宇宙空間。赤い光の球と紫色の光の球が激突しながら進み、太陽系に来た。
赤い光の球は紫色の光の球を太陽に叩き込んだが、自身も太陽に飲み込まれた。
地球。夜空に紫色のオーロラが現れ、人々がどよめく。
ナレーター「全ては15年前のあの日から始まった」
何処かの工事現場。そこにあった小さな穴から紫色の光が漏れていた。
そしてそこから、宇宙怪獣ベムラーが出現した。
ナレーター「太陽のスーパーフレアにより、世界各地に眠っていた謎のオーパーツ、「スパークドールズ」が実体化し、暴れ始めたのだ。
ロシア。赤色火炎怪獣バニラと青色発泡怪獣アボラスが戦っている。
フランス。凱旋門の前の地面を突き破って、地底怪獣マグラーが出てきた。
中東。油田地帯に油獣ペスターが迫っていた。
シンガポール。冷凍怪獣ペギラが現れ、周囲を凍り付けにしていた。
ナレーター「次々に出現する怪獣や宇宙人に対抗するため、世界各国に組織された特殊防衛部隊、それが「Xio」である」
街で溶鉄怪獣デマーガが暴れ、人々が逃げ惑う。
ナレーター「そして今、地球に未知なる救世主が現れようとしていた」
瓦礫の中、Xioの隊員、大空大地がエクスデバイザーで巨人のスパークドールズをリードし、その名を叫んだ。
大地「エックス――――!!」
とある野原。Xioのラボチームがある実験を行おうとしていた。
テントの中、大地はヘッドホンを耳に当てていた。
そこに、ラボチームの三日月マモルと高田ルイが来た。
ルイ「あーまたサボってる」
マモル「大地、こっちはスタンバイOK」
ルイ「ホラ早く」
大地「ここさ、山の中だから良く聞こえるんだよね、星の声。地球には宇宙から大量の電子が降り注いでいる。それを音に変換して解析すれば」
マモル「宇宙誕生の謎を解き明かす事だって出来る」
ルイ「よく飽きないよね。生の電波受信機、もうボロボロじゃん」
マモル「さぁ実験、実験!」
ルイ「はーい」
大地は古代怪獣ゴモラのスパークドールズを持っていた。
大地「今日こそ頼むぞ、ゴモラ」
大地が携帯端末ジオデバイザーにゴモラをモチーフとした怪獣のカードを挿入した。
ジオデバイザー「サイバーゴモラ、ロードします」
ナレーター「サイバー怪獣。それはスパークドールズをXioのラボチームが解析し、エレクト粒子で怪獣の姿に再現した新たな戦力である。
パラポラアンテナからの電磁波を受けて、サイバーゴモラが実体化しようとする。
大地「よし、行けゴモラ!」
マモル「65%!」
しかし、サイバーゴモラは消滅してしまった。
ルイ「あーあ、駄目だったね」
マモル「粒子定着率、67%。もう少し改良が必要だね」
ルイ「ねー次はもっと可愛い子で試そうよ。この子とか可愛い!絶対可愛いよ!」
ルイはサイバーエレキングの画像を見せた。
大地「ゴモラなら絶対成功する」
「・・・だよな」
15年前。ゴモラのスパークドールズが入ったケースを持った幼い大地が父の大空鷹志に連れられ、母親の遙のいる宇宙電波研究所に来た。
鷹志「大地!あのオーロラが消えるまで、ゴモラをケースから絶対に出すな!」
大地「お父さんは!?」
