光戦隊マスクマンの第20話

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光戦隊マスクマンの第20話 - (2020/01/16 (木) 22:56:38) のソース

太極拳を指南するモモコ(ピンクマスク)。その手刀は積まれた煉瓦を割り、踵落としは積まれたブロックを、肘打ちは積まれた煉瓦を割る。
息を飲む、類稀な美貌とは裏腹な冴えだ。
感心する弟子の子供達。

弟子「先生、すごい!」
モモコ「みんなだってできるわよ。人間に不可能はないわ。努力すれば誰だってできるの」
弟子「本当に? 本当に努力すればできるの?」
モモコ「己を信じ、決してへこたれず、最後までやり抜けばね。できるかな? みんな」

頷く弟子達に「じゃあ約束しましょう。モモコ先生との約束」と言って印を結ぶモモコ。そこに黒い道着姿の女が現れる。


#center(){|&big(){&bold(){罠!沈む巨大ロボ}}|}


女「そんな拳法に騙されては駄目よ」
モモコ「あなたは誰?」
女「&ruby(こつ){骨}&ruby(ひ){妃}と申します」
モモコ「骨妃……」
骨妃「子供騙しの、間違った拳法を正すために全国を渡り歩いてる者です」
モモコ「私の拳法が子供騙し? 間違ってるとおっしゃるの?」
骨妃「はい。そして、あなたのようにご自分の非を認めない者には……実力で間違いを正して差し上げます」

言い終わるなり、襲い掛かる骨妃。道着を裂かれ、吹き飛ぶモモコ。
血を吐き、為す術なくいたぶられるモモコを見て弟子の一人は「強ええ、本物だ」と感心する。
振り下ろされた骨妃の拳が怪物のようになる。驚くモモコにとどめを刺して、骨妃が木の上に跳び上がる。
追おうとするモモコだが、骨妃は軽々と逃げ、さらにその体が宙に浮く──。


地底帝国チューブの本拠地・地帝城。

アナグマス「地底帝国最強の美女、骨妃じゃ。あの女こそがグレートファイブを倒す!」
バラバ「グレートファイブを?」
オヨブー「何と!」
イガム「あんな女に一体どうやって……」
アナグマス「黙って見ておれ。340年も生きてきたこのわしがグレートファイブを倒すと宣言したからには、必ず倒す」


モモコ(いけない……あの女はただの女ではない……!)

骨妃に恐れを抱くモモコ。
そこに弟子の少女が現れ、ユウスケとミチオが骨妃の弟子になって黒天山に行ったと語る。我が身を顧みず向かうモモコ。


光戦隊基地では、姿長官がモモコの危機を察知していた。
駆け寄る光戦隊の四人に姿長官は、不吉な予感がすると言う。


黒天山。
モモコは宙に浮くユウスケとミチオを見つける。

モモコ「ユウスケ君!」
ユウスケ「見たか! これぞ空中浮遊の術!」
モモコ「ミチオ君!」
ミチオ「骨妃先生に教えてもらったのさ」

自慢げに言う二人。

モモコ「いけない。あなたたち、騙されてるのよ!」
ユウスケ「違う! 骨妃先生がすごいのさ。教えてくれたらすぐにできちゃうんだもん」

モモコの背後の物陰で、アナグマスが呪文を唱えている。
二人はアナグマスの魔術で宙に浮いているのだ。

モモコ「君たち……あたしを信じて! 君たち……」
ユウスケ「『努力すれば』でしょ?」
ミチオ「ほっといて。俺たちはこんなにできるようになったんだから。じゃあねー」

モモコの言葉に耳を貸さず、飛んでいく二人。そこに骨妃が現れる。

モモコ「お前は一体何が目的なの!?」
骨妃「言ったでしょ? 子供騙し、間違った拳法を正す者」

再度打ちのめされるモモコの下に四人が駆けつける。
オヨブーとアングラー兵が現れ、チューブの者と気付いて変身する四人。しかしモモコだけは変身せずに骨妃と戦う。

イエローマスク「モモコ! なぜ変身しないの?」
モモコ「子供達との約束を守るためよ。己を信じ、生身で戦い、決してへこたれず、最後までやり抜く……そう子供達にも教えた!」

自ら道着の裾を破り、ほどけたバンダナの代わりにして敢然と立ち上がるモモコ。

モモコ「……許さん!!」

アングラー兵を投げ飛ばし、骨妃を追うモモコ。その前にユウスケとミチオが倒れ込む。

モモコ「アナグマス……!!」
アナグマス「かわいい弟子を預かっていることを忘れるな」

アナグマスの手から放たれる炎のような光線を受けて悶える二人。

アナグマス「骨妃、とどめを」

骨妃が地帝獣ドクロドグラーの正体を現す。背中の骨からの破壊光線に怯み、投げられるモモコ。

ユウスケ「先生ー!」
ミチオ「助けてー!」

冒頭で自分が発した言葉が、モモコの脳裏をよぎる。

モモコ「約束を破っちゃいけない。この体で戦ってきたんですもの。見せてあげる、約束の教えを」

アングラー兵とドクロドグラーの銃撃に屈せずモモコは敢然と挑む。
ドクロドグラーの拳を掴んで投げ、正拳を決める。

|モモコが自らの教えを示そうと戦えば戦うほど、恐ろしい罠に&br()はまっていくことを、その時はまだ誰も気が付かなかった……。|

四人が駆けつけてユウスケとミチオを助け出し、モモコを抱え起こす。

レッドマスク「よくやった、モモコ。君はモモコ先生として十分に戦ったんだ」

モモコも変身し、マスクマンが五人揃った。
しかしアナグマスは「作戦通り。後になって驚くなよ」と言い残して引き上げる。
ピンクマスクはマスキーリボンでドクロドグラーの動きを封じ、柄で突き刺し、とどめに蹴りで吹き飛ばす。

