ファング達8人はレーヴェのティターンで変貌した女神クリューネア、 ――破壊神クリューネアを倒した。 クリューネア「よくも・・・よくも・・・この私を・・・!」 (――よくぞ、よくぞ・・・・この私を――) 「このような目に・・・許せぬ・・・お前たちなど・・・。」 (――ありがとう・・・貴方たち――) 瓦礫の中に横たわる女神クリューネアの身体から、まばゆい光が現れた。 それは―― クリューネア「――――。」 「ふぅ・・・!」 「ようやく、元に戻れました。」 「感謝しますよ。ファング。」 そう言って、女神クリューネアは今までに見せたことのないような笑顔を作った。 ファング((『最強の竜皇』 元は、自称する通りの最強のドラゴンであったが、クリューネアによって幼体である人間の少年の姿にされる。仲間たちとの旅を経て、彼らとの絆こそかっての自分を上回る「力」だと知り、クリューネアに戦いを挑んだことから破壊神クリューネアとの最後の戦いにつながる))「今まで、正気を失っていたということか?神ともあろう者が無様だな。」 クリューネア「相変わらずの口の利き用ですね。」 「それでも、とがめたりはしませんよ。」 「なんと言っても、貴方は、私を数百年ぶりに解放してくれたのですから。」 ファング「あぁ!?数百年・・・だと?」 クリューネア「えぇ、そうです。私はこれまで、ずっと人々の願いを叶えてきました。」 「ただ、それは私の中に人々の欲望をオリのようにこびりつかせていったのです。」 「貴方たちも見たでしょう。ティターンで欲望に取り憑かれた者たちの姿を。」 「いつしか彼らの欲望は私自身の心をむしばみ・・・」 「彼らと同じように私の正気を失わせました。」 ファング「だとしたら、俺様が初めて会ったときにも・・・・?」 クリューネア「ええ、その通りです。あのときのことは、ぼんやりとしか覚えていませんが。」 「それでも、貴方を見たとき、私の中に予感が生まれました」 「貴方は、願いも欲望も持たない純粋な意思だけを持っていたからです。」 「それを失わなければ、いつの日か私を解放してくれるのではないかと。」 「その予感は正しかったようですね、ファング」 「さて――。」 「この私に会いにきた者は願いを叶えてもらうことができるのですよ?」 ファング「くどいな、お前も。俺様は願いなど無いと――」 「いや・・・どうせならあのことを頼んでみるか。」 クリューネア「ほう?それは?言ってみなさい、ファング・・・・。」 ファング「昔、俺様はそこにいる小娘と何かの約束をしたらしい。」 「だが・・・、どうしても思い出せん。その記憶を蘇らせてくれ。」 ティアナ((『フェニックスの王女』 女神への願いでドラゴンに生まれ変わろうとしていたが、それは、子供の頃に竜皇だった頃のファングに救われて、彼と『自分がドラゴンになれたら結婚する』と約束したためだった。再会したファングは約束を忘れていたが、彼から「好き」という気持ちを受け取って、ルシアスのために自分の願いを使った。))「――ちょちょ、ちょっと!」 「あんた、急に何を言い出すのよ!?」 ファング「お前が、うるさいからだ。「約束」を忘れたことで文句を言っただろう?」 ティアナ「だったら、文句なんかもう言わないから!」 「思い出されたりしたら、あたしが困るのよ!!」 ファング「ふん、困るだと?」 「良くわからんが・・・ますます思い出してみたくなった。」 「――おい、クリューネア。」 「やはり、願うことにしよう。あのときの記憶を、今すぐ・・・・・」 ティアナ「だから、思い出すなって――」 殴打音が響く。 「言ってるでしょう!!」 その後、ティターンの外で仲間たちが2人ずつ話し出した。 ヘクトール((『ゴーレムの王子』 メンバーの中で唯一『羽化』を果たした成体だが、当初は婚約者から逃げるために女神への願いで幼体に戻ろうとしていた。旅をする内にマリーのことが好きになり、彼女のために願いを使った。))とマリー((『マンドラコラの少女』 マンドラゴラ族の老婆が大切にしていた人形に女神への願いで命を吹き込んだことで生まれたが、「命」は得ても「心」が無かったために、女神への願いで心を得ようとしたが、ファング達との旅の中で既に心を得ていた。)) ヘクトール「ねぇ、マリー・・・・。キミはこれから、どうするの?」 マリー「わからない。でも、もうしばらくこのままでいたい気がする。」 ヘクトール「うん。その気持ち、ボクにも、わかるよ。」 「でも・・・・いつか、ボクの国にも遊びにきてくれるかな・・・?」 マリー(こくん) ラピス((『男性恐怖症のメデューサ』 女神への願いで男性恐怖症を克服し、そこからファングに淡い恋心を抱いていたが・・・))とニコ(( 『ナインテイルの不思議少女』 女神への願いで「おバカ」を治そうとしていたが、旅の途中である謎かけを解いたことから「おバカ」は既に治ったと思い、仲間たちの願い事をつなげるために自分の願い事を使った。)) ニコ「ねぇ・・・それで、結局、どうなったの?」 「ちゃんとファングに伝えられたの?」 ラピス「そそ、そんなムリですぅ~。」 「それにティアナとお似合いですし・・・・。」 ニコ「そうかな?だってさっきもブン殴ってたよ?」 「キミが言わないなら、今度、ボクがアタックしてみようかな・・・・?」 「あ~あ、女神さまへの願い事、使ってなければなぁ――。」 ルシアス((『不死身の体を持つ剣士』 不治の病で倒れていたが、妹の女神への願いで不老不死の肉体を得た。しかしそのために長い年月を死ぬこともできずに生き続け、妹を始めとする親しい人達と死に別れてしまい、女神への願いで死を得ようとしていた。自分と同じ不死身の命を得たシルヴィを救うために自分の願いを使ってしまうも、ティアナの願いで有限の命に戻れた。))とシルヴィ((『兄を慕うデスサイズの少女』 ルシアスを不老不死にした彼の妹の遠い子孫で、死に別れる悲しみを避けようとしていたルシアスから、邪険に扱われていたために、彼と同じ痛みを分かち合うために女神への願いで不老不死の体になろうとしたが、ルシアスの願いで打ち消され、その本心を聞かされ和解した。)) シルヴィ「――お兄さま。一緒に故郷に帰りませんか?」 「地上も良いところですけど、わたしたちには少し日差しが強いですし。」 ルシアス「いや、私は、このまま奴とともに剣の修行を続けるつもりだ。」 「故郷に帰るのは、墓に入るときでいい・・・・。」 シルヴィ「だったら、わたしがお兄さまのお墓を作って差し上げます。」 「そのときまで、いっしょに連れていってもらいますよ?」 そしてファングとティアナ ファング「・・・ちっ!まだ痛む。」 「俺様を殴りつけた女は、お前が初めてだぞ。」 ティアナ「だ・か・ら~!」 「悪かったって、謝ってるじゃない。それなのにしつこいわよ。」 ファング「しつこいと言われてもな。本当に今も痛いというだけの話だ。」 ティアナ「わかったわよ。だったら、痛み止め、あげるから。」 ティアナがファングの頬にキスする。 ティアナ「――ほら、これでもう、痛くないでしょ?」 「特別サービス・・・・なんだからね・・・・!」 その一枚絵からスタッフロールが始まり、その横でこれまでの物語でのシーンが表示されていき、最後には夕焼けの中でのパーティーの集合絵が映された。 Fin