鷹志「母さんを助けに行ってくるから、絶対にここを動くな!いいな!」
鷹志が宇宙電波研究所に入ったが、その後、宇宙電波研究所が紫色の光の粒となって、消滅した。
大地「父さーん!!母さーーん!!」
ゴモラのケースに付いていたヘッドホンから、音が聞こえてきた。
大地がヘッドホンを耳に当てると、
鳴き声の様な音が聞こえ、頭に宇宙での光の球の戦いの光景が浮かんだ。
太陽の中で赤い球が燃え尽きていき、その中にいた巨人が光の粒子となって、地球へ降り注いだ。
?「ユナイト・・・」
現在。大地の持つゴモラのスパークドールズが震えだした。
大地「ゴモラ?どうした、何が言いたい?」
大地がゴモラのスパークドールズの足の裏をジオデバイザーで読み込んだ。
ジオデバイザー「ダウディクションを起動します。ゴモラ、解析中・・・」
「解析完了しました。驚異、不安、警戒・・・」
大地がジオデバイザーに耳を当てると、謎の声が聞こえてきた。
?「ユナイト・・・」
山中の河原。キャンプに来た若者たちが川に入って、水遊びをしていた。
女「ね、ね、ね!なんか熱くない!」
川が湯立ち始めて、若者たちが川から出た。
男「あつっ!」
若者たちが山を見上げる。
山の頂上では、熱気が立ちこめ、赤い光が漏れ出していた。
Xio日本支部。その中にある道場で、3人の男性隊員と女性隊員、山瀬アスナが組み手を始めた。
男性隊員「ウス!」
男性隊員達が一斉にアスナにかかっていくも、アスナは男性隊員の攻撃をいなし、倒して行く。
そこへ、アナウンスが聞こえてきた。
アナウンス「フェイズ2,フェイズ2。エリアF25で異常を確認。アスナ隊員、ワタル隊員、ハヤト隊員。直ちにオペレート本部へ」
格納庫にいた、風間ワタル隊員と貴島ハヤト隊員も向かった。
司令室では、神木正太郎隊長と橘さゆり副隊長が待っていた。
橘「状況は?」
オペレーターの山岸タケルと松戸チアキが返答する。
チアキ「現在、エリアF24です」
タケル「地上を巨大な熱源が移動中」
神木「ハヤト、ワタルは直ちに出動!空から熱源を追跡せよ」
ハヤト・ワタル「「了解!」
橘「アスナ、あなたは地上でラボチームで調査に当たって」
アスナ「了解!」
アスナの乗るジオアラミスが山の中を走っていた。
アスナ「大地隊員!応答して!大地隊員・・・大地!この非常時に何やってるのよ!!」
大地「アスナ!ブレーキ!」
ジオアラミスが急停車すると、その目の前に火炎弾が当たった。
アスナがジオアラミスから降りた所に大地が来た。
大地「アスナ!無事か?」
アスナ「アスナ隊員と呼びなさい!何今の!?」
大地「ゴモラが教えてくれたんだ。ここに何か居るって!」
地面が震えだした。
大地「熱源が接近中!50メートル、40メートル、30メートル・・・」
アスナ「どっち!?」
大地「上だ!」
山が砕け、砕けた山の中から溶鉄怪獣デマ-ガが現れた。
デマーガは背中から火炎弾を放ちながら、歩き出した。
大地「怪獣出現!タイプG!体長約50m!」
タケル「南南西2,7kmに梅沢市市街地」
橘「住民に緊急避難指示を」
チアキ「了解」
神木「警戒フェイズレベル3、都市警戒指示発令!