レッドマスク「よし、ショットボンバーだ!!」

ダメージの大きいピンクマスクはふらつくが何とか照準は定まり、ショットボンバーが炸裂。爆散するドクロドグラー。
しかしピンクマスクも力尽き、変身が解けて倒れてしまう。

アナグマス「今です、ゼーバ様!」

地帝王ゼーバが差し向けたエネルギー獣オケランパの光線が、ドクロドグラーを再生・巨大化させる。

レッドマスク「モモコ、しっかりするんだ!」
姿長官「しまった! ピンクマスクは体力の限界を超えて、エネルギーを使い果たしてしまったんだ。体力が回復するまで、変身不能だ」

四人は自分達だけで戦うよう言われる。

レッドマスク「……やるしかない!」
イエローマスク「モモコ、あなたの分まで頑張るわ」


地帝城。

アナグマス「分かったか! これがわしの作戦じゃ。ピンクマスクに決定的ダメージを与えたゆえ、マスクマンはグレートファイブを四人で操縦しなければならん!」
イガム「なるほど。いかにマスクマンといえど、四人ではグレートファイブの全能力を発揮することは……」
アナグマス「できん」
ゼーバ「とくと見るがよい、グレートファイブの最期を!」


母艦・ターボランジャーからグレートファイブが発進。
四人のマスクマンが乗り込む。

レッドマスク「いいか、四人で頑張るんだ」
ブラック・ブルー・イエロー「分かった」
姿長官「みんな……頑張ってくれ」

手にした骨の剣でグレートファイブを攻め立てるドクロドグラー。
たちまち膝をつくグレートファイブに背中からの骨ミサイルと目からの光弾が命中。

イエローマスク「右エンジン、出力低下!」
レッドマスク「第三燃料タンクのバルブを全開しろ!」
ブラックマスク「左エンジンもおかしいぞ!」
ブルーマスク「こっちも手が離せないんだよ!」

猛攻に宙を舞うグレートファイブ。コクピット内の計器が爆発する。
勝ち誇るアナグマス。

レッドマスク「よし、ファイナルオーラバーストだ!」

再び計器が爆発し、コクピットの灯りが消える。

イエローマスク「第一、第三回路破損!」
レッドマスク「予備回路に切り替えろ!」
ブラックマスク「駄目だ! そっちもやられている!」
ブルーマスク「何だと!?」
レッドマスク「残りの全エネルギーを集めるんだ! 光子斬りで立ち向かうしかない!」

四人は持てる力を振り絞り、光電子ライザー光子斬りを決める。
ドクロドグラーは骨を散らして爆発。

レッドマスク「四人で切り抜けたぞ……!」
ブルーマスク「やった……」
アナグマス「……これからだ」

その時、地面の骨が爆発し、地割れが発生。グレートファイブが飲み込まれていく。
モモコが目を覚まして駆けつけるが……。

ブルーマスク「やっぱり四人じゃ無理だ!」
姿長官「グレートファイブは諦めるしかない! 緊急脱出装置を作動させるんだ!!」

ためらう四人。

姿長官「言うことを聞けっ!! お前達を失いたくないんだ……」

モモコの前でグレートファイブは完全に没し、「みんな!」の叫びが木霊する。


チューブの地上制覇を確信し、ゼーバを讃える幹部とアングラー兵。

ゼーバ「もはや我が行く手を阻む者はない! 今こそ総攻撃のチャンス!!」
バラバ「はっ!」
イガム「地底帝国」
フーミン「チューブに」
オヨブー「栄光あれ!」
アナグマス「栄光あれ!」


傷つきながら辛くも地上に脱出した四人が、モモコと合流。

モモコ「みんな……みんな、ごめんなさい! 私が、私が乗っていれば、こんなことにならなかったのに……」
タケル(レッドマスク)「モモコ……」

謝りながら泣き崩れるモモコ。

姿長官「いや……よくやったよ、モモコ。君は小さな命を救ったんだ」

「モモコ先生!」の声と共にユウスケとミチオが駆け寄り、モモコと寄り添う。

モモコ「無事でよかった……よかった!」
ユウスケ「先生……ありがとう!」

微笑むモモコ。
それを見守る四人。


#center(){|CENTER:&br()二つの尊い命を救うことができた。&br()よかった──みんな心の底からそう思った。&br()&br()だが、グレートファイブは地中深く埋まってしまった。&br()グレートファイブなくして、明日からのマスクマンの戦いは&br()どうなるのであろうか?&br()果たして、地底帝国チューブの攻撃を防ぐことができるので&br()あろうか?&br()&br()|}


姿長官が、光戦隊基地に飾られた「ハイテク曼荼羅図」を睨む──。


#center(){&big(){&bold(){つづく}}}