ナレーター「巨獣ハンターバングレイに狙われているキューブホエールを守りたい大和達はキューブホエールの力を使わずに戦おうとする。 だが、バングレイの罠にはまり、大和を人質に取られてしまった!」 大和の家に戻った操達5人。 そこに事情を知らない真理夫が来た。 真理夫「おっはよー、あ~良く寝た。昨日はあれからぐっすりだよ。あれ、大和かと思えば、操君?」 操「おはようございます・・・」 真理夫「うん、あれ大和は?台所?」 操が土下座した。 真理夫「?」 操「すみません!俺の・・・力ぶそ・・・」 アムが操の口をふさいだ。 アム「お仕事でアクシデントがあって昨日からそちらに・・・ 真理夫「あっちゃ~、それじゃ、僕達だけでご飯にしようか。操君も食べるだろ?」 何処かの廃工場で、大和が縛られていた。 バングレイ「いいカッコだな、風切大和」 大和「これくらい何でもない!」 バングレイ「その目、いつまで持つかな?」 バングレイの能力で作られたジュウオウゴリラが飛び降りて、大和の腹を殴りつける。 そこから、大和のジュウオウチェンジャーを奪っていった。 バングレイ「まずはエサになってもらうぜ。オレが恋い焦がれた伝説の巨獣、キューブホエールをかっさばく為のな」 セラのジュウオウチェンジャーがコール音を鳴らした。 セラ「大和!?」 バングレイ「残念、外れ~」 大和のジュウオウチェンジャーで連絡をかけてきたのは、バングレイだった。 セラ「バングレイ・・・」 バングレイ「お待ちかね、風切大和とクジラちゃんの交換のお知らせだ」 大和「だめだ!キューブホエールを連れてくるな!」 ジュウオウゴリラが再度、大和を殴りだした。 セラ「大和!」 バングレイ「こいつを助けたけりゃ、今日の正午、五人でクジラちゃんを連れて六目谷に来な!バリ楽しみにまってるぜ!」 通信が切れた。 レオ達の足下でキューブホエールがその通信を聞いていた。 #center(){|&big(){&bold(){第35話 ジュウオウジャー最後の日}}|} タスク「もしキューブホエールを連れて行ったとしても素直に大和を返すとは思えない」 アム「キューブホエールと大和君!両方やられるかもしれないってこと!?」 操「そんな・・・」 レオ「こうなりゃいっそ、覚悟決まったな・・・」 セラ「キューブホエールを置いていって、私たちが大和を取り返す・・・」 タスク「無謀だが、やるしかない・・・」 その時、何か物音が聞こえてきた。 レオ「何だ?」 大和の部屋に行くと、窓が割れていた。 アム「セラちゃん!」 キューブホエールを繋いでいた紐が千切られていた。 レオ「アイツ・・・」 クバル「ショーの準備が整いました。そろそろ行きましょう」 大和「おい、ショーって何だ!」 バングレイ「ああ?教えてやるよ。 お前の仲間がクジラちゃんを連れてきた所を狙い撃ちするのさ」 大和「ふざけるな!」 バングレイ「お前には特等席を用意してやるよ。仲間が木っ端微塵になるところ、バリっと見届けな!」 大和「やめろ・・・ダメだ!」 ジュウオウゴリラが三度、大和を殴りつける。 バングレイ「言ったろ?俺はお前の信じる繋がりが切れて絶望する様を見たいんだって。 お前の仲間は助けに来るだろうな、なんたって繋がってる大事な仲間なんだからな!」 大和「そんな・・・! みんな、俺のせいで・・・!」 バングレイ「ハハハハ!さ、行くかぁ!」 外に出たキューブホエールをレオが網で捕まえた。 レオ「捕まえた!」 セラ「何してんのアンタ!」 タスク「こんな時に勝手な事をするな!」 操「俺は・・・。キューブホエールの気持ちが分かる・・・気がする」 セラ「操くん?」 操「キューブホエールにとって大和は現代で出来た初めての仲間だ・・・! もし置いていったとしても、きっと後から勝手に来る・・・! だったら最初から!みんなで力を合わせる事は出来ないか・・・?」 アム「大和君は絶対、連れてくるなって思ってるよね・・・」 タスク「だろうな」 レオ「ああ、オレでも言うぜ!」 セラ「でも!大和・・・言ってた・・・」 大和(もしこれでまた嫌われたとしても、キューブホエールを守れるならそれでいいって・・・) セラ「もし大和が怒っても、大和を助けられるなら・・・」 アム「うん・・・」 操「じゃあ!」 レオ「よし!みんなで行くぞ!六目谷!」 六目谷。バングレイとジュウオウゴリラは口にタオルを噛まされた大和を連れて、坂の上に陣取っていた。 