
光実「どうして紘汰さんはまだ戦おうとするんです?」
紘汰「なんだよ、いきなり」
紘汰は求人情報誌を読んでいた。
光実「世間では僕達ビートライダーズはすっかり悪者です
街の人を助けたところで報われることはない、そんな戦いに何の意味があるんですか?」
紘汰「報われるかは問題じゃないだろ。やらなきゃいけないから戦う、それだけだ」
光実「でも紘汰さんがそこまでする必要はないじゃないですか」
紘汰「戦う力を持ってるのに何もしないなんて俺には無理だよ
ミッチだって・・・何だかんだ言ったって一緒に戦ってくれんじゃねーか」
光実「僕はただ・・・紘汰さん達が幸せならそれで満足です」
紘汰「ははは・・・やろー」

光実「紘汰さん・・・」
時は現在(クラック消滅から7ヶ月後)に戻り、光実は一人ベンチに座っていた。


呉島邸で貴虎と光実が食事をしている。
貴虎「光実・・どうだ、最近の、調子は」
光実「・・・うん、悪くないよ
兄さんはどう?相変わらず忙しそうだけど」
貴虎「ああ、ヘルヘイムの驚異が去ったとはいえ、世界はまだ混乱している
復興に力を尽くすことが今の俺に課せられた責務だ。それで罪滅ぼしになるとも思えんがな」
光実「兄さん・・・」
貴虎「明後日にはアメリカに経つ。お前には迷惑をかけるな・・・」
光実「僕は大丈夫・・・ごちそうさまでした」


ステージでチーム鎧武・チームバロンを始めとするビートライダーズがダンスを踊っていた。
光実が少し離れた場所から見ている。

チャッキー「ミッチ!」
ラット「ミッチー!」
リカ「どう?まだ一緒に踊る気になれないかな」
光実「・・・・ごめん」
リカ「そっか・・・」
光実がその場から去っていく。
チャッキー「ミッチ、まだ自分のこと許せないのかな?」
ペコ「構ってやることねーよ、放っておこうぜ」
ザック「ペコ・・・」
ペコ「簡単にはわり切れないだろ・・・」
ザック「まぁな。だが、それはあいつもおんなじさ
今はそっとしておいてやろうぜ」
少女「ミッチ大丈夫かなぁ・・・」
舞に似た一人の少女の肩に異形のイナゴが止まった。


新店舗がオープンしたシャルモンに貴虎と晶が来ていた。
貴虎「私は光実のことを何一つ理解してやれなかった。兄失格ですね・・・」
晶「私だって紘汰のこと全部分かってたわけじゃない。 そういうものですよ、兄弟って」
貴虎「彼には本当に大きな借りが出来てしまいました」
晶「紘汰は自分の進むべき道を決めたんだと思います。だからこれで良かったんです」
2人の席に店主である店長である凰蓮が来て、ケーキを置いた。
凰蓮「あら~メロンの君、焼けちゃうわねぇ
こちらはお得意様へのサービスでございます」
晶「まぁ素敵」
凰蓮「今度の新作よ。自信作です」
2人がケーキを食べる。
晶「う~ん、おいしい」
貴虎「また、腕を上げたな」

凰蓮「ノンノン」
そのケーキを作ったのは城之内だった。
城之内「メルシー。お気に入りいただけて、な、なにより・・・」
得意げな城之内を凰蓮がトレイで叩く。
笑う晶の肩にあのイナゴが止まる。
そこから無数のイナゴが飛来してきた。
城之内「な、なんだ!?」
貴虎「バカな!まさかインベス!?」
イナゴが集結し、イナゴ怪人が出現した。

光実がいる所でも無数のイナゴが飛び交い、人々が逃げ惑う。
光実「これは一体・・・」
光実の前にあの少女が現れた。
少女「ふっふふふ・・・久しぶりだな」
少女が戦極ドライバーを取り出した。
光実「ロックシード・・・」
少女「変身・・・」
戦極ドライバー「ダークネスアームズ・・・黄金の果実・・・!」
少女が仮面ライダー邪武(ジャム)に変身した。
邪武「私のことを忘れたか・・・?」
光実が邪武に挑むも全く敵わない。