進行を食い止めろ!」
アスナ「了解!ジオブラスター出力最大!」
ジオブラスター「ブラスターモード、ターゲットロックオン」
ジオブラスターの射撃がデマーガに当たったが、全く効いてなかった。
ジオブラスター「ターゲットに命中しました」
アスナ「全然効かない!」
そこへ、ハヤトとワタルの乗る戦闘機、スカイマスケッティが機銃でデマーガを攻撃しながら来た。
ハヤト「お待たせ!」
ワタル「お熱いね~お二人さん」
アスナと大地は、デマーガの火炎弾を必死に避けていた。
アスナ「全然熱くないんですけど!」
大地「いや暑いっす!滅茶苦茶暑いっす!あいつの体組織は79%が溶けた鉄です」
アスナ「解析どうも!対抗策は!」
大地「神経と熱源が集中してる頭部の角!そこに攻撃を集中して下さい!」
アスナ「角ね!」
ワタル「ファントン光子砲、発射!」
スカイマスケッティのファントン光子砲とアスナのジオブラスターの射撃がデマーガの角に当たった。
アスナ「よし!」
しかし、デマーガは動きを止めなかった。
アスナ「これもダメ!?」
大地「何て奴だ・・・」
ハヤト「大地!どうすればいい?」
大地「怪獣をスパークドールズにする技術さえあれば・・・」
アスナ「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!」
マモル「エリアF27,梅沢市市街に接近中」
橘「市民の避難を急がせて」
デマ-ガが梅沢市に着いた。
人々が逃げ惑う中、デマ-ガは火炎弾に加え、口からの熱線で街を破壊していく。
神木「何としても怪獣を足止めしろ!」
ワタル・ハヤト「「了解!」」
スカイマスケッティがデマーガを攻撃する。
大地「こいつは!!」
アスナ「何か分かった?」
大地「あいつはデマーガです!」
神木「・・・デマ-ガ・・・」
大地「日本泰平風土記にも記述のある鉄の魔獣です!
『天が妖光を纏いし時、地を燃やす荒ぶる神、天目亜牙目覚めん、泰平の世を焔と共に滅ぼさん』!」
アスナ「神話でしょ!そんな相手とどう戦うって!?」
大地「伝説では、『光の巨人』が封印したとあります!」
アスナ「そんな情報役に立たない!」
デマーガの熱線がスカイマスケッテイをかすめた。
ハヤト「エマジェーシー!冷却ファン停止!!」
橘「一旦引きなさい!」
神木「大地、アスナ!待避しろ!」
デマーガの火炎弾と熱線が飛び交う中、大地とアスナが後退していく。
大地「ゴモラがない!ゴモラ!何処だ!?」
ゴモラのスパークドールズは後ろに落ちていた。
大地「ゴモラ!」
アスナ「大地―――!」
大地がゴモラのスパークドールズを拾ったが、デマーガに見つかってしまう。
?「ユナイト・・・ユナイト・・・」
大地「何だよこんな時に!」
?「ユナイト・・・ユナイト・・・」
デマーガが大地を狙って熱線を吐いた。
アスナ「大地―――!!」
大地「うわぁーーー!!」
大地のジオデバイザーが光りだし、そこから出た光が熱線を防いだ。
ジオデバイザーの画面に巨人の姿が映り、一部が金色に変色し、エクスデバイザーとなった。
そして、エクスデバイザーから出た光が大地を包み込み――――
光が消えた時、そこに銀色の巨人が立っていた。
チアキ「新たな怪獣!いえ巨人が出現!」
大地は巨人の中の空間に来た。
大地「何これ・・・どうなったの?」
巨人「説明は後だ!行くぞ、大地!」
大地「誰?てか・・・何で俺の名前・・・」
大地が自分が巨人の中にいる事に気づいた。
大地「ええ!?何だこれ!?うわ、高っ!俺高い所無理なんだよ!ムリムリムリ!絶対ムリ!」
巨人がへたり込んだ。
巨人「高くない!巨大化したんだ!だから落ちない!」
巨人へデマーガが迫ってきた。
大地「来るなーーー!」
デマーガが巨人の右腕に噛みついた。そこから、放り投げる。
巨人はデマーガの首を掴むも、はね除けられた。