バングレイ「お、来たぜ」 レオ達が六目谷に来た。 レオ「来てやったぞー!バングレイ!」 セラ「さあ!大和を返して!」 バングレイ「まずは全員、こいつを捨てな」 バングレイが大和のジュウオウチェンジャーを見せる。 バングレイ「早く」 レオ達が自分のジュウオウチェンジャーを地面に捨てた。 操はしらばっくれようとする。 バングレイ「おい!お前も何か持ってただろ!」 操も自分の変身アイテムであるジュウオウザライトを地面に捨てた。 バングレイ「クジラちゃんはちゃんと連れてきたか?」 アム「今度はちゃんと本物だから!」 バングレイ「おお、バリバリ元気そうじゃん。嬉しいぜ」 キューブホエールが巨大化しようとする。 バングレイ「おっと!今暴れたらどうなるか、分かってるよな?」 ジュウオウゴリラが腕を振り上げる。 キューブホエールがアムの手の上に戻った。 バングレイ「おぅし、クジラちゃんをよこしな」 タスク「大和が先だ!」 バングレイ「クジラちゃんが先だ!」 ジュウオウゴリラが大和を殴りつける。 タスク「分かった・・・」 アムがキューブホエールを抱えて、バングレイに近づく。 バングレイ「物分かりが良くて、助かるぜ」 アムがバングレイにキューブホエールを差し出した。 バングレイ「ご苦労さん・・・フン!」 バングレイはアムを殴り飛ばし、アムはレオ達の元へ転がり落ちた。 レオ「アム!大丈夫か!?」 セラ「アム!」 バングレイ「これで思う存分切って切っていたぶりまくれるもんだ!」 レオ「おい約束だ!今度こそ大和を返しやがれ!」 バングレイ「知ってるか?約束ってのは・・・、破る為にあるんだぜ!」 セラ「あんた、やっぱり・・・!」 バングレイ「甘ちゃんな馬鹿どもが、恨むんなら風切大和を恨みな!」 宇宙空間。バングレイの宇宙船、ヤバングレイド号からクバルの操作によってビームが放たれた。 ビームは操達の眼前に着弾し、そこから辺りをなぎ払っていった。 ビームによる爆発が収まった時、操達5人の姿は無かった。 バングレイ「どうだ?風切大和、お前のせいで仲間を皆殺しにされた気分は?その顔、もーっと良く見せろよ」 バングレイが大和の顔からタオルを取った。 大和「セラ・・・レオ・・・タスク・・・アム・・・みっちゃん・・・・!!」 大和が嗚咽を上げた。 バングレイ「ハーハハハ!いいんじゃん!バリバリ最高じゃん!てめえの繋がりが招いた悲劇に絶望した顔だ!ハハハハ!心配ねえ、すぐ後を追わせてやる、ふん!」 バングレイが長剣、バリブレイドを振りかぶる。 その瞬間、キューブモグラとレオ達5人が崖を突き破って、飛び出してきた。 セラ、レオ、タスクの3人がバングレイに体当たりし、大和から引き離す。 操がジュウオウゴリラを蹴り飛ばし、アムが大和を助ける。 キューブホエールが巨大化し、尾びれでバングレイを坂の下にはじき飛ばした。 レオ「キューブホエール!上だ!上!」 キューブホエールが宇宙空間のヤバングレイド号に向かう。 クバル「は・・・!?」 キューブホエールはヤバングレイド号からの攻撃をかわして、接近していく。 アム「大和君! 大丈夫!?」 タスク「大丈夫か?」 アム「大和君!」 大和「みんな・・・!」 バングレイ「一体どうなってやがる!」 操「お前!大和にしつこく、嫌がらせしていただろ!」 回想。 バングレイは以前、既に亡くなっていた大和の母親の和歌子を自分の能力で実体化させて、大和の目の前で斬り殺し、絶望させようとした。 バングレイ「よーく見とけ」 大和「母さん!」 また、その後には大和の友人である林ダイチの結婚式を襲い、彼と花嫁を殺す事で大和を絶望させようとしていた。 アム「大和君の目の前で私たちを皆殺しにしたら、大和くんすっごい苦しむぞって考えそうだなって」 セラ「来てみたらクバルいないし!だからずっと警戒してたの!」 レオ達はヤバングレイド号がビームを放った直後、セラが取り出したキューブモグラが掘った穴に飛び込んでいた。 大和「良かった・・・俺、みんなに死なれたら・・・俺・・良かった・・・・!」 大和が立ち上がり、レオ達と抱きしめ合う。 操「大和、無事で良かった・・・!」 アム「大丈夫、私たちは簡単に死なないよ!」 タスク「大和が繋げた仲間達だ!」 セラ「私たちが力合わせたら、最強!」 レオ「さあ、気合い入れ直せ。バングレイを倒すぞ! 今度はオレら全員でな!」 大和「ああ!」 バングレイ「へっ!