邪武「私はコウガネだ!ここまで力を取り戻すには苦労したぞ!」
コウガネとは、フェンシンムの民が黄金の果実を模して造った人造生命体で、劇場版で仮面ライダーマルスとなって、紘汰達に倒されたはずだったが―――

光実「コウガネ・・・誰だ?」
邪武「そうか・・・お前にとってあれは夢の中の出来事か・・・。だが私にとっては耐え難い屈辱だ!」
邪武が光実を蹴り倒す。
邪武「ふん無様な、話にならん。さぁ狩りの時間といこうか」

凰蓮、城之内、貴虎がイナゴ怪人に挑むも全く敵わない。
そこに邪武も現れた。
邪武「どうしたアーマードライダーども、変身しないのか?」
城之内「もう・・ベルトは・・・」
貴虎達のドライバーはこれまでの戦いで全て破壊されていた。
貴虎「こいつら何者だ・・・?」

ザック「みんな!野郎!何が目的だ!」
邪武「決まっているだろ、復讐だ!」
駆けつけたザックは邪武に挑むも、やはり生身では敵わない。
邪武「ふははは」
邪武が変身を解く。
少女(コウガネ)「簡単には楽にしてやらんぞ。守ろうとしていたものが壊される様をその目に焼き付けろ。フェムシンムの様に滅びるがいい、猿どもめ」
少女とイナゴ怪人が大量のイナゴに包まれ姿を消した。
貴虎「何てことだ・・・!」

貴虎達はドルーパーズに集まった。
ザック「何なんだ、あのアーマードライダーは」
凰蓮「どうやら人間ではない様ね」
貴虎「奴はフェムシンムの事情を知ってる様だった。まさか、オーバーロードの生き残りか?」
凰蓮「まずいわね・・・オーバーロードと戦うなら戦極ドライバーが必要よ」
城之内「俺達のベルトはもう・・・ないじゃないですか」
ザック「打つ手なしかよ・・・」
坂東「ユグドラシルに黒いライダーがたくさんいただろ、あいつらのベルトは使えないのか?」
貴虎「黒影トルーパーのドライバーならロックシードごと全て処分した」
城之内「何で!?」
貴虎「ユグドラシルの様な存在に二度と悪用させないためだ。ヘルヘイムの驚異が去った以上、最早戦極ドライバーは必要ないはずだった」
凰蓮「まさかこんな事態になるなんて・・・」
貴虎「凌馬の残した設計図を元にドライバーを作り直したところで、ロックシードの方はどうにもならない」
ザック「だからって・・このまま指をくわえて見てるのかよ!」

貴虎がケースを持って呉島邸から出てきたが、城之内が待っていた。
城之内「ほ~らビンゴ、それ黒影トルーパーのドライバーでしょ。やっぱ予備が残ってた」
貴虎「どうして分かった」
城之内「策士ですから。まっ用心深いあんたのことだから必ず予備があると思ったよ。それ・・貸してよ、俺があいつと戦う」
貴虎「もう君達を巻き込むわけにはいかない。これは私の罪滅ぼしでもあるんだ」
城之内「そんなこと言ったって・・・あんた、前の傷まだ治ってないでしょ。戦いは無理だ」
貴虎は構わず行こうとするが、城之内が強引にケースを奪い取った。
城之内「あの・・・初瀬ちゃんって・・・」
貴虎「あぁ、初瀬亮二はインベスになってユグドラシル*1に処分された」
城之内「初瀬ちゃんがああなったのはきっと俺のせいだよ・・・。だからこれは俺の罪滅ぼしでもあるんだ・・・」

イナゴ怪人とイナゴが人々を追い立て、少女(コウガネ)が笑っている。
そこに城之内が駆けつけた。
城之内「好き勝手やってんじゃねえ!変身!」
戦極ドライバー「マツボックリ!」
城之内(初瀬ちゃん!)
戦極ドライバー「ロックオン!
マツボックリアームズ!一撃インシャドウ!」
城之内がかつての初瀬との変身を思い返しながら、黒影に変身した。