巨人は起き上がるもデマーガ体当たりで吹き飛ばされた。
巨人「こら!しっかりしろ!そんなんじゃ、戦えないぞ!」
大地「はぁ!?戦う!?俺が!?何で!?」
巨人「他にする事があったら言ってみろ!」
デマーガの熱線を受け、巨人はビルを巻き込みながら倒れ込んだ。
大地「あちち!あちいょ!!」
巨人「落ち着け!あの熱線を受けても平気だろ?」
巨人は立ち上がった。
大地「本当だ・・・」
巨人「君と私はユナイトした。心を一つにすればあの怪獣とだって戦えるんだ!」
大地「心を一つにたって!」
巨人「出来る!まずは深呼吸だ」
アスナ「大地!大地―――!」
地上ではアスナが大地を探していた。そこへデマーガがアスナを狙って熱線を放った。
大地「アスナ!!」
巨人がアスナとデマーガの間に入って、熱線を受けた。
アスナ「私を・・・守った・・・」
大地「俺がやったのか・・・?」
巨人「ああ!ファインプレーだったぞ!っ、来るぞ」
大地「何だか良く分からないけど、やれるだけやってみるか!」
巨人「よし行くぞ!大地!」
巨人はデマーガと戦い始めた。
神木「怪獣と・・・戦ってる・・・」
人々が集まり、巨人を応援しだした。
デマーガが熱線を吐くも、巨人はかわし、攻撃を続ける。
しかし、尻尾の一撃を受け巨人は倒れた。その胸にあるカラータイマーが赤く点滅しだした。
巨人「タイムアップか・・・」
大地「何だよ、タイムアップって!」
巨人「これが・・・我々のユナイトの限界の様だ・・・」
ハヤト「冷却ファン復帰!」
神木「ファントン光子砲は使えるか?」
ワタル「可能です!」
神木「あの巨人を援護しろ」
橘「え?」
神木「援護だ!!」
ワタル・ハヤト「「了解!」」
スカイマスケッティのファントン光子砲が当り、デマーガを巨人から離れた。
巨人「頼もしい仲間だな」
大地「あぁ、俺達も行くぞ!」
巨人が立ち上がり、カラータイマーが黄色に変わった。
巨人「よし今だ。行くぞ!大地!」
大地の姿に一瞬、巨人の姿が重なった。
巨人が右腕を上げ、左足を下げて、振りかぶると、
地面にX字の光が浮かんだ。
大地・巨人「「ザナディウム光線!!」」
巨人が腕をX字に組んで放った光線、ザナディウム光線はデマーガに炸裂し、
デマーガが大爆発した。
そして、デマーガのスパークドールズが地面に落ちた。
大地「何だ・・・今の・・・」
巨人「君と私が完全にユナイトした証だ。初めてにしては上出来だな」
巨人が空の彼方へ飛び去っていった。
神木「監視衛星の映像を!巨人の行方を補足しろ!
タケル「消失しました!補足できません!」
大地がデマーガのスパークドールズを拾った。
大地「あの光線でデマーガをスパークドールズにしたのか。お前本当凄い力を持ってるな!」
巨人「正確には君と私の力だ」
大地「お前となら、怪獣を殺さずに捕獲できるのか?」
巨人「このデバイス気に入った。ここにいれば、また君とユナイトできる。よろしくな、大地!」
大地「え!?ずっとここにいるの!?おい!おい!おい!!」
アスナは大地を探し続けていた。
アスナ「大地―――!返事しなさいよ!お願いだから・・・」
そこへ、ワタルとハヤトが来た。
ワタル「アスナ!お前無事か?」
アスナ「それより大地が・・・・」
そこへ大地が来た。
大地「おーーい!おーーーーい!」
ワタル「大地!お前無事だったのかよ!」
アスナ「この馬鹿!死んだかと思ったじゃん!」
大地「助けてくれたんだ。あの巨人が」
大地がデマーガのスパークドールズを見せる。
ハヤト「お前、それどうやって?」
大地「あの巨人の力です」
神木「大地、何者なんだあれは?」
大地「カテゴライズ不能です。Xioのデータベースにも前例の無い未知の超人ですから」
神木「未知の超人・・・」
大地「つまり・・・彼の名は、エックス・・・ウルトラマンエックス・・・」
最終更新:2017年05月08日 22:10