新帝国ギアでは、新兵器の開発が行われている。
ドクターマン「ついに手に入れたぞ!」
モンス「なんだ、こりゃ?」
ドクターマン「反バイオ粒子──」
ファラ「反バイオ粒子?」
ドクターマン「この光が、バイオロボとバイオマンを倒す必殺の兵器、『バイオキラーガン』のエネルギーとなるのだ!」
メイスン「バイオキラーガン?」
ドクターマンの造り上げた新兵器、大型銃・バイオキラーガン。
メイスン「これが……! これさえあれば!」
ドクターマン「これまでの怨みの数々、必ず晴らしてやる!」
その頃、バイオロボは特訓に励んでいた。
新しい技を編み出すために、
バイオマンとバイオロボは常に一体となって
特訓しているのだ。
特訓中のバイオロボのもとに、ピーボからの通信が入る。
ピーボ『大変だぁ! バイオマン、メカジャイガンだ! 出動せよ!』
レッド「バイオロボ、出動!」
イエロー「特訓の成果、見せてやるわ!」
一同「そうとも、その意気だ」「よぉし、行くぞ!」
メカジャイガン・カメレオンカンスの暴れる工場地帯に、バイオロボが到着する。
巨体同士の戦いとなる。
地上でメイスンがバイオキラーガンで狙いを定め、バイオロボの頭に光線が命中する。
途端、バイロボの動きが鈍り始める。
一同「わぁっ! どうした!?」「大変だ、エネルギーが減ってる!」「メカの調子もおかしいぞ!」
ピーボ「もしかしたら……!? は、早く逃げろ!」
イエロー「何言ってんのよ!?」
ピーボ『早く逃げるんだ!』
一同「とは言っても、もう動かないんだよね!」「おい、動いてくれぇ!」
メイスン「バイオキラーガンの威力は大したものだ!」
バイオロボは思うように動けず、カメレオンカンスの攻撃を一方的に浴び続ける。
レッドワンたち5人のバイオマンが、バイオロボから地上に放り出される。
レッド「バイオロボは俺たちだけでもと、助けてくれたんだ!」
メイスンがバイオキラーガンを携え、サイゴーンを引き連れて現れる。
メイスン「そうはいかん!」
レッド「メイスン!?」
メイスン「バイオロボの次は、貴様たちだ!」
メイスンがバイオキラーガンを放つ。
イエロー「危ないっ!」
イエローフォーがとっさに飛び出して盾となり、光線を浴びる。
イエロー「あぁぁ──っ!」
一同「イエロー!」「イエローフォー!」
イエローフォーが倒れ、頭部の超電子頭脳が狂ったように明滅する。
レッド「バイオエネルギーが減ってる!?」
イエロー「み、みんな、気をつけて…… あの銃!」
メイスン「今だ、サイゴーン!」
サイゴーン「サイゴーン…… 不動念力!」
サイゴーンの念力攻撃が、イエローフォーを容赦なく襲い、体が宙に持ち上げられる。
イエロー「あぁぁ──っ!」
さらにメイスンのバイオキラーガンでの銃撃。
レッドワンたち4人は必死にかわす。
イエローが地面に叩きつけられる。
一同「イエロー!」「イエローフォー!」」
メイスン「バイオマンを殺すガン。すなわち、バイオキラーガン!」
レッド「バイオキラーガン!?」
メイスン「反バイオ粒子が詰まっているのだ」
レッド「反バイオ粒子!?」
メイスン「バイオ粒子があれば、必ず反バイオ粒子もあるのだ。500年前、バイオ星が爆発したとき、反バイオ粒子も一緒に宇宙にばら撒かれた。我が偉大なる天才ドクターマン様は、宇宙空間に残ったわずかな反バイオ粒子を集めることに、成功されたのだ。反バイオ粒子は、バイオ粒子のエネルギーを打ち消す。お前たち、バイオ粒子を浴びて強くなったバイオマンは、その能力を失うのだ!」
さらにメイスンの繰り出す銃撃を、レッドワンたちが必死にかわす。
ピーボの操縦するバイオドラゴンが飛来し、地上のメイスンたち目がけて砲撃する。
ピーボ「早く! 今のうちに逃げるんだ! 早く!」
バイオドラゴンが煙幕を張って、一同の逃走を支援する。
さらに、カメレオンカンス目がけて砲撃する。
ピーボ「よし、今のうちに!」
バイオドラゴンがバイオロボを回収し、飛び去る。
メイスン「おのれ、バイオロボ、バイオマン! だがお前たちは、反バイオ粒子には勝てん。今度こそ、必ず息の根を止めてやる!」
バイオマンたちは逃走の最中、イエローとはぐれてしまう。
動物と会話能力を持つ郷が、連絡役のハトに呼びかける。
郷「ハト連絡員002号! 002号、ミカはどこだ!? ──わからないのか、俺の声が!?」
そこへ、仲間たちが駆けて来る。