少女(コウガネ)「ザコが笑わせる」
黒影はイナゴ怪人と果敢に戦うも、武器の影松を奪われ、圧倒されてしまう。
少女(コウガネ)「どうした、ボロボロじゃないか」
黒影「うるさい!地獄のパティシエ修行に比べれば・・・このくらい!」
少女(コウガネ)「よかろう、変身」
戦極ドライバー「ダークネスアームズ・・・黄金の果実・・・!」
変身した邪武も加勢し、2対1でさらに劣勢になっても黒影は戦い続けたが、邪武のダーク大橙丸でドライバーを破壊され変身が解除される。

城之内「こんなところで・・・・!」
邪武「これでもうお前たちに戦う術はあるまい」
光実「そうでもないよ」
光実が現れた。
城之内「お前・・・!」
邪武「呉島光実・・・」
光実「まだ残ってるロックシードはあるんだよ」
光実がブドウロックシードを取り出す。
邪武「ふはは、葛葉紘汰ならともかくお前ごときではどうすることもできん」
光実「たしかにあの人はヒーローだった。でも・・・もう紘汰さんはもういない。
だから僕たちがヒーローにならなきゃいけないんだ!
変身!」
戦極ドライバー「ブドウ!ロックオン!
ハイ~!ブドウアームズ!龍!砲!ハツハッハッ!」
光実が龍玄に変身する。

邪武「どこまでも楽しませてくれる・・・」
邪武とイナゴ怪人が龍玄に襲いかかる。

龍玄と邪武、イナゴ怪人の戦い。
2体の攻撃で龍玄はブドウ龍砲を弾かれ、圧倒される。

龍玄が倒れるも、ブドウ龍砲が近くに落ちていた。
光実(見ていてください、紘汰さん・・・今度こそみんなを守ってみせます!)
邪武「無駄なあがきだ、消えろ!」
龍玄がブドウ龍砲を拾い、向かってきたイナゴ怪人を投げ飛ばす。

戦極ドライバー「ハイー!スカッシュ!」
ブドウ龍砲の連射がイナゴ怪人と邪武を吹き飛ばした。
倒れた邪武に龍玄がブドウ龍砲を突きつける。
龍玄「止めだ!」
邪武が変身を解き、少女の姿を見せる。

少女(コウガネ)「いいのか?この体は人間のものだぞ」
光実「なんだと?」
少女(コウガネ)「いまの私はただこのガキの体を乗っとっているだけだ。武器を下ろせ、変身を解け」
龍玄がブドウ龍砲を下ろし、変身を解く。
少女(コウガネ)「はっははは・・・馬鹿な奴め」
イナゴ怪人が無防備となった光実を痛めつける。

少女(コウガネ)「じっくりといたぶってくれる。安心しろ、他の連中もすぐに後を追わせてやる」
光実(すみません紘汰さん・・・やっぱり僕は何もやり遂げることができませんでした・・・)
紘汰(そんなことねぇよミッチ、お前すげぇ頑張ったじゃないか)
黄金の果実のオーラが空から飛来し、イナゴ怪人を光実から引き剥がし、爆破した。
黄金の果実のオーラの中から、「始まりの男」となって地球から遠く離れた星へ旅立った紘汰が現れた。

光実「紘汰さん・・・」
紘汰「やり残したことがあってな、コウガネ、お前を倒すことだ」
紘汰が放つ波動が少女(コウガネ)を捕らえ、元の少女からコウガネのイナゴを分離させた。
イナゴが再集結し、邪武の姿をとる。
邪武「おのれ、おのれ!お前を消し去る!」

紘汰「いけるな、ミッチ。2人であいつをやっつけよう」
光実「はい!紘汰さん!」
戦極ドライバー「ブドウ!」
光実「変身!」
戦極ドライバー「ブドウアームズ!龍!砲!ハッハッハッ!」
紘汰「変身」*2
光実が再び龍玄に、紘汰はベルトを使わずに鎧武・極アームズに変身する。
紘汰「ここからは俺達のステージだ!」