また繋がりか、弱いヤツほど群れたがる!」 大和「うるさい!動物が群れを作るのはな、大事な仲間とみんなで生き抜くためだ! オレも戦い抜く! この仲間達と一緒に!!」 大和・アム・レオ・タスク・セラ・操「「「「「「本能覚醒!!」」」」」」 大和達6人はジュウオウジャーへ変身した。 ホエール「動物戦隊!」 ジュウオウジャー「「「「「「ジュウオウジャー!!」」」」」」 バングレイ「そんなに言うなら、群れごとぶっ殺してやるよ!!」 ホエール「俺の仲間を・・・なめるなよ!!」 バングレイ「はっ!数が欲しけりゃこれで十分だ!」 バングレイが放り投げたメーバメダルから、多数のメーバが出現したが、ジュウオウジャーによって簡単に一蹴された。 そして、そこにジュウオウゴリラが来た。 ホエール「こっちは頼む!」 タイガー「任せて!」 ジュウオウホエールはジュウオウゴリラの攻撃をかわし、バングレイの方に向かった。 タイガー達4人がジュウオウゴリラに飛びかかり、同時キックで怯ませた。 ワールド「はぁーっ、そりゃぁ!」 そこにジュウオウザワールドが飛びかかり、上空へ放り投げた。 ジュウオウチェンジャー「ジュウオウシュ~ト~!」 そこへ4人の一斉射撃を受け、ジュウオウゴリラは消滅した。 ヤバングレイド号にキューブホエールのミサイルが直撃した。 クバル「潮時か・・・」 クバルが脱出した直後、ヤバングレイド号に再度、ミサイルが直撃し爆発四散した。 キューブホエールとバングレイが戦う。 ホエール「バングレイ!後はお前だけだ!」 バングレイ「やれるもんならやってみな!」 そこへ、残る5人も駆けつけ、連続攻撃でバングレイを翻弄する。 バングレイはバリブレイドを振り、衝撃波を放ち、ジュウオウジャーを攻撃する。 バングレイ「!?」 シャーク・ライオン・エレファント・タイガー「「「「野生解放!!」」」」 しかし、その噴煙から飛び出したシャーク達4人は野生解放し、その連続攻撃でバングレイを再度翻弄する。 ワールド「野生大解放!!」 更に、ジュウオウザワールドが野生大解放し、バングレイに組み付く。 ワールド「大和!」 ホエール「はぁーっ!」 バングレイ「ぐわぁーっ!」 ザワールドがバングレイを上空に放り投げた所へ、ジュウオウホエールのキックが炸裂し、バングレイは吹き飛んでいった。 バングレイ「あいつら・・・!」 バングレイが吹き飛ばされた近くにクバルが来ていた。 バングレイ「お、いい所に来た!ちょっと手ぇ貸せ!」 バングレイが右手を差し出すも、クバルはサーベルの一撃でその右手を切り落とした。 バングレイ「おわっ!?てめえ!」 クバル「おや?まさか、いつまでも私が手を貸すと?ありえないでしょ。ヤツらの言葉を借りるなら・・・」 クバルは切り落としたバングレイの右手をカプセルに包み、持ち上げた。 クバル「私とあなたに、仲間の繋がりなんて無いのですから!」 バングレイ「何を・・・手駒の分際で!」 クバル「餞別です。良かったら使って下さい」 クバルは、デスガリアンが巨大化に使うコンティニューメダルを放り投げて、去って行った。 バングレイは右手にバリブレイドを接続し、立ち上がった。 そこへジュウオウジャーが来た。 ホエール「バングレイ!」 バングレイ「てめぇ!てめぇら!許さねぇぞ!」 バングレイがバリブレイドの先端から光線を撃ったが、 ジュウオウホエールがホエールチェンジガンからの一撃で相殺した。 ライオン「今度こそ止めだ!」 ホエール「みんなで行くぞ!」 タイガー「うん!」 ワールド「ああ!」 ジュウオウホエールがホエールチェンジガンを構え、ワールド達5人がジュウオウホエールを支える。 ホエールチェンジガン「ジュウオウファイナ~ル!」 ジュウオウジャー「「「「「「はぁ~~~~っ、はあ!!」」」」」 ジュウオウジャー全員の力を加えたジュウオウファイナルがホエールチェンジガンから放たれ、バングレイに炸裂し、大爆発した。 バングレイ「があぁぁ!!」 バングレイ「まだだ・・・!」 ホエール「!?」 しかし、バングレイは立ち上がってきた。 バングレイ「伝説の獲物を・・・」 バングレイはクバルの残したコンティニューメダルを食らい、巨大化した。 バングレイ「狩らずに死ねるかぁ!!」 キューブホエールがその場に戻ってきた。 ホエール「よし、行こう!キューブホエール!」 