一同「郷さぁん!」「郷!」
郷「どうだった!?」
ひかる「駄目よ。全然連絡がとれないわ」
郷「俺もだ。ハト連絡員を使って、イエローフォーの行方を捜そうと思ったんだが…… 動物と会話する能力が消えてしまった」
南原「えぇっ!? もしかしたら、もうミカは!?」
高杉「ピーボの奴め! バイオ粒子の力を最も良く引く者だなんて、調子のいいことばかり言いやがって! 何がバイオだ!」
郷「おい、よせ! 俺たちはバイオの力を誇りに思っていたじゃないか! みんなで手分けして探そう。新帝国ギアの目が光っている。充分注意してな。行くぞ!」
一同「おぅ!」
バイオベースの格納庫のバイオロボと、ピーボ。
ピーボ「ミカは戻って来ない…… どうしたんだろう? ねぇ、バイオロボ。ミカは本当に、どうしちゃったんだい? ねぇ、教えてくれよ。君ならわかるはずだ。えぇい、どうして黙ってんだよぉ!? まだ直らないのかい? ……あ、そうか。お前は口のきけないロボットだったんだな。バイオロボ! 生きてんのかい、ミカは!?」
イエローフォーは、ふらつく足で1人、町はずれをさまよっている。
イエロー「はぁ…… はぁ…… 超電子、ホ、ホログラフ!」
超電子ホログラフが空中に映像を作り出すが、すぐに消えてしまう。
イエロー「はぁ、はぁ…… も、もう一度…… 超電子ホログラフ! ズームアップ!」
再びのホログラフ。
空中の映像の中、メイスンがバイオキラーガンを撃つ光景が映し出される。
イエロー「できたわ…… う、うぅ……」
イエローが超電子頭脳を使ったことで、バイオロボが彼女の位置をキャッチする。
ピーボ「はっ、バイオ粒子反応だ! とても弱いぞ…… でも生きてる、ミカは! 方位、370!」
ひかるがピーボからの連絡を受け、イエローのもとへ駆けつける。
ひかる「あっ! イエローフォー! イエローフォー、しっかりして!」
しかしそこへ、メイスンが現れる。
メイスン「見つけたぞ! 反バイオ粒子は、バイオ粒子のエネルギーを消してしまうのだ。バイオキラーガンからは逃げられんのだ! 桂木ひかる! 次はお前だ!」
イエロー「ひかる!」
バイオキラーガンが発射される。
イエローが飛び出し、ひかるをかばって光線を浴びる。
イエロー「うわぁぁっ!」
ひかる「イ、イエローフォー!?」
弱り切ったイエローを、ひかるが必死にかばって逃げようとするが、メカクローンたちに囲まれてしまう。
そこへ、郷たちがバイオマッハ、バイオターボで駆けつける。
一同「早く乗るんだ!」「さぁ、急いで!」
ひかるたちを助け、一同がその場を走り去る。
メイスン「逃がすものか」
ひかる「また、あなたに助けられたわ……」
イエロー「ち、違う…… 停めて……」
高杉「えぇっ!?」
一同が停車し、イエローが外に降りる。
一同「おい、しっかりしろ!」「どうした、イエローフォー!?」
イエロー「うぅ、うぅ…… 超電子…… ホロ……グラフ!」
空中に、メイスンがバイオキラーガンを撃つ映像が投影される。
映像の中、銃のタンクに光るエネルギーが、次第に減ってゆく。
イエロー「見て、バイオキラーガンを…… エネルギーが減っていくわ」
郷「今のは反バイオ粒子のエネルギー? ということは、半分から4分の1に減っているということか!」
映像が消える。
イエロー「うぅっ!」
郷「大丈夫か!?」
イエロー「わかった? これを調べたかっただけなの……」
ひかる「嘘! (私に余計な想いをさせまいと……)」
メイスンとサイゴーンが現れ、さらにメカクローンたちが一同を取り囲む。
メイスン「バイオマン! もう逃げられんぞ。完全に包囲した。ここが貴様たちの地獄だ!」
サイゴーン「サイゴーン不動念力!」
サイゴーンの念力攻撃が、一同を襲う。
一同「行くぞ!」「おぅ!」
郷「レッドワン!」
郷たちが変身し、バイオマンとなる。
しかしイエローはもはや、立つことすらおぼつかない。
一同「イエローフォー!?」「しっかりして!」
メイスンがバイオキラーガンを構える。
イエロー「危ない!」
レッド「イエローフォー、俺たちに任せろ!」
イエロー「危なぁい!」
イエローが渾身の力で一同を突き飛ばし、自ら銃撃を浴びる。
イエロー「ああぁぁ──っっ!?」
一同「イエローフォー!?」「イエローフォー!?」
イエロー「わ、私はもう駄目なの…… 自分の身体は、自分が一番良く知っているわ……」