鎧武が無双セイバーを構え、龍玄に大橙丸を投げ渡す。
邪武が無双セイバー・ナギナタモードで切り結ぶも、2人の連携に押される。

邪武が距離を取って、無双セイバーから斬撃を飛ばすも
鎧武が無双セイバーのガンモードで、龍玄がブドウ龍砲で撃ち返してくる。
2人の銃撃を受け邪武が足を止めたところに、更に銃弾を連射し、邪武は転げ落ち無双セイバーを落とした。
邪武「なぜ黄金の果実である私が・・・貴様ごときに!」
邪武が体勢を立て直し、無双セイバーを拾う。
戦極ドライバー「ダークネススカッシュ・・・!」
邪武が無双セイバーを振るい、紫色のリンゴ状のエネルギー弾を連射するも鎧武が掌をかざすと、エネルギー弾は全て停止し消滅した。
鎧武「前にも言っただろ・・お前なんかただの金メッキだって。行くぞ、ミッチ!」
龍玄「はい!」
戦極ドライバー「極スカッシュ!」
「ブドウスカッシュ!」
鎧武と龍玄が飛び上がり、ダブルライダーキックを放った。
邪武「!」 
戦極ドライバー「ダークネスオーレ・・・!」
邪武も対抗して、無双セイバーから紫色のリンゴ状の巨大エネルギー弾を放つも、ダブルライダーキックに跳ね返された。
鎧武「セイ!ハーッ!!」
龍玄「はーーっ!!」
邪武は無双セイバーを振るい、自身のエネルギー弾をかき消すも、そのままダブルライダーキックを受け大爆発、最後に爆炎の中に自身の顔を浮かばせながら、完全に消滅した。

戦いは終わり、夕暮れの中佇む紘汰に光実が駆け寄る。
光実「紘汰さん」
紘汰「その様子だともう大丈夫みたいだな。言った通りだろ、もう一度やり直せるって」
光実「はい」
しかし、紘汰の姿が薄れだした。
光実「待ってください!紘汰さんに伝えたいことたくさんあるんです!」
紘汰「貴虎と仲良くな、それと姉ちゃんに俺は元気だって伝えといてくれ」
紘汰の姿が消滅した。
光実「紘汰さん・・・」
紘汰(俺たちいつまでも仲間だぜ・・・ミッチ)

城之内達が光実の元へ駆け寄ってきた。
城之内・凰蓮・ザック「「「ミッチ!」」」」*3
貴虎「光実!」
光実「みんな!」
光実も笑顔で仲間たちの元へ向かった。

赤と青の服を着た2人の男の子がある大木の元に来た。
男の子(赤の服)「ここって空き地じゃなかったの?」
男の子(青の服)「すっげーんだよ、いきなりぐわーって生えてきたんだ。姉ちゃん!姉ちゃん!」
そこにコウガネに乗り移られていた少女が来た。
少女「これ鎮守の森の御神木・・・」
男の子達「「へぇー・・・」」
少女「さっ練習!」
子供達が踊りの練習を始めた。

御神木から、紘汰と黄金の果実を巡って戦い、敗れた戒人の幻影が浮かんだ。
その後ろには、「始まりの女」となった舞がいる。

舞「どう戒人、みんな過去を乗り越えて前へ進もうとしている。人類にはまだまだ未来があるよ」
戒斗「だが、いつかまた間違える。再び争い、傷つけあう」
舞「そうだね・・・そしてその度にやり直す。
間違いを正しながら、少しずつ歩いていく」
戒斗「やはりお前は強いな・・・」
戒人が笑みを浮かべながら消えた。
舞「さよなら・・戒人」
紘汰もそこに来ていた。
紘汰「じゃあな、駆紋・・・戒人。舞、俺たちも自分の未来に進もう」
舞「うん、行こう、紘汰」
紘汰が御神木にクラックを空けた。
その先に宇宙空間が広がっている―――
――地球から遠く離れた先にある2人が旅立った星。
赤い死の星だったその星が、地球の様に青く美しく輝く星となっていた。

そして、物語はファイナルステージおよび劇場版『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』で描かれる「進撃のラストステージ」へと続いていく…。

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最終更新:2024年08月24日 08:02

*1 正確にいうと、仮面ライダーシグルドことシドに殺害された。

*2 ただし、アーケードゲーム『データカードダス 仮面ライダーバトル ガンバライジング』の最終弾である「ゲキレツグランプリ3弾」のメモリアルフィニッシュ版の演出では「変身!」と力強く発言している。

*3 この内、凰蓮が「ミッチ」と呼んでいるが、演じた吉田メタル氏によると自然に出たアドリブだという。