ジュウオウジャーがそれぞれのジュウオウキューブを取り出したが、そのジュウオウキューブとホエールチェンジガンが光り出した。 ホエール「これ、もしかして・・・」 ジュウオウホエールがホエールチェンジガンのトリガーを3回引くと、巨大なリングが出現し、バングレイを弾き飛ばした。 シャーク「デカ!」 タイガー「あれなら、みんなくぐれそう!」 ホエール「みんなで行けってことか!」 ジュウオウジャーが巨大化したキューブアニマルに乗り込んだ。 ジュウオウジャー「「「「「「ジュウオウキューブ!動物大合体!」」」」」 キューブイーグル、キューブシャーク、キューブライオン、キューブエレファント、キューブタイガー、キューブゴリラ、キューブクロコダイル、キューブライノス、キューブキリン、キューブモグラ、キューブクマ、キューブコウモリがリングをくぐっていき、そして最後にキューブホエールが、つっかえて左右のヒレパーツとカイオースピアを外しながらもリングをくぐった。 ジュウオウチェンジャー「イーグル!シャーク!ライオン!エレファント!タイガー!ゴリラ!クロコダイル!ウルフ!ホエール!キリン!モグラ!クマ!コウモリ!」 キューブ状になって重なったイーグル、シャーク、ライオン、エレファントの4体をヒレパーツが貫通し、右足となり、同じようにしてタイガー、ゴリラ、クロコダイル、ウルフの4体とヒレパーツが左足となった。 キューブホエールが変形した上半身と両足が合体し、キューブコウモリとキューブキリンが右腕として、 キューブモグラとキューブクマが左腕として合体。 更に胸のカバーが展開した所にキューブライノスが合体。 最後に頭が出現し、カイオースピアが右肩に合体し—! ジュウオウジャー「「「「「「完成!ワイルドトウサイドデカキング!!」」」」」」 14体のキューブアニマルが合体した最強ロボ、ワイルドトウサイドデカキングが完成した。 バングレイ「まだ群れやがって、下らねえ!まとめてバリっと仕留めてやる!」 バングレイがバリブレイドを地面に叩き付け、ワイルドトウサイドデカキングに衝撃波を放つも、ワイルドトウサイドデカキングは物ともせず前進する。 ホエール「オレ達は負けない!」 バングレイ「おのれ!ぶった切ってやる!」 バングレイは両手でワイルドトウサイドデカキングに切り掛かるも、やはりビクともしない。 ホエール「はあ!」 ワイルドトウサイドデカキングが両腕でバングレイに反撃する。 シャーク「確かにアンタは一人でも強い!」 タイガー「でも今より強くはなれない!」 バングレイ「何っ!?」 エレファント「このワイルドトウサイドデカキングは地球のパワーの結晶と!」 ライオン「六人の王者の集まりだ!」 ワールド「一人じゃ出来なかった事がみんなとなら出来る!」 ジュウオウジャー「「「「「「ジュウオウドデカショット!!」」」」」」 ワイルドトウサイドデカキングはジュウオウキューブのエネルギーを集めた光線を放ち、 バングレイを吹き飛ばした。 ホエール「これで最後だ、バングレイ!オレ達の繋がりは!」 ジュウオウジャー「「「「「「お前なんかに壊せない!!」」」」」」 ワイルドトウサイドデカキングの両足から新たにキューブが出現していく。 ジュウオウジャー「「「「「「ジュウオウドデカダイナマイトストリーム!!」」」」」」 ワイルドトウサイドデカキングの両足、そして背中に背負った地球のヴィジョンから、ワイルドトウサイドデカキングを構成するキューブアニマルとそれに似た姿をしたキューブアニマルがエネルギー弾として放たれ、バングレイをその数字を刻みながら貫いていく。 そして、「100」の数字がバングレイを刻み、ワイルドトウサイドデカキングが両足を元に戻し、着地した。 バングレイ「オレの獲物が!オレの夢がぁぁ!!」 バングレイが倒れ、大爆発ーーー。ついに最期を迎えた。 戦い終えて、大和達が帰って行く。 大和「ありがとう・・・あの時、一瞬・・絶望したんだ。俺のせいでみんな!殺されたんだって思って!!・・・生きていてくれたから、救われたんだ・・・!」 レオ「大和!・・・後悔すんなよ・・・俺らとつながったこと!」 セラ「後悔されたら、私たちが寂しいじゃん?」 アム「うん!」 タスクも無言で大和の手を取る。 操「や、や、大和ー!」 操が大和に抱きつき、押し倒した。 レオ達は笑いながら、操と大和を起こした。 大和「ありがとう」 (みんなありがとう!) #center(){&big(){(つづく)}}