#center(){|&big(){&bold(){プロローグ}}|} 世界が悲鳴をあげはじめた・・・! 燃える城を背に、魔物を引き連れて悠然と進むのは、魔王ハドラーだった。 魔王襲来!! ハドラーが倒れた兵士の背中を踏みつける。 兵士「がはッ!!」 ハドラー「・・・つまらんなァ。紙のように国が燃える。少しはオレを楽しませてくれる人間はいないのか?」 兵士「・・・・・なめるなよ魔王っ・・・・・・・」 ハドラー「?」 兵士「おまえたち化け物の思い通りになるものか。いつの日か必ず世界を救う勇者が現れる・・・・!そう!・・・・・勇者が!!」 ハドラー「勇者?」 ハドラーがメラを放ち、兵士を焼き尽くした。 ハドラー「フハハハ!勇者か、たしかにな!今より全世界を制圧するこの魔王ハドラーと我が軍団に・・・・人間の分際で刃向かってくる奴がいるとすれば・・・・・そいつは「勇気ある者」に違いないだろうさ!」」 「愚かな無謀の「勇気」だがな!ハハハハハ!!!」 竜と魔の力が大地を焦がすとき人々が勇者の誕生を待ち望んでいた・・・・! 果たして勇者はどこに? どこにいるのだろうか!? カール城。 アバン「・・・・・・私を呼ぶ声がする」 「どうやら出番のようですね。さて・・・・それでは!」 これが・・・・ アバン「お料理を始めましょうかあ!!」 勇者っ?? #center(){|&big(){&bold(){第1話 勇者誕生}}|} かつて強大な力を持つ魔王の軍勢が全世界を征服せんとしていた時代―――――― その侵略の前に大きく立ちはだかった王国があっった。 それが屈強の騎士団を抱えるカール王国だった!! 「おおっフローラさまだっ!!」 「いつ見ても凜々しくて美しい・・・!!」 フローラ「皆の者よく聞きなさい!いかに魔王軍が世界を蹂躙し街を焼こうとも人間には団結する力があります!この私も戦いましょう!我が栄光のカール騎士団と共に・・・・!!」 人々「なんと勇ましい!」 「俺たちも戦おう!」 「姫さまばんざーい!!」 病症の国王に代わり国を支える王女フローラの雄姿は`希望の女神`そのものであった――――― フローラ「フウ・・・・・」 重臣「おつかれさまでした姫」 フローラ「いえあなたたちこそご苦労でした。騎士団の皆さんも・・・・」 重臣「ムッ!?騎士団といえばまたもあやつがおりませんな!」 騎士(・・・・・・バン!!!) フローラ「フフッ・・・・・まあ、相変わらずね」 騎士団長ロカ「自分がつれてきますっ!!姫さまの公式行事をサボるとは・・・・ふざけるにも程があるっ!!!」 フローラ「あっいいのですよロカ」 ロカ「よかないです。とっちめてやります!あいつのいる場所は決まってるんだ!!」 調理場。 アバン「ん~~~~~っ!イマイチですねぇ~このスープは・・・惜しい感じです」 女性「そんなあ、せっかくアバンさまのために作ったのにィ~!」 アバン「これは味付けが足りないんですよ。パデギア草の茎をチョイと混ぜると味がしまりますよ。それにパデギアは病気やケガによく効くし栄養も満点なんです!」 女性たち「さすがあ。アバンさまって物知りィ~」 「ねえねえ。今度はあたしのを食べてみてぇ♡」 その場に怒り心頭のロカが乗り込んできた。 アバン「お・・・おやロカじゃないですか。どうしたんです?」 ロカ「しらばっくれんじゃねえっ!!!」 ロカはアバンを引き連れていった。 女性「ああ~~~~ん!アバンさま~っ!!!」 ロカ「まったくどういうつもりなんだよ!!姫さまの護衛をすっぽかしてお料理教師たあっ!!」 アバン「ボディーカードならカール騎士団最強の君がいればいいじゃないですか。私は城のお食事でも強化していた方がよっぽど国のために役立ちますよ」 ロカ「はあっ・・・はあっ・・・もう返す言葉もねえ。