メイスン「おのれぇ、これでもか!」
イエロー「ああぁぁ──っっ!?」
一同「イエローフォー!?」「しっかりしろ!」「しっかりするんだ!」
イエロー目がけての連射の末、バイオキラーガンから撃ち出される光線がやむ。
メイスン「はっ、切れたか? チッ!」
イエロー「反バイオ粒子、使い切らせたわ……」
一同「イエローフォー!」「しっかりしてくれ!」
サイゴーン「サイゴーン、火炎爆弾! 死ね、イエローフォー!」
イエローが、サイゴーンの攻撃をまともに浴びて、炎に包まれる。
イエロー「ああぁぁ──っっ!?」
ついに倒れたイエローに、一同が駆け寄る。
一同「イエローフォー!!」「イエローフォー!!」「しっかりしろ!」
イエロー「バ、バイオの力は…… まだまだ、体の奥深くに眠っているわ…… みんな、バイオに授かった力を信じて……」
一同「イエローフォー!!」「イエローフォー!!」「しっかりしてくれ!」
メイスン「1人でも倒せばこっちのものだ。もはやバイオマンなど、恐れるに足りん」
レッド「4人でも戦ってみせる! 見ていてくれ、イエローフォー! レッドワン!」
グリーン「グリーンツー!」
ブルー「ブルースリー!」
ピンク「ピンクファイブ!」
メイスン「1人足りないバイオマンなど、敵ではない! かかれぃ!」
レッド「行くぞ!」
一同「おぅ!」
襲い来るメカクローンの大群を、バイオマンたちが次々に蹴散らす。
一同「バイオキック!」
とどめの4人同時の必殺キックが、メカクローンたちを一掃する。
サイゴーン「サイゴーン火炎放射!」
サイゴーンの火炎を浴び、4人は高熱に苦しむ。
しかし4人は、炎をまともに浴びながらも、果敢に突き進む。
ピンク「うぅっ…… イエローフォーのことを、想えば……!」
サイゴーン「そんな馬鹿な!? 熱くないのか!?」
レッド「レッドワン・ファイヤーソード! 怒りの炎となれぇ!!」
レッドワンの渾身の剣撃が決まる。
サイゴーン「グァァ──ッッ!?」
メイスン「カメレオンカンス、踏み潰せ!」
メカジャイガン・カメレオンカンスが再登場する。
そこへ、ピーボの操縦するバイオロボが飛来する。
レッド「バイオロボ!」
ピーボ「みんな、バイオロボで戦うんだ! イエローフォーは?」
レッド「ピーボ、イエローフォーを頼むぞ!」
ピーボ「わかった!」
一同「行くぞ!」「おぅ!」
ピーボに代り、レッドワンたち4人がバイオロボに乗り込む。
バイオロボとカメレオンカンスの再戦が始まる。
戦いの最中、カメレオンカンスが姿を消す。
レッド「スーパーメーザー・スーパーフラッシュ!」
バイオロボの閃光が、姿を消したカメレオンカンスをあぶり出す。
地上ではピーボが、倒れているイエローのもとへ駆け寄る。
ピーボ「イエローフォー! しっかりしろ! みんな戦ってるぞ。しっかりするんだ、ほら!」
一同「みんな、思い出せ! みんなで特訓した技を!」「よぉし!」「スーパーメーザー、十文字斬り!」
新必殺技・十文字斬りが炸裂する。
カメレオンカンスが十字に切り裂かれて大爆発──。
戦いには勝利したが、犠牲はあまりにも大きい。
変身を解いた郷たちが、イエローの亡骸に花々を捧げる。
ピーボ「死んじゃったぁ…… イエローフォーが死んじゃったぁ……」
ひかる「ミ、ミカ……」
イエローの胸にひかるが顔をうずめ、涙をあふれさせる。
一同を見下ろすバイオロボの目が明滅する。
それに呼応するように、イエローの超電子頭脳が明滅する。
ひかる「……い、生きてる!? イエローフォーは死んじゃいないわ!」
超電子ホログラフが作動する。
空中に投影された映像の中で、ミカが笑顔で手を振っている。
ひかる「ミカ……!」
郷「お別れだ…… ミカが、さよならと言ってるんだ……」
一同が目に涙をため、映像の中のミカの姿を見つめる。
高杉「泣くなよ…… 見ろ、笑ってる…… 笑ってるじゃないか」
南原「あぁ…… ミカの死を乗り越えて、戦えと言っているんだ……」
バイオロボも、イエローフォーの死を悼んだ。 バイオマンは、4人になってしまった。 果たして新帝国ギアの攻勢に、 どう立ち向かうのであろうか?
超電子バイオマン、試練の道を乗り越えろ!
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最終更新:2014年01月23日 04:30