我が友ながらカール騎士団に選ばれたんだか・・・・」 アバン「勉強ができるからでしょ?ジュニアール家は代々学者の家系ですからね」 ロカ「言っとくがな!今は戦いの時代なんだぜ! 魔王がおれたちの国を狙ってるんだ!!女の子を喜ばす程度の知識なんていくらっても意味はねえぞ!」 アバン「そんな言い方は女性に失礼ですよ。あなただっていつかは結婚して奥さんの世話になるんですから」 ロカ「ヘン!おれは一生剣に生きるんだ!女の子なんか絶対に好きになるもんか!」 アバン「いいんですか?そんなこと宣言すると後悔しますよ」 ロカ「誰が!もしそんなことがあったら裸で国中走りまわってやらぁ!!」 「とにかく!!公式行事はサボるなよ!あと剣くらいいつも持っとけ!いくら弱っちいお前でも素振りくらいはできんだろ!」 ロカがその場を離れた。 アバン「わかってますよロカ・・・・君の言う通り・・・・」 「戦いが近いようだ」 フローラ「キャアアア―――――――ッ!!!」 ロカ「どうしました姫!」 フローラの前の鏡に、奇妙な文字が浮かんでいた。 ロカ「!?こっ・・・・これは一体!!??」 フローラ「着替えをしていたら・・・突然血の文字が・・・・!!」 ロカ「一体なんの文字だ!?」 アバン「魔族の文字ですよ」 ロカ「アバン!本当かっ!!?」 アバン「鏡を使った通信呪文のひとつです」 「文字にはこう書かれています」 「`今宵姫をいただきに参上する。魔界の神へのいけにえとするために・・・魔王!!!`」 騎士たち「なッ、なんだとオッ!?」 「まっ、魔王が姫をッ!!?」 「大変だッ!!」 「守りを・・・守りを固めねばあッ!!!」 フローラ「・・・バン!」 アバン「コクッ」 ロカ「・・・・・!!?」 夜。 ロカ「さ・・・さあ魔王め!来るなら来やがれ!」 フローラ「・・・ロカ、アバンはどうしたのです?」 ロカ「アバン!!?・・・あああいつなら大事な用とかぬかして森へ行きましたよ!!」 フローラ「森へ・・・・?」 ロカ「あんな腰抜けいなくても関係ありません!我々が必ず姫をお守りします!!」 フローラ「・・・・・」 ロカ(・・・アバンのバカヤロー!いくら腕に自信がないからってまさか逃げ出しやがるとは・・・!!てめえとの仲も今日これまでだ!) アバン「♫」 城の空に、黒い光が浮かんだ。 騎士たち「あっ、あれを見ろッ!!」 「な・・・なんだッ!?」あの光はッ・・・・・!!?」 光の中からハドラーが現れた。 騎士たち「ま・・・魔王だあ~~~~ッ!!」 「全員構え~いいッ!!!」 ハドラー「ゴミめが・・・・・・!!ゆけ・・・!我が配下の怪物軍団よ!!」 「デルパッ!!!」 魔法の筒から放たれたモンスター達が、騎士たちに襲いかかる。 騎士たち「うわああああッ!!!」 「くっ・・・くそおッ!!!」 「ぐああっ!!!」 騎士たち「モ・・・怪物の軍団だッ!!!」 「なにッ!!?ど、どこからそんな奴らが!!_ 「! あ・・・あああ・・・」 ハドラーを乗せたドラゴンが壁を突き破ってきた。 騎士「うわああああツ!!!」 ロカたち「おッ・・・・おのれイッ!!!」 ロカたちがハドラーに向かって行くも、ハドラーの呪文に弾き飛ばされた。 ロカ「ぐうっ・・・・・なんて・・・・力だッ・・・・・!!」 騎士「うううっ・・・・・」 フローラ「・・・・・!!」 ハドラー「フローラ姫よ。おまえの身柄もらい受けに来てやったぞ。この魔王自らがな。ククククッ・・・・」 フローラ「魔王よ。おまえの企みは読めています」 「魔界の神に捧げるいけにえというのはただの名目・・・私を奪い去り国民に無力を痛感させ世界征服を早めるというのが真の目的でしょう!!!」 ハドラー「・・・さすがまだ少女とはいえ一国を預かる姫。ならば話が早い。我が下にひざまずくがいい!」 フローラ「断ります!!」 ハドラー「・・・フッ。ではこの場で殺してやってもよいぞ!!」 ロカ「ひ・・・姫ッ!!!」 ハドラー「さあッ!!どちらがよいのだ!!!早く決めるがいいッ!!」 アバン「いけませんねぇ・・・・・・」 そこへやって来たのはアバンだっった。 フローラ・ロカ「「・・・・アバン!!」」 ハドラー「なんだァ貴様ぁ!!?」 アバン「・・・魔王さんとやら、女性を誘うときはもう少し優しく声をかけなければダメですよ」 ハドラー「ふざけたことを抜かすなッ」 ドラゴン「グワァン!!」 向かってくるドラゴンにアバンは小袋を投げた。 ドラゴン「?」 その袋から出た粉を吸うとドラゴンは暴れ出した。 ドラゴン「グワアアッ!!!」 ハドラー「!?な・・・なんだ急に竜が凶暴にッ・・・・!!貴様何を・・・!!?」 アバン「なあに・・・ちょっと`毒蛾の粉`をかけてやったんですよ」 フローラ「毒蛾の粉!!?」 アバン「私が調合した特製の秘薬ですよ。これをかけると怪物たちは正気を失って同士討ちを始めるんです」 騎士「おおっ!外でも怪物どもが仲間割れを・・・・!!」 アバン「外の連中にもふりかけてやりました。これであなたの怪物軍団ももう役に立たないわけですね」 ロカ(そうか!森には毒蛾を探しに行ってたわけか!!あの野郎~~~~っ!!) ハドラー「ぬううううッ!!!」」 ハドラーは肘打ちでドラゴンを倒した。 「!!!」 ハドラー「貴様~ッ!!こざかしい猿知恵でこのオレを愚弄しおって!!許さんぞッ!!!」 アバン「・・・・許さない・・・・ですって?」 ハドラー(なっ・・・なんだ!!?)こんなひ弱そうな男から・・・闘気が・・・!!?」 アバン「許さないのはこっちのほうだ・・・魔王ッ!!!」 フローラ(・・・見たことがあるわ!!あのアバンの顔・・・!!・・・あれは3年前私がひとりで城を抜け出したとき・・・) フローラ「きゃああ」 マンイーターがフローラを襲っていた。 そこへ駆けつけたアバンが一刀でマンイーターを切り裂いた。 フローラ(森で怪物に襲われたところを救ってくれたのがアバンだった・・・・私は彼を騎士団へと推薦した。なのには彼は急に伊達メガネをかけて武術など全くできないようなフリをして始めた) アバン(申し訳ありません姫・・・有事の際にはすべての力を振るい姫とカール王国のために戦います。どうかその時までは・・・) フローラ(・・・わかりました。あなたのことは私の胸の内だけに) フローラ(その時が今来たのですね・・・・アバン!!) ハドラー「愚か者めがッ!!まさかこのオレに戦いを挑もうというのではあるまいなッ!!!」 アバン「戦いは望まん。だが、自らの野望のために平気で人を傷つけようとする外道を見て黙っていらるほど・・・」 アバンが伊達メガネを外した。 アバン「この私はお人好しではないッ!!!」 フローラ・ロカ「「!!」」 ハドラー「ほざくなあ――――――ッ!!!」 ハドラーが右手からメラを放ったが、 アバンもメラを放ち、相殺した。 ハドラー「こ・・・こいつ・・・!!」 ロカ「じゅ・・・呪文を使いやがった!!」 アバン「ベギラマ―――――ッ!!!!」 アバンのベギラマがハドラーに炸裂した。 ハドラー「ムゥウッ!!?」 (人間のくせにかなり高度な呪文を使いおるッ・・・・!!) 「カァァ――――――ッ!!!」 ハドラーの呪文の連射をアバンはかいぐぐっていく。 騎士たち「す・・・すごい。アバンの奴があんなに強かったなんて・・・・!!」 「がんばれアバン!!」 アバン「おおおッ」 アバンの飛び蹴りがハドラーを吹き飛ばした。 アバン「とどめだッ!!メラゾーマ!!!」 アバンがメラゾーマを放ったが、ハドラーにかき消された。 アバン「くっ!!?」 ハドラー「なかなかやるがしょせんは人間の力・・・!魔王の呪文に比べれば・・・」 「まだまだ幼稚!!」 ハドラーは両手から巨大なイオを出した。 アバン(イ・・・&ruby(イオナズン){極大爆裂呪文}!?いかん!!あんなものすごい呪文を使えるとは・・・!?だめだ!!今避けたら姫に当たる!!) フローラ「・・・アバン!!」 ハドラー「フンッ!!自ら死を選んだか!?」 アバン「・・・・!!!」 ハドラー「では死ねィッ!!!」 その時、ロカの一撃がハドラーの左手を切り落とした。 ハドラー「この・・・・・ゴミが―――――ッ!!!」 ハドラーが右手のイオをロカの背中に当てた。 アバン「ロカ~~~~~ッ!!!」 「ロカッ!!」 ロカ「・・・へへへッ・・・や、やってやったぜアバン・・・・」 アバン「・・・!」 ロカはアバンの方に剣を伸ばした。 ロカ「・・・片腕じゃ・・あの呪文はできねえだ・・・ろ・・・」 ハドラー「こうなればイオラで充分!まとめて灰にしてやるわッ!!!」 アバン「よくも・・・よくも私の友を・・・・!」 アバンはロカの剣を手に取った。 アバン「許さぁんッ!!」 ハドラー「イオラ~~~~~ッ!!!!」 ハドラーのイオラが放たれた。 アバン「うおおおおおお!」 アバンの構えた剣に光が宿った。 そして、アバンは剣を振り抜き―――――後の奥義、アバンストラッシュの原型となる一撃を放った。 ハドラー「なっ・・・なにィッ!!なんだ!!?この閃光はぁッ!!?」 「おおおおお!!!!」 アバンの一撃はハドラーを飲み込み、城の壁を貫いた。 その中からハドラーの姿が消えた。 騎士たち「アバンが魔王を倒したあっ!!!」 「やったぞ!!」 ロカ「や・・・やった・・・・!!」 アバン「いや・・・魔王はまだ生きています・・・!」 フローラ「!?」 アバン「奴が本当に死んだのならこの手も灰と化すはず・・・まだ生きている証拠です」 ハドラーの左手に付いた髑髏の指輪が喋り始めた。 ハドラー「ハッハッハッハ!!よく見抜いたな!!今日のところはまず退いておいてやろう。だがあのくらいの力ではオレは倒せん!絶対になッ!!フハハハハハッ!!」 アバンはハドラーの左手を焼いた。 アバン(たしかに・・・今の私の力では魔王には勝てない・・・・!) 翌朝、アバンは城から旅立っていた。 あの伊達メガネはフローラに預けられていた。 フローラ「これはあなたの平和の証・・・・魔王を倒し世界を救うその日まで私が責任を持ってあずかります」 アバン「なるべく早く帰ってきますよ」 「・・・・では!」 アバン「・・・・!ロカ!」 アバンの前にロカが来ていた。 ロカ「おれも行くぞアバン!魔王の野郎にたっぷり礼をしてやらなきゃ気が収まらねえからな!」 アバン「勝てるとは限りませんよ魔王には・・・」 ロカ「・・・おれはおまえのあの光る剣に希望を見た!」 アバン「あれは咄嗟に・・・・」 ロカ「偶然であれ未完であれ魔王をひるませた一撃であったことはたしかだ!!」 「おれは・・・あの光を信じる!!」 アバン「・・・・・!さあ!行きますよ!!」 ロカ「あっおいっ、ちょっと待て!「行く」ってどこにだよ!?アバン!おーいっ」 地底魔城。 帰ってきたハドラーは玉座で傷を癒やしていた。 ?「ハドラー様の腕を落とすとは・・・」 「なかなかの相手がいたようですな」 ハドラー「・・・・この傷をつけた奴はさほどでもない。だが・・・面白そうな男が現れたぞ!魔物を束ねるおまえたちの力、見せてもらう日が近いようだ!」 デストロール ガンガディア 亜人面樹 キギロ 鬼面道士 ブラス 地獄の騎士 バルトス その4体がハドラーの元に来ていた。 彼らを初めとする様々な敵が待ち構える中、アバンとロカの旅は始まった―――― #center(){&big(){&bold(